ストック切れるまで毎日投稿してもいいっちゃいいけど、十九話ぐらいしかないんだよなぁ
完結のビジョンもあるけど、事件多いから救いたい人は救いたいし
「おーい、焼けたぞー」
金田一の呼びかけに食欲旺盛な成人男性共が顔をあげ、女性陣も鉄板の周りへと集まっていく。
「焦げてねぇだろうな?
つうか、焼けたとか言いながら口もごもごさせてんじゃねーよ!」
「生焼けになってないかの確認ですー!」
檜山の発言に舌を出して答える金田一に小城が苦笑する。
「まぁまぁ檜山くん、お肉は金田一くんの給料からたっぷり買ったし、質のいい物を買ったから多少生焼けでも大丈夫だよ」
「所長!?
・・・こうなりゃ自棄だ! あるだけ食ってやらぁ!!」
「そもそもはじめちゃんの所為でしょ!
あんなことしなかったら檜山さんと千家くんが麗美ちゃん達に・・・」
「「その話はするな! 七瀬!!」」
男たちの魂の叫びが響き、鉄板の周りは一層にぎやかになる。
「いやー、騒々しいね。
彼女のことで盛り上がれるんだからいいと思うけど、どっかのマザコンでシスコンよりは」
「僕も遠距離恋愛なので羨ましい限りです」
「毎日テレビ電話で連絡取り合ってるじゃない、君も」
にこにこと年長組が笑い合っていると、通りすがりのマザコンでシスコンが妹に写真の自慢を始めている。
「見てくれ! 揚羽!
この母さんとるりのナイスショットを! 川辺で遊ぶ可愛らしい姿を!!」
「あ、あの・・・ お兄様? 兄様も私達の写真ばかりでなく、食事や他の方と交流を・・・」
「いやぁ、バーベキューはいいなぁ。
いつもと違った家族の一面が撮れるし、皆で美味しいものを食べれる。なんて幸せなんだろう」
「揚羽、兄さんには言っても無駄よ・・・
そんなんだからいつまでたっても恋人が出来ないんだから」
その発言が兄とは知らなかったとはいえ元婚約者から出るとは因果なものである。しかし、彼女もまた恋人がいないので似た者兄妹なのだろう。
その様子を見た檜山の彼女である麗美が笑いながら会話に参加する。
「っていいながら、舘羽さんも彼氏いませんよね?
舘羽さん美人だし、男一人ひっかけるぐらい簡単でしょ?」
「麗美・・・ ちょっと周りよく見てみなさいよ。
いろいろと面倒なところを置いといて、高学歴で頼りがいのある所長を筆頭にウチの男所員達って容姿も、能力もスペック高すぎるじゃない? 彼女もちばかりだけど」
「そりゃ達之はかっこいいですから、とっちゃやですよ?」
「とんないわよ。
あーぁ、私も所長狙おうかしら」
「姉様!?」
舘羽の発言に揚羽が驚愕の視線を向けるが、『冗談よ』とばかりに笑って見せる。
「あー、わかります!
私も達之がいなかったら所長狙ってますぅ!」
「麗美さん!?」
「こらこら二人とも、その気がないのに揚羽ちゃんをからかわないの。
それに同い年もいいものよ」
そういって間に入るのは千家の彼女である水沢利緒。
多くの犬たちに囲まれながら健康的に陽の下に歩く彼女は、多くの人を惹きつけてやまない。
「あー年下かぁ・・・ 範囲外なのよねぇ、だったら明智さんとか、刑事の誰か紹介してもらおうかしら」
「カフェに来る人の狙いって大抵緑さんですけどねー」
麗美がケラケラと笑いながら事実を告げるが、世の男どもに言いたい。
そんなに美人の未亡人が好きか・・・! 私も好きだ!
「よし、出来たね」
そんな女性陣らの喧騒を他所に、小城は佐木兄弟の協力の下で大きなキャンプファイヤーを作り上げていた。
「あとは中央に先輩を括りつけて・・・」
「火をつけたら、撮影開始ですね! 兄さん!!」
「やらないよ? そんなキャンプファイヤー。るりちゃんもいるんだからね?」
「いなかったら、やんのかい!」
「そんな殺生な!?」
「金田一先輩の面白シーンを撮るのが僕達の使命で生きがいなのに!!」
「俺のツッコミスルー!?
つーか所長のやってることは突っ込まねーけど、一号二号は何やってんだ!
ていうか、どうやってここ知りやがった!?」
「金田一先輩のある所に」
「僕ら、ありです!」
兄弟は揃ってポーズをとり、キリッとした顔をして笑う。
なお、カメラはけして手放さない。佐木家の魂である。
「まぁ実際は、千家くんに尋ねたらしいけどね」
「千家えぇぇぇ! 俺に何の恨みがあんだ!」
「恨みしかねーよ、馬鹿!!
利緒はなぁ、基本仕事馬鹿だから休みなんてめったにねーんだよ!」
男・千家、魂の叫びである。
だがしかし、そんな仕事に懸命な彼女に惚れ込んだのは彼である。
「いやぁ、千家くんには悪いと思ってるんだけどね。
二人の時間はこれからも取れるし、なんだかんだ言って許してくれるところが素敵なところだよね」
「辛い・・・! 彼女が好きで、好きなことやってる彼女が好きな自分が辛い・・・!!」
「いや、でも君らよくやってると思うよ?
見習いとはいえ社会人と高校生って時間も違うのに、仲睦まじくて羨ましいから、式にはぜひ呼んでほしいな」
「勿論です! 所長!!
所長は僕と利緒の恩人ですから!」
拳を硬く握って嬉しそうに頷く千家と、『結婚』という単語に顔を赤くする利緒はとても可愛らしい。
「クソ羨ましい千家は置いといて、そのキャンプファイヤーを何とかしてくださいよ所長!」
「そうですよ、小城さん。
早く僕らに金田一先輩のドッキリ映像を撮らせてくださいよ」
「だから駄目だって。
るりちゃんもだし、女性陣もいるんだよ? 今度にしなさい」
「今度って!?」
「はぁ、じゃぁ仕方ないから腹踊りでもしてくださいよ。先輩」
「尻文字でもいいですよー?」
「じゃぁってなんだ!?
つうか女性陣の前だっつってんだろう! お前らがやれや! クローン兄弟!!」
小城はそんな喧騒から徐々に距離を置きつつ、適度に焼けた肉を見繕って女性陣の元へ運んでおく。
「楽しんでるかい? 揚羽くん」
「あ、所長。ありがとうございます」
「美雪ちゃんもちゃんと食べてるかい? 金田一くんの口に突っ込むだけじゃ駄目だよ?」
ちなみに当の金田一はしっかりと肉の串を咥えつつ、佐木兄弟を追いかけているという珍騒動の最中である。
「お前ら、こっちが必死に追いかけてんのに後ろ向きに走るとは余裕だな!?」
「ハハハハ、カメラマン魂という奴ですよ。先輩。
さぁ、皆さん見てますか? これがかの有名な名探偵の孫ですよー」
「あ、お前らそこ深くなってるから気をつけろよ?」
「抜かりは」 「ありません!」
檜山の指示の元、注意が飛ぶのと同時に佐木兄弟は飛ぶ。そして、金田一は転ぶ。だが、奇跡の幸運とゴキブリ並みの生命力を持つ彼に串は刺さらなかった。
「楽しそうですよね、はじめちゃん。
学校だといつもつまらなそうなのに」
「楽しそう、なのかな? 美雪ちゃん」
利緒は完全に苦笑いだが、この騒動を『楽しい』で済ませられる彼女は良くも悪くも金田一の幼馴染である。
「つまらなそうねぇ? 金田一くんはいつもあんなだから、つまらなそうにしてるところが僕には想像できないな」
「それはこの探偵事務所だからですよ。
学校では屋上でサボったり、授業中に昼寝したり、つまらなそうにしてます」
「ふーん、意外だな。
剣持さんに連れられてきた彼は、最初以外はあんな調子だからね」
その発言に麗美が食いつき、身を寄せてくる。
「そういえば所長っていつ金田一と知り合ったの?
普通にしてたら縁も所縁もなさそうなのに」
「僕も気になりますね。
所長ならむしろ事件を集めてくるような彼のことはうまく避けていけそうなのに」
(俺もそうしたかったんだけどねー。
原作の矯正力かなぁ・・・)
狩谷の食いつきもあって、小城はやや遠い目をする。
「むしろ私は麗美ちゃんや千家くんが所長さんに知り合ったことの方が不思議なんだけど」
「そこはまぁいろいろあってね」
小城が笑って話を逸らせば、仕方ないとばかりに小城が手を打って金田一の回収に歩き出す。
猫の子よりも雑に川辺から摘まみ上げられた金田一は珍しく動かない。
「あ、あの所長? 俺、普通の男子高校生でガタイ良い筈なんだけど?」
「ハハッ、ほら僕って近いうちに雪山で死体を風車に括り付けるかもしれないから」
「それ、どんな状況!? ていうか自白!? 予定あるの!?」
「その上で吹雪いてるだろうからねぇ」
「アンタは一人で
しかも一晩で一回の完全成功、奇跡の御業である。
「あぁ、それがきっかけで君は明智さんと関わったんだっけ?」
「あぁー、あの嫌味明智ですか。所長も知り合いなんでしたっけ?」
「そうだねぇ、僕が金田一くんのことを知ったのも彼からだったんだよね」
事件の話を知りたいという読者の想いを知りつつ、次は金田一がバイトになったくだりのはず。
ストック増やしたいのに文章詰まる(最新話の前が結構本気出して迷いながら事件の奴書いてた) もうダーツの旅方式でどれ救うか決めてやろかマジで。
いや、救いたい人がすべての事件にいるわけじゃないから難しいんだけども。