土曜日、モニカを連れて私はデパートに訪れていた。
モニカの服とか日常生活に必要なものを買うためだった。
「格好いい服だよね」
アパレルの服たちを見定めながら問いかける。
寒色系の服を見定めているが、どれもまあまあ可愛い系なので、少し困ってしまう。
「ああ」
肯定の返事に、更に困ってしまった。
どうしたものかと考えていれば、モニカが私の前に躍り出て言った。
「こんなのはどうだ?」
彼女はベージュの、言ってしまえばかわいい服を持っていた。
「良いと思うけど、それでいいの?」
少し可愛すぎるものに思えて、問いかけてしまった。
モニカは少し笑った調子で言った。
「可愛いのが気に入った」
「じゃあ、他にも幾つか選んで試着しようか」
そんなこんなで他にも暖色系や寒色系に限らず色々と選び、試着をしてもらった。
どれも可愛らしく思えた。
結局として、試着したものは全部買うことにした。
それから幾つかの日常雑貨を買うと、いつの間にか三時間ほど経ってしまった。
あまり買物を頻繁にしないから少し疲れてしまって、私たちはお茶をすることにした。
「うーんと、食べたいものあるかな?」
メニューをモニカに見せる。
「どれが美味しいだろうか」
「ミルクミルフィーユとレモンティーかな、確か美味しかった記憶があるよ」
「じゃあそれにする」
少し考えてから、店員さんにモニカのものとアップルティーを頼んだ。
ケーキはあまり食べる気にならなかった。今日はあまりお腹が減っていなかったからだ。
商品を待つ間、私は本を読むモニカを時折見た。
私も学生で当然家に居れないことの方が多いから、何か暇つぶしの本をあげようと思ったため、買い与えた。
楽しそうに読むものだなと思う。
モニカは古典文学を読んでいるのだが、私にはどうも良さが分からない。
辛気臭い内容に少し疲れてしまう。
「面白い?」
感情を知ろうと問いかける。
モニカはゆっくりと顔をあげ、口を開いた。
「ああ、面白い。人が突然毒虫になってしまうなんて面白いだろう」
「何それ。何だかギャグみたいな話」
「もしかしたらそうかもしれない」
モニカのお道化た様子に少し笑ってしまった。
それからも少しその本の内容を話した。
まだ読み初めだから人が虫になるなんてところばかりの話だった。
話しているうちに、ケーキとお茶が届いた。
モニカはケーキを前に、「おお」と声を挙げていた。
「半分あげよう」
彼女は手を付ける前にこちらにケーキを差し出してきた。
楽しみにしていたのに不思議なことだった。
「いいよ、私のことは気にしなくても」
「今日沢山世話になったお礼だ。受け取ってくれ」
モニカはよりケーキをこちらに差し出してくる。
その断乎と言った様子に断るのも忍びなく、結局ケーキを食べることにした。
「どうだ、美味しいか?」
興味津々と言った様子でモニカは問いかけてくる。
その様子が再び笑えてしまった。
「何だ、何を笑ってるんだ」
不思議がって問いかけてくるのに、更に笑えてきてしまった。
「何でもないよ。それに、うん、美味しいよ」
ケーキを再びモニカの方に戻し、一口アップルティーを飲んだ。
甘い口内を少しの苦みが洗い流してくれた。
「おお、美味い」
モニカはケーキを食べ、嬉しそうにしている。
どうやら今日は少し良い日になった。
彼女も喜んでるようだし、私もなんだか嬉しかった。