ベルの前を歩くのは男装するリューと美しいドレスを纏うシル。ベルはその後ろに立ち執事の様な格好をし一次的に髪を黒く染め目の色を変えるアイテムを使っていた。
(今回2人の目的は誘拐されたアンナと言う少女、だが僕の目的は違う。大賭博場の貴賓室に隠された分身のルーンを手に入れる事、その為には)
「クラネルさん、申し訳ありませんこんな事に付き合わせてしまって」
「構いませんよ。僕としてもあの先には用事がありましたし、それと今の僕はクラネルじゃなくてジュークと呼んでください」
小声で耳打ちされた言葉がくすぐったかったのかリューは耳を赤くし耳を揺らす。そんな2人の雰囲気に頬を膨らませるシルは2人の間に割って入り早く遊ぼうと急かす。
「取り敢えずここの賭けで勝ちまくって」
「目立って奥に引き込ませる作戦、単純ですがそれが良いでしょう」
2人は頷き合うと最初にベルが何時も座っているルーレットに出向く。ディーラーはベルに気付いていない様でリューとシルが席に座りベルは立ったままゲームを始める。
玉がルーレットの中で周り始めるとベルはシルに耳打ちしシルは手持ちのチップを全て4番に賭ける。
リューもそこまで大胆ではないが手持ちのチップを全て偶数番に賭け玉は見事4番に止まる。
それからもベルは2人に耳打ちし2人は連続で高レートを的中させチップの山を築く。
するとパチパチと拍手する音が聞こえそちらを見てみるとベルと同じ様な服装の老人が立っていた
「お見事ですお二人共。オーナーのセルバンティスが是非お会いしたいと」
((来た!!))
3人は案内されるまま移動する。そこは貴賓室へと続く扉であり3人はその中へ入って行った。
「ようこそお越し下さいました。私このカジノの運営を任されております。テリー・セルバンティスです」
「マクシミリアンです。本日はお招きありがとうございます」
「執事のジュークと申します」
挨拶をしながらベルはテリーを睨む。
(テリー・セルバンティス、これはこのカジノの本当のオーナーの名前だ。奴はその名前を名乗り後に【分身のルーン】を手に入れるとその力を悪用しまくり金を集め回った。意味があったかどうかは奴にしか分からない)
「では早速ですがマクシミリアン殿、我々とゲームをしませんか?」
「いえ、私は辞めておきます。代わりにと言ってはなんですがそのゲーム、このジュークがお受け致します」
リューがそう言いベルに目を向ける。周りは当然騒然とするがテリーは冷静に反応を返す。
「執事殿がお相手ですか。ですが執事殿は失礼ながらチップを持っていない様子、賭けるものが無ければゲームは成立しない。違いますか?」
「掛け金なら御座います」
ベルはそう言うとテーブルの上にドン!!と金貨の入った袋を置く
「私の個人資産3億ヴァリス。まだ足りない様でしたら更に出しましょう?」
その言葉にテリーは了承を示した。
「ルールを確認します。ゲームはフロップポーカー、賭け金は全員三億ヴァリス相当のチップからスタート、宜しいですか?」
「異論ありません」
ベルがそう言うとゲームが開始されカードが切られていく。
(フフフ馬鹿な奴らめ、この私の行いを摘発しようなどと)
(フォーカード、奴にはスリーカードで賭けに乗せさせろ)
(スリーカードね、了解)
ゲームに参加する者達の心の声が聞こえベルはカードを見る。手元のカードは確かにハートのワンペアでが揃っており開かれたカードの中にも同じカードがある。本来なら勝負に乗る所だろう。だが
「
「「「「!?」」」」
ベルはゲームを降りカードを投げ捨てる。
(茶番に付き合ってやるつもりはない。僕は誰かに取られる前にルーンを頂く)
カードを捨てた端から死神の鎌を取り出しトランプを切っていたディーラーの首を跳ねた。