小城探偵事務所   作:無月

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独自解釈、原作改変、盛沢山。

事件ではなく、久々に完全息抜き回。
この作品だから広がった交流関係、ここだから出会える人々、ありもしなかった会話・・・ 二次の醍醐味ですねぇ。


さぁ、楽しんでください


都内の某カラオケ店にて

「遅れちゃってごめんなさ~い」

 

 軽い調子で最後の一人が入室してきたタイミングで、真っ暗だった部屋には照明がつけられる。

 そこには既に他に三人の年齢バラバラの女性が揃っており、一人は興味なさそうに自分の手相を眺め、一人は入ってきた少女に手を振り、一人は机の上で腕を組んでいた。

 

「よく集まってくれた・・・

 では、全員揃ったところで始めるとしようか」

 

 ここは都内某所のカラオケ店の個室、そこにはある事務所の関係者の面々のみが集められ、今からここで始まる会話はこの場のみの密談となる。

 

「あ、えみりちゃんもドリンクバーで良い? 何か甘いものでも食べる?」

 

「ちょ、麗美姉! せっかくあたしがシリアスで悪の組織みたいな秘密っぽい雰囲気作ったんだから、一言でぶっ壊さないでよ!?」

 

 参加者の一人である檜山の彼女である森下 麗美が部屋に入ってきたえみりに声をかけると、えみりも『とりあえず、ドリンクバーでお願いしまーす』と元気に返事しながら、メニューを眺める。

 

「で、これってどういう集まりなの?

 麗美ちゃんとえみりちゃんはまだ同じ学校で歳も近いけど、私がいるのはちょっと意味がわかんないのよね。あと、フミちゃんが仕切ってるのも不思議」

 

「あれ? 舘羽さんは何も聞いてないんですか?」

 

 舘羽の言葉に麗美が驚いていると、えみりが『え? 説明しないで連れてきちゃったの?』とフミに視線を向ければ、彼女の視線は見事に気まずそうに泳いだ。

 

「るりにここに来るように言われて来ただけだから、全く何も聞いてないのよねー。

 で、部屋に入ったらいたのは麗美ちゃんとフミちゃんで、さらにえみりちゃんでしょ? ホント、何が始まるのかが予想つかなくて笑っちゃうしかないわよね」

 

「だ、だって、舘羽さんはこうでもしないと来ないと思ったんだもん・・・」

 

 ケラケラと笑い出す舘羽に対して、気まずそうに言い訳を口にするフミにえみりが溜息をついた。

 

「まぁ確かに、『事務所の男性への評価』なんて舘羽さんに素直に話したら来るか微妙ですよねー、

 だって舘羽さんってば男っ気ないし、仕事に生きるタイプの女ですもん」

 

「は? ウチの事務所の男どもの評価? そんなことしてどうすんのよ?

 あいつら、最近本当に考え方の方向性が馬鹿丸出しになってることしか話すことないわよ?」

 

「アハハ! 舘羽さんらしい容赦のないお言葉、かっこいい~。

 でも、あんまりウチの達之をいじめないであげないでくださいよ~。ちょっと感情的だけど、凄い頼もしくて優しいんですから」

 

「私は別にいじめてなんかないわよ。ただ馬鹿すぎる行動とかには容赦なくそう言ってるだけで」

 

「はぁ~・・・ 藤子さんだったらここまで話が通じるのに、舘羽さんの話の通じなさときたら・・・」

 

 嘆かわしいとばかりに頭に手を当てて首を振るえみりに、えみりの隣のフミが同意するように深く頷いていた。

 

「こんな女ばっかりの集まりで男の評価と言ったらあれに決まってんだろ? 舘羽さん」

 

「そうそう、だって私達ってまだまだ花盛り! 女が集まったらもう恋バナしかないでしょ!」

 

 麗美が場を盛り上げるためにわざとらしく明るく言って、事前に持ってきていたらしいマラカスをシャカシャカと振り出す。

 

「ここに集まったのは他でもない女による、女のための身近な男どもへの品定め!」

 

「彼らを見る目は厳しく、将来性を見据えてしっかりと観察!

 そして、重要なのは目当ての彼へと近づくための足場固めと情報収集!」

 

 フミとえみりがわざとらしくポーズを取りながら、まるで獲物を狙う狩人のように光らせる。

 

「「そう! これは我々女性にとって重要な話し合いであり、女性だけに許された密談の場である!!」」

 

 二人同時に力強く宣言によって再び始まろうとしている話し合いの場に、麗美は二人の後ろでタンバリンとマラカスを駆使して盛り上げまくり、二人の宣言と共にパァンッとタンバリンを決めた。

 打ち合わせもアイコンタクトもしている様子のなかった三人の息ピッタリさにドン引きしながら、改めて自身の場違いさを感じる舘羽は溜息をついた。

 

「とりあえず集まった趣旨はわかったわ・・・

 で、この人選の理由は?」

 

「え? あたしが声かけられる範囲で手広い意見を聞ける人選?」

 

 すぐさま返答されてしまって一瞬面をくらい、自分が間違っているのかと思ってしまって周囲を見渡すが、そこに居るのは二十二歳の自分と高校二年生と一年生の女子。そして、そこから年齢が離れて九歳の彼女である。

 

「えみりちゃんはともかく九歳のフミちゃんが事務所の男どもの話を聞いてどうするのよ・・・ 歳が違いすぎて参考にすらならないでしょ」

 

「いやぁほら、見る目は養っておきたいじゃん?」

 

 強かすぎる小四女子(フミ)に頭を抱えたくなるが、現在娘一人を姉の家において外国に飛んでる大馬鹿野郎(父親)がいることを思いだすと、彼女の強さは生存本能に近いところから生じている可能性が高いので怒るに怒れない。

 というか、改めて考えるとやむなく仕事をなくしたとはいえ、成功するかもわからない旅に出た彼女の父親へと怒りが湧き上がってくる。

 

「舘羽さん、凄い眉間に皺寄ってる~。でも、そんな難しく考えなくていいんじゃないですか? 年齢なんて関係なく、皆で楽しく恋バナしましょ!」

 

 この中で唯一の彼氏持ちである麗美だけが余裕があるように見えるのは、おそらく気のせいではない。

 

「で、早速なんですけどまずは事務所の所長であり、私のお師匠様『小城 拓也』から!

 皆さん、忌憚のない意見をどうぞ~」

 

「はいっ! うさんくさい!」

 

 挙手と同時に意見を叫ぶフミに麗美が噴き出し、舘羽は苦笑いする。

 

「アハハ! まぁ常に笑顔貼り付けてるからそう見えちゃうのもちょっとわかるかも!

 でも、小城さんは基本的にとっても世話焼きで優しい人だよ? あたしと達之はそれで救われちゃったもん」

 

「麗美さんは師匠の探偵業の方で助けられたんですっけ?」

 

「あれ? なんで知ってるの、えみりちゃん」

 

「いつきのおじさま、知ってます? 探偵事務所にもちょこちょこ顔出してる、フリーライターの方なんですけど」

 

「あー、会ったことあるかも。小城さんに変にお兄さんぶってる人だよね」

 

 不思議そうに首を傾げる麗美に対して、えみりの口から出てきたのはもはや事務所を好き勝手出入りしている男 いつき陽介であり、カフェにもたびたび晴れて恋人となった最上 葉月と共に訪れているので本人と話したことはなくとも見かけたことも、檜山(恋人)の口からも話題にあがっていた。

 

「その人が師匠がこれまでしたことを話す中で話題にあがったんです。

 だから私、詳細は知らないんですけど所員の皆さんに何かがあったことは知ってるんです」

 

 彼女の説明で納得する麗美に対し、一瞬だけ舘羽が固まり、いつきがどこまで把握しているのかを葉月に確認を取ることを脳内メモに加えておく。

 

「あぁ、あのおっさんもうさんくさいよなぁ。なんか軽いっていうか、信用ならない感じ。

 しかもフリーライターだから仕事も安定してなさそうだし、あたしだったら絶対結婚したくないタイプ」

 

「それは私も同意見だけど、フミちゃん容赦ないわねー。

 まっ、あの人を褒めるところがあるとしたら、所長とか金田一くんみたいな懐に入れたら可愛がることと葉月さんに一途だったことぐらいじゃない?」

 

「その一途に好きな人とも素直になれなかった期間が長かったみたいですよ?

 でも、トレハン関係で凄く密着したり、ずっと傍を離れなかったりして周りを凄い牽制してましたけど」

 

「そんなことするくらいなら素直になればよかったのに、馬鹿すぎない?

 で、軽率な行動して復縁延期したりもしてたけど、素直になれないって意味では葉月さんも似た者同士なのよね」

 

 いろいろと思い出してクスクスと笑うえみりと以前事務所で起きたいつきの大泣き事件を思い出して呆れる舘羽、それを見て変な顔するフミ。

 

「何そいつら、はじめ達の未来の姿?」

 

 彼女の言葉に全員が一斉に噴き出し、ソファを叩き出す麗美と咳き込みだすえみり、口を押さえてプルプル震える舘羽に爆笑の渦の彼女はさらに続ける。

 

「てか、美雪ねーちゃんって悪い人じゃないけど完璧超人過ぎてちょっと引くんだよなー。

 しかもあたしと違って天然で性格が良くて、交流関係も広くて、部活とかもはじめから聞いてる範囲じゃ手広いしさぁ。その上、知識欲も旺盛なのか知らないけど雑学の幅もおかしいレベルじゃん」

 

「あ、それ凄いわかる~。

 宗像先輩はまだわかってて計算してるところがあったり、他を自分よりも一段下と見てる桜樹先輩達とは違って、素であれなんですよね・・・」

 

「それはあんた達二人が猫被ってる側だからでしょ」

 

「友達として付き合うには最高だし、本当に素だから嫉妬も出来ないっていうのがまたしんどいよね~。

 まぁたまに同級生の同性でも美雪を苦手って思ってる子もいるけどね、告白してくる男子をかなりの数を振ってるのは事実だし」

 

「それですよ」

 

「えっ?」

 

 麗美の言葉にえみりが指差し、指さされた当人は首を傾げる。

 

「別に金田一先輩と付き合ってるわけでもないのに試しに付き合ってみることもなく、すぐ振っちゃってるのがよくわかんないんですよ。しかも金田一先輩もはっきりとは言わないだけで七瀬先輩と大体一緒に居て、オカ研でも男子がちょっかいだそうとすると牽制し出すし」

 

「あたしはえみりちゃんがはじめを狙うのもよくわかんないんだけどなー。

 世話焼いてる美雪ねーちゃんもだし、玲香ちゃんとか青森から電話してきたミヤコ?ってねーちゃんも、るり姉もだけどさぁー。

 はじめってば基本バカでスケベだぜ? 体力とか、常識とかはバイトし出してからはまともになったみたいだけどさぁ、あんなんのどこが良いわけ?」

 

『この従姉妹、本当に容赦がない』

 三人が同時に思ったであろう言葉は誰も声に出すことはなく、えみりは少し考える素振りをする。

 

「どこって言われると、しいていうなら感性?」

 

「えっ、凄い感覚的なところじゃん。ていうか、あたしと評価基準違いすぎない?

 だって感性なんてふんわりとしたもんじゃ、将来性なんてわかんなくない?」

 

「普通の仕事に就く人ならそうなんだけど、私の場合はトレジャーハンターだから感性って凄い大事なの。

 なんとか師匠と話をつけて、金田一先輩借りられないかなぁ。もっとお話ししたいんだけど、七瀬先輩がかなりの確率でついて来ちゃうんだもん」

 

 頬を膨らませるえみりに静かに聞いてた麗美と舘羽が納得しながら、ひそひそと話し合う。

 

「麗美ちゃん、どうする? これって応援すべきなの?」

「これはちょっと迷いますよね~。

 美雪も自分の気持ちに自覚してるんだか、してないんだかわかんないし。今の話を聞く限りじゃ金田一くんもかなりモテてますよね?」

 

「あたしにははじめの良さとか、全然わかんねーや。

 るり姉もなんかキラキラした目で見てるし、時雨姉もなんかあいつのことじっと見るしさぁ。そりゃ明るくて面白い奴かもしんないけど、それだけじゃね?」

 

 理解できないとばかりに大袈裟に身振り手振りをして、突然舘羽に視線を向けた。

 

「ねー、舘羽さんはどうなの?

 舘羽さんはかなり良い女だし、街を歩けば男にも声かけられるんでしょ? それともスペックだけは高い周りの男と比べちゃって、選ぶ気にもなんないの?」

 

「私? いや、前は婚約者いたにはいたんだけど・・・

 なんかいろいろあって当分恋愛はしなくていいっていうか、揚羽とかマリアちゃんの片想いとか、妹分たちの恋愛を見守ってる方が楽しいのよね~」

 

「え、もうその歳で枯れてるんですかぁ~? 藤子さんを見習って下さ~い」

 

「私より三つも上で、典型的な仕事に生きてる女の名前を出さないでくれる?」

 

 小馬鹿にするように煽るえみりが出した冒険カメラマンの名に、額に怒りマークを貼り付けながら笑顔で返すと彼女はさらにクスクスと笑い出す。

 

「藤子さん、何気に師匠のことを狙ってますよ?

 仕事柄、あからさまに接触したりはしてませんけど常に連絡はとれる状態ですし、いろいろと有望な師匠が自分の元にしれっと落ちてこないかなぁって」

 

「棚ぼた狙いは恋してるって言っていいか、微妙じゃない?」

 

「でも、舘羽さんにはない強かさですよ?」

 

「アハハ、喧嘩売ってる?」

 

 二人の間に火花が散りだしたのを見て、麗美が間に手を差し込む。

 

「でも実際、事務所の皆さんってスペック高いですよね~。

 ウチの達之も運動できるほうなのに小城さんと徹さん、狩谷さんはそれ以上に出来ちゃうし、頭も皆良いし」

 

「てか、カフェに来てるのも警察官多いじゃん。

 あのクローンカメラ兄弟も頭は別に悪くないし、あたしは全然付き合いたくないけど」

 

「佐木くん達かー、なんか美雪の話によると竜太くんの方は遠距離恋愛みたいなことしてるみたいだよ?」

 

「あの人、恋愛とか出来んの!?」

 

 奇しくも従兄弟と変わらない反応を見せるフミに、竜太と共通点の多い筈のえみりは興味なさそうに流し、思いついたまま口にする。

 

「しかし師匠って、ある意味で選び放題なのになんで彼女作らないんでしょうね?」

 

「わかる!

 小城さんって金田一くんと違って鈍感じゃないから揚羽さんの気持ちもマリアさんの気持ちも気づいてないわけないのに、触れようとしないのが不思議だよねー」

 

「まぁあの二人も積極的に動いたり、告白したわけじゃないから付き合う云々はないにしても、所長のスペックを考えると狙われないって不自然よね」

 

「スペック的にはそうだけどさぁー。

 あの人ってなんか距離あるじゃん、見透かしてくる感じもおっかなくない?」

 

『それは確かに』

 

 何気に鋭いことを言うフミに三人も同意し、そこで部屋に沈黙が降りた。

 そして、麗美がふと何か思いついたようにフミに視線を向けて尋ねてみる。

 

「結構いろんな名前があがったけど、フミちゃんは誰か好みの人っていないの?」

 

「えー? 金をしっかり稼いで、家族を置いてどっか行かない人?」

 

 その真逆の存在であるフミの父親が脳裏に浮かんだ舘羽が、静かに立ち上がった。

 

「やっぱりフミちゃんの父親、一発ぶん殴ろうかしら?」

 

「舘羽さん、待って待って! 般若みたいな顔して立ち上がるとか怖いからね!?」

 

「私、家族を大切にしないクソな男って地雷なのよね」

 

「何があったの!?」

 

 舘羽を麗美が止めようとするがずるずると引き摺られる形で退出し、部屋にはえみりとフミだけが残された。

 

「ねぇ、フミちゃん」

 

「何? えみりちゃん」

 

「フミちゃんが本当に私と似たタイプなら、本当に嫌ってる相手だったら悪態もつかないでスルー出来るよね? それってつまりぃ、金田一先輩のこともここまで話題にあがった人たちのことは・・・「あー! あたし、この後るり姉達と一緒に宿題する約束してるんだったー!! ごめん、今日はもう帰るね!」

 

 えみりが全てを言い切る前に大きな声で妨害し、さっきの舘羽同様に部屋を出ていくのを見て、えみりはクスクスと笑った。

 

「そういうところはまだ子どもで可愛いんだ?」

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってって! 舘羽さん! いくら何でも外国にいる人を追いかけてまでぶん殴りにまではいかないですよね!?」

 

 カラオケから少し離れたところまで引きずられていた麗美の言葉に、舘羽もようやく足を止める。

 

「流石にそこまではしないわよ。

 でも、麗美ちゃんも覚えてるでしょ? 最初に店に来た時のあの子の、借りてきた猫っぷりと警戒心の強さ」

 

「そりゃ覚えてますけど・・・」

 

「元々の性格とか、ペンションやってて接客してた経験もあるんでしょうけど・・・ それにしてもあの子の子どもらしくなさは異常よ!?

 なんであんなに大人を頼らないのよ! なんで媚びを売ることを九歳が覚えてるのよ!」

 

 わなわなと指を動かし、怒りに震える彼女はそこに居ないフミの父親を睨みつけているようだった。

 

「っていうか、母親はどうしてるのよ! 即決で親戚の家に預けるとかおかしいじゃない!」

 

「舘羽さん、気持ちはわかりますけど落ち着いてくださいってば。

 金田一くんの話とか、るりちゃんから聞いた話でフミちゃんがあぁなった原因の大部分がちゃらんぽらんの風来坊の父親にあることがわかってて、舘羽さんどころか緑さんとか小城さんが怒ってるのは知ってますけど・・・ それだって皆との交流で大分軟化してきたじゃないですか」

 

 フミが初めて事務所を訪れたのは金田一がバイトを始めてしばらく経ってからであり、初めて会った時のフミは見事に猫を被り、会う人全員に媚びを売るような子どもらしくない姿だった。

 が、そんな姿は金田一とやり取りする時だけ剥がれていることを知った面々は、フミを全力且つ徹底的に子ども扱いすることに決めたのだ。

 些細なことでお菓子をあげ、頭を撫で、からかい、わざと目線を合わせて話をする。最初の内は不快感を露わにした彼女だが、金田一を混ぜながら交流を重ねた結果、カフェと事務所では素のままで過ごすことが増えていった。そして、歳の近いるりや時雨との交流で笑顔が増え、カフェを通ううちに仲良くなったえみりとは同じ猫かぶり仲間ということもあって非常に馬が合ったらしい。

 

「まったく・・・ 所長も言ってたけど、世の中まともな大人が少なすぎるのよ」

 

「それは同意ですけど、私達は出来ることをするしかないですってば。

 私達はフミちゃんや時雨ちゃんみたいな子と仲良くしたり、小城さんがしてくれるみたいに子ども扱いするとか、あと何が出来そうですかね?」

 

「諸悪の権化を公の場で処分するとか」

 

「力業やめてもらっていいですか?

 あと、舘羽さんのそういうところが時々徹さんに似てると思いまーす」

 

「・・・今、私と兄さん、似てた?」

 

 麗美の言葉に舘羽が動きを止め、慌てて振り返った。

 

「はい、かなり。

 目が全く笑ってない状態で『処分』って言葉を使っちゃうところとか、もうそっくりでした」

 

「注意するわ・・・」

 

 そう言って舘羽は頭を抱えて溜息をつき、落ち着くために深呼吸する。

 

「はぁ~、兄さんもさっさと恋人作ってくれないかしら? るい子ちゃんには頑張ってほしいわ」

 

「えっ? 桜樹先輩が徹さんを狙ってるんですか?」

 

「うーん、まだわからないけど・・・ 意味深に兄さんを見てたことがあったから、条件は満たしてるんじゃない?

 私もさっさと良い男見つけて、吹っ切っちゃいたいのよねー」

 

「吹っ切る?」

 

 言葉の意味がわからず首を傾げる麗美に舘羽は笑って誤魔化し、風を切るようにして堂々と歩きだす。

 

「あーぁ! 私も新しい恋を見つけなきゃね!」

 





小城が登場しない且つ異色すぎるメンバー、しかも完全に共通する点はほぼなし!
そして、女性らしい会話って難しい・・・ ダラダラとしつつ、次々と話が移り変わっていく感じが悩ましい・・・

でも、こういう息抜き回をもう少し増やしていきたい気持ちがあったりします。
しかし、あくまで事件メインではあるのでほどほどに、ですが。
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