ガミラスがレンタルした時間断層工場でお手製戦艦を作っちゃお。 作:奥田 駿
ガミラス帝国建国祭の日、私ジュンシエラ・グワナを含めた幹部候補生達は華やかな最後の行進を終え明日の卒業式を待つばかりとなった。『ドメル将軍が登壇した時の歓声すごかったね。』親友のソラート・ブリュゲが声をかけてきた。『だけどドメル将軍が来る頃にはもう足が痛すぎて…』そう、私達幹部候補生はパレードの先頭を進んでいくが所定の位置について整列した後はずっと立ちっぱなしである。『まぁ、大変だったけど。明日の卒業式前にいい思い出じゃん。ソルも今日はゆっくりしてね。』と返す。『じゃあまたねジュン!これから当分会えないのか…』寂しげなソルに『当分って言ったって1週間ちょいじゃん…』とツッコミを入れてそれぞれ今日の疲れのためか明日の緊張か、早めにおやすみをする。
そして翌日、バレラスの郊外にある兵学校で私達の卒業式が厳かに行われた。元地球人としてはエルガーの威風堂々が流れてほしい思いもあったが、ガミラス国歌の永遠に讃えよ我が光はどんな場面にもあうようで恩師や友人そして過ごした学び舎を後にすると、自然とみんな涙が出てきた。そして、1週間故郷への帰省が指示される。意外と優しいことに故郷にいる間が1週間で移動は含めない。その為みんなが揃って遠洋練習航海に出発するまでは2週間ほどある。ソルとも別れてそれぞれのふるさとへ向かう。私は、故郷のゾウマハーファンバルグまでガミラス式の特急列車(緑色のスーパーひたちみたいな)でゆっくりと電車旅を楽しむ。
数時間の電車旅を終えついにゾウマハーファンバルグの駅に着く。両親と祖母が出迎えにきてくれていた。『ただいまー!』久しぶりの家族に思わず叫び駆け寄る。そしてその夜、グワナ家3人(私と両親)ギムラー家いっぱい(祖母をはじめ叔父達家族)の親戚一同で、おかえり会アンド卒業おめでとう会を開いてくれた。そして、亡き祖父と仲の良かったゾウマハーファンバルグのターチャ市長がお祝いの言葉を言いに来てくれた。そんな平和な会も終わる頃、ターチャ市長から合わせたい人がいると言われ明日市庁舎へ来るように言われた。大きな期待とちょっとの不安を残しつつ、今晩は久しぶりに家族みんなで過ごすことができた。
翌朝、市庁舎の市長室へ行くと、ターチャ市長が出迎えてくれて中に入れてくれたがそこには想像もしていなかった人物達がいた。ゾウマハーファンバルグをかつて治めていたゾウマ家の現当主カレル・ゾウマさんと、みなさんご存知のもみあげゼーリック(国家元帥閣下)こと中央軍総監ヘルム・ゼーリックだった。『貴女がジュンシエラ候補生であーるな。我輩は中央軍総監ヘルム・ゼーリックであーる。』独特の口調で自己紹介してくるのに対しその隣のゾウマさんは『ゾウマだ。久しぶりだなジュンシエラさん。』といつもどうり?であった。ゼーリック閣下の威圧感がすごくて気づかなかったが、副市長のアーベンさんや、ゼルグートの艦長バンデベル将軍らも奥にいた。ターチャ市長が『とりあえず座りなさい。』とやっぱり優しい。市長室のソファーには私、隣に市長、私の向かいにゼーリック、そしてその隣にゾウマさんが座っており、閣下達の後ろの椅子にはバンデベル将軍達、私達の背後には副市長達が座っている。このとんでもない重圧の中、『我輩は若き将となるものの意見を是非帝国の運営に取り入れようと常々思っていた。我輩も尊敬する歴史を持つゾウマ殿に頼んで貴女を紹介してもらった。』こちらの驚きようなど気付いていないのか完全に自分のペースで話し続けている。ゾウマさんなんかたまに頷くだけ。『是非、貴女には我輩の力となって頂きたい』ついに大演説が終わった。
要するに、ゼーリックの一派になれということか…実は転生前悪役好きだったので少し嬉しい。好きなヤマトキャラと聞かれれば沖田艦長の次にゼーリック、ゲール、総統あたりが出てきそうなほどである。しかし、その下で働きたいかと言われればだいぶ躊躇がある。というより、無事に生きてられるか心配である。がんばって生き残っても、星巡る方舟冒頭で全滅しそう…などと考えても元帥閣下直々の頼みを断れば家帰っても家族がいないとかマジであり得そうなので『私などで良いのですか?ゾウマハーファンバルグや兵学校で高いレベルではあったと自負しておりますが、全体でトップだったわけではありま、』『謙遜するでなーい。貴女の能力はひじょーに高い、何も成績だけでは、なーい。態度やら総合的に見ても貴女は素晴らしいと思う。何よりあのゾウマ殿の推薦であーる。』『わかりました。元帥閣下のお力になれるように精一杯努力致します。』『よーく言った。では遠洋練習航海が終わり次第我輩のところへ来るのだ。特別待遇で待っておるぞ。フハハハ。』緊張の対面がようやく終わり、ゼーリック一行は市庁舎を後にする。別れの際バンデベル将軍から、『閣下は貴女を非常に気に入られている。あまり緊張しなくていい。あと女の子1人では大変だろうから、友達も何人か一緒に来てもらあといい。』と助言なのか、指令なのかよくわからない言葉を頂いてから、見送った。
ゾウマハーファンバルグの人達は、緊張から解放されて一息ついているなか、ゾウマさんが『昔から市の表彰式には毎回来てたよね。凄く優秀でいい子だなと思っていたけど、ここまでになるとはね。びっくりだよ。ゼーリック閣下はああ見えてもいい人なんだよ。まぁ純血ガミラス人なら…だけど君の話をしたらとても気に入ってた見たいだったからもうね、親戚の叔父さんぐらいに思ってもいいんじゃないかな。』冗談キツいぜとも思いつつそこまで期待してくれたゾウマさんや閣下の期待に応えたいという気持ちも強まってくる。ターチャ市長も『お祖父様も喜ばれているはずだろう。きっと見たかっただろう。』亡くなったじいちゃんと友達だった市長からも労いの言葉をもらう。『しかし、市長もゾウマさんもなぜ私を?私と同世代で私よりも優秀な人たくさんいるじゃ無いですか?例えばダーマム君や、ザキワンさんもいたじゃ無いですか?』ゾウマハーファンバルグのバラガマ幼学園からゾウマハーファンバルグ高校までの同級生の名前をあげる。しかし市長は『あの子らもとびきり優秀だったが、元帥閣下の機嫌をずっととってられるかと言う不安があってな。』ゾウマさんも『それに軍人むきというよりは教員や技術者などの文官向きな気がするしな』なるほど、いや家系的には私も文官向きな気がするけど兵学校に進学したしな…国民高等学校の教員の両親を思い描くが兎も角、就職先が早めに決まってよかったか…うん、きっと覚悟を決める為にはやめに決まったんだ。
市庁舎を後にして家までチャリを立ち漕ぎで進む。ガミラスの自転車はかっこいいし進みもいいのだがいかんせんサドルが硬くて痛い…家に着くと既に祖母経由で市長から知らされていたらしくギムラー家の皆様方はお祝いムードだが両親はあまりにもびっくりしたようだ。
ソルにもことの次第を通信し、さりげなく一緒にきてよーと言っておいた。通信機を落としたような音がした後しばらく応答がなかったが…後はしばらく離れ離れになる家族や地元との別れをゆっくりと噛み締めつつどうやってゼーリック一派に入って生き残るかを考えて遂に一週間が経ち兵学校へと戻った。
そして、兵学校に戻るや否や教官に呼び出されたりソルからの質問攻めにあったりした。そしていよいよ遠洋練習航海が始まる。
一話と比べて三倍ぐらいになっちゃいました。(一話が短いだけかも)ですが実はこれで三分の一ぐらいのつもりでした…なので第二話は前中後編の三部になる予定です。ぐだぐだの予定ですが気長にお待ちください。
皆さんはゼーリック好きですか?2199で退場しちゃった悪役ですのでもう出てくることは無いと思いますが、今でもDVDで2199の十八話だけみちゃうぐらいには私は好きです。
主人公のジュンシエラちゃんは転生前福島県出身と設定しました。沖田艦長ファンなのはそこから決めました。福島要素を色々もじって散りばめてみましたので探してみてください。良いところですので皆さんも訪れてみてください。また私も行きたい!