ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 この小説は、『ゼンレスゾーンゼロ』と『仮面ライダーゼッツ』とのクロスオーバー作品となっております。

 ゼッツでの設定などをゼンゼロの世界観に合わせたものにしているので、もしかしたら違和感などがあるかもしれませんが、楽しんでいただけると幸いです。

 それでは、どうぞご覧ください。



第0章 伝説×銀騎士
Case1 終わる


 

 『……被検体No.4。システムを起動しろ』

 

 とあるホロウの近くにある研究施設で、極秘の試験が行われていた。

 

 「……了解」 

 

 研究者たちがモニター越しに目を向けているのは、試験場の真ん中に立っている病院で患者が着るような服を着て、首からは白のドッグタグを下げており、右手には白いベルトのようなものを持ったシリオンの少年だった。その少年は色が抜け落ちた後のような白く肩の辺りまで伸びた髪を持ち、シリオン特有の耳と尻尾もあった……が、そんな少年の目には光が無かった……。

 少年は研究者の命令に従い、黙って白いベルトを腰―――――ではなく胸に巻いた。それから少年は、左手に持った銀色のカプセルをベルトの中心に空いている穴に装填する。それから、ベルトにあるレバーを押すと……

 

 「イレイス!」

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 そんな音声が流れ始めたのだ。音声が流れる中、少年は……

 

 「………擬装」

 

 そう言葉を発し、ベルトに装填したカプセルのようなものを回転させた。すると……

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 少年の身体が白い霧に包まれてベルトだけの姿になった後、回路のようなオレンジ色のラインがベルトを中心に伸びていき……

 

 「イレイス!」

 

 銀色のスーツの上にオレンジ色のライン、ラインと同じ色の複眼にそれを覆うように角型のパーツが付けられた。

 

 『フェーズ1クリア。続いてフェーズ2へ移行せよ』

 

 それを見た研究者はボタンを操作し、試験場にあるシャッターを開いた……その先はホロウに繋がっており、エーテリアスも目に見えるだけで数体はいたのだ。そんな光景を見て、普通ならば恐れをなしてすぐさま逃げるか、少年ほどの年齢であれば泣いてしまうのだが……

 

 「……」

 

 少年―――否、銀の戦士は、何てことないようにエーテリアスへ向かって進んでいく。

 

 『GyAAAAAAAAAAA!!』

 

 エーテリアスたちも歩いてくる銀の戦士を視界に入れたのか、すぐさま襲い掛かってきた……が、

 

 「っ!」

 

 『!?』

 

 銀の戦士は迫りくるエーテリアスのコアを狙い、その拳を振り抜いた。その攻撃は見事にコアに直撃し、攻撃を受けたエーテリアスはそのまま消滅していった。

 

 『ほう……戦闘能力は申し分ない。むしろ期待以上だ』

 

 銀の戦士は近づいてくるエーテリアスに対して徒手空拳で戦闘を続けており、次々とエーテリアスを撃破していた……だが、向かってくるエーテリアスの数は段々と増えてきていた。それを見て……

 

 「イレイス!」

 

 銀の戦士はベルトのカプセルを回転させると、その手をエーテリアスへと向けた。すると、銀の戦士の手に触れたエーテリアスは触れた部分から消滅していき、続けて触れたエーテリアスも次々と消滅していったのだ。さらに……

 

 『GyA!?』

 

 「カリバーモード!」

 

 銀の戦士はどこからともなく取り出した剣型の武器で、近距離にいるエーテリアスを次々と倒していき……

 

 「ランチャーモード!」

 

 遠距離にいるエーテリアスには、武器の刃の部分を組み替えて銃型へと変形させることで、狙撃によって撃ち抜いていった。そこに……

 

 『GyAAAAAAAA!!』

 

 「……」

 

 大型のエーテリアスが現れたのだが、銀の戦士はうろたえることなくベルトからカプセルを取り外すと、武器にあるソケットに装填した。そして、装填したカプセルを回転させると大型のエーテリアスに狙いを定め……

 

 「ブレイカムキャノン!」

 

 『GyA!?』

 

 放った光線でコアを一撃で撃ち抜き、そのまま消滅させたのだ。そして、辺りのエーテリアスを全て討伐したのか……

 

 『試験終了。被検体No.4は速やかに帰還せよ。繰り返す―――』

 

 試験終了のアナウンスが流れたのだ。それを聞いた銀の兵士は、最初の試験場へと戻って行った。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「おい4番、さっさと入れ」

 

 「っ……」

 

 試験終了後、少年は兵士に身体を乱暴に蹴られながら、檻のある部屋へと入れられていた……その部屋には簡易的なベッドやトイレなどがある独房のようになっていた。

 この場所は少年のような被検体が集められており、実験体として厳重に管理されている。ただ、少年以外の被検体はほとんどが実験に耐え切れずに死んだか捨てられていたのだ。実験体の中でも少年はエーテル耐性も高く、システムを使いこなす適正が誰よりもあった……が、

 

 「っ!ごほっ!ごほっ!」

 

 その身体にも限界が近づいていた。さらには様々な薬の実験を長く受けてきた影響なのか、最近は咳き込んだり不調をきたすことが多くなっていた。

 

 「はぁ……はぁ……!」

 

 立っているのがつらくなったのか、少年は近くにあるベッドに転がり、意識を失うようにそのまま眠りについた……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 一方、研究者たちは今回の試験で得られたデータを見ていた。

 

 「ようやくだ……ようやく実用化まで漕ぎ着けたぞ……!」

 

 どうやらデータが良い数値を示していたらしく、この研究のリーダー的存在の男が喜びの声を上げていた。

 

 「これを量産すれば、デメリットなしで兵士を強化可能だ……そして、軍での我々の地位も……!」

 

 「新型の実験はどうするんだ?」

 

 「引き続き4番にやらせる。今までの実験体よりも能力が最も高いからな……まぁ、あれはこいつを完成させるための実験体だ。新型の実験で壊しても構わんだろう」

 

 「あれは侵蝕される代わりに力を発揮する機構だからな……まぁ壊れても、代わりなんてものはいくらでもいる」

 

 先程少年が使っていた白いベルトの他にも、別種類のベルトの開発が進められているらしいが、その実験で研究者たちは少年を使い潰すつもりらしい……。

 

 「だが、新型の適合者は今現在、4番しかいないのだろう?貴重な被検体を無駄にするわけにはいかない」

    

 「その通りだ。代わりの適合者が見つかる確証も―――」

 

 反対に少年のことを貴重な実験体とし、慎重に扱うという意見を出す者もおり、それをきっかけに研究者同士で議論をし始めていた………その時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『緊急事態発生。緊急事態発生』

 

 『!?』

 

 突然、異常を知らせるアナウンスと同時に、施設内のアラームがけたたましく鳴り響いたのだ。

 

 「な、何事だ!?」

 

 「ホロウの活性が急に上がった!ここも飲み込まれるぞ!」

 

 「そ、そんな馬鹿な……!」

 

 研究者たちは慌てふためきながら、すぐさま完成した白いベルトや新型のベルトなどの研究資料やその成果をケースに入れ、それらを持って逃げ始めた……が、

 

 「おい!早く非常口に―――」

 

 「ダメだ!あっちは瓦礫で塞がっている!」

 

 「もうすぐそこまでエーテリアスが来てるぞ!」

 

 逃げ道は既に塞がれており……

 

 「くっ………こうなったら……!」

 

 すると1人の研究者が少年のいる檻の前に来て、その扉を乱暴に開けると……

 

 「おい4番!命令だ!私たちを守れ!エーテリアスを殲滅しろ!!」

 

 白いベルトを押し付け、自分たちを守るように命令したのだ。

 

 「……了解」

 

 少年は命令に従い、再び白いベルトを胸の辺りに付けると……

 

 「イレイス」

 

 「オ・オ・オンユアマーク オンユアマーク」

 

 「……擬装」

 

 「インヴォークナイトシステム」

 

 「イレイス」

 

 銀の戦士へと姿を変え、エーテリアスとの戦闘を開始した。

 

 『GyAOOOOOOOOOO!!』

 

 「っ!」

 

 『GyA!?』

 

 「よし、今のうちだ!」

 

 「実験体を失うのは痛いが、研究成果がなくなるよりはましだ!」

 

 研究者たちは銀の兵士が戦っているうちに、自分たちだけ逃げようとしたが……

 

 『GyAAAAAAAAA!!』

 

 「ひっ……!?」

 

 既に施設はホロウに巻き込まれていたのか、何体ものエーテリアスがこちらに迫りくるのが見えた。研究者たちは即座に逃げようとしたが……

 

 「う、うわあああああ―――」

 

 「た、助け―――」

 

 逃げられるはずもなく、エーテリアスに殺されてしまった。

 

 「カリバーモード!」

 

 『GyA!?』

 

 銀の戦士は剣を振るいエーテリアスを殲滅していく。

 

 「く、くるな!くるなぁああああああ!!」

 

 「ランチャーモード!」

 

 『GyA!?』

 

 その途中でリーダーの男が殺されそうになったが、銀の戦士は武器を銃型に変えると素早くエーテリアスを撃ち抜くことで助けた。

 

 「よ、よくやった!そのまま私を守れ!」

 

 「……了解」

 

 「こんなところで終われるものか……この私の才能が、この世から失われるわけにはいかないのだ……!」

 

 リーダーの男がぶつぶつ何か言っていたが、銀の戦士はそれに耳を傾けることなく、ただただ命令通りにエーテリアスを殲滅していく………が、敵の数が圧倒的に多いのか、徐々に押されていってしまう………そして……

 

 『GyAAAAAAA!!』

 

 「っ!?」

 

 「なっ!?」

 

 死角からの攻撃によって、変身解除に追い込まれてしまった。少年はそのまま吹き飛ばされ、地面を転がった……。

 

 『GyAAAAAAAAA!!』

 

 「い、いやだ!いやだぁああああああ!?誰か助けてくれ!!助けてく―――」

 

 リーダーの男は涙を流しながら助けを求めたが、エーテリアスに心臓を刺されて死んでしまった。 

 

 「っ……」

 

 少年も立ち上がろうとしたものの……

 

 「っ!?ごほっ!ごほっ!」

 

 咳き込んでしまい、その場に膝をついてしまう。

 

 『GyAAAAAAAAA!!』

 

 『GyAOOOOOOOOOO!!』

 

 動けなくなった少年に向け、ゆっくりとエーテリアスがとどめを刺そうと迫ってくる。すると……

 

 「!」

 

 少年の視界に、先程までリーダーの男が持っていた新型のベルトや研究資料の入ったケースが入った。

 

 『GyAAAAAAAAA!!』

 

 「っ!」

 

 少年はギリギリでエーテリアスにの攻撃を避けると、ケースのある場所に駆け出した。そしてケースを確保した少年は、すぐさま近くの物陰に隠れてケースを開けた。そこには白をベースとし、中心には2つの窪みがあり、オレンジと青のラインが入ったベルトが入っていた。さらにその隣には、紫色のカプセルと同じ形状の黒いカプセルがいくつか入っていたが、そのカプセルは少年が銀の戦士に変身する時に使うものとは、大きく形状が異なっていた。

 少年は紫色のカプセルを手に取ると、それに付いている黒いボタンを押した。

 

 「シャドウ!」

 

 「っ!?ああああああああああ!!?」

 

 ボタンを押した瞬間、少年はその身体に紫の謎の模様を浮かび上がらせ、声を上げて苦しみ始めた。その声が聞こえたのか、エーテリアスは少年に向かってなだれ込んできた………が、

 

 「ああああああああ!!」

 

 『!?』

 

 少年の影から突如、青黒い煙をまとった手のようなものがいくつも出現し、一瞬のうちにエーテリアスを次々と倒していった。それは少年の周りのエーテリアスではなく、研究所に侵入したエーテリアス全てを1匹残らず仕留めたのだ………が、エーテリアスを倒した後も影から出てきた手は消えることなく暴れ回り、研究所を破壊していった。少年も逃げることは叶わず、その破壊に巻き込まれてしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、研究施設を飲み込んだホロウには極秘の軍が派遣され、研究資料などの回収を行おうとしたが……

 

 「隊長!」

 

 「!見つかったか?」

 

 「そ、それが―――」

 

 そこには瓦礫の山が残っているだけで、研究資料やその成果であるベルトなどを発見することは出来なかったという……このホロウ災害によって研究は凍結。その後の研究として、クローン兵士の研究が進められたというが、真偽は不明である………それから数ヶ月後、インターノットである噂が広まっていた。

 

 「お兄ちゃん、見て!」

 

 「なんだい、リン?」

 

 「これ……」 

 

 「なになに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ホロウを彷徨う銀騎士……新エリー都のダークヒーロー』……?

 

 

 

 

 

 





 ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

 主人公ことシリオンの少年が変身するのは、ノクス関連のライダーとなります。名前はこの章の話の中で明かしていきます。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。


 
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