サブタイからわかると思いますが、今回は三本立て!
が、もう一つ、話が必要だと判断したので、この話と(中)・(下)を予約投稿後に書いてきます。可能なら(下)の投稿の次の日に間に合わせたい。
でも、事件としては三本なので投稿してます。
さぁ、楽しんでください。
その日もいつもと変わらない、その筈だった。
だが、今考えればその手紙が届いた時点で、既に始まっていたのだろう。
「小城さん、今朝の郵便物はこちらに置いておきますね」
「あぁいつもありがとう、揚羽くん」
小城と事務員三名で朝の準備をし、郵便物を決まった場所に入れてもらうとその中を覗いた舘羽が少し驚いたような顔をしていた。
「タテハさん? どうかしましたか?」
「手紙の一番上の名前が結構有名な人だから、少し驚いたのよ。ほら」
そう言って不思議そうに首を傾げるマリアと揚羽に舘羽が見せた一番上にあった封筒には丁寧な文字で書かれた『幽月 来夢』の名だった。
「幽月 来夢?」
「あぁ、有名な挿絵画家の方ですね」
首を傾げるマリアに対し、すぐに思い当たった揚羽の言葉に舘羽は頷く。
「そうそう。ジャンルを問わずにいろいろな挿絵を描いてる方なんだけど、私結構好きなのよね~」
そんな女性陣のやり取りを聞きつつ、その名の書かれた封筒を手に取って眺めていると何かに引っ掛かりを覚えた。
(幽月 来夢、どこかで聞いたことあるような気がするけど・・・ 有名な挿絵作家なら聞いたことがあっても不思議じゃないか)
手紙の名前を確認し、小城個人に宛てられたものと事務所に宛てられたものに分けていく。
(もっとも
その考えにいたった時、先ほどの挿絵画家から来た手紙に感じた違和感を理解し、慌てて封筒を見直す。差出人はさっき話題になっていた通りの人物だが、宛名は事務所に向けられたものではなく小城個人宛であることを理解し、何故か背筋に寒いものを感じた。
「所長? どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ」
察しの良い舘羽の問いかけに何事もなかったように返しつつ、特に予定がないことを確認してから所長室に戻り、彼女からの封筒を開ける。薄い封筒の中には入っていた数枚の手紙は丁寧な挨拶と自己紹介から始まりいくつかの調査依頼をしたいと旨が書かれ、依頼の詳細については直接会って話すことを望んでいた。
(日付も時間も場所も書いてあるし、手紙で内容を語ることを避けてこっちを見定めるために会いたがるの珍しくはない・・・ 依頼として特におかしなところはないな。
でも、何か引っ掛かる・・・ 名前に聞き覚えがあるってことは何かの事件の関係者か?)
顎に手を当てながら考え込むが、考えても答えが出てこない。
(幸い指定された日付までは時間があるし、彼女について一度調べてみるか。
これだけなら徹達にも頼めるし、そろそろいつきさんに頼んでおいたあの件についての結果も出る筈だ)
いろいろと考えつつ、手帳を確認しながらいつきと会う予定を立てながら、机に貼り付けてあったメモに書かれた『金田一と共に速水玲香の事務所訪問・仕事見学』に目が留まり、額に手を当ててしまった。
「こっちはどうするかな」
「所長、紅茶をお持ちしました」
「あぁどうぞ、鍵は開いてるよ」
紅茶と小皿に数枚のクッキーを乗せた揚羽は小城の困った表情を見て、彼の視線の先にあるメモの内容で大体のことを理解する。
「速水玲香さんの見学の一件、悩まれているようですね」
「まぁ、ね。
おそらくだけど彼女が希望しているのは金田一くんと行動を共にすることだろうから、彼と一緒に行動させると何か事件が起こるんじゃないかかと警戒してしまってね。簡単で近隣の探し物なら任せていいとわかってる筈なのに、つい過保護になってしまう」
苦笑しながらそんなことを言う小城を揚羽は笑うことなく、ただ心配と気遣いだけがその表情からは伝わってきた。
「小城さん、その・・・」
彼女は言い出しにくそうに何かを言おうとしたが小城の優しい眼差しを見て、言葉と伸ばしかけた手を自分の胸元に戻した。
「・・・また、事務所の皆さんも一緒にどこかでバーベキューやピクニックでもしませんか?
るりもフミちゃんと仲良くしているようですし、マリアさんが来てからは歓迎会をしたきりですから」
「あぁいいね、今度しっかり予定を立てていこうか。
さとみちゃんが所属してるマジック団に行ったりとか、また繁樹さん達と山に行くのもいいかもね」
何か別のことを言いかけたことはなんとなくわかっていたが、小城はあえてそれを指摘せずに揚羽からの突然の提案に素直に賛同した。
依頼人との打ち合わせのために小城は広い公園が良く見える場所にあるカフェのテラス席で待っていれば、暗い茶髪を肩で切り揃え、顔の右半分を隠した女性が歩み寄ってきたので挨拶のために席から立ち上がる。
「来ていただけて嬉しいわ、小城拓也さん」
「いえ、こちらこそ有名な挿絵画家である幽月さんからの依頼で少々驚きましたよ」
にこやかに挨拶を交わして席について飲み物を注文すれば、自然と視線は互いの服装にいってしまう。
幽月はシンプルな黒のスーツを纏い、首には同色のチョーカーをつけており、シンプル故に美人以外が着て歩いたら大事故になりかねないような服装である。
「あなたのことは友人から話を伺って、とても興味深く思っていたの。
だから、こうして会う機会を得られたのは本当に幸運だわ」
「それはとても光栄ですが、探偵なんて職業とは一切縁のない人生の方が幸福だと思いますよ。
それで今回はどういったご依頼で?」
笑みを零す彼女に対して小城もまた肩を竦めて笑顔で対応しつつ尋ねれば、彼女も本題を切り出した。
「つい最近亡くなった著名なミステリー作家・山之内 恒聖さんはご存知かしら?」
「えぇ、いくつもの作品を残し、人格者としても非常に有名な方ですよね。知り合いが彼の人生をドキュメンタリーにするかもしれないと語っていましたよ」
「流石、探偵業でもトレジャーハンターでも有名な小城さんね。
それとも私の名前を聞いて、事前に調べてくださったのかしら?」
こちらの情報をよく知っているような口ぶりの彼女に若干の気味悪さを感じながら、挿絵画家の職業と知り合いの誰かが彼女と交友関係があるかを考えていく。
が、脳裏に浮かぶ関係者はいずれも男性であり、美人でそこそこ名が知れている彼女と知り合いならば自慢を混じえて話す人間がほとんどだ。加えて、事前に調べた情報では彼女の家族などの当たり障りのない部分しかわからず、仕事関係の交友関係などは調べるに至らなかったのが現状だった。
(となると、彼女の知り合いは僕のことを一方的に知っているのか?)
「フフッ、そんな心配そうな顔をなさらないで。
ちゃんとあなたも知っている方だし、依頼の話が終わったら彼も交えてお話ししましょう?」
「それはそれは・・・ 少し楽しみではありますが、知り合いが誰か思い至らない僕としてはちょっと怖い気もします」
「フフッ、あとのお楽しみね」
誰であるかを語らず、また小城の反応を見て楽しんでいる様子の彼女に頭の中で警報が鳴っているが、彼女はそれすらも安心させるような微笑みを小城に向けていた。
「私は彼の莫大な財産の相続人の一人に選ばれたの」
「一人? あなた以外に誰かいらっしゃるんですか? というか、失礼ですがご家族は・・・?」
「いいえ、山之内先生にご家族はおられなくて、私を含めて相続人にあげられた五人は親しい友人や恩人であり、共に素人楽団を組んでいる仲ですわ」
何かしらの思い出があるのだろう、そう語る彼女は確かに楽しそうだが、楽しいだけなら探偵事務所に依頼などするはずがなかった。
「しかも、その五人で相続資格を得るためのゲームをして勝者を決めるように遺書に書き残されたの」
「それはまた随分と・・・ 噂に聞く人格者であった山之内先生は想像もつかないような、茶目っ気をお持ちだったようですね」
口から出かかった『厄介』や『面倒』という言葉を言い換えれば、彼女も小城の口から出かかった言葉を察したようでクスクスと笑う。
「フフッ、同感だわ。
知り合いであった私も、まさか先生がこんな遊び心溢れた催しをなさるなんて想像していなかったもの。けれど、亡くなった後もこんなミステリーのようなことをなさるなんて・・・ 最後まで他の作品の構想でもなさっていたのかしら?」
(この状況で笑う余裕のあるこの人も底知れないし、怖いんだけど?
というかこの人、やっぱりどこかで見たことがあるんだよな・・・)
「依頼したいことは二つ、山之内 恒聖について可能な限り全ての情報の入手。そして、今回のゲームが始まる前に彼の別荘を調べてもらいたいの」
「あなたが確実に遺産の相続権を得るために、ですか?」
彼女の真意を探ろうと問えば、彼女は意外なことに首を振った。
「確かに先生の莫大な遺産は魅力的で、お金はあって困るものではないわ。現に今回のゲームを参加するにあたって、私は万全の態勢で挑むつもりだったのも事実。
けれど、協力してもらう予定だった知り合いからあなたの話を聞いて、今回の件を一切関係のない第三者であり、有能なあなたに事前に調べてもらいたいと思ったのよ」
「その知り合いというのは・・・「お久し振りですね、小城くん」
親し気に声をかけて歩み寄ってきたのは穏やかな笑顔を浮かべたピエロの仮面をかぶった男性であり、小城はその聞き覚えのある声に目を見開く。
「あなたはまさか・・」
「あぁ失礼、仮面をかぶったままは君に失礼ですね。
それにこの場にいるのは、僕の数少ない親しい友人ですから」
ポーカーフェイスな彼らしくないどこか嬉しそうな、楽しげな声に内心冷や汗がとまらないが、その様子すらも楽しいとばかりの笑顔の高遠遙一が素顔を晒した。
「改めて久し振りですね、小城くん。
長野での一件は聞き及んでいますよ、体は大丈夫ですか?」
(そうか、道理で覚えがあるわけだ。
これは露西亜人形殺人事件・・・ 彼女は原作で明言されてる
名を見た時から感じていた違和感と記憶がようやく繋がり、初顔合わせ以後も小城の生活の全てを見ていたような彼の言動にも動揺を見せないように取り繕う。
「ご心配ありがとうございます、大した怪我ではなかったから問題ありませんよ。
それにあんな状況です、錯乱する方の一人や二人が出てもなんらおかしくはありません」
「えぇ、普通の人間ならそうですね。けれど、君は私と同じ存在であり、普通ではない。
だから自分が怪我をしてもとても冷静に対処することが出来た ――――― 自分に銃を向けられても、ね」
席に腰かけながら微笑む高遠と、彼から話を聞いて蝋人形城での出来事を把握しているらしい幽月もまた微笑んでいた。
「高遠さん、とても心配をしていらしたものね。
あなたを重傷に追い込んだ方についても『熱心に調べた』と話していたもの」
幽月の言葉に小城が高遠に視線を向ければ、彼は口元だけで微笑むのみだった。
「彼に何かしたんですか?」
「さぁ? もっとも私が何かをする前に彼はルポライターとしての仕事はとてもじゃないが出来ない状況でしたし、自分の生きがいに等しい仕事を追われた彼が失踪してしまってもなんら不思議はない。
そうでしょう?」
あくまでにこやかに告げる彼が真木目に何をしたかを悟って一瞬だけ言葉を失うが、小城もまた何事もなかったように苦笑する。
「そうですね。
とてもありふれた、よくあることだ」
小城の言葉に高遠は嬉しそうに目を細め、その目は無言で『ほら、やっぱりあなたは私と同じだ』と語っている。それは隣に幽月も同じで、さながら小城も高遠と同じ古い友人だとばかりに三人の間にある雰囲気は異様でありながらもどこか仲睦まじくすらあった。
「それで高遠さん、幽月さんに僕に調査するように頼んだ意図はなんでしょう?
あなたが彼女の傍にいるなら僕の出る幕などない気がするのですが・・・」
「確かにそうかもしれません。
常ならば恩のある彼女の依頼を受け、この催しを共に参加するだけに留めていたことでしょう」
言葉を素直に認め、あえて結果がどうなるかなど語らない彼はやはり手段を選ぶことのない ――― 『禁忌を犯す』という箍がとうに壊れている人間であることを実感した。
「ですが、今の私には彼女だけではなく、君がいる」
それはまるで一般人が困った時に親友を頼るような口振りでありながら、恋に酔って好きな人の一喜一憂を楽しんでいるようにも見える。
「幽月さんからこの話を聞いた時、ふと思ったんです。
この催しが始まる前に君と二人であの屋敷を見学に行きたい、とね」
(どうしてそうなった!?)
犯罪者の考えることはわかる筈がないのは当然だが、この世界のバグに等しい高遠の思考を理解する人間などこの世に一人としている筈がない。
「それに最近、あの怪盗紳士と仲良くなさっていたでしょう?
お互い忙しい身ですから仕方ないですが、少しばかり寂しく思ってしまったんですよ」
(え、何その遠距離恋愛してる彼女みたいな発言。やめて?
俺、いつから
これまでに感じたことのない種類の恐怖を感じながら、あくまでにこやかに対応する。
「何をおっしゃっているのやら。彼女から聞きましたよ、随分と怖い目に遭ったと。
初対面の女性に怯えるようなことをしてはいけませんよ」
「フフッ、君に苦情がいってしまいましたか。それは申し訳ない。
ですが彼女が悪いんですよ? 君の大切なものに遊び感覚に触れるなんて・・・ 友人として見過ごすことなんて出来ず、少しばかり厳しい言い方をしてしまいました」
「あら、もしかしてあの金塊探しツアーの?
出演なさっていたことは知っていたけれど、今度詳細をお聞きしてもいいかしら。小城さん」
「かまいませんよ、もっとも当人の僕と同じくらい高遠さんが詳細を知ってそうですが」
「いえいえ、そんなことは・・・」
一部の内容に目を瞑りさえすればただの友人同士のやり取りにしか見えず、共にいる三人が全員笑い合って話も弾んでいる。
だが、そうしている姿は偽りでしかなく、互いを友人と呼び合いながら各々が仮面をかぶっていることをよく理解していた。
「話を戻しますが、君には私と共に山之内 恒聖の別荘に赴きいろいろと調べてもらいたいんですよ」
「幽月さんが山之内さんの遺産を得るためですか?」
「勿論、それもありますし、先ほど言った君と二人きりで過ごしたいというのもあります」
(二つ目の理由はやめて? 本来あなたから感じるべき恐怖とは別の意味で怖いから、お願いだから本当にやめて?)
だが、小城の心から飛び出すことのない切なる願いはいつも通り誰にも届かずに終わり、彼はかまわず言葉を続けていく。
「人格者として名が知れていた作家であり、いくつもの名作をこの世に生み出して築いた莫大な遺産。身寄りの居ない彼は自分が死んだ後に、友人らにその遺産の相続権を争わせるような催しをする。
莫大な遺産を築いた老人にありがちな、残した人々に宛てた遊び心を混ぜた催しといえばそれまでですが・・・ 少し違和感がありませんか?」
迷う素振りも、考える様子もないままに彼は語り、小城はただ黙って聞くに徹する。
「人格者であろうとするのならば、遺産もまたそう在るように使えばいい。莫大な遺産を君のように世のため、人のために使えば、彼の名はミステリー界に留まらず慈善家としても知れ渡り、多くの賛辞が贈られ、死を惜しまれることは間違いない。
だが、彼はそうしなかった。
わざわざ親しい友人同士で争いを起こし、晩年を過ごした自らの城である別荘を舞台として、自分が直接見ることの出来ない催しを行おうとしている。
これはもう別荘に何かがあると見て、間違いないでしょう?」
(金田一並みのひらめきがあって、明智さんくらい冷静に状況を分析することが出来て、体力も、あらゆる技術も世界屈指の域なのに、どうしてこの人犯罪者なんだろ・・・)
その推理を聞いて改めて高遠遙一が犯罪者である事実に絶望して頭を抱えたくなるが、彼の言葉に小城は頷いて見せた。
「確かにそうですね。
つまり、山之内先生の本心を一足先に覗きたいと?」
「その通り。
人格者として知れ渡っていた彼が何故こんな催しをしようとしたのか、その舞台には何を仕込んであるのか、非常に興味深い。加えて、彼の著書にも軽く目を通しましたが、彼には私や君に近い狂気を感じました。
彼の狂気の根源がどこにあるのか、君と共に知りたい。そう思ったんですよ」
(理由が二つ目と大して変わってない上に、あなたの心の琴線に触れまくってる奴とか本当にかかわりたくないんですけどー!?
っていうか、原作でここまで山之内に興味示してなかった気がするんだけど、どうしてこうなった!?)
「幽月さんはかまわないんですか?」
「かまわないわ、私は遺産を受け取れれば手段は問わないの。
元々高遠さんに手伝ってもらう予定でしたから、むしろ高遠さんが頼りにしている小城さんが加わって心強いくらい」
遠回しに『あなたをだしにして、この人はいろいろと楽しんでますよ?』と伝えたが、おそらくそれを正しく理解していながら彼女は『かまわない』と笑う。
(流石高遠さんの友人だよ・・・ 完全に類友だ)
「勿論、小城さんには相応の報酬をお支払いするのでその辺りの心配は無用ですわ」
「いえ、その辺りの心配はしていませんし、最悪高遠さんに支払いをお願いするのでかまいませんが・・・」
「おや、とばっちり」
(友人からの依頼を私欲にフル活用してる奴が、とばっちりなんてよく言えたな?)
「別にかまわないでしょう? 高遠さんが動いている以上、僕に断るなんて選択は残されてません。
それにあなたのことです、僕が彼女を事前に調べることも想定内では?」
「フフッ、どうでしょうね」
その問いかけを高遠は笑うのみで、幽月も何かを察したように小城をじっと見つめた。
「僕への支払いは高遠さんに任せて、弟さんに使ってあげてください」
そう言いながら小城は胸ポケットから名刺を出して、彼女へと手渡す。
「この結果がどうなっても、良ければ僕の慈善団体に連絡してください」
「・・・私と弟は、誰かの庇護や保護を受けられるような年齢でも、立場でもありませんよ?」
様々な感情が込められた彼女の視線を受け止めて、告げる。
「えぇ、知っています。
政府も、時代も、団体も、年齢や状況、身内の有無で誰も手を伸ばさないことがあるということを・・・ 僕は痛いほど実感してきました」
この世界のありとあらゆるあったかもしれない事件、既に起こってしまった事件。そして、避けることの出来なかったありとあらゆる怨恨が、それを証明している。
「だから、なんとか出来る団体を僕は作ったんですよ。金に物を言わせてね」
その言葉に今日初めて彼女の仮面は外れ、本心からの驚きの表情を見せていた。
「幽月さん、高遠さん、あなた方のご依頼を正式にお受けします。詳しい話はこちらの番号にまた連絡をください。
それでは僕は次の約束があるので、今日はこれで失礼します」
二人に軽く頭を下げてから伝票を持ってその場を離れながら、小城の頭は高遠と二人きりであの別荘でどう過ごすか、どう対処するかで頭がいっぱいとなっていた。
出すたびに凄い不思議なんだけど、なんでこの作品の高遠ってこんなに小城の恋人気取りなの?
多分、うまいこと台詞を抜き出すと恋する乙女になっちゃう謎(。´・ω・)?