カンストプレイヤーベル・クラネル最後の回帰   作:寝心地

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第26話

第5ラウンド開始まで後5分、ベルは何時もの様にベットに横になっていた。

 

「ベル君、今回もちゃんと帰ってきてくれよ」

 

「大丈夫ですよ神様、ちゃんと生きて帰ってきます」

 

ベルはそう言うと目を閉じ意識が異世界に転送される。

 

「なぁ、これだけか?」

 

「まさか、まだ来てないだけだろ」

 

「でも前回のラウンドで500人しか残らなかっただろ」

 

「あ、じゃあ本当にこれだけなのか…………」

 

転送が終わるとそんな会話が聞こえた。

 

(1万人いたのが500人になってしまったからな、だがそんな寂しさすぐに無くなる。なぜならこの第5ラウンドからは区域が統合される様になるからだ)

 

何時もの様に天使が現れる。

 

『全員集まった様ね。第5ラウンドまでの生存おめでとう。それにしてもここまで目減りすると流石に寂しいわね。そこで貴方達に朗報があるわ、区域を統合するわよ』

 

「区域の統合?」

 

『いちいちそんな事も説明しないと分からないの?言葉の通りよ。貴方達の街?国?まぁなんでも良いけど、貴方達が住んでる場所の全員が参加してるのよ?それにランキングにもここに居ない名前が載ってるでしょう…………兎に角時間を無駄にしたくないからさっさと始めるわよ』

 

天使はそう言い翼をはためかせると急に地面が揺れ始める。同時に何も無かった地面が陥没しまるで入れ替わる様に生えてきた地面には他の区域のプレイヤーと思わしき人々がいた。

 

(今回のラウンドで統合されるプレイヤー達は僕達人間の一部と獣人の一部、そしてエルフの一部)

 

「お、終わったのか?」

 

「プレイヤーが増えてる。と言うか人間だけじゃねぇエルフと獣人がいる」

 

『区域の統合が終わったわ、それぞれの天使から聞かされてると思うけど今回は10の区域が統合されプレイヤー数は計4844人になったわ。勿論他の区域も統合してる。この区域の新たな名前はC-ESKS007よ』

 

天使の声が聞こえ見上げるとそこには各区域の案内を勤めていた天使十人の姿があった。

 

「5千人近い人が集められたのか」

 

「その内オラリオの全種族が集まるのかな?」

 

(その通り、区域の統合は500人を切る度に行われる。まぁそれはまだ先の話だし今は今回のラウンドに集中しよう)

 

『それじゃあ区域を統合した記念にメインクエストを始める前にちょっとしたゲームを始めるわよ。各区域に区域代表がいたじゃない?でも区域を統合したから新たに区域代表を決めなきゃいけないの。ルールは至ってシンプルよ、それぞれの区域代表が殺し合って最後の1人になったプレイヤーが新たな区域代表になるわ、安心して、今回はメインクエスト前だから死んでも生き返らせてあげる』

 

(システムがな)

 

まるで自分の力の様に振る舞う天使にベルはそう心の中で思い他のプレイヤー達はあまり気乗りしない様子だった。

 

『どうやら区域代表になってもメリットが無いと思ってる様ね。安心して今回の区域代表のスキルは今までの臨時スキルの上位互換スキルになってるから、具体的には転職したプレイヤーも操る事が出来る様になってるわ。まぁ10回の制限と殺したプレイヤーが代表になる事に代わりはないけれど』

 

天使は笑いながらそう言い今度は天使同士で集まり何やら話し合いを始めた。

 

『さて、私達も新しい案内人を決めなくちゃね。誰かやりたい人は?』

 

ベルの区域の案内をしていた天使がそう言うがどの天使も手を挙げない。

 

『聞いた私がバカだったわ』

 

『働き者の天使なんて居るわけ無いじゃない』

 

『どうやって決める?』

 

『サイコロはどう?』

 

『運任せと言うこと?あまり面白みに欠けるわね』

 

『かわりばんこにするのは?』

 

『それは不公平よ、順番が回ってこない天使もいるかも知れないじゃない』

 

『そうね、どうせまた直ぐに統合が行われる訳だし』

 

『こう言うのはどう?これからそれぞれの区域代表が殺し合うじゃない?そこで最初に死んだ区域代表の担当が案内するっていうのは』

 

『まぁ、いい考えだわ』

 

『私も賛成よ』

 

『私も』

 

『私もよ』

 

こうして案内が決まりかけた時、再びベルの区域担当が提案する。

 

『それも面白いけれどちょっと待って、それなら最初に死んだ人間ではなくて、最後まで残った代表の案内人が王様になるって言うのは』

 

『王様?』

 

『ええ、王様の言う事は絶対、どんな命令も必ず聞かなければならない』

 

『区域代表が勝てば良いんでしょう?』

 

『面白そうだわ、私は賛成よ』

 

『私も』

 

『私もよ』

 

『私も、でもうちの区域代表は強いわよ、だってこれまでずっと区域1位だったもの』

 

『へぇ、それは楽しみね』(馬鹿ね、区域1位ごときで得意になっちゃって、私の区域代表が誰か知れば腰を抜かすんじゃないかしら)

 

『じゃあ取り敢えずこのゲームの進行はオリーブがお願いね』

 

『分かったわ』

 

オリーブと呼ばれたベルの区域担当天使がそう言い下に降りてくる。

 

『それじゃあこれより新たな区域代表を決めるゲームを始めるわよ。区域代表は全員私の元へ集まって』

 

そう言いオリーブの下に集められた区域代表達はオリーブが一瞬で作り上げたコロシアムの中に入れられた。

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