魔法科高校の劣等生~4の名を持つエレメント~ 作:ウンニーニョ
「朔夜ぁ、待ってましたよぉ」
そう声をかけてきたのは赤い髪の少女。
朔夜と真由美、深雪、それと、同行していた独立魔装大隊の響子はいつでも魔法が使えるように構える。
エリカ、レオ、美月、幹比古、雫、ほのか、摩利、花音、啓、鈴音、壬生、桐原は驚きのあまり固まっている。
現れたのは深雪と同じ顔をした少女だったのだから。
「そんなに構えなくてもすぐに攻撃したりしませんよぉ。後ろの人たちに自己紹介をしないといけませんから。 私の名前は夏深です。以後お見知りおきを。」
「朔夜君、彼女って・・・」
「詳しく話すと長くなるけど、敵だから。」
「後で教えなさいよね。」
エリカは朔夜の言葉に警棒型のCADを構え、それに続き全員がCADを構える。みんな、長々と話している場合ではないと悟ったのだろう。
「この数は一人ではキツイだろォ。夏深ィ。」
「朔夜だけですよ。他はどうにでもなります♪」
「舐めるな!!」
後ろから現れた銀髪の少年に夏深が返した言葉に花音は逆上し、魔法を発動する。
しかし地雷源は不発に終わる。銀髪の少年の魔法により発動場所の周りを無酸素状態にされた為だ。
「風霧…満夜…」
響子が漏らした名前に真由美は反応し、自分の中の警戒レベルを一気に引き上げる。九校戦の後に聞いた強力な魔法師。炎藤夏深の仲間。
もちろん、周りのみんなも警戒する。花音の地雷源を止められたのだから。
「そう急かすなァ。こっちの紹介も終わってないだろォ? 俺の名前はそこの軍人が言ったけどよォ。こっちにも後2人いるんだからさァ。 隠れてないで出てこいよ。もう後戻りはできないだろォ?」
そう言ってニヤァと口を三日月型に変える満夜に堪忍したのか2人の少女が姿を現す。
その姿に朔夜はもちろん真由美、エリカ、レオ、幹比古、美月、雫、ほのかは驚愕する。
「なんで…」
エリカはそう声を漏らす
現れたのは水色の髪の少女と黄色い髪の少女。夏休みに仲良くなった2人、深冬と深雷。
「こんな形では会いたくなかったです。深雪お姉さま。それに…」
そう言ってエリカに悲しげな視線を送る深冬。
その視線でエリカは気づいてしまった。あの時自分が見落としてしまった違和感に。
いつも、またねとお別れをする深冬がいったさよならの言葉。あの時、引き止めてほしかったのではないかということに。
「深冬___」
「もう遅いんです。」
深冬は会話をしたくないと一瞬で魔法式を組上げ氷の剣を作るとエリカに向かって飛ばす。
(もう遅いんです。私達は人の命を使ってしまったのだから)
「それじゃぁ任せますよ♪ 朔夜、行きますよ。」
そう言って夏深が取り出した本を見て朔夜は冷静さを失ってしまう
「それを使うなぁぁぁ!!!」
いつもの朔夜らしからぬ言葉使い、行動。
夏深につられて2人は双方魔法を繰り広げながら行ってしまった。
「こいつらはお前らがやりなァ。俺ァ夏深に加勢してくる。いらないとか言われそうだけどなァ」
満夜の言葉に頷く深冬と深雷。
満夜が行ったあと深冬と深雷は先に戦力の分担をはかる。
深雷が砂鉄の刃を波のように飛ばし分断したのは深冬のほうにエリカ、真由美、雫、ほのか、啓、花音、響子。深雷のほうにレオ、深雪、幹比古、美月、壬生、桐原、摩利、鈴音。
☆★☆★
深雷は分断した後、高速で壬生、桐原の前に移動すると2人の鳩尾に手を添え、電撃を叩き込み気絶させる。
そこにレオの拳が振り下ろされた。深雷は後ろに飛びながら砂鉄の壁を作りガードするとレオと向かい合う
「柴田、鈴音、2人を見てあげてくれ。」
摩利の指示で美月と鈴音は倒れた2人に駆け寄る。
向かい合うレオの隣に深雪、摩利、幹比古が並ぶ。
「なぁ深雷、やめないか。 こんなの、意味ないだろう?」
レオは悲しそうな顔をして深雷に問いかける。しかし、深雷は何も答えずに砂鉄で人形を3体作り出す。
「今ならまだやり直せる。またみんなで遊ぼう。 ほら、深雪さんとも友達になりたいって言ってたじゃないか?」
「君達は彼女を知っているのか?」
「「夏休みに仲良くなった友達です。」」
レオと幹比古の説得を聞いて疑問に思った摩利の質問に2人は迷わずに答える。
「あの時は楽しかった。でも、もうそんな楽しい時間も終わり。深雪お姉ちゃんは知ってるよね? 私達には_____」
「「____時間がない」」
深雷と深雪の声が重なった。達也と朔夜、それに、真夜が言っていたことが的中してしまったことに深雪は唇を噛む。
「だから私達は家族のために時間を使うって決めた。あの、やさしかった夏深ちゃんのために。だから、楽しい時間は終わり。」
そう言う深雷の目に迷いはなかった。
その説明に、摩利は深雪にも先ほどレオ達に言ったのと同じ質問を投げかける。
レオも幹比古も気になっていた。今度会わせると約束したはずなのにもう知り合いのようなのだから。
そして深雪の口から出たのは思いもよらない言葉だった。
「彼女は、いえ彼女達は私の妹達です。すみません。私達の家の問題に巻き込んでしまって。」
深雪の家の問題。そう聞いて聞こえた全員が驚く。
それは達也が離脱するときに朔夜から聞いた血縁関係。
つまりは深冬に深雷、そしてさっきの2人も四葉の人間ということになる。
「もういいよね」
そう言って深雷は驚愕し固まっているレオ、幹比古、摩利に砂鉄の人形をけしかけ、自分は深雪に攻撃を仕掛けた。
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「深冬、やめよう?」
この言葉は何度目だろう。
こちらではエリカの説得が続いていた。
もちろん攻防を繰り返しながらだ。
「あの時、笑ってた深冬は嘘だったの?」
その言葉に、深冬は無言で攻撃を返す。
答えてしまえば、ダムが決壊してしまう。押し込めている思いが全部出てきてしまうから。
「そんなことないよね? あの時の深冬は心の底から笑ってた。」
その言葉一つ一つが心に染み渡らないように、話す暇をなるだけ与えないように、深冬の攻撃は激しさを増す。
しかし1対多の攻防なだけに完全に話す暇を奪うことはできない。
そして、深冬は自分が無意識に攻撃を弱めていることに気づかない。
「ならなんで、そんな悲しそうな顔してるの!!!」
エリカの悲痛な叫びはついに深冬のダムに亀裂をいれた。
「もう遅いんだよ!!!」
口から漏れた一言は、ダムの亀裂を進行させ、決壊に導く。
「エリカ、見てよ。これ」
深冬が見せたのは正方形の四角い箱。
この場にいる者のほとんどが訝しげにそれを見る中、響子は驚愕の表情を表す。
「軍人さんはわかったんだね。エリカ、これはね、ソーサリー・ブースターっていうの。魔法師が強力な魔法を使う時の演算補助デバイス。」
「そんなものが・・・」
啓の口から驚愕の言葉が漏れる。それは魔法師にとっては夢のデバイス。そんなものがあるなら
「ただ問題はこのデバイスの材用。生きた魔法師の脳。」
その言葉に響子以外の全員が驚愕する。
「私たちは自分が生きるために人の命を使ったんです。もうあのころに戻れるわけないじゃない。」
「そ____」
エリカが何かを言おうとした時、その言葉をかき消すようにミサイルが打ち込まれた。
そのミサイルは深冬が深雪を思わせる氷の壁を作りすべて防ぐ
「わ、私たちの足止めももう必要ないみたいですね。」
深冬は顔をしかめながらそう言うと深雷と共にこの場を去った。
「さよなら」
エリカは2度目のこの言葉に手を伸ばすことしかできず、その届かなかった手を握り締めながら呆然と立ち尽くす。
「エリカ、辛いのはわかるけど居間は立ち尽くしてる暇なんてないぞ。」
そのレオの言葉にパンッと両手で自分の顔を叩くと笑顔を作りこう返した。
「辛いのなんてみんなもでしょ。とりあえずこいつ等で憂さ晴らししないとね。」
その後、千葉寿和が持ってきた刀型デバイスを手にエリカは戦闘用ロボットに立ち向かっていった。
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「深雷、大丈夫だった?」
深冬は口から白い息を吐きながらたずねる。
「ソーサリー・ブースターのおかげでなんとか。でももう少し長引いてたらやばかったかな」
ほら。と深雷は痙攣する両腕をみせる。
「強力な魔法の連発には注意しないとね。」
そう話しながら2人は夏深と満夜の元へ向かった。