注意してから部屋はしんと静まり返り、
ショリショリと削る音が部屋にこだまして、寂しい。
時刻は正午、ご飯も食べずに永遠とスポンジヤスリで削り続けている。
な、なんかこれだいぶヤバい状況じゃないか?!
「そ、その...ボッシュートにはしないから、そんな落ち込まないで?ね?」
「いじめないでよぉ....僕からヘイズルちゃんを奪わないで.....」とまいちゃん。
「ジオンが連邦に負けちゃう..私からゾゴックを奪わないで....」と松永さん。
滅茶苦茶同じこと言ってる...あんたら意外と仲良いんじゃない?
「あんたら意外と仲良いんじゃない?」
おっと、思わず声に出してしまったようだ。
「「良くない!!」」
しかし、全力で否定する2人。馬鹿みたいに息が合っている...。
そして二人は番目を変えながら食事中でも削り続け、いつの間にか足、腕、頭、胴体、バックパックをすべて削り終わっていました。
そのままスミ入れを各所にし、高速で全てをポリキャップにはめ、いよいよ完成しました。
え?私は何をしてたかって?勿論受験に向けて勉強よ!勉強!
「どう?私の方が完成度高いですよね!」
「僕のヘイズル二号機のほうがいいでしょ!!」
圧が強い...ガンダムってここまで人を熱くするのか...
「どっちも凄いと思うよ...。私はこんな事出来っこないよ」
時刻は3時30分を迫っていた。
ほぼ3分の1をガンダムで費やしたという訳だ。
基本的に製作動画とかを見たら、
「まぁ、どっちもいいと私は思うな。」
松永さんが口を開いた。よく分かってらっしゃる。
するとまいちゃんは立ち上がり、部屋のドアを開ける。
いったいどうしたのだろうか。
「ごめんちょっと用事思い出したわ...。」
「どしたん?」
「いや、うさぎちゃんのお母さんからお使い頼まれてる。」
「おけー。いってらー」
そう言って小走りで部屋を出ていった。急に思い出すなんて珍しい。
松永さんと私だけになった部屋が、しんと静まり返る。
「....なんで私が、この学校に来た理由がわかりますか?」
松永さんが重い口調で、そう語りかけてきた。
「さぁ...先生が言うには、東京から親御さんの仕事の都合で越してきた、としか聞いてないんだよね」
「それも理由の1つです。もう1つは、学校でいじめられていたからなんです。」
その言葉を聞いて、自分は声が出せなかった。
太陽が傾き、松永さんが座っていた場所が日陰になる。
「最初は、ちょっとしたイジりからでした。私はそのイジりが嫌で、やめてほしかった」
「それで、やめてほしいと言ったら『ノリが悪い、もういいわ』と言われてしまい、イジメられ始めました」
「そんな.....」
「
「その後段々とエスカレートしていきました。押しピンを投げられたり机に釘を打ち付けられました。」
その後、松永さんは目を伏せる。必死に泣きそうなのを我慢しているのだろう。
「も、もう言わなくても良いよ...。松永さんも辛いんでしょう?」
「いえ、私は松原さんと霧島さんにだけ心を許せるような気がしたんです。」
そう断り、話の続きを始めた。
「私は、精神が崩壊しました。いつの間にか自分の持っていたカッターナイフで腕に
松永さんは腕をまくり、細かな傷が入った跡を見せる。
その余りにも痛々しい傷を見て、私は目を背けてしまった。
「学校にも行かなくなって、ここに来る時もビクビクしていました。」
「でも、松永さんと霧島さんが同じガンダム好きだって事を知って、嬉しくなって...。」
「いやいや、私はまだあんまり知らないよ!まいちゃんが面白いと言うから見てみたら意外と面白かったという訳で....」
「でも、知っているだけでも心強いよ。私は、あなた達が居てくれたから生きようと思えた。」
「私とお友達になってくれてありがとう。本当に友達だと思えたのは、あなた達が初めて!」
太陽がまた傾き、松永さんの顔が太陽の光でよく見えるようになった。
松永さんが私に向けた笑顔は、とても美しくて、優しかった。
その後、まいちゃんが牛乳と低脂肪乳を間違えて買ってきたことは、別の話。
こんにちはまたはこんばんは。時々おはようサクナです。
意外と人気ですね...この作品。発表してからびっくりしました。
実は、伝えなければいけないことを忘れていましたので、今伝えます。
この作品は、俗に言う『鬱作品」です。
松原うさぎ以外全員が心に闇を抱えています。その心に刺さったトゲは抜けるかはわかりません。
今後はまだ終わる予定はありませんが、どうなるかはわかりません。
私の処女作である『機動戦士ガンダム
新しい作品...とはいってもカクヨムで投稿した作品を同時並行でこちらにも投稿しようと思うので、お楽しみに....。
以上、サクナでした。