ステラ・マリス聖堂女子大学附属高校附属中学校とかいう馬鹿みたいに長い中学校が近くにある。通称ステマ(ひどい名前!)
スポーツ万能、頭脳明晰、書道、芸術、その他諸々すべてが完璧でありつつ、お金持ちしか行けない私立女子中学校。
それとは違って、松永さん、まいちゃん、そして私が行っているのは市立中学校だ。
でも通学路がほとんど被っているため、制服姿で歩いているのはよく見る。
「
「いいんですの?
おほほほ、あはははと笑ういかにも育ちが良さそうな2人の少女。
くっそー金持ちめ....!!
「お金あったら多分A.O.Zのガンプラとか書籍とかに全部使っちゃうだろうな....」
とまいちゃんが言う。最近暑くなってきたので、夏服になっている。
「私もそうかもねぇ」
そう松永さんも答える。あのあと二人は何故か親密度が高まり、日頃仲良くしている。
実質成功したと言っても過言でないと思う。フッ....( ´_ゝ`)
「まーまー、叶わない夢追いかけても仕方ないよ。お金なんてあっても仕方ないよ」
「うさぎちゃんは悲観的なコトで。」
「だってあんたらが金持ったらいいことなんないでしょ?」
「うっ....」
どちらも図星で、松永さんにおいては最初から聞いてなかったかのように明後日の方向を向いていた。
「も、もしかしたら募金とか貯金とかするかもしれないじゃない!」
松永さんの必死の抵抗も虚しく、私は明後日の方向を向いた。
そんな初夏の日差しに照らされる三人の背中に、電柱で私達を見ているステマの女子中学生が居ることは、知らなかった。
松永さんと広い交差点で別れ、2人で路地を歩いている帰り....
「ま、待ちなさい!」
驚いて後ろを振り向くと、130cm台の身長が結構低いステマの女子生徒がそこにいた。
金髪碧眼、そこそこ高そうな制服を身に纏うもぶかぶかで萌え袖になっている。
「も、もしかしてステマの子?」
まいちゃんが質問する。すると女子生徒はプク顔になり、
「ステマっていわんで!」
するとまいちゃんは私に耳打ちをしてきた。
『僕気づいてたけど、後つけられてたんだよ私達』
『嘘?!ストーカーじゃん!駄目だよこんな変態なんかに...!』
『僕だって初めて会ったときは変態みたいなものだったじゃん!どう違うのさ!』
いや自覚あるんかーい...
私は勇気を出して、話しかけてみた。
「ちょ、ちょっとあそこの喫茶店で話そう?お母さんは?」
私は喫茶店を指差す。
するとちっちゃい
「ガキちゃうわ!!普通の中学3年生!!」
「まぁまぁ...話はおいおい聞くから」
まいちゃんはちっこい少女の手を引っ張り、私と一緒に喫茶店へ入った。
その時の手の掴む力が強いこと強いこと。かなり怒っているようだ。
謝罪の意味を込めてコーヒーとソフトヨーグルト(ソフトクリームとヨーグルトの半分みたいなやつ)を奢ってもらい、話を聞いた。
「私...いつも1人で登校してるとき、2人がガンダムの話してるところを見たんです...。」
「ガンダムっつったって色々あるよね...?どれが好きなの?」
圧迫面接の勢いで突っかかるまいちゃん。
その質問に目を輝かせ、
「ガンダム・センチネルです!」
「私のと同じ雑誌出身じゃない!」
「嘘!あなたも?!」
「私は
「それ知ってます!ゼク・アインが出てるやつですよね!」
手をお互いに合わせ、目を輝かせる。
オタクの力はこれほどのものなのか、と私は驚く。
「ちょ、ちょっと私を置いてかないでよ!何よせんちねるって...?映画の敵?」
「それはマト○ックスのセンチネル。これはガンダム・センチネルっていう雑誌の連載企画のことだよ〜」とまいちゃん。
「小説とプラモデルの改造品で物語を展開するタイプの企画で、もうモビルスーツもかっこいいことかっこいいこと。」とちっこい少女。
スマホを操作して、ヘイズル改とはまた違った結構大きいガンダムを見せた。
「凄いなぁ....二人は....。あっ!名前は?」
「ステラ・マリス聖堂女子大学附属高校附属中学校3年の...」
「
良雪という名前に聞き覚えがあった。
この県の顔でもある旧財閥、良雪グループ。
やばい....この娘、超金持ちだった。