魔法科高校の劣等生~4の名を持つエレメント~   作:ウンニーニョ

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まえがき

お待たせしたのに短くてすみません。
ダンまちの読み切りを書いてたのもありますが、この話を書くのに迷いが出てしまって…

言い訳はこの辺にして、本編をどうぞ。




傷跡

 

「それを使うなぁぁぁぁ」

 

「ふふふ。 朔夜、本気を出してくれてうれしいですよ。」

 

そう言って夏深は術式兵装、雷天大壮で雷帝化した朔夜の攻撃をかわしていく。

 

「でも、頭に血が上ったあなたの攻撃をよけるのは簡単です。すこし、つまらないですね。」

 

攻撃が当たらないとみた朔夜は両腕に封印された魔法を夏深に向けて放つ。

虚を突かれた夏深だが体を捻って魔法をかわす。

朔夜は夏深の視線が外れた隙に新しい魔法を自身に封印する。

 

解放・固定、術式装填《千年氷華》

 

朔夜の前に一際大きな魔法式が構築され、それを朔夜がそれを潜る。

それと同時に朔夜の体に魔法が取り込まれ体に変化を及ぼす。

朔夜の髪の毛は雪原のように青白く変化し、その長さは腰の辺りまで伸びる。

瞳は蒼星石の様に青く透き通り、まつげも髪と同じように青白く変化する。

そして朔夜の前に頭部が雪の結晶でできた錫杖が顕現する。

 

術式兵装《氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)

 

変化が終わると同時、朔夜は錫杖を右手で持ち、空いた左手を前にかざすと夏深の周りに無数の魔法式が構築される。

夏深の状況は絶体絶命に見えた。

 

「あれ?」

 

夏深が何かを言おうとした時、一迅の風が吹き、夏深の姿が消える。

それと同時に夏深がいた場所に無数の氷柱が突き刺さる。

 

「油断するな夏深ィ。 頭に血が上ってるうちに殺さないとなァ」

 

「何言ってるんですか。もうとっくに冷え切ってますよ。」

 

そう、朔夜が術式兵装を換装したのは無理やりにでも頭を冷やすため。

今はクールに冴え渡っている。

 

「それに、満夜が邪魔するから私の魔法が無駄になったじゃないですかぁ。」

 

そう言う夏深の周りには紅い魔法式が無数に構築されていた。

「悪りィな」と謝る満夜に「もういいです」と溜息をつきながら夏深は右手に持った箱を見る。するとその箱は命を失ったかのように光を失い崩れ去る。

 

「あーあ。一つ無駄にしましたか。 それに満夜、今ここで朔夜を殺しはしません。朔夜にはもっと絶望を味わってから死んでもらわないと。 深冬達も戻ってきたみたいですしそろそろいいですかね。 引きましょう。」

 

「絶望させるならもう一工夫必要だろう。 夏深ィ、別行動だァ。」

 

逃げる4人を朔夜も逃がすわけがない。

無数の魔法式を展開し攻撃しようとする。

しかし魔法式の構築が終わろうとしたその時、突如朔夜は膝から崩れ落ち、同時に氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)も解けてしまったのである。

 

「く、そ」

 

朔夜は額に汗をにじませ夏深達を逃がしてしまったのであった。

 

 

☆★☆★

 

 

一方、深冬と深雷が去った真由美たちの状況はというと・・・

 

無事に戦闘用ロボットを大破させた後、ヘリで非難をしようとしていた。

しかし、最後の最後でイレギュラーが起こる。

 

無所属兵(ゲリラ)の強襲。

 

無所属兵(ゲリラ)は無事殲滅したものの桐原が銃で撃たれ花音の足が切り飛ばされてしまったのだ。

 

「お兄様!!」

 

深雪が空へ向かって叫ぶ。

そして黒尽くめの兵士が舞い降りる。

バイザーをあげると達也であることが確認できた。

 

「お兄様、お願いします」

 

深雪の言葉に達也は桐原にCADを向け、引き金を引く。

展開されたのは達也の固有魔法《再成》

その魔法によって桐原の体は光だし、傷は何事もなかったようにふさがる。 壬生が「大丈夫なの?」と声をかけている。

続いて達也はCADを花音に向け、引き金を引く。

花音もまた、体が光り、切り飛ばされていた足は元の位置に戻り、何事もなかったかのようにくっつく。

 

「花音、大丈夫なの?」

 

「うん。なんともないみたい。」

 

達也もCADをホルスターに戻し、深雪と話し出す。

緊張の糸が緩んでしまった。ほんの一瞬だった。

 

 

 

「残念でしたァ」

 

 

達也達がいる場所から離れた場所で銀髪の少年の口が三日月型に裂けた。

 

「よかった。花の」

 

ドス

 

無事だった許婚の下に駆け寄ろうと歩みだした啓の言葉はそこで費えた。

銀髪の少年が魔法とともに打ち出した鉄骨に心臓を打ち抜かれて。

 

「うそ・・・啓ぃぃぃ」

 

花音の叫びにそこにいた全員が反応する。

口を押さえ驚愕するもの、目を背けるもの、胃の中のものを吐き出してしまうものそれぞれいる中、花音はただ一つの望みを持って達也をみる。

しかしその希望は達也が首を横に振ることで完全に費える。

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁああ」

 

 

達也の再成で元に戻せるのは少しでも息があるうちだ。心臓を打ち抜かれ即死だと手の施しようがない。

 

沈黙が続く中、朔夜が合流する。

 

「朔夜、お前…」

 

達也が何か言おうとするのを朔夜は首を横に振って止める。

 

「すみません…僕が、あいつ等を逃がしたから…」

 

その言葉に花音は朔夜をキッと睨む。

その目線に朔夜は悔しそうに奥歯を噛む。

 

「君のせいじゃない…」

 

摩利が間に入って花音を慰める。

 

 

 

このすぐ後、一つの戦略級魔法によってこの争いは終結する。

一高の生徒に確かな傷跡をのこして。





あとがき。

今回の話、苦手な方も多々いるかとは思います。それがこの話の迷ったところでもあるのですが・・・

それはそうと今回で横浜騒乱編が終了し、次回よりオリジナル最終章、第一高校崩壊編(仮)をお送りします。

今後ともよろしくおねがいします
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