ゼンレスゾーンゼロ ~ホロウ彷徨うエージェント~ 作:アキ1113
それからどうするか考えた結果、最初のストーリーから全て書いていくことに決めました。ただ、全てのストーリーは書きますが、原作のストーリーでレイヤが関わらない部分や同じような部分は、要約したりカットしていく方針でいきます。
今回から、第2章へ入っていきます。果たしてレイヤは、どのようにストーリーに関わることになるのか……それでは、どうぞご覧ください。
Case9 報せる
Fairyが来てからしばらく経ち、リンがイアスと感覚同期してガイドを、アキラがそのサポートを……そしてレイヤがノクスとしてホロウ内での戦闘を担当することで、依頼を次々と成功させていっていた。
そんなある日、この日は依頼もなく3人は家で思い思いに過ごしていた。そんな中テレビでは、ヴィジョン・コーポレーションが請け負っている『旧都地下鉄改修プロジェクト』に関する報道が流れていた。画面の中では、ヴィジョン・コーポレーションの社長であるチャールズ・パールマンが自慢気に工事の説明をしていた。
「──工事が行われるのはホロウの近くで、しかも大勢の人員を移動させる必要がある……」
「やっぱり、TOPS財政ユニオン入りを目指す企業は、やる事が違うね」
アキラとリンは、生中継を見ながらそう言っていたが……
「……」
レイヤは何やら疑うような目を、テレビに映っているパールマンに向けていた。そんなやり取りをしていると……
『警報。街道カメラにて、何者かが本店へ急速に接近しているのを確認。推測、トイレを借りたい、レンタルしたビデオの期限が迫っている、本店に対し悪さを企んでいる――――』
「お客さんが来ただけだろ、僕が出――――」
「いや、2人はここで待ってて」
「レイヤ?」
「念のため、ね」
そう言って、レイヤが扉を開けた……その時、
「ふみゃーー!?」
猫のシリオンの少女が飛び込んできたのだ。その少女は、勢いよく飛び込んできたせいか、床に顔を打ちつけてしまっていた。
「……ん?」
「えっ?」
「いたたた……は、鼻が……」
「……誰?」
困惑するアキラとリン、それに突然の来訪者に警戒しているレイヤを余所に、少女は顔を上げるとテレビ指差しながらこう言った。
「はっ!このだるまみたいなオッサンを信じちゃダメだ!こいつは嘘をついてる!」
◇
突如としてビデオ屋へと飛び込んできた猫のシリオンの少女の名は猫宮又奈――――本人曰く猫又と呼んでもいいらしい――――といい、その腕の中にはニコのボンプであるアミリオンの姿があった。
「……何でそのボンプと一緒に?」
「本当にニコがここへ来るように頼んだの?彼女たちは今、どこにいるんだ?」
レイヤは未だに警戒しながら、アキラは疑問符を浮かべながら、猫又にそう質問した。
「さっきのニュースで言ってたとこ――――ヴィジョンの爆破エリアにいる!あのオッサンは全員を避難させたって言ったけど、本当は違う!」
「言った側から面倒事に巻き込まれてるよ……」
「よりによってこんな時に……ヴィジョンの工事現場でいったい何をしてたんだ?」
「探しものだ!……えっと。依頼したのはあたし!それに赤牙組がケチをつけてきて、もみくちゃになって……とにかく人がぎゅうぎゅうで、魚の缶詰みたいだった!」
「落ち着いて、ゆっくり話して。今の説明だと、デパートの初売りにしか聞こえないよ」
「待って……さっき、ニコのボンプの視覚データがあるって……それ、見た方が早くない?」
「それだ!この中に、ここ数日間の視覚データが保管されているはずだから、それを見ればきっと分かる!」
レイヤの言葉に、猫又は興奮した様子でアキラとリンにそう言ったが……
「2人とも、残念だけどボンプ内部の視覚データをエクスポートするには、所有者であるニコ自身がやるか、メーカーのマルセルグループに――――」
「分かってる。だからさ、力を借りるんだよ」
「力……?」
レイヤは静かに、HDDの方に目を向けた。
「そっか!Fairyなら、何か方法を知ってるかも……!」
レイヤの考えていることを理解したリンは、納得した様子でいた。
「何か言ったか?ファーリー……?」
「あっ、いや、何でもない!」
アキラは誤魔化すように咳払いした後……
「……Fairy、ボンプの内部にあるデータを強制的に取り出す方法はない?」
『確認。指示の内容ですが、「ボンプ内部の視覚記録を出力する」ことで間違いありませんか?』
「にゃ?今、誰か喋ったような……他にも誰かいるのか?」
「新しくインストールしたPCアシスタントだよ、気にしないで……それでFairy、データは取り出せる?」
『ボンプ内部で直近数日間の視覚データを検索中。「自分がバカだった、もっと早くFairyを頼るべきだった」と仰ってください』
その言葉を聞いたアキラは……
「あぁ、僕がバカだった。もっと早くFairyをシャットダ――――」
「頼るべきだったよ……ごめんね、Fairy」
『……ノクスに免じ、今の助手2号の発言は聞かなかったことにします』
Fairyがそう言った後、猫又がアミリオンを椅子に座らせ……
「それじゃあFairy、後はよろしくね!」
『ボンプと接続中、視覚データを取得します』
それから数秒後、データの取得が始まったのか、アミリオンは眠ってしまい……
『取得完了、再生します――――』
「画面に出たね」
「どれどれ……うん!ニコと出会った日のだ!」
その映像の内容というのは、猫又はホロウの中で赤牙組に追いかけられているニコを見つけて接触し、赤牙組のシルバーヘッドに奪われた家族の形見を取り戻して欲しい、という依頼を出した。その依頼を聞いたニコは、あまり乗り気では無かったものの、報酬の話を聞いて掌を返し、依頼を引き受ける事にしたのだ。
その形見があるとされているのは、ホロウ内にある3つの赤牙組の拠点で、ニコはその拠点に調べている金庫に関する手がかりがあるかもしれないと踏んでいた。
翌日、邪兎屋は猫又の案内でホロウを探索することにしたが、1つ目、2つ目の拠点を探しても探している形見は見つからなかったのだ。そうして3つ目の拠点のあるホロウに行こうとしたが、それは要警戒エーテリアスのデットエンドブッチャーの生息する『デッドエンドホロウ』にあると猫又は言った。ちなみにそこは、ヴィジョンの地下鉄改修プロジェクトに使う爆薬を爆破エリアに運ぶための経由地となっているホロウでもある。
それを聞き、ニコたちは難色を示したのだが、最終的にデッドエンドブッチャーを避けてつつ依頼を続けることで、話は落ち着いたのだった。
『なーにがデットエンドホロウよ!クライアントが御所望なのよ、明日にでも乗り込んでやろうじゃないの!』
『ホント?やった〜!それじゃ、あたしの家族の形見は任せたにゃ〜』
「うぅ……猫を被ってる自分を見るのが、こんなにも恥ずかしいなんて……!」
猫又は記録映像の中の自分を見ながら、耳を抑えて恥ずかしそうにしていた。
「やっぱりあれ、わざとだったんだ」
「えっ!?い、いやいや!猫のシリオンはみんなこんな感じだ……にゃあ〜」
「それだと狐のシリオンのレイヤは『コン』って言ってることになるけど……?」
「言うわけないでしょ……」
それから記録映像を一度止め、全員で状況を整理し始めた。
「とりあえず……状況はだいたい分かったよ。あんたは今日、ニコたちとデッドエンドホロウに赤牙組の拠点を探しに向かったんだね」
「そう!それからも色々あって……とにかくニコたちは今、爆破エリアにいる!」
すると……
『マスター。ただいまニュースチャンネルにて、今回の依頼に関連しているとみられる情報が放送されてます。お見逃しなく』
その言葉に従い、急いでテレビをつけると……
『速報です。生中継でお送りいたします――――まもなく、ヴィジョンの最後の輸送列車が出発し、デッドエンドホロウへと入ります!』
そこには、既に輸送列車が発車しており、今まさに最後の列車が発車しようとしている様子が映し出されていた。
「まずい!最後の列車がもう発車しちゃう!視覚記録の続きを見ている時間はないぞ!何とかして爆発を止めないと!ニコたちが埋立地の灰になっちゃう……」
「どうやって?みんなの前で列車を止めちゃったりしたら、その場で治安局に捕まるのがオチだよ」
「事態を通報するのが一番だけど、ニコたちがホロウレイダーっていうのもバレる……」
通報されずかつニコたちがホロウレイダーということも治安局にバレないように列車を止める方法を考えていると……
『提案。いっそ、ホロウの中で列車を止めるのはいかがでしょう』
Fairyがそんな提案をしてきたのだ。
「ホロウの中……それなら――――」
「外から直接ホロウの中の様子は探知できないから、捕まる心配もないぞ!」
「うん……今からデッドエンドホロウに潜入して、列車が必ず通る道を阻んでしまえば……確かに理論上は可能だ」
「Fairy、列車の位置をリアルタイムで把握できる?」
『可能。既に目標車両までの安全なルートを計算しています』
「オッケー、今回は緊急事態だし、デッドエンドホロウの中で列車を止める方法を探そ!」
「んにゃ!」
「レイヤ、早速準備を――――」
「もう済んだ」
「早っ!?」
レイヤはこうなることを予想していたのか、既にホロウに入るときの装備を整え終わっていた。
「それじゃあ、急ぐぞ!」
「分かってるよ」
その直後、レイヤと猫又はイアスを連れてデッドエンドホロウまで急ぐのだった。
◇
猫又と共にデッドエンドホロウの前に到着したレイヤは……
「ちょっと待ってて」
「にゃ?何だそれ?」
疑問符を浮かべる猫又を余所に、インヴォーカーを取り出して胸に巻いた。そして……
「イレイス!」
「オ・オ・オンユアマーク!オンユアマーク!」
「……擬装」
「インヴォークナイトシステム!」
「イレイス!」
カプセムをセットし、ノクスナイトへと擬装を果たした。
「!?」
ノクスが姿を変えたことに、猫又は驚きのあまりか声を上げることなく驚くという器用なことをやっていた。
『よし!じゃあ急ごう!』
イアスと感覚同期したリンの一声で、ノクスと未だに驚いていた猫又も続けてデッドエンドホロウの中に入っていった。
『3人とも、聞こえてる?』
「おぉ、すごい……!直接ホロウの中と通信できるプロキシなんて初めてだぞ。どうりで、ニコが新エリー都最強のプロキシって言うわけだ!」
猫又はニコからパエトーンのことを聞いていたのか、実際にその実力を目の当たりにして納得した様子でいた。
『褒めてくれてありがとう。今から列車を止めるための計画を始めるから、行動前に要点をおさらいしておこう』
「大丈夫、ちゃんと頭に入ってる――――あたしたちの目標は爆薬を積んだヴィジョンの無人列車で、それは自動運転モードの列車でコンピューターが操ってる。だから線路に障害物を置けば、強制的に進路をトンネルの方に変えられる!」
「列車がトンネルに入って減速し始めたら、その隙に猫又がイアスを列車の上に投げて、僕は中に同行する――――それから姉さんが、列車を故障させる」
『その通り、リンはノクスと一緒に列車のメンテナンスハッチから内部に潜入して、運転席で列車を止めるんだ。僕とFairyがサポートするから、2人は安心して行っておいで……でも、デッドエンドブッチャーの位置は不明のままだから、くれぐれも慎重に行動するんだよリン?ノクスに関しては、その辺りは心配してないけど』
『ちょっとお兄ちゃん?それ、どういう意味かな?』
リンは何故か自分だけが心配されていることから、アキラの発言に突っ込んでいたが……
『さて……それじゃあミッション開始だ――――グッドラック』
その言葉で、列車を止めるための行動が開始されるのだった。
読んでくださり、ありがとうございます!
次回は今回の猫又に続き、あのキャラクターと出会うことになります。果たして、どのキャラクターとレイヤが会うことになるのか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
今後投稿するストーリーは、原作の順番通りに全部を書いた方が良いか、レイヤに関係する話を中心に書いて行くほうがいいか、どちらがいいでしょうか?
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全部書く!
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レイヤの話を中心に!
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作者に任せる!