世界再編 〜現代は異世界と混ざりそれでも進む〜   作:お粥のぶぶ漬け

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第13話:都の風、地元の意地

山葵(わさび)の芽が輝く秘密の菜園を後にし、蓮と紬は一旦ゲートを目指して歩いていた。

 道中、昨日遭遇した滋賀の探索者たちの言葉を思い出す。「京都のダンジョンは当てにならない」――それは、彼らが**「標準的な、効率重視の異世界ルール」**で動こうとしていたからだ。

 

「霧島さん。さっきの人たちが言ってたこと、少しわかった気がします」

 

 紬が、自分のスマホの画面を見せながら言った。

 

「他県の友達に聞いたら、滋賀や大阪のダンジョンは、もっと『ゲーム』っぽいんですって。魔物を倒して、宝箱を開けて、レベルを上げる。……でも、ここは……」

「……ここは、『生活』だよな」

 

 蓮は、腰の小出刃包丁を撫でた。

 京都の神々は、異世界を「敵」としてではなく、自分たちが暮らす「京都」という概念の中に強引に組み込んでしまった。だからこそ、蓮のような「料理人」としての力が、戦士の力と同等、あるいはそれ以上に重要視される。

 

『ガハハ! 左様。異界の王が何と言おうと、この地を歩くならこの地の流儀に従ってもらう。……蓮よ、そろそろ地上だ。今日収穫したカニと岩魚、そして山葵の芽。……これを最高の形で仕上げて、家族に振る舞うが良い』

「わかってるよ、神様」

 

 ゲートを抜け、亀岡の街に戻ると、夕暮れの空気の中に「お香」のような、あるいは「出汁」のような、不思議と落ち着く香りが漂っていた。

 これが、京都の神々が現代に流し込んでいる「魔力の浄化」の結果だ。

 

「じゃあ、佐伯さん。明日は……あのワサビが育ってる頃に、また」

「はい! ……あ、次は、あのカニの殻を使ったお味噌汁とか、飲んでみたいです!」

 

 別れ際、紬が少しだけ図々しく、でも嬉しそうにリクエストを残していった。

 蓮は笑って頷き、家路を急いだ。

 京都・亀岡。

 異世界の神が最も「支配」に失敗し、地球の神々が最も「遊び」に全力を注いでいるこの場所で、蓮の包丁は今日も、新時代の平和な食卓を守るために研がれていく。

 

 

【ステータス・中間報告】

• 霧島 蓮: レベル1.48(「京都流システム」への同調率が上昇)

• 佐伯 紬: レベル1.38(盾の構えに「雅」な余裕が出てきた)

• 地域特性: 京都エリア特有の「神気」により、他県よりステータスの伸びは遅いが、基礎体力が非常に強固になっている。

 

■ 霧島 蓮(13話時点)

• 個体名: 霧島 蓮(きりしま れん) / 丹波・亀岡の地子

• 神徳(Lv): 1.48

• (※異世界の数値に換算するとLv3~5相当の密度があるが、八百万OSにより「魂の質」として圧縮されている)

• 天職(Job): 神域の料理人(見習い)

• (※異世界の「剣士」をシステムハックで強制書き換え)

• 所属権能: 丹波・八百万ネットワーク(京都エリア限定バフ適用中)

【保有スキル・加護】

• 固有加護:丹波霧隠(たんばきりがくれ)

• 霧の中での隠密性・回避率が大幅上昇。京都の神々の「身内贔屓」による。

• 調理権能:神の肴(かみのさかな)

• 魔物のドロップ品を、一定確率で「調理・加工済み」として抽出する。

• 職人技能:解体眼(極小)

• 食材(魔物)の「命の継ぎ目」が光の糸として視覚化される。

• 特殊パッシブ:神の御用聞き

• 土地神からの「無茶振り(クエスト)」が発生しやすくなるが、報酬が豪華になる。

【装備品】

• メイン:神域の小出刃包丁(神からの授かり物)

• 属性:神聖・水。食材の鮮度を落とさず、魔力障壁を「捌く」ことが可能。

• サブ:打刀・改(市役所貸与品)

• 予備武器。主に調理以外の荒事用。

■ 佐伯 紬(13話時点)

• 個体名: 佐伯 紬(さえき つむぎ) / 蓮の相棒

• 神徳(Lv): 1.38

• (※蓮の料理を食べることで基礎値が底上げされている)

• 天職(Job): 不落の蔵(蔵守り)

• (※異世界の「重戦士」を日本式に強化)

• 特性: 耐久特化・万年空腹(カロリー消費が激しい)

【保有スキル・加護】

• 固有加護:鉄壁の蔵(てっぺきのくら)

• 物理・魔法ダメージを「蔵に仕舞う(無効化・吸収)」する。

• 特殊加護:神の受皿(かみのうけざら)

• 蓮の作る「神の肴」の効果を1.5倍の効率で受容できる。

• 新技能:雅の受け流し

• 衝撃を正面から受けず、円の動きで地面に逃がす京都風の防御技術。

【装備品】

• メイン:八咫鏡・模(大円盾)

• 市役所から特別貸与された、霊的な反射機能を持つ大盾。

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