ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 今回でプロローグとなる第0章は終わりとなり、次回から原作に入っていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。



Case4 始まる

 

 レイヤが兄妹と暮らし始めてから3週間、この日兄妹はある依頼をこなそうとしていた。

 

 「ねぇ、本当に行くの?」

 

 「大丈夫、このくらいで実験は中断されなかったし。エーテル侵蝕への耐性はもちろん高いから」

 

 「それは研究所での話だろう?それに高い低いにかかわらず、無理はしない方がいいと思うんだが……」

 

 それはホロウに落ちた大富豪の大事なものを探す依頼だったのだが、本人の強い希望でレイヤもついていくことになった………兄妹は物凄く心配しているが。

 

 「それに早く感覚を取り戻さないといけないし、邪兎屋のみんなも一緒なんでしょ?」

 

 「それは……そうだけど……」

 

 今日のは元々、邪兎屋に依頼されたもので、他の人もいるということから、レイヤは依頼に同行することにしたのだ。

 

 「プロキシ、来たわよ―――って、レイヤ!?もう大丈夫なの?」 

 

 「おぉ!レイヤが元気そうで良かったぜ!」

 

 「うん、回復したようで何よりだわ」

 

 そこに丁度、邪兎屋の3人が入ってきてレイヤがもう動けるようになったことに驚いたり安心したりしていた。

 

 「あれ?あんたたちどうかしたの?」

 

 「そ、それが―――」

 

 リンが3人に、今の状況を説明すると……

 

 「2人ともすっかりブラコンね……気持ちは分かるけど―――大丈夫よ?何かあったら、私たちが何とかするから」

 

 「それに、レイヤは銀騎士なんだぜ!」

 

 「私から見てもレイヤは充分に戦えてるし……むしろ私よりも戦闘慣れしてるわ」

 

 邪兎屋の3人は、レイヤのことを任せて欲しいと言ってきたのだ。

 

 「そこまで言うなら……」

 

 「……仕方ない。レイヤのこと、よろしく頼むよ」

 

 「ふっふっふっ……このニコ様にどんと任せておきなさい!」

 

 「ニコ、調子に乗ってるわね」

 

 「ま、俺たちでフォローしてやるか!」

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 ホロウの前に辿り着き、リンもイアスと同期した後……

 

 『それでレイヤ………これ、どうやって使うの?』

 

 「……ナイトインヴォーカーを?」

 

 「ナイトインヴォーカー……それがこれの名前なの?」

 

 「研究者たちは、これをそう呼んでた」

 

 アンビーにそう答えた後で、レイヤは白いベルト―――ナイトインヴォーカーを胸に巻いた。そして……

 

 「イレイス!」

 

 銀色のカプセルのようなもの―――イレイスカプセムをヴォーカーにセットして、レバーを押した。

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 すると、ヴォーカーから待機音が流れ、レイヤは左手を開いて手の甲を見せるようにしてゆっくりと顔の横に持っていき……

 

 「……擬装」

 

 掛け声を発して、ヴォーカーにセットしたカプセムを左手で回す。

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「イレイス!」

 

 それから一度レイヤの姿が消え、ベルトのみが見える状態になった後、銀色のスーツにオレンジ色のラインが走ることで銀騎士への擬装が完了したのだ。

 

 「へぇ……中々凄いじゃない!」

 

 「うおおおおお!カッケーー!!」

 

 「うん、それにやっぱり綺麗ね」

 

 邪兎屋はそれを見て、各々の感想を述べていたが……

 

 『そういえばさ………この姿の時の名前って、正式にはなんて言うの?』

 

 リンがそんな疑問を投げかけたのだ。

 

 「名前?名前は確か……『Soldier No.X』って呼ばれてた」

 

 レイヤはそう言ったのだが……

 

 「うーん………!折角だし、新しいの考えようぜ!」

 

 「いいわね、それ」

 

 ビリーがそう言い出したことで、『銀騎士』に変わる新しい名前を決めることになったのだ………が、

 

 「うーん………いいのが思い浮かばないわね……」

 

 中々、しっくりくるものが思い浮かばないでいた。すると……

 

 「あっ!じゃあ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ノクスナイト』ってのはどうだ?

 

 「ノクス……ナイト……?」

 

 「そう!No.Xでノクス、そして特撮ヒーロー『スターライトナイト』のナイトを拝借してノクスナイトだ!」

 

 ビリーがそんな名前を挙げたのだ。

 

 「……ビリーにしてはセンスいいじゃない?」

 

 「いやいやいやいや!俺はいつだってセンスいいだろ親分!?」

 

 それを聞いたレイヤは……

 

 「―――それ、貰ってもいい?」

 

 「えっ?お、おうよ!当たり前だ!」

 

 遠慮なく、ノクスナイトの名前を貰うことにしたのだ。

 

 「なら、今日からあなたのコードネームはノクスがいいかも。あなたの場合は、本名を呼ぶわけにもいかないし」

 

 さらに、レイヤの事情を兄妹に聞いていたアンビーは、依頼の時にはコードネーム『ノクス』と呼ぶ方がいいと提案してくれた。

 

 「ノクス……コードネーム『ノクス』……」

 

 「それもそうね……頼りにしてるわよ、ノクス?」

 

 「!……分かった」

 

 そうして5人は、依頼人の大事なものを探すためにホロウへと入っていくのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 ホロウへと入ってから数分、ノクスや邪兎屋の3人はリンのナビゲートのおかげで、順調に進んでいた。その道中でエーテリアスなどが出てきたものの……

 

 「はぁっ!ビリー」

 

 「任せとけ!」

 

 『GyA!?』

 

 アンビとビリーが前衛としてエーテリアスを倒していき……

 

 『『GyAAAAAAAAAAAA!!』』

 

 「ランチャーモード!」

 

 「っ!」

 

 『『GyA!?』』

 

 「バイバ~イ!」

 

 『『!?』』

 

 死角からの奇襲には、ノクスの武器―――ブレイカムバスターのランチャーモードと、ニコのトランクケース型のエーテル砲の援護射撃で対処していった。そうして、リンによる正確なナビゲートとアキラのサポートにより……

 

 『確かこの辺りに―――あっ!あれ見て!』

 

 「ん?」

 

 「あれじゃないかしら?聞いたものと見た目は一致してるわ」

 

 遂に依頼人が探していたもの―――が、入っているであろうトランクケースを発見したのだ。

 

 「ありがとなノクス!お陰で戦闘が楽だったぜ!」

 

 「うん、さすがノクスね」

 

 「じゃ、さっさと回収しちゃいましょ?」

 

 そう言って、ニコがケースへと近づいていき……

 

 「っ!?避けて!」 

 

 「えっ?」

 

 「っ!?」

 

 突然、どこからかニコに向かってエーテルの銃弾が放たれたのだ。それはノクスがバスターによって防御したことで、ニコが撃たれることはなかった。

 

 『2人とも大丈夫!?』

 

 「ノクスのおかげで私は大丈夫……」

 

 「一体、誰が……?」

 

 「!おい、あれ―――」

 

 何かに気付いたビリーが指差した先には……

 

 『……』

 

 頭がリボルバーマグナムの弾倉部分のようになっており、左腕や両肘に銃器を仕込んだ人の形をしたエーテリアス―――あえて名付けるなら『ガンマン』とでも言うべきエーテリアスが立っていた。

 

 「何なんだあいつ!?」

 

 「新種のエーテリアス……?」

 

 未確認のエーテリアスに、邪兎屋やリンは思わず身構えるが……

 

 「っ!」

 

 『GyA……!』

 

 ノクスは躊躇わずに攻撃を仕掛けたのだ。

 

 『ノクス!?何を―――』

 

 「あいつ、資料で見たことある……」

 

 『資料って、どういうことなの……?』

 

 リンがノクスにそのことを尋ねたが……

 

 「話は後……あいつはここで始末する」

 

 「カリバーモード!」

 

 ノクスはバスターをカリバーモードへと変形させ、ガンマンへと駆け出していく。

 

 『GyA!』

 

 ガンマンはノクスに向け、次々と銃弾を放つが……

 

 「イレイス!」

 

 『GyA!?』

 

 ノクスはヴォーカーにセットしたカプセムを回し、銃弾をまとめて消してしまった。それにガンマンは一瞬驚いた反応をしたが、その隙にノクスは一気に距離を詰め……

 

 「ふっ!はぁっ!」

 

 『GyAAAAAAAA!?』

 

 ガンマンにバスターでダメージを与え、そのまま吹き飛ばしてしまった。それからノクスはバスターをランチャーモードに戻すと、ヴォーカーからカプセムを外してバスターのソケットにセットした。そしてカプセムを回転させると、狙いをガンマンに定め……

 

 「消えろ」

 

 「ブレイカムキャノン!」

 

 一撃でコアを撃ち抜いたのだ。

 

 『GyAAAAAAAAAAAA!!』

 

 コアを撃ち抜かれたガンマンは叫び声を上げながら、消滅する前にノクスに一矢報いようと迫ってきたが……

 

 「……」

 

 ノクスはその場から動くことなく、今まで使ってきたカプセムとは違う形の白いカプセムをガンマンへ向けた。するとガンマンは、エーテルとなってそのカプセムへと吸収されていき、カプセムは白色からマゼンタ色へと変わっていった。それを確認したノクスは………

 

 「……」

 

 黙ったまま、そのカプセムを見つめていた。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「ねぇレイヤ……さっきのって、一体何だったの?」

 

 「エーテリアスを倒した後、白いカプセルに吸収したって聞いたけど……」

 

 依頼も完了してホロウから戻ってきたレイヤは、リンとアキラにそんなことを訊かれていた。レイヤは兄妹にある程度の信頼を置いているのか……

 

 「……これは、ここだけの話にして」

 

 「!う、うん」

 

 「あぁ、もちろんだよ」

 

 そう言って、兄妹の疑問に答えることにした。

 

 「これはカプセムって呼ばれてる………そしてこの中には、エーテリアスの力が宿っている」

 

 「「!?」」

 

 レイヤは黒色のカプセムが複数入っているシリンダーを見せながら、そう説明し始めた。

 

 「研究所にいた時、僕たち被検体はノクスになってエーテリアスを狩り、このカプセムを作ることを強制されていた」

 

 「僕『たち』って……レイヤの他にも、いたの?」 

 

 「いたよ、沢山………その中で僕は、4番目の被検体だった―――まぁ、最後には僕を含めて数人しか残らなかったけど」

 

 「レイヤ……」

 

 リンはレイヤの話を聞き、心配そうな表情をしたが……

 

 「……話を戻すよ。この黒いカプセムは全部で10種類あって、使うことで身体能力を強化したり、他の人の怪我を治すことができたりするんだ」

 

 「!そんなものがあるなんてな……」 

 

 レイヤはカプセムについての説明を続けた。

 

 「へぇ………ん?じゃあ、さっきのピンクっぽい―――」

 

 「マゼンタね」

 

 「え、えっと……そのマゼンタのカプセムは、何か形が違うよね?」

 

 「何か黒いカプセムとの違いがあるみたいだけど……?」

 

 そんな2人の推測は正しく……

 

 「黒いやつは基本的にはヴォーカーの方で使う……で、こっちは基本的に新型のベルトで使うことになる。まぁ、カプセムは基本的にどっちでも使えるんだけど」

 

 「なるほど、そんな違いが―――ん?新型?」

 

 「れ、レイヤ?新型って何のこと?私たち何も聞いてないんだけど!?」 

 

 2人は新型がある事実を突然知らされたのが衝撃的で、リンはレイヤの肩を掴みながらそう訊いた。

 

 「2人とも落ち着いて………その新型はまだ使うのに慣れてないから、今は言う必要はないと思ったんだ。あと、そろそろ離して……」

 

 「!ご、ごめん……」

 

 そう言ったところで兄妹からの質問は終わり、3人は夕食にするのだった。

 

 

 

 

 




 読んで下さり、ありがとうございます。

 銀騎士をノクスナイトと名付けるのに、こんな由来があってもいいかなと思い、書いてみましたがいかがだったでしょうか?
 また、レイヤの擬装ポーズですが、ロードシックスのものをイメージすると良いかと思います。次回からは、いよいよ原作に入っていきます。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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