ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 今回は、前回の続きからになります。

 それでは、どうぞご覧ください。



Case7 衝く

 

 デュラハンとの戦闘を開始してから数分が経った。戦況は、数で勝る邪兎屋とノクスが優勢だったが……

 

 「うおっ!?」

 

 「あぁもう!しつこいわね……!」

 

 どうやらこの個体は通常のデュラハンよりも強い個体のようで、戦い慣れているノクスといえども苦戦までとはいかずとも、攻めあぐねているようだ。

 

 「くそっ!あんまり効いてないぞ!」

 

 「手強いわね……」

 

 その状況を見たノクスは、あるものを取り出した。

 

 「……試してみようか」

 

 それは黄色いカプセムで、そこには衝撃波を起こす人のようなものが描かれていた。ノクスはヴォーカーにセットしていたイレイスカプセムを外すと……

 

 「ショック!」

 

 そこに黄色のカプセムをセットしてレバーを押した。

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 それからノクスは左手で拳を握ってから、セットしたカプセムを回した。すると、さっきまでオレンジ色だった身体のラインが黄色く変色し、目元のアンテナ部分も赤くなっていき……

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「ショック!」

 

 ノクスは『ノクスナイト・ショック』へと、その姿を変えたのだ。

 

 「えっ!?」

 

 「おぉ!?」

 

 「姿が変わった……?」

 

 『な、何それ!?そんなことできたの!?』

 

 その姿を見た全員が、それぞれの驚いた反応を見せる中……

 

 『GyAAAAAAAAAAAA!!』

 

 デュラハンがノクスめがけて剣を振るう。

 

 「ショック!」

 

 「ハァッ!!」

 

 『GyA!?』

 

 それに対し、ノクスはカプセムを回転させると、衝撃波を乗せたパンチを直接デュラハンに当て、そのまま近くの壁まで吹き飛ばしてしまったのだ。さらに……

 

 「フッ!ハァッ!!」

 

 バスターで連撃を加え、デュラハンを圧倒していく。それからノクスは、ヴォーカーにイレイスカプセムをセットし直して、最初の姿に戻ると……

 

 「これで終わりだ」

 

 ヴォーカーのレバーを3回押して、セットしているカプセムを回した。

 

 『GyAAAAAAAAAA!!』

 

 そして、自身に向かってくるデュラハンに対し、敢えて背を向けると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……消えろ」

 

 「イレイス―――フェイタル!」

 

 『GyAAAAAAAAA!?』

 

 そのまま回し蹴りを放ち、カウンターキックを食らわせたのだ。ノクスのカウンターキックを食らったデュラハンは、先ほどのダメージもあったのか限界を迎え、ノクスたちの前から跡形もなく消滅していった。

 

 「やったぞ!!」

 

 「流石ねノクス!」

 

 「それにしても、あんなことができたなんてね」

 

 『みんなお疲れ様!』

 

 邪兎屋の3人はデュラハンを倒したことを喜び、リンはノクスたちに労いの言葉をかけていた。

 

 「それに……やっと……やっと……みーつけた!!」

 

 ニコは目の前にある金庫を見て、喜びの声を上げようとしたが……

 

 「水を差すようで悪いんだけど……喜ぶのはまだ早いよ!ニコ、落ち着いて聞いてね」

 

 「……?」

 

 「全部あの悪玉ハッカーのせいだよ!私がホロウを脱出するために用意したデータを削除したの」

 

 「え……てことはつまり……」

 

 「ここから出られない……ってことだね」

 

 「えぇえええええええええ!?」

 

 リンの言葉を聞き、嫌な予感を決定的なものにするノクスの発言に……

 

 「あ、あんなに苦労して、やっと元に戻ったと思ったら、まさかこれで終わりだなんて……」

 

 「くそっ、モニカ様とデートしたこともねぇってのに、悔しいぜ……けど、なかなか悪くない人生だった」

 

 「2人とも落ち着いて、他の手がないか考えてみる」

 

 ニコとビリーの2人は悲観的になってしまい、アンビーは何とかしてこの状況を打破する方法を考え始めた……が、

 

 「その必要はないみたい……だよね?」

 

 『?』

 

 ノクスは4人の中で1人だけ冷静な様子でおり、イアスの方を向いてリンにそう訊いたのだ。

 

 「さっすがノクス!よく分かってるね!3人とも、そんなに悲観的になる必要はないよ。とっておきの切り札があるんだ!まぁ、それをやるにはニコの同意が――――」

 

 「同意する!」

 

 「え?受け入れるの早くない?」

 

 「即答……」

 

 リンによると、ハッカーが言うには金庫にはロゼッタデータ並みに価値のあるものが入っているらしく、それがあれば自由にホロウを出入りできるらしい。切り札というのは、そのハッカーの話に賭けて金庫の中身を使い、ホロウから脱出するというものなのだ。

 

 「だから、ニコが同意してくれれば――――」

 

 「同意する!さっきから言ってるじゃん!」

 

 「え?そんなあっさり?依頼人の方はどうするの?」

 

 「生きるか死ぬかの瀬戸際なのよ!第一あたしがここから出られなかったら、誰がその金庫を渡すっていうの?開けちゃっていいわ!」

 

 そうして、あっさりとニコの同意も得たところで……

 

 「暗証番号は?」

 

 「それは分かってるよ」

 

 早速、暗証番号を入れて金庫を開ける。その中から出てきたのは、一枚のメモリーカードだった。

 

 「でも正直……私も何が保存されているかは分からないんだ。強制的にデータを読み取った結果、何が起きるかは……」

 

 『……』

 

 「けどもちろん、失敗した時の代替案も用意してある。H.D.D.システムがインターノットに、救援依頼を出してくれることになってる。その時は──」

 

 「必ず助けに行く」

 

 「!……ありがとね、ノクス」

 

 そして……

 

 「じゃあ、行くよ――――」

 

 リンがイアスの頭部にメモリーカードを差し込むと……

 

 『ンナナ―――!!』

 

 『!?』

 

 イアスから光が発せられたかと思えば、そのまま地面に倒れてしまった。

 

 「て、店長!?」

 

 「ちょっとプロキシ!?」

 

 「っ!」

 

 それを見て、ノクスがいち早くイアスへと駆け寄る。

 

 「姉さん!……姉さん!」

 

 ノクスが珍しく大声で呼び掛けるものの、反応が返ってくる様子はない。すると……

 

 『……』

 

 イアスは独りでに立ち上がると、そのまま黙ってどこかに歩き始めたのだ。

 

 「プロキシ?」

 

 「もう大丈夫なの?」

 

 『……』

 

 「何も反応ねぇぞ……?」

 

 そんな事態に邪兎屋が揃って困惑する中……

 

 「……試しについて行ってみよう」

 

 『!』

 

 「今は、これに賭けるしかない」

 

 ノクスはそう言い、率先してイアスについて行く。そのノクスの言葉に、邪兎屋の3人も同じように思っていたのか、後に続いていくのだった……。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます。

 今回は、オリジナルフォームであるノクスナイト・ショックを登場させました。見た目はノクスナイトをロードファイブの色に変えた姿となっています。

 次回でこの章は最後となります。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。
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