オラリオ中が今か今かと【戦争遊戯】の開始を待つ、酒場では神も人も混じって賭けが行われている。
やがて神の鏡がオラリオ中に展開され現場の状況が見える。
【アポロン・ファミリア】は様々なファミリアから援軍を受け300人近い人数が集まっていた。
その要塞をベルは木に登り見ていた。
「………………………………ファミリアの3倍の人数を用意したか、無駄な事を」
ベルは木から降り開始の合図を待つ、やがて銅鑼が鳴り開始の合図が響くと【アポロン・ファミリア】同盟は緩みに緩み切った空気で適当な警備をしていた。
というのも制限時間が3日間と長い為ベルは警備の気が緩む後半に仕掛けてくると予想し最初の方に緩めておこうと言う計画だった。
とは言っても警戒をしない訳ではなくあくまで多少緩めておくだけである為警戒はされている。
「ん?」
そんな同盟軍の前に人影が現れ見張りをしていた1人が周りに警戒する様にハンドサインを出しその人物を捉える。
白髪赤目にボロボロの法衣の様な物を纏いその手には巨大な鎌を持っていた。
「べ、ベル・クラネル!?」
ベルはその鎌を構え大きく振りかざす。鎌から赤黒いエネルギーが扇状に飛び出し城壁はあっという間に破壊される。
「うわああああああああああああ」
「クソ!!城門が破壊された!!」
「それだけじゃねぇ壁もだ!!」
「ベル・クラネルの仕業だ!!逃がすな!!」
混乱が広がりながらも何人かのプレイヤーはベルの前に現れるがベルは次々とその首を跳ねた。
「逃がすな!!攻め続けろ!!」
指揮官の声が響き無数の冒険者とプレイヤーが攻めてくるがベルは背を向けグングンとスピードで離されあっという間に森に逃げ込み撒いた。
「クソ!!何処に行った!?」
「向こうを探せ!!」
「此方には居ないぞ!!」
同盟軍も森に入りベルを探すが森の中で人一人探すのは難しく中々見つからない。
「いたぞ!!」
そんな中声が聞こえ全員がその声の方を見るとそこには確かに背を向け森の奥へ逃げるベルの姿があった。
「逃がすな!!弓兵隊!!弓を放て!!」
指揮官の男がそう言うと弓を持っていた数人がベルに向けて矢を放ちその矢はベルに命中しベルは転倒しその隙に近付いていた1人がベルの背中を斬りつける。
「やった!!倒したぞ!!何が全区域1位だ!!ザマァ見やがれ!!」
「楽勝だったなぁ〜」
「全区域1位も人数差に手も足も出なかったか」
「そうだな、大したことなかった」
同盟軍のメンバーがそう言うと1人が違和感を持ち足を止める。
「どうした?」
「何か変じゃないか?何で大将倒したのに終了の銅鑼が鳴らねぇんだ?」
「確かに、だいぶ森の奥まで来たしここまで届いてねぇんじゃねぇか?」
「確かに、何か不気味だし取り敢えず皆の所に戻ろうぜ」
同盟軍のメンバーはそうして来た道を引き返そうとした時、1人の同盟軍のメンバーが突然前を歩いていた人物の首を跳ねた。
「は?」
「え?」
「なっ!?貴様!!」
先頭を歩いていた男がその人物に斬りかかると首を斬り飛ばした男は集団から距離を取ると森に消えた。
同盟軍を掻き回した男は周りに誰も居ない事を確認すると顔の皮を剥がす様に引き剥がす。するとそこにはベルの顔が現れた。
「良い物を貰ったな」
暗殺者の仮面 種類:防具 クラス:ユニーク 防御力:1 効果:『変装』と唱えると殺したプレイヤーの姿になる事が出来ます 声だけでなく肌、声、体格まで完璧に擬態する 耐久値:3000/3000 使用条件:エキスパート以上 説明:成功率99.9%を誇る暗殺者が愛用していたとされる薄く透明な仮面、彼の素顔を知る者はいないという |
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「この状況ではもう少し利用させてもらおう」
ベルは再び暗殺者の仮面を使いまた別のプレイヤーに成り済まし行動を始めた。