ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~   作:アキ1113

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 今回で、第1章は終わりとなります。そして、最後にアンケートもありますので、答えていただけるとありがたいです。

 それでは、どうぞご覧ください。




Case8 乱れる

 

 「て、店長……俺達、やっと戻ってこられたぜ……」

 

 「ボンプが痙攣してる……急いで店に戻って、本体を確認した方がいい」

 

 イアスについて行くこと数分、ノクスたちはホロウから出てくることができた。するとすぐさま……

 

 「ニコ!」

 

 「分かってるって!あんたたち早く乗りなさい!」

 

 擬装を解除したレイヤが3人に車を出すように言った。その後、ニコはR255の青信号を通ってビデオ屋へと急いだ……今回に関しては、レイヤも何も言うことはなかった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「あ、あれ……?」

 

 「!起きた、姉さん?」

 

 「僕らのことが分かるかい、リン?」

 

 リンが目を覚ますと、そこには心配そうに顔を覗かせるレイヤとアキラの姿があった。

 

 「あのデータチップは?ニコたちは?それと、私は一体どうやって帰ってきたの?」

 

 「落ち着いて……目を覚ましたばかりなんだから、あまり興奮しない方がいい。ちゃんと状況は説明するから、あのデータチップを読み取った後、リンの身に何が起きたのか教えてくれるかい?」

 

 リンが2人に話したのは、データチップを読み取った後、急に意識を失い、その時に謎の声が聞こえたかと思えば、何かしらの利用規約に同意するのかどうかを迫られたという。

 

 「……何だか夢みたいな話に聞こえるけど……とにかく、事の経緯は概ね把握できた。次は僕らが話す番だ」

 

 リンが2人から聞かされたのは、データチップを読み取った後、イアスが何らかのオーバーロード状態に入ったらしく、ミラーボールのように光り始めたこと、イアスが急に動き出して、レイヤたちを出口まで誘導してくれたこと、リンはその間気を失っており、痙攣しながらずっとうわ言を言っていたことを聞かされた。

 

 「何それ、怖……お兄ちゃん、まさか録画とかしてくれてはないよね……?」

 

 「そこじゃないだろう……まぁ、こんなに元気だと分かっていれば録画していたさ。まぁ、冗談はそのくらいにして……とにかく、慌てていた僕のところにレイヤたちが戻ってきてくれたんだ」

 

 「それで、ニコの知り合いの闇医者を連れてきて、何とかH.D.Dから引っ張り出したんだよ」

 

 「今、ニコたちがこの件を調査にし行ってる。いい知らせは、借金を返済するっていう約束を守ってもらえたことかな……殆どは、医療費とボンプの修理代に消えたけど」

 

 「あれ?レイヤのリカバリーカプセムは使わなかったの?」

 

 リンはレイヤにそう訊いたが……

 

 「闇医者が帰った後には使ったよ。でも、僕は医者じゃないし、H.D.Dに入ってる状態で使ってどうなるかなんて分からなかったからね……」

 

 「た、確かに……」

 

 「話を戻すけど、本当の悪い知らせはこれじゃない……心の準備ができたら、パソコンを見てみるといい」

 

 「……?」

 

 「まぁ、見れば分かるよ」

 

 疑問符を浮かべたリンだったが、少ししてからアキラの言葉通りにパソコンを覗いた。

 

 「驚かないでよ……Fairyいるかい?呼んできたよ」

 

 「フェアリー……?」

 

 「……?お兄ちゃん、これ――――」

 

 すると、少ししてから電気が点滅し出したり、テレビの音声がおかしくなったりし始めたのだ。そして……

 

 「な、何よこれ!?」

 

 『システムを起動――――Ⅲ型総順式集成汎用人工知能、Fairyです。こんにちは、マスター』

 

 リンのことを『マスター』と呼びながら、人工知能のFairyが話し掛けてきた。

 

 「これが悪い知らせだよ……君が気絶した後、H.D.Dが再起動したんだ。そして……彼女が現れた」

 

 「お兄ちゃん、私、この声聞いたことある!私が気を失っている間に、頭の中に語りかけてきた人だよ!」

 

 『肯定、私はⅢ型総順式集成汎用人工知能。Fairy(フェアリー)とお呼びください。マスターがサインした利用規約に則り、あらゆる面でマスターをサポートし、貴方様がご自分の作業を完了できるよう協力いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「その時」が来るまで

 

 「規約……?それにその時って……?」

 

 レイヤはその言葉に疑問を覚えたのか、そう訊いてみたが……

 

 『利用規約に則り、私はその質問に答える権限を有しておりません。回答は適切な時期に、適切な場所でお知らせいたします』

 

 「……」

 

 Fairyにはそう返されてしまう。

 

 「リアルの女の子のこともよく分からないのに、バーチャルって……ここは、可愛い妹に任せるか」

 

 「お兄ちゃん、ドラマの見過ぎだよ!」

 

 「それになんか楽しそう……」

 

 リンとレイヤが、アキラに呆れた様子でいると……

 

 『マスターのデータが第三者によって削除、及び伝送された直近の形跡を検知いたしました。これにより、マスターの違法ホロウ事務調査員、通称「プロキシ」としての個人事業が損害を受けております。私はこの損害を補填し、マスターのプロキシ事業を再建することができます』

 

 「待った……それはつまり、削除したデータを復元できるってこと?」

 

 『否定、削除命令は撤回できません。しかし、データベースを再構築することができます。私は全都市80%以上の知能設備に対し、無制限のアクセス権限を有しています。私の協力があれば、累積式でホロウデータを獲得する必要がなくなり、毎回リアルタイムでホロウ脱出ルートを分析することが可能となります』

 

 「……それ、本当にできるの?」

 

 Fairyの信じ難い言葉に、レイヤは怪しみながらそう訊くと……

 

 『肯定、これは私のコア機能です。証拠のために、ホロウに調査活動を補佐いたします。すでにホロウ調査事務の個人情報統合センター、通称「インターノット」の匿名フォーラムより、マスターの現状に相応しい依頼を選別済です。どうぞ、スケジュールやご希望に合わせて、実行時間をお選びください。これからよろしくお願いいたします、マスター』

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「よし、着いたよ」

 

 Fairyが家に来た翌日、早速3人は新しいアカウントを作り、Fairyが選んだインターノットにある依頼を受けることにした。今回受けた依頼はホロウに入ってしまった市民の救助で、現在レイヤはイアスを連れてそのホロウの前に来ていた。

 

 『こっちは準備オッケーだよ!』

 

 「了解」

 

 リンがイアスと感覚同期したのを確認したレイヤは、インヴォーカーを胸に巻き……

 

 「イレイス!」

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 「……擬装」

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「イレイス!」

 

 ノクスナイトへと擬装した。その後ノクスは、リンの案内に従って要救助者のいる場所へと向かっていく。その道中……

 

 『凄い……本当にリアルタイムでルートを分析してる……』

 

 「確かにそうみたい……姉さんのガイドも、いつもと変わらない感じだしね」

 

 Fairyが言ったことが真実であることを、実際に思い知っていた……それから数分後……

 

 『あっ!いたよ!』

 

 「ひっ!?」

 

 要救助者がいる場所へと到着した。そこには小さい男の子がおり、エーテリアスに見つからないように怯えた様子で息を潜めていたのだ。

 

 「……もう大丈夫だよ」

 

 ノクスが優しく声をかけると……

 

 「銀騎士だ……!本当にいたんだ!!」 

 

 男の子は先ほどの怯えた表情とは打って変わって、それとは真逆の笑顔の表情になった。

 

 『もしかしてこの子……ノクスのファンだったり?』

 

 リンはノクスにからかうような口調でそう言ったが――――

 

 「いや、そんなわけ――――っ!!」

 

 「『うわぁ!?』」

 

 何かを察知したのか、ノクスは男の子とイアスを抱えながら後ろへと飛び退いた。すると、ノクスたちが先ほどまでいた場所に……

 

 『あれって……!』 

 

 「……タナトス」

 

 上級エーテリアスであるタナトスが現れたのだ。

 

 「ううぅ……」

 

 男の子がタナトスを見て怯える中……

 

 「バリア!」

 

 「『!』」

 

 「2人はここにいて」

 

 ノクスはバリアカプセムで2人を守ると……

 

 「悪いけど、さっさと倒させてもらうよ」

 

 「パニック!」

 

 インヴォーカーに赤紫色のカプセムをセットしてレバーを押した。

 

 「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」

 

 それからノクスは左手で銃のような形を作ってから、セットしたカプセムを回した。すると、さっきまでオレンジ色だった身体のラインが水色に変わり、目元のアンテナ部分も黄色をベースとした色になっていく……。

 

 「インヴォークナイトシステム!」

 

 「パニック!」

 

 ノクスは銃撃戦に特化した形態のノクスナイト・パニックへと姿を変えると……

 

 「ランチャーモード!」

 

 バスターをガリバーモードからランチャーモードに変形させた。それに対してタナトスは、ノクスを警戒したのかその姿を消すと……

 

 『ノクス後ろ!』

 

 テレポートでノクスの背後をとり、攻撃を加えようとした……が、

 

 「そこ」

 

 『GyA!?』

 

 その索敵能力で後ろを向かずに、ノールックでタナトスを狙い撃った。ノクスの攻撃を喰らったタナトスは、再び姿を消すと、射撃とテレポートを交えてノクスを倒そうとしてきたが、ノクスはその攻撃を全て見切り、銃撃で遠距離攻撃を撃ち落としたり、反撃を加えていたのだ。

 

 『す、すご……百発百中じゃん……!』 

 

 「かっこいい……!」

 

 リンと男の子が見守る中、ノクスはインヴォーカーからパニックカプセムを外し、バスターのソケットにセットした。そして、セットしたカプセムを回し……

 

 「……終わりだ」

 

 「ブレイカムキャノン!」

 

 タナトスに狙いを定め、引き金を引いた。バスターからは、6つの赤紫のエネルギー弾が不規則な動きをしながら、タナトスへと迫っていき……

 

 『GyAAAAAAAAAA!?』

 

 そのままその身体に当たった直後、大爆発を引き起こしながら消滅していった……その後、男の子をホロウから出し、依頼人であるその子の父親と男の子が再会したのを見届けたノクスとリンは、無事に依頼を完了させると家へと帰って行くのだった。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 今回は、ノクスナイト・パニックを登場させました。姿はノクスナイトをロードシックスの色に変えたものとなっています。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。

今後投稿するストーリーは、原作の順番通りに全部を書いた方が良いか、レイヤに関係する話を中心に書いて行くほうがいいか、どちらがいいでしょうか?

  • 全部書く!
  • レイヤの話を中心に!
  • 作者に任せる!
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