空前のガンプラブームで、軒並み模型屋の
魑魅魍魎の店内は、熱気に包まれている。まさか、こんな私とは正反対の趣味にハマるなんて、思いもしなかった.....
私、松原うさぎ!どこにでもいるなんでもない中学三年生!
うん。本当にどこにでもいる。うん。それ以外なにもない。
今は学校の帰り。皆部活に入ってて、大体6時くらいに下校なんだけど、私は最初にどの部活にも入らないって答えちゃって、今は帰宅部。
ああ....帰宅部の試合があったら今頃エースなのにな....と自分でも恐ろしい妄想に浸りながら、レンガ道をただ歩く。
そんな時、私の目にあるものが映る。
眼の前にあったのは少し大きな模型屋。中に多くの人がいてごった返しだ。
なん〜か気になるなぁ....今日開店したばかりなのかな?それにしても男の人の客が多いな....
そう考えながら、模型屋に立ち寄ってみた。
中に入ると....うん。想像通り。全員男でした☆
皆がお腹や脇や買い物カゴに入れているものは、全部ちょっと大きいくらいの箱。化粧品より少し大きいかな?
そんな時、店内に女性の大声が響き渡った。
「アドバンスオブゼータ関連、ないのかッ!!!!!!!!!!」
え?何々急に....普通に怖いんだけど....しかもあどばんすおぶぜーたって何?
「ないのかって!!聞いてるんだけど!!!!」
もっと大きい声で叫んでるし....これカスハラだし。
とにかく、聞きに行ってみよ!
私は、すごく静かに、そして気まずい空気になっている店内を糸を縫うように進んでいき、声のするところまで行ってみた。
すると、目に飛び込んできたのは壮絶な光景だった。
私 の 中 学 校 の 制 服 を 着 た 女 の 子 が 、 店 員 さ ん を 押 し 倒 し て 睨 ん で い る
見た感じ同年代っぽい。目は隠れている。
ええーっ....(絶句)
なんでこんなことしてるの....
押し倒された店員さんは真っ青になって小声で、「ありません!再販してないのでありません!」と答えている。めっちゃ可哀想。
私は、勇気を出して聞いてみることにした。
「店員さんが可哀想ですよ!あとあどばんすおぶぜーたってなんですか!!」
「?!」
こちらを向いて固まる女の子。どうやら相手の中学生は驚いているらしい。
店員さんは徐々に顔色が良くなっている。
「はっ...」
どうやら我に返ったようだった。ほんとに何だこいつ。
「そっ、その!すみませんでした!」
土下座をするような勢いで頭を下げ、そそくさと逃げるように模型屋から出ていこうとする。
「ちょっと待って!」
私は模型屋を飛び出した女子を止めるため、私も模型屋を飛び出した。
全速力で走っていく女子。何だあいつ速え...。運動不足の私には到底追いつけない....
ゼェハァ.....あの子速すぎ.....
すると、遠くでその子がずっこけていた。それも見事に。
私は持てる限りの全力で走り、その子に追いつく。うん。やっぱり同じ制服だ。
「ねぇ!なんで逃げるの!」
逃げようとするその子の肩を掴む。
「ひっ...ごめんなさい...」
なんだコイツ。何だこの変わり用...頭湧いてんのか...
「とにかく何があったのか話してもらうからね!」
「.....」
何も言わず頷き、私はその子の手を引っ張りながら近くの喫茶店に入る。
おもむろに空いている席に座ると、彼女は少し動揺しているようだった。
私は、少しでも緊張を和らげたい。めっちゃこいつ緊張してるし
「ねぇ、あどばんす・おぶ・ぜーたって何?」
聞いてみた。
するとその子は目を輝かせてガタリと急に椅子から立ち上がる。
「アドバンスオブゼータに興味を持ってくれたの?!僕すごい嬉しい!友達なろ!色々教えてあげる!」
どうやら私は、とんでもない地雷爆弾を引き当ててしまったようだ。というか
「え、ええ?というか今さっき何があったの?」
「えっとね、あそこの模型屋で
そ れ は 店 員 が 悪 い。接客態度最悪だなあの店。しかも
「そ、そうだったんだ....それで...君の名前は?」
「あっ、言い忘れてました。僕、霧島まい。よろしくね!」
「よ、よろしく.....んで、アドバンスオブゼータって何?」
彼女は、しまった忘れてた!というような顔をしてこちらを見ていた。
「こんにちは。時々おはようサクナです。」
「ルシファー・クレイドルよ。宜しく。」
「なぜここに!」
「少しの移動くらい大した事ないわ。侮らないで頂戴。」
「でも、医務室に運ばれたんじゃ....」
「それはそれ、これはこれよ。兎に角何このひどい出来は」
「加筆修正していくから大丈夫だよ。これから頑張るつもり。」
「あら、『機動戦士χガンダム』は?」
「今書いてる途中なの!もうそろできるからちょい待ち!」
「あっそう。」
「なんだ聞いといてそんな態度か。」
「御免なさいね。」
「ま、まぁとにかく、これからとも両作品をお願いします!」
「はいはい。以上、ルシファー・クレイドルと」
「サクナでお送りいたしました!」