魔法科高校の劣等生~4の名を持つエレメント~   作:ウンニーニョ

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夏休み編
夏休み①


九校戦が終わると魔法科高校の生徒たちは夏休みを満喫する。

しかし、生徒会長である真由美は夏休みが終わってすぐにある次の生徒会への引継ぎの準備のため、たびたび学校へと登校している。

今も午前中で切り上げてきたところだ。

今日は特別な日。 と言っても朔夜君と出かけるだけなのだが、実は朔夜君と2人で出かけるのはこれが初めてなのだ。

つまり、初デートだ。

真由美は鼻歌を歌いながら校舎を出た。

 

 

「朔夜君、お待たせ」

 

「お疲れ様。 僕も今来たところだから」

 

そう言って2人は校門へ向けて歩き始める

 

「そういえば初めて朔夜君に会ったのもここだったよね」

 

「入学式の時だよね。あの時は桜が綺麗だったな」

 

(桜の舞う中の真由美さんは綺麗だったな…)

 

「今はもう花は散って青々としているもんね。ってどうしたの? ニヤニヤして」

 

「え? いや、なんでもない。それよりさ______」

 

顔に出ていたようだ。朔夜は慌てて話題を変えると2人は目的の場所へと向かった。

 

 

☆★☆★

 

 

「おっまたせー。え?」

 

「しぃー。」

 

「えっ?どうしたの?」

 

待ち合わせに少し遅れてやってきた少女、エリカは、待ち合わせをしていた少女達の反応に戸惑う。

人差し指を口の前に立て静かに。と伝えてきた少女、雫は、言葉を発さずに人差し指を残りの2人ほのかと美月がこそこそと覗いている方を指差す。

エリカは「なによ?」と指の指す方をみると「これはこれは。」と目をかがやかせる。

そこにはこのショッピングモールに買い物に来たと思われる一組のカップルが仲むつまじく。しかし初々しさを残しながらショッピングを楽しんでいた。

 

 

 

そして、エリカ達が覗いている場所から少し離れた場所。ここにも、カップルの行動を覗いている少年がいた。

 

「あれ? はんぞー君何してるの?」

 

ビクゥッっと少年、服部半蔵は肩を震わせる

 

「あっほんとだ。お久しぶりです。半蔵先輩」

 

少年がギギギッとゆっくり振り向くと3人の少女が立っていた。

 

「ひ、久しぶりだね。香澄ちゃん、泉美ちゃん・・・」

 

「はい。お久しぶりです」

 

「・・・この方は?」

 

挨拶をかわす3人に一人置いてけぼりを食らっていた少女が質問をする

 

「あ、この人は服部半蔵先輩。お姉ちゃんの学校の後輩で副会長をしてるんだよ。朔夜さんの先輩でもあるね。 服部先輩、彼女は桜井水波さん。」

 

「はじめまして。服部形部です、よろしく。 ところでなぜ闇藤が?」

 

「桜井水波といいます。 今は朔夜兄様と真由美姉様の家でお世話になっています。 ところで形部? 半蔵先輩ではないのですか?」

 

「闇藤と会長の家って___」

 

「ところでさっきから何ちらちら見てるんですか?」

 

「え、あ…」

 

自己紹介の間もちらちらと他を気にする半蔵が気になって香澄がズイッと体を乗り出しちらちらと見ていたほうを覗く。

 

「あ、お姉ちゃんと朔夜さん」

 

「本当ですね。今日はお昼から初デートだと真由美お姉様が私服で学校へ行かれましたがここだったのですね」

 

「はんぞー君はの覗いてたんですねぇ。」

 

ニシシ。と半蔵を見る香澄に半蔵は口ごもるがそんなことは気にせずに面白いものを見つけたと香澄はこっそり覗くことを提案する。

泉美も水波も興味のある年頃だ。もちろん。と同意する。

そして4人は行動を共にするのだった____

 

ちなみに、泉美が私服で学校に行っていいの? と疑問を浮かべたが、夏休みだしね。と無理やり納得したり、半蔵の疑問が解決されないままだったりしたのは言うまでもない。

 

 

閑話休題

 

 

カップルが移動したことにより、こちら側の4人の少女も移動する。

そこで、エリカがカップルに集中しすぎて人にぶつかってしまう。

ぶつかった相手は子供だったため突き飛ばされてしまう。

 

「ごめん!! 大丈夫?」

 

エリカはぶつかってしまった子供に駆け寄る

 

「あ、大丈夫です。 すみません、私も人を探してたので」

 

ぶつかった子供は10歳くらいの腰まで届く透き通る様な水色の髪をポニーテールに結い上げた白いワンピースの少女。

少女は年に似合わない丁寧な言葉で話す

 

「人を探してたって、迷子?」

 

「いえ、兄弟を___」

 

「お姉ちゃん達が一緒に探してあげるわ。 でも、お姉ちゃん達もちょっと用事があるからそれをしながらだけど」

 

「じゃぁ、お願いします」

 

勝手に進む話にクスクスと10歳らしい笑顔で笑いながらお願いする少女。

 

「あたしはエリカ。でこっちから雫、ほのか、美月ね。」

 

「私は深冬です、よろしくお願いします。 エリカお姉ちゃん、雫お姉ちゃん、ほのかお姉ちゃん、美月お姉ちゃん」

 

その用事がカップルの尾行だと知った深冬は「探偵みたいで面白そうです」と自分の人探しは置いて夢中になった。

 

 

 

 

朔夜と真由美はひとしきり服などを見た後、食事をするために中華に洋食、ラーメン屋やとんかつ店などが集まるブースに来ていた

 

「朔夜君はなにが食べたい?」

 

「そうだな。朝に魚を食べたから肉が食べたいな。真由美さんは?」

 

「私は中華がいいな。」

 

「じゃあ中華にしようか。」

 

2人は食事をしながら楽しく会話をした。これからの夏休みの予定や今日買った水波へのお土産はよろこんでくれるかなど会話は尽きない。

特にこれから向かう今日のメインイベントについては盛り上がっていた

 

食事を終えるとメインイベントなのだが真由美と朔夜は失敗した。と店の前に立ち尽くしていた

失敗とは先ほどまでの楽しい食事。

 

「真由美さん、なにも考えてなかったね…」

 

「そうね。どうしよう。」

 

立ち尽くしているのはこのショッピングモールで一番高級な貴金属店の前である。

すると中から店員さんがガラスの扉を開け、2人に話しかけてきた。

 

「どうされました?」

 

「実は先ほど中華を食べてしまって…」

 

「大丈夫ですよ。どうぞお入りください」

 

真由美の言葉に店員はニッコリと笑い店に招き入れてくれた

 

「今日はどういったご用件で?」」

 

「婚約指輪を買いに来ました」

 

「おめでとうございます。そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ」

 

緊張しながら話す朔夜に店員はニッコリと笑いながら話しかける

色々な指輪をみながら店員から「お若く見えますね」と言われ年齢を告げるとすごく驚かれた

実際、朔夜は満15で真由美は満18なのだから驚くのも当然なのだが。

そして2人の足が止まる

 

「朔夜君これ。」

 

「うん、僕達にぴったりかも。」

 

「よかったらお出ししましょうか?」

 

店員はそう言ってショーケースから指輪を取り出す

その指輪はピンクゴールドでできており、桜の花が彫刻されている

ここに来る前に出会った時の桜の話をしたからだろうか? この指輪が気に入った2人は顔を見合わせると笑いあい、購入するうことを伝える。

裏側にお互いに向けた名前を彫ってもらい、その場でお互いに交換し合う。

「どう?」朔夜に付けてもらった指輪を見せながら真由美ははにかむ。

店員はお似合いだなぁ。と2人を見ていた。

 

 

 

 

店を出た2人はフードコートに向かうとソフトクリームを購入し席に座ると話し始める

そのとき、後ろから何かが崩れる音と悲鳴が聞こえた

 

 

 

 

朔夜と真由美が貴金属店に入ったあたりから尾行していた2グループは合流していた

深冬がメンバーとしてすっかりなじみ、エリカに懐いたのか2人で率先して、楽しそうに偵察に行っていた

そして今はメンバー総出で物陰から顔を出し、朔夜と真由美を覗いている

 

「やっと見つけた。深冬!!」

 

いきなり呼ばれた深冬は驚き、バランスを崩してしまう。

それを助けようとエリカが動いたことにより、背中に手を置いていた美月が支えを失いバランスを崩す。

連鎖は重なり全員がこけてしまう

悲鳴も上げたことから朔夜と真由美にも見つかってしまうのだった。

 

「これは・・・どういう状況?」

 

そうたずねる真由美に代表して泉美が説明する

真由美はそれを聞いて「はんぞー君まで」と溜息をつき、朔夜は苦笑いを浮かべる

 

「もういいか?」

 

中学生くらいの黄色い髪の少年が話しかけてくる。

今まで待っていたのだろう。少しイライラしているようだ。

 

「ごめんね。えっと、深冬のお兄さん?」

 

エリカが謝りながら確認をする

 

「違う。僕は深冬の妹だ。名前は深雷(みらい)。」

 

「えーー!!!」

 

「エリカ、その反応は失礼だろう」

 

朔夜もこう言っているが驚いているし、他もそうだろう。

しかし、そこまであからさまは失礼だとたしなめる

 

「いいよ。べつに。こんなしゃべり方だしこの身長に髪型だから仕方ないだろう。ちなみに深冬は少し背が低めだ」

 

「あんた達いくつよ?」

 

「僕が12で深冬が14だ。」

 

「深冬中学生だったの? てっきり小学生かと___」

 

「ひどいよ。エリカお姉ちゃん」

 

「ま、でも深冬と仲良くしてくれてありがとな。こいつ目話すとどっか行っちまうから」

 

深冬の頭をぽんぽん叩きながら話す少年を見て全員が本当に妹か? などと思ったのは内緒だ。

 

深雷(みらい)ちゃんもひどいよー」

 

はじめは丁寧に話していたが、なれるほど言葉が崩れて言ったのも子供っぽく見える理由の一つだなとエリカは思うが口には出さなかった

その後は深雷も加わり全員でフードコートで話した後岐路に着く。

こうして夏休みの一日は幕を閉じた

 

 

 

 

 

☆★☆★

 

 

 

 

 

「楽しかったね。深雷(みらい)ちゃん」

 

「いいね、ああいうの」

 

「今度は達也お兄ちゃんと深雪お姉ちゃんとも遊びたいな」

 

「そうだね。」

 

夕日に染まる道をそんな話をしながら深冬と深雷は歩いた。

 

 

 

 

 

 

 




あとがき

はんぞー君は肩を落として帰ったとか帰ってないとか。

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