ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 今回から、原作の話へと入っていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。



第1章 邪兎×銀騎士
Case5 捜す


  

 レイヤがプロキシ兄妹と暮らし始め、パエトーンとの仕事にも慣れてきて少し経った頃……

 

 『ヤヌス区十四分街で、突如共生ホロウが発生。管制レベルが3を突破。ホロウ調査協会が緊急対応に当たっており、近隣住民の避難誘導を―――』

 

 「ンナ!ンナンナ!(リン!テレビ見てよ!)」

 

 「ん?―――お兄ちゃん、レイヤ、これ見て」

 

 あるニュースが3人の耳に入ってきた。

 

 「どうしたんだい?」

 

 「何、姉さん?」

 

 レイヤは少しずつここでの暮らしにも慣れ、2人のことを兄や姉と呼ぶまでの関係になった。ちなみに邪兎屋とも依頼を何回かこなしており、休日は一緒に出掛けることも増えている。

 

 「十四分街……確か他のニュースで―――ちょっと待ってて」

 

 「うん、ヤヌス区がね……管制レベル3を超えたって」

 

 「やっぱり、治安局がそこで今日捜索をしている。避難は手こずるだろうな……」

 

 「てことは……」

 

 「それって……」

 

 「準備しておこう……近々、『仕事』が舞い込むかもね」

 

 それから少しして……

 

 「もう見なくていいわよ!ニュースで言ってる爆発、あたしが当事者だから!」

 

 アキラの言う通りに、依頼が舞い込むことになった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「緊急事態よ!ビリーとアンビー、それからあたしの依頼のターゲットが全部ホロウに落ちた!プロキシとノクスの助けが必要なの―――一生のお願い!」

 

 ニコはそう言い、勢い良く扉を開けて3人がいるところへと入ってきた。

 

 「こんにちは、ニコ。次はちゃんとノックくらいしてから入ってきてくれると助かるかな」

 

 「月に3回は聞くよね、ニコの一生のお願い」

 

 「何か1週間前にも聞いた気がするけど……」

 

 ニコに向かって、アキラとリンはそれぞれからかうような口調で、レイヤはジト目を向けながらそう言った。

 

 「れ、レイヤもこの2人に染まってきたわね―――じゃなくて!好きなだけからかってくれていいから、力を貸して!お願い!伝説のプロキシ『パエトーン』!そして銀騎士『ノクス』!」

 

 それを聞いた3人は……

 

 「「「今度は何をやらかしたの、ニコ?」」」

 

 声を合わせてそう言うのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 ニコの話によると、依頼でとある金庫を取り返しに行っていた邪兎屋の3人は、最初は首尾よく金庫を取り返したものの、徐々に赤牙組に追い詰められてしまった。そこで治安局の航空部隊の―――正確には放送禁止用語を繰り返し言う過激なニュース記者のせいだが―――ミサイル攻撃を受けてしまい、ビリーとアンビー、そして金庫もホロウに落ちてしまったのだという。

 

 「あたしからの依頼はこうよ!うちの人間と、あたしの依頼人のモノをホロウから無事に出してくれればいいの!典型的なプロキシの仕事よ!引き受けてくれるでしょ?パエトーン!ノクス!この依頼が終わったら、これまでのツケをまとめて払うから!」

 

 ニコはそう交渉したが…… 

 

 「ニコ、もう何ヶ月も経つけど、ずーっと返してないよね?利子がどれくらい膨らんでるのか分かってるの?」

 

 ここにいるリンとアキラにとってはまだ納得できないらしい………ちなみにレイヤはというと、自分の部屋に1度戻り、ホロウに入る準備をしている。

 

 「分かったわよ……邪兎屋が受けた依頼の報酬から、あんたたちにも一部分けたげるわよ!これでいいでしょ?」

 

 「うん、その方がよっぽど合理的だ」

 

 「よし!善は急げよ、早く出発しましょう!あたしは先にホロウに―――っ!?」

 

 最終的に交渉は成立し、ニコは先にホロウの近くまで向かおうとしたが、どこかを怪我しているのかその場で顔をしかめた。

 

 「ニコ?もしかして怪我をしたの?」

 

 「そ、それは………」

 

 そこに………

 

 「別に隠そうとしなくて大丈夫だよ」

 

 「!レイヤ……」

 

 準備を終えたレイヤがやってきたのだ。レイヤはニコの怪我を見ると……

 

 「リカバリー!」

 

 リカバリーカプセムを回転させ、ニコの怪我を治してしまったのだ。

 

 「!相変わらず便利ね、それ?」

 

 「まぁね……イアスは僕が連れていくから、ニコはここで待機ね」

 

 「悪いわね……今度、何か奢るわ」

 

 ニコの言葉に、レイヤは目を丸くしており………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……え?あのニコが?」

 

 「あのって何よあのって!そんなありえないものを見るような目をやめなさい!!」

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「ンナンナ!(着いたね!)」

 

 「よし……」

 

 十四分街の共生ホロウの前に辿り着いたレイヤは、イアスを地面に降ろすとナイトインヴォーカーを胸に巻いた。そして……

 

 「イレイス!」

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 「擬装」

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「イレイス!」

 

 ノクスナイトへと擬装を完了させる。その直後……

 

 『お待たせレイ―――って、今はノクスだね!』

 

 イアスと同期したリンが声を掛けてきた。

 

 「じゃあ、ナビは任せた」

 

 『もちろん!お姉ちゃんに任せといて!』

 

 そうしてバスターを持ったノクスとイアスの中にいるリンは、ビリーとアンビーを救出すべき、ホロウの中に入っていった。 

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「ちっ!これじゃキリがねぇ!」

 

 「はぁっ!」

 

 ホロウに落ちたビリーとアンビーは、エーテリアスと戦闘しつつも逃げていたが……

 

 「またここかよ!!」

 

 「やっぱり、プロキシ先生の助けがないと脱出は……」

 

 完全に迷ってしまっており、未だに脱出できずにいた。ホロウは基本的にキャロットと呼ばれるホロウの地図のようなものを使うか、プロキシにナビゲートさせることで目的地に向かうのだが、今の2人にはそのどちらもない状態であり、ホロウから出るのに苦戦していた。さらにはホロウに長時間いるとエーテル侵蝕が始まり、侵蝕されればエーテリアスに変貌してしまうのだ。すると……

 

 「「!?」」

 

 2人の後ろから煙幕弾が転がってきて、煙を吹き出してエーテリアスの視界を奪った。さらに……

 

 「ブレイカムバースト!」

 

 『『『『GyA!?』』』』

 

 その間に何者かがエーテリアスを全て倒してしまったのだ。

 

 「2人ともこっち」

 

 「「!」」

 

 その直後に聞こえた声は、2人にとって聞き覚えのあるもので、2人はその声の主に迷わずついていった。そこには……

 

 『2人ともお疲れ様』

 

 「間に合ったみたいだね」

 

 『01』と描かれたスカーフを巻いた喋るボンプと、オレンジ色のラインが走ったスーツを来た銀色の騎士がいたのだ。

 

 「おぉ!パエトーンとノクスじゃねぇか!!」

 

 「いいタイミングね、助かったわ」

 

 『さぁ!早く逃げるよ!』

 

 

 

 

 

    ◇ 

 

 

 

 

 

 「大丈夫、エーテリアスは来てない」

 

 あの後、エーテリアスを撒いた4人は一時的に安全だと思われる場所に身を隠していた。

 

 「よ、良かった………走り過ぎて足の油圧ロッドが折れるかと思ったぜ……」

 

 「適度な休憩をとることを提案する。プロキシ先生、ノクス、いい?」

 

 『うん、お疲れ様!ゆっくり休んでね!』

 

 「了解、見張りは僕がやっておくから」

 

 「助かるわ」

 

 それからノクスが見張りに行っている間……

 

 「にしても、さっきは危なかったぜ………まさかあの赤牙組のおっさんが、あんな風に異化しちまうとは……」

 

 「先生とノクスがあそこから連れ出してくれて助かったわ」

 

 「さすがパエトーンとノクス!相変わらず頼もしいな!」

 

 『私たちはただ、プロキシとしての役目を果たしただけだよ』

 

 リンは当たり前のことのようにそう返した。

 

 「ニコのことだから、節約のために自分で何とかするように言って来るのかと思ったけど………まさか、かの伝説のプロキシ『パエトーン』と新エリー都のヒーロー『ノクスナイト』を連れてくるなんてな!」

 

 「プロキシ先生とノクスが駆けつけてくれなかったら、私たちはエーテリアスの領地から脱出することは叶わなかったわ」

 

 それからビリーが、ボンプと同期し、リアルタイムでホロウ内外の通信を実現するパエトーンの設備について訊いた後……

 

 「戻ったよ」

 

 「なぁノクス!お前にもついでに訊くんだけどさ、その装備って何処で手に入れたんだ?」

 

 続けて見張りから戻ってきたノクスに、ナイトインヴォーカーの出処を訊いたのだが……

 

 「悪いけどそれはまた今度……それよりここから離れるよ」

 

 ノクスは3人に、すぐにここから撤退するように言った。

 

 「エーテリアスが来たの?」

 

 「けど、何も聞こえねぇぞ?」

 

 だが、アンビーとビリーにはエーテリアスの唸り声などは聞こえていないようだ。  

 

 『ノクスの言ってることは正しいと思うよ』

 

 「プロキシ先生?」

 

 「どういうことだ?」

 

 『ノクスナイトはね、周りの情報収集力に長けているんだよ!だから、私たちには感じられない遠くのエーテリアスも感知できるの!』

 

 ノクスナイトには、エーテリアスの感知能力や周囲の通信や各種通信を傍受する機能が備わっている。また、ホロウでの活動はもちろん、暗い場所での活動をサポートする夜間視力の補正機能や正体がバレないように変声機能も付いている―――今は知った顔だけのため、変声機能は使っていないが。 

 

 「そんなことが……」

 

 「すげぇな……」

 

 『それよりも早く行くよ!しっかり付いて来て!』 

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「店長!次はどっちだ!」

 

 『このまま進んで!』

 

 ノクスのおかげでエーテリアスの大群を回避し、4人はリンの案内でホロウの中を進んでいた。

 

 「了解!―――って、このまま!?この先は壁だぜ!?」

 

 『みんな心配しないでいい。リンの言う通りに進むんだ』

 

 「この声は……もう1人のパエトーンか!」

 

 『お兄ちゃん、やっとログインしたんだね?』

 

 『さっきまでホロウの安定性を検証していたからね、遅くなってごめんよ』

 

 「ううん、全然大丈夫だよ兄さん」

 

 『とにかく3人とも、リンの言う進路は間違っていない。ホロウは秩序のない混沌………つまり―――』

 

 「生への道が死に見えたり、死への道が地獄に繋がったりしている」

 

 「……アンビー、貴重な情報をシェアしてくれてありがとな……」

 

 「それ、結局のところ死んでるんじゃ……?」

 

 アンビーの言葉に、ビリーはさらに不安が増したようにそう言い、ノクスはツッコムようにそう呟いた。

 

 『あと、ホロウからの脱出経路は確保してある。だから僕たちを信じて―――そうだリン、もう感覚同期を解いても大丈夫だよ』

 

 『分かった!それじゃあ切るよ。みんな気を付けてね?』

 

 リンはそう言い残し、イアスとの感覚同期を切った。

 

 「………静かになった」

 

 「何で肝心な時に憑依を解くんだよ!?」

 

 「大丈夫、出口はすぐそこだから」

 

 ノクスはイアスを抱え、先頭を駆けていく。

 

 「分かるのか!?」

 

 「その情報も受信してあるよ」

 

 「おぉ!さすがだな―――って、ぶつかるぶつかるぶつかるぅぅぅ!!」

 

 そうしてリンの言う通りに進み、3人が壁へ飛び込むと………

 

 「!エーテルの圧迫感が消えた……」

 

 「おぉ!戻って来られたぜ!」

 

 そこはホロウの外にある駐車場の近くで、3人は無事にホロウから脱出することができたのだ。

 

 「ふぅ……」

 

 レイヤも息を吐きながら、ノクスナイトの擬装を解除した。すると丁度……

 

 「時間も場所もパエトーンの予想通りね!3人とも早く乗って!」

 

 「ニコの親分!」

 

 ニコが社用車で迎えに来たところであり、3人はRandom Playへと戻っていった………ただその道中、ニコが思い切り信号無視をしていたのは、また別の話………。

 

 

 

 

 




 読んで下さり、ありがとうございます。

 レイヤが関わらず、原作のストーリーと同じになる部分は省略して書いていく予定でいます。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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