ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 今回は、ノクスと猫又たちがデッドエンドホロウに入ったところからになります。

 それでは、どうぞご覧ください。



Case10 連れる

 

 デッドエンドホロウに入ってから数分、ノクスと猫又はリンの案内通りにホロウの中を進んでいた。

 

 「ん?この電車は一体……プロキシ、あたしたち道を間違えてない?」

 

 『猫又、君たちの進路は間違っていないよ。見たところ、この車両は外的な力で破壊されている……おおかた、エーテリアスが投げたんだろう』

 

 「うにゃっ!恐ろしい馬鹿力だ……」

 

 『次の目的地は車両の向こう側だ。何とかして行けそうかい?』

 

 「あたしだけなら、ギリギリ下をくぐっていけるけど、ボンプを連れて行くのは無理。しかも、この辺りは地盤沈下のせいで深い穴だらけだから、回り込むこともできないぞ」

 

 すると……

 

 「なら、無理にでも退かすしかないか……」

 

 ノクスがインパクトカプセムを取り出し、自身の力を上げて電車を退かそうとした……その時、

 

 「あ、あの、えっと……」

 

 『!』

 

 電車の向こう側から声が聞こえてきたのだ。

 

 「んにゃっ!?今、誰か喋った……?まさか、電車が!?」

 

 「いや、明らかに人でしょ」

 

 「電車さん!あたしたち急いでるの。ちょっとだけでいいから、そこをどいてくれない?」

 

 「聞いてないし……」

 

 ノクスの声が聞こえていないのか、猫又は声の主が電車だと思っているようで、そんな風に話しかけていた。

 

 『猫又ったら……向こうに誰かいるんでしょ?』

 

 『緊張をほぐしたいのは分かるけど、向こう側のお嬢さんをあまり怖がらせないようにね』

 

 「あ、あの……皆様は、ホロウ調査協会の調査員様ですか?」

 

 電車の向こう側にいる少女は、ノクスたちのことを調査員と勘違いしているようだ。それを聞いたリンは……

 

 『相手の名前を聞く前に、まずは自分から名乗るのが業界のルールだよ』

 

 「えっ?そ、そうなんですか?ごめんなさい、そのようなルール……存じ上げておりませんでした……えっと……私はカリン、家事代行業者の従業員です。星座は双子座、血液型はRh-、好きなことはお掃除、市民ナンバーは――――」

 

 「待ったストップ、そこまで詳しく言うはないよ……それで、カリンさんはどうしてデッドエンドホロウに?」

 

 事細かに名乗る少女――――カリンのことをノクスは止めると、そもそも何故家事代行業者の従業員であるカリンが縁の無さそうなホロウにいるかについて質問した。

 

 「つ、ついさっき、危険なエーテリアスを避けて通ろうとしましたら、同行していた皆さんとはぐれてしまったんです!私は『キャロット』データを所持していなくて……調査員の御三方なら、きっとホロウから脱出するルートをご存知ですよね?ど、どうか私も連れて行っていただけませんか?」

 

 (危険なエーテリアス……まさか、デッドエンドブッチャーのことかな……)

 

 「ホロウで道に迷った一般人、か……それにしても、家事代行の人なんかがどうして危険なホロウなんかに……?どうする?あのコを助けてあげる?」

 

 『……ノクス、君の力で電車をどけることは可能かい?』

 

 「安全を考慮しなければ、の話になるけどね……カプセムの力でできるけど、それだとカリンさんを巻き込む可能性もある」

 

 ノクスが言う方法は、先ほどやろうとしていたインパクトカプセムで電車を力づくでどけるというものだが、向こう側のカリンに何かあってはいけないと考えたのか、その方法を渋ったのだ。

 

 『そうか……もし向こう側に行けなかったら、確実に計画の時間に間に合わなくなる』

 

 すると……

 

 「あ、あの!勝手に聞き耳を立ててすみません……も、もし私が御三方を車両のこちら側までお招きできれば、そのまま調査員様について行ってもよろしい、ということでしょうか?」

 

 話を聞いていたカリンが、そう声をかけてきた。どうやらカリンには、何か思いついた方法があるようだ

 

 「にゃ?私たちがそっち側に行く方法があるの?」

 

 「だ、大体そんな感じです。ちょっとだけお待ちください!すぐに済みますので!」

 

 カリンがそう言った直後……

 

 「下から来るのか――――ってにょわあ!!ヤな音だ!」

 

 突然向こう側から、チェーンソーの音が聞こえてきたのだ。

 

 「一体何して――――」

 

 「離れて!」

 

 「にゃあ!?」

 

 ノクスがそう言って猫又を電車から遠ざけた途端、電車から丸鋸が飛び出してきたのだ。その丸鋸は電車のドアの部分を切り裂き……

 

 「んしょ―――!うん、破れてない……あっ!お、お待たせいたしました!はじめまして!」

 

 そこから、メイド服を着たツインテールの少女――――カリンが出てきたのだった。それから互いに挨拶を交わしたのだが…… 

 

「えっ?先程からお話させていただいたのは、こちらのボンプ様だったのですか……?あっ!す、すみません!ボンプ様のご身分を疑っている訳ではなくて――――って、そちらはもしかして銀騎士様!?」

 

 カリンはノクスの方を見ると、新エリー都ではすっかり有名になった銀騎士であることにすぐに気付いたのだ。

 

 『すっかり有名になっちゃったね?』

 

 「そんなつもりないんだけど……まぁそれよりも、そっちもただの一般人には見えないけど……何者なの?」

 

 ノクスが少しだけ警戒しながらそう訊くと……

 

 「すみません……その、弊社は幅広い分野でビジネスを展開していまして、中にはホロウ関連の業務もあるんです」

 

 『へぇ……』

 

 「……今はそういうことにしておこうか」

 

 カリンの言葉を聞いて、今は一先ずそれで納得しておくことにした。

 

 「そ、そうだ!調査員様は先をお急ぎなんですよね?き、きっと道中お役に立ちますので、どうか私をホロウから連れ出してください!お、お願いします!」

 

 そう頭を下げて頼むカリンに対し……

 

 「あんたたちはどう思う?この子が電車を壊してくれたから、もう迂回する必要もないよね?」

 

 『まあ……無理なお願いでもないし、大丈夫だよ』

 

 『あぁ、僕も妹と同意見だ。彼女を出口に連れていくのは構わないけど……一応、見ず知らずの人だからね。お互い隠したい事情もあるだろう……ノクスもそれでいいかい?』

 

 「構わないよ」

 

 そうして、パエトーン側の全員の意見が一致し……

 

 「よし!カリンちゃん、あたし達についてきてもいいぞ!その代わり、余計なお喋りはナシってことでいい?」

 

 「は、はい!よろしくお願いします!」

 

 カリンを出口まで送り届けることになるのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 カリンも加えたノクスたちは順調に道を進んでいたが……

 

 「――――来るよ!」

 

 『!』

 

 そこにエーテリアスの群れが襲いかかる。だが、ノクスの索敵能力のおかげで、全員エーテリアスの奇襲を回避することに成功した。現れたエーテリアスは雑魚が数体と、巨大な腕を持ったエーテリアスが2体だった。その姿を見たノクスは……

 

 「左は任せたよ」

 

 「ショック!」

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 「にゃ!?ちょっと!?」

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「ショック!」

 

 ショックカプセムをインヴォーカーに装填し、ノクスナイト・ショックへと姿を変えた。

 

 「カリバーモード!」

 

 それからブレイカムバスターを持って駆け出し、巨大な腕を持ったエーテリアスたちのいる方へと向かっていく。

 

 「ひ、1人で大丈夫なのか!?」

 

 『心配ないよ、ノクスは強いから!今はエーテリアスを倒すことに集中して!』

 

 「わ、分かった!」

 

 猫又とカリンの2人も、ノクスに続いてエーテリアスを倒すために駆け出していった。

 

 「にゃあっ!!」

 

 「えい!やぁ!!」

 

 猫又とカリンは初めて会ったとは思えないそのコンビネーションで、エーテリアスたちをそれぞれの武器で次々と撃破していく。

 

 「しっ!」

 

 『GyA!?』

 

 ノクスは巨大な腕による攻撃を受け止めるのと同じタイミングで、バスターに電撃を乗せてエーテリアスたちに向かって振るった。その攻撃によってバスターの攻撃力に電撃が乗せられ、エーテリアスたちは吹き飛ばされて地面に倒れた後、全身が痺れているかのように動けなくなってしまっていた。

 ノクスは素早くバスターにショックカプセムを装填し、それを回転させると構えを取り……

 

 「ブレイカムバースト!」

 

 「はぁっ!!」

 

 地面に思い切りバスターを突き立てたのだ。すると、電撃がエーテリアスのうちの1体に向かって駆け巡り……

 

 『GyAAAAAAAAAA!?』

 

 それがエーテリアスを直撃し、そのまま撃破することに成功した。さらにノクスは、インヴォーカーのレバーを3回押してから、装填しているカプセムを回転させた。その直後、ノクスの右手に電撃が徐々に溜まっていく。

 

 『GyAAAAAAAAAA!!』

 

 痺れから解放されたもう1体のエーテリアスは、自身に背中を向けているノクスに向かってその巨大な腕を振るうも……

 

 「終わりだ」

 

 「ショック――――フェイタル!」

 

 『GyAAAAAAAAAA!?』

 

 エーテリアスの攻撃を避けながら、衝撃波を乗せたカウンターパンチを食らわせ、もう1体のエーテリアスも撃破したのだ。

 

 「す、凄い……あっという間に強そうなエーテリアスを……」

 

 「……!」

 

 そんな光景を雑魚のエーテリアスを倒し終わっていた2人は、驚いた様子で見ていた。それからエーテリアスの群れを撃破し、ノクスたちは目的の場所へと進んでいく。

 

 「……」

 

 「えっと……カリンちゃん?余計なお喋りはなしって言ったけど、別に一言も喋っちゃダメとは言ってないぞ」

 

 「えっ?そ、そうだったのですか?すみません、勘違いしていました……!」

 

 そんなやり取りをしていると……

 

 『注意。半径百メートル以内にホロウの出口を確認。旅のお供、家事代行会社の従業員、カリンの依頼を達成可能』

 

 Fairyから、出口が見つかったとの知らせが入った。

 

 「ん?パエトーン、何か言ったか?」

 

 「出口が見つかったんだよ」

 

 「ほ、本当ですか?出口が見つかったんですね?よ、良かった……!」

 

 それを聞いたカリンは、安堵の表情を浮かべた。

 

 「あの……ほ、本当にありがとうございました!調査員様のお力がなければ、カリンはきっとこのホロウを永遠に彷徨っていました!」

 

 「それはお互い様だぞ。カリンちゃんのチェーンソーのおかげで、安全に時間をずっと短縮できたんだから!」

 

 「あ、ありがとうございます……その……ぼ、ボンプの調査員様には初めてお会いしました!よ、よろしければ、御三方のお名前を教えてはいただけませんか?今度、従業員一同でお礼に伺いたいんです!」

 

 カリンはそう言ってくれたが、ノクスたちの正体がバレるわけにはいかないため……

 

 「気にしないで!ホロウでは持ちつ持たれつ、でしょ?機会があったらまた会おう!元気でね、カリン!」

 

 「バイバイ、カリンちゃん!」

 

 「気を付けて」

 

 そう言って送り出すことにした。カリンはその言葉を疑わずに深々とお辞儀した後、ホロウの出口へと向かっていった。

 

 

 

  

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 今回はノクスナイト・ショックを活躍させてみましたが、いかがだったでしょうか?

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。

今後投稿するストーリーは、原作の順番通りに全部を書いた方が良いか、レイヤに関係する話を中心に書いて行くほうがいいか、どちらがいいでしょうか?

  • 全部書く!
  • レイヤの話を中心に!
  • 作者に任せる!
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