最強の盾は橘福福しか見えなくなる。〈旧題:最強の盾〉   作:カブトムシの相棒

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一応、この作品はギャグ系の恋愛をモットーにしてるんですわ!


では、本編です。


禁煙禁酒。そして、進む恋の道。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『────なんで殺した…ッッ!!!』

 

 

 

……あぁ。

 

 

 

『なんでぇっ!!彼は、あの子は!みんなはっ…まだ助かるかも、しれっ…しれなかったのにぃ……!』

 

 

 

そうか、また……この夢か。

俺の記憶が薄れる時に、この夢は来る。

 

 

 

『ねぇ!!ねぇッ、ねっ……あなた、自分が何をしたか分かってるの!?人をっ、ひとっっ……あんな優しかった人たちを、貴方はっっ……殺したんだよ!?わかってるの!!?全員の…みんな、首、斬って……ありえない……っっ!』

 

 

 

分かっている。

皆まで言わずとも。

それは、全て俺の罪。

 

 

 

『かえしてよぉ……私の、私の家族………わたしっっ、私の…かぞくっっ……ともだちだって……ねぇ……かえしてぇぇ……あ、あぁぁ…っ!』

 

 

 

今日は、この人か。

俺の友人、そのお姉さん。

全てが終わって、ふらりと放浪してる時に会った。

偶々、その日の村に居なかった。だから助かった。

 

 

 

『……なんで、なにも言わないのッッ………弁明とかしなさいよっ!!訳があるんでしょ!!?ねぇ!!!』

 

 

 

あるよ。

皆、もう手遅れだった。侵蝕が末期で、今直ぐにでもバケモノに変わり果ててしまいそうで。

元々、エーテル適応が脆い者しか居ない村だった。

それは、貴女も分かっていたんだ。

だからこれは、そう……八つ当たりなんだ。

何かに当たらなきゃ、心が壊れてしまいそうになるから。

 

俺は、貴女のそれを……真摯に受け止めさせて頂く。

 

だから、駄目だ。それを俺が言うのは。

俺が言ってしまえば、それは只の言い訳なんだ。

 

 

 

『なんで、なんであんな優しかった彼から……お前みたいな【怪物】が産まれるのよぉぉ……っっ』

 

 

 

彼。それは俺の親父だ。

そうだよな。分かる。本当になんでだよな。

 

 

 

『なにがッ………なにが、盾よッ……自分の家族すら殺すあんたの!どこが、盾なのよっっ!!!』

 

 

 

言い返す言葉もない。

ソレは全て、その通りなんだから。

 

……苦しい。そんな事を思う事態。俺には無いのに。

 

 

 

『────呪ってやる……ッッ!!!』

 

 

 

うん。

それでいい。

 

俺には……その資格はあるから。

 

この人には俺を呪う必要がある。

 

そうでもしなきゃ、恨みを持たなければ。

生きる気力を、失ってしまうから。

 

………。

 

なぁ、親父。

これでいいのかな。

弱きを助けるって、こういうのも云うのかな。

この気持ちは、俺が抱える為にあるんだよな。

 

そう思って行動しても、俺には……分からない。

 

自問自答を繰り返して、勝手に心を絞めつけて。

挑んでくるバカを相手取って、心の露を祓うよう過剰に圧制して。

 

俺はずっと、そんな事を繰り返している。

 

 

………………。

 

 

親父と桃子の首を刎ねて。

 

友達、知人、老若男女の村の……数多の人達を殺して。

 

その中に在った友の家族を泣かせ、失望させて。

 

 

殺して。

殺して殺して殺して殺して殺して。

 

 

100人以上もの方々を、殺して…。

 

 

俺は、俺は……。

 

 

 

 

 

 

────人殺しッ!!お前が死ねば良かったのにぃッッ!!!

 

 

 

 

 

────俺は、親父の下に生まれて来ない方が……良かったんじゃないか。

 

 

 

 

俺は未だに、その答えを導き出せていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────く……け……ん!」

「っ、は…っっ………んっ……ッッ…」

「犬太郎くん!犬太郎くんっ!」

「ッ…!はっ…は、はっ………はぁ、ぁ………え?」

 

 

 

ハッと、意識を覚醒する。

 

誰かの呼び声、それで何とか起きる事が出来た。

見知らぬ天井……テンプレだ。

 

此処は雲嶽山が住処とする拠点道場。

目を覚まし、むくりと自然に起き上がる。

 

左の方に誰かが存在感を出している。犬太郎はそのまま左を向く。其処には……。

 

 

 

「あっ!起きましたね。おはよう御座います犬太郎くん!」

「福福……おはよ…う…………んぇ?」

「唸り声を上げていましたが……怖い夢でも見ちゃいました?体調は大丈夫ですか?あぁ汗がびっしょり……ハンカチで拭きますね」

 

 

 

何故か、福福が居た。

 

犬太郎はこの一瞬で脳がショートしかけるが、寸でで昨日の夜を思い出す。

 

 

1:縁側で11時ちょい前まで話した。

2:そのまま福福に借り部屋まで送って頂いた。

3:そこで別れて、普通に一人で寝た。

 

 

以上。うんなんでぇ!?何で福福いる!?

 

 

 

「えっ………コレも夢?」

「へ?いえ、あたしは夢じゃありませんよ?もしかして、まだ寝坊助さんですか?もう7時に成りますよ」

「すぅぅ………いや、うん。えっと、先ずは寝坊してゴメン。起こしてくれてありがとう。そこで質問、なんで入って来たん?後ありがとう、顔拭いてくれて」

 

 

 

犬太郎は全てを理解した。

己は先ず福福と寝ていない。セーフ、一瞬やらかしたかと思ったのだ。

 

だが、そこで生じる疑問。彼女は一体全体どうして普通に男の部屋に入ってきている?

 

そう疑問に思い、犬太郎は堪らず問う。

 

 

 

「最初は部屋越しからノックして話しかけていたんですけど、その……何やら苦しんでる呻き声が聞こえまして……」

「それで、部屋に入ったと…ふぅ……そうか。それじゃあ俺が悪いな。すまん、ありがとう起こしてくれて」

「いえっ!お気に為さらず!でも……大丈夫ですか?」

「なにがだ?」

「さっきも言いましたが、えっと……犬太郎くんずっと(うな)されていたんです。ほら、まだ額や首元に汗が………嫌な夢を見ちゃいました?」

 

 

 

魘されていた。

福福が犬太郎に心配の顔付きでそう告げる。

 

どうやら己は、あの夢を見て唸り声を上げてしまっていたらしい。

 

額に首元、あと背中にも汗を感じる。情けない……が、先ずは状態報告だ。

 

 

 

「あぁ大丈夫だ。実は、昔の女の子に好い寄って振られた夢を見てな。それが中々きつくてきつくて」

「むっ!何ですかその夢!心配して損しましたっ!全くもう……その後は?」

「ん?なんだ、気になるのか?」

「当然ですっ!その好い寄ったってのも非常に気に食わないですが、そこまで言ったら教えて下さいよ!」

「いやなに、普通にイケメンの彼氏が居て、玉砕。まぁ7,8年も前な話だ、あんま覚えてないさ」

「ふ~~ん……まぁ、もう何もないなら大丈夫です!」

 

 

 

それだけ聞いて、福福は食い下がった。

彼が女好きなのは理解している。特に前は他の女の子によくナンパしていた。8割がシンプルに大玉砕。1割が食事を行く関係。残り1割は………本人すら知らぬ、何か。

 

とはいえ、彼が本気で恋をしたのは福福ただ一人。

 

それを、不服ながら理解しているのが福福だ。見た目や在り方で嫌悪されそうだが、福福も自分でもどうしてと感じてしまう程、犬太郎に……恋をしている。

 

 

 

「じゃあ、もう大丈夫なんですね?」

「元々どこも悪くない。だがあの振られたという悪夢から俺は助けられた。だからかな、俺は………………なんでもない」

「えぇ!?そこまで言っておいて!?言って下さいよ~!」

「いやガチで無理。無理無理無理!!むりぃぃぃ!」

「そんな全否定する程ですか!?なんなんですか!言って下さい気になるじゃないですか!」

「いやだ!」

「言いなさい!」

「いーやーだー!」

「言ーいーなーさーい!」

 

 

 

何故か尋問状態へと変わる。

 

まだ布団に腰掛ける犬太郎。

その布団に膝を着いて彼に詰める福福。

 

時刻は朝の7時を迎えようとしている。もう一度言おう。朝の7時だ。

何故この二人はこんなテンションが高いのか。若さで片付けていいモノなのか。

 

 

 

「よーし分かった!そこまで言うんなら言ってやるよ!」

「むっ!やっと観念しましたか……さっ!言って下s」

「と見せかけて布団に包まる俺!!」

「んなぁぁ!?」

 

 

 

瞬間、犬太郎が布団にもう一度包まって入る。

まだ暖かみのあるその布団の中。犬太郎は告げる。

 

 

 

「気になるんなら俺をこの布団から抜け出してみなぁ!んなーーっはっはっは!」

「ッッッ!!もう怒りました!上等です!あたしの実力を見せて上げます!いきますよ犬太郎くん!後悔しても遅いんですから~~!!」

 

 

 

そうして、朝の布団剥がしの攻防が突如として発生。

 

犬太郎は異次元のパワーと謎の技術で布団から剥がれない。

対して福福はそんな犬太郎に劣勢。この男、中々手強い!

 

 

 

「ん~~~~っっ!!か、硬い…っ!」

「おっきゃっきゃー!どうしたどうした福福!もう終わりか!?」

「舐めないで下さい!あたしだってやる時は、やるんですよー!!はぁぁぁ!!」

「んなーーっはっは!そんなんじゃ俺には勝てん!この勝負もろたでーー!!」

「………あっ!お師匠さま!」

「んぇぇ!!?おいおいおい待て待て待てェ!マジで!?」

「ここッ!隙アリぃぃぃ!!」

「んなにぃぃ!?」

 

 

 

福福が儀玄の名を呼び、それに呼応するよう、焦った犬太郎は勢いよく布団から抜け出す。

それが隙を生み、福福がその勢いを生かして布団を犬太郎から剥ぎ取る。

 

そして気付いた。儀玄など何処にも居ないと。

 

 

 

「んなッ……ま、まさか!」

「ふっふっふ~っ!フェイクです!」

「ず、ズルいぞ福福!」

「騙し合いも一つの戦略ですよっ!」

「くぅ!言えてる!」

 

 

 

謎の布団剥がし攻防は、福福のフェイクで勝ち取った。

一体全体、この勝負は何だったのか。

 

第一として、このまま放っておけば普通に犬太郎が負けるのに、福福はどうしてその勝負に付き合ったのか。色々とツッコミ所が多いが……終わったのならもういい。

 

 

 

「この勝負、あたしの勝ちですね!」

「……ふっ、負けたよ」

「ではっ!言って下さい!さっき何を言おうとしたのか!」

「あぁ、分かってる……福福に…ん?」

 

 

 

犬太郎が……告げる。

 

そうしようとした、瞬間だ。部屋内に一つの影が、二人を覆った。

 

 

 

「────全くお前さん等、朝っぱらからナニをしているんだ……」

「へ………あっっ」

 

 

 

其処に居たのは、儀玄だった。

それは福福にとって、最悪の出来事。

 

この状態を見られた。

ってか普通に居た。

フェイクでも何でも無かった。

 

儀玄の目に映る2人を纏めよう。

 

1:道着が若干乱れている犬太郎。

2:犬太郎が寝ていたベットに腰掛ける福福。

3:普通に距離近い二人。

 

シンプルにダウトだ。

 

 

 

「あぁ、儀玄ちゃん。おはよう」

「どういう胆力でそう平然と出来るのだお前さんは」

 

 

 

そんな中でも何故か犬太郎は平静を装っている。

 

気の所為だろうか、何か『目がパキッている』様に見える。

 

 

 

「ち、ちちちちち!!違うんですお師匠さま!?え、えぇっと!!コレには、わっ!訳がぁ…っっ!!」

「落ち着け福福、俺に任せとけって(!?!?)」

「はぇぇぇっ!?」

「んで、なんで此処に儀玄ちゃんが居るんだ?」

「阿呆。お前さん等がいつまで経っても来んから、態々私が呼びに来たんだ。もう朝飯は出来上がっているぞ」

「あーそういう。じゃあ……俺等が悪いな!」

「そういう事だ。全く……元気なのは良い事だが、そういうのはもう少し順序とタイミングを計ってしろ。別に咎めはせんが、男女の仲は相応に特別なモノだ。もっと大事にだな……」

「??……よく分かんないが、分かった!」

「お前さんなぁ……」

 

 

 

福福が弁明をしようとするも、何故か代わって儀玄に経緯を話す犬太郎。

儀玄も儀玄で、何か勘違いをしていそう……否、彼女は気付いて尚イジっている。

だが意味不明な事に、犬太郎がそのいじりに近い言を全く理解せず分かったと言っている。コレには儀玄もお手上げ。こいつは真正のアホだと改めて分かってしまった。

 

 

 

「ちっ、ちぃ……ッッッ……」

 

 

 

すると、福福がプルプルと身を震わせる。

その様子を見た犬太郎、儀玄は福福を見つめる。

 

そして……遂に。

 

 

 

「────違うんですぅぅ~~~~~っっっ!!!」

 

 

 

そう、叫んだ。

 

虎(子猫)の咆哮が、朝の衛非地区に響き渡った。

また一段と騒がしい一日の合図。

 

この咆哮は……その原点である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────はっはっは……あの叫びはそういう事だったのですか」

「しかしまぁ、福姐と犬太郎は朝でも元気だなぁ。良い事ではあるがな」

「呑気な奴等だ。あの現場に居合わせた私の身にもなれ……朝っぱらから私はナニを見せられたんだ、全く」

「ぅぅ………くぅぅぅぅ…っっ!」

「いやー申し訳ない。朝から騒がしくしちまって。客人と云う手前、ぶっちゃけ悪いと思ってる」

 

 

 

居間にて食卓を囲む面々。

昨日の夕飯と同じ位置で座り、談笑を交わして朝御飯を食す。

 

そして、その内容は……朝、犬太郎を起こしに行った福福達の事。

 

福福の叫び声は確りと居間まで響いた。

だが、その声色を聞いて藩と釈淵は向かう事はしなかった。

 

理由は単純。なんか行ったら面倒くさそうだからだ。

 

その判断は正しかった。

起きて来た犬太郎は眼をパキッてて。

帰って来た福福は顔を真っ赤に染めて。

 

そして……儀玄はゲッソリしてて。

 

その様子の面々を刮目した二人は悟った。

この二人に、騒がしくない日は来ないんだなと。

 

 

 

「しかし、相変わらず藩さんの飯は美味いなぁ。何と云うか、プロの料理人の飯を頂いている様な味わいだ。この焼売はどんなレシピを?」

「はっはっはー!そう言って頂けるのは、やっぱ嬉しいな。ただ悪いんだが……この料理達はどれも秘伝のレシピを使っててなぁ。教える事は出来ないんだ」

「そうか、それは残念。ただまぁ……聞けなくて良かったかも」

「俺に聞いといて?……だが、どうしてだ?」

「これでも俺は料理専なのはもう知ってるな?そんな俺が、いつか…その……福福に料理を振舞うからさ。その前に福福が大好きな藩さんのレシピを聞いたら、真似しちゃいそうなんだよ」

「成程なぁ………本当に何で聞いた?」

「今日の俺はかなりハイテンションだからだな」

「すまん、普通に会話は可能か?師匠でも分からんぞお前さんが何を言いたいのか」

「えぇ!?そう?」

 

 

 

何故か威風堂々な犬太郎。回答も意味不明である。

取り合えず秘伝のレシピの件は置いておく。なんかこのまま聞いたらズブズブと彼のワールドに引きずり込んでいかれそうになるからだ。怖すぎる。

 

儀玄は一息置き、少し気になっていた事を聞いた。

 

 

 

「……ところでで何だが、犬太郎。お前さん本当に体調は大丈夫なのか?」

「なんで」

「なんでって……なぁ?」

「えぇ、そうですね。流石に昨日と今日で違い過ぎますから」

「……犬太郎くん。その、貴方いま、すっごく怖いんですよっ」

「は?」

 

 

 

釈淵、福福も同調。藩も頷く。

 

その理由として……彼の眼光だ。

 

 

 

「────目が凄いぞ。俗に言うガンギマリってヤツか?断食の修行をした福福の様な眼付だ」

「お師匠さま???」

「言えてるな」

「そっくりですね」

「御二人とも??????」

「よく分からんが、俺の眼がマジで半端なくエグイ事に成っているって事は分かった」

「犬太郎くん?????????????」

 

 

 

何故か儀玄の例えの引き出しにされた福福。

何故かその例に理解を示す釈淵と藩。

何故かそれで納得する犬太郎。

 

福福はキレた。

 

だが今は犬太郎だ。言い訳は後にしよう。どうやら彼もそれは分かっている様だ。

 

 

 

「まぁ薄々感じてはいたし、見てれば気にはなるわな………一応、理由は分かるぞ。だから言える。ってか理由コレしか考えられん」

「と言うと……なんですか?犬太郎くん」

「……重い話なんだが、聞いてくれるか?」

「ッ!!……あたしは、貴方の全てを受け入れますっ」

「福福……」

 

 

 

犬太郎と福福は互いに見つめ合い、真剣なムーブをする。

展開が読めた三人は普通に朝飯にありつける。実に呆れた表情で。

 

 

 

「ズバリ────…禁煙で禁断症状が出てるんでしぃぃ~~!」

「ずこーーー!!」

「そんなこったろうと思った」

「心配してなかったが心配して損したな」

「ハッキリ言ってどうでもいいですね」

「俺は今、始めてあんたらに腹が立ったぞッ!!」

 

 

 

それは【禁煙】による症状。

手の震え、瞳孔ガン開き、謎のハイテンション。

ヘビースモーカーが無理に始めた禁煙。それは、こういう恐ろしい症状を呼び込むのだ。

 

 

 

「なんですかソレ!軽っ!本当に心配したあたしの心情を踏み躙りましたねっっ!!」

「なんだよ!マジで辛いんだからな!?今日で一応……3日目?なんだぞ!」

「昨日吸ってたから1日目だ阿呆」

「ニコチン頭に行かなくて色々と狂ってるな」

「これはもう末期ですね」

「犬太郎くんっ……(絶望)」

 

 

 

確りと苦しんでる犬太郎。

今は只、タバコの匂い、風味、存在、その全てが恋しく感じる。まだ1日目だが。

正直、辛い。禁煙をした者にしか分からぬ苦しみだ。共有できる者も、此処には居ない。

 

 

 

「マジで耐えれない訳じゃないんだよなぁ……その、こう…アラームが鳴る10分前に起きちゃった!みたいなムズムズさって感じ」

「絶妙ですね…っ!」

「確かにムズムズはするが」

「にしてはイライラし過ぎでは…?」

「まぁ兄弟子。きっと喫煙者にしか分からん事もあるんだろうさ」

 

 

 

必死に弁明しようとして出した例。

どうやら分かるっちゃ分かる反応のようだ。

 

犬太郎はそのまま続ける。

 

 

 

「……こんだけ苦しいのはいつ振りだ?俺の人生のトップ5には入るぞ」

「その上と下も気になる順位だな」

「ちょっと気になるのやめてくださいよ……」

「因みに8位は”確定申告の書類を書き終えたあと傍に置いておいた水入りコップに肘が当たってぶっかけてやり直しをした時”だな」

「うむ、最悪だな」

「100:0で俺が悪いとしてもホンマしんどかった」

「それで8位かよ……」

「頭痛がしてくるレベルですね……御愁傷様です」

「(……どうしよう、あたしだけその怖さに着いてけません…っ!ふぇぇ~~~!!!)」

 

 

 

この苦しみは中々なモノだろう。

儀玄、藩、釈淵にはどうやら伝わったようだ。福福は余りよく分かっていない。何か大変なんだと思っているくらいだ。かわいい。

 

 

 

「まぁそれ以外の順位はまた今度…お酒ぇぇ!!に酔った時に発表するか」

「犬太郎くん?分かってますよね?」

「わ…分かってるとも!俺が20歳超えた時にな!うん!」

「ほんとうに~?あたしが見ない内にまたしてたら……」

「昨日誓ったからな!あぁ!!………吸いてぇし飲みてェ~

「あっ!聞こえてますからね犬太郎くん!!あたしの耳は誤魔化せませんよ!」

「くぅ!!流石は高潔な虎のシリオン!その威光を放つ耳は地獄耳であったか!」

「っっ!!!その通り!あたしにはどんな小話も、どんな静音も通用しません!なんてったって!あたしはすっごく強い!虎のシリオンなんですから!!」

「ひゅ~ひゅ~ッッ!!これが真の虎の威ーー!!」

「……お前さんはそれで良いのか福福」

「即座に路線変更される福姐も、それはまた福姐らしいから良いと思うぞ、俺は」

「果たして、そこに威厳はあるのかどうか……おっと、これは無しですね」

 

 

 

そうして、色んな会話で朝卓を賑わす犬太郎。

 

雲嶽山の面々と非常に相性が良い犬太郎。皆、真新しい性質の彼に心を許している。

割と問題児なのが玉に瑕だが、それでも心根は善性なのを皆、理解している。

 

それに昨日、彼は誓ったのだ。皆の前で、これらを断つと。

 

ならばそれを信じるのがこの道に居る者の果たしだろう。

儀玄を始めとした藩、釈淵は彼の覚悟を見受けした。

そして、言を放った。ただ一言。

 

頑張れと。

 

そうして、数十分で朝飯の時間は終わりを迎えた。

 

 

 

 

────────。

 

 

 

 

「────あ、そうだ。伝えて無かったから云うが、俺午後【護衛屋】の任務ああるから帰るわ」

「はいっ!分かり……え?」

 

 

 

 

 

▽────朝飯が終わり、数十分……7時50分。

 

 

 

 

 

 

「────あたしは、どうすれば……」

「ん?なんだ福福、お前さんが悩むとは……犬太郎の事か?」

 

 

 

犬太郎が自室に戻り、帰宅の準備を進めている最中……儀玄と福福は拠点道場の庭、そこで時間を潰していた。

 

そこで福福は何やら思い詰めた表情で悩んでいた。

 

儀玄は思い浮かぶ一つの思案を聞いた。福福の反応を見るに、やはり当たりだ。

 

 

 

「……はいっ。その………」

「引き留めるつもりなら辞めておけ、タイミングが悪い。あいつにはあいつのすべき仕事があるんだ、犬太郎の心残りにする様な仕業は薦めんぞ」

「わ、分かっていますっ!あたしだって分かって……でも…あんな急に帰る何て、あたし……まだ犬太郎くんとしたい事、一杯あるのに……」

「何も今生の別れじゃないだろう……まぁ言っていなかったあの男にも非はあるが」

「っ!ですよねっ!!あたしてっきり、そのっ!今日の午後まで居て、もっと親睦を深めて!それで……また今日も泊ってくれると思ってたのに!」

「んな訳ないだろう、想いが重いな……少し冷静に成れ福福。まーアレだ、駐車場まで見送ってやれ。案内は必要だろうからな」

「っっ!……分かりましたっ、確りと送らせて頂きます!」

 

 

 

意向は決まった。やや納得は出来ないが、彼は客人。

それに雲嶽山の仕事も控えてはいる。

 

引き留める大きな理由はないのだ。

 

ならば、せめて彼の車が停めてある駐車場まで場所まで一緒に向かえば良い。

 

 

 

それで……犬太郎と福福、二人による1回目のデートの終演になるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────儀玄ちゃん!!!」

「あぁ」

「長い間!クソお世話になりましたっっ!!この御恩は一生!!忘れm」

「うん、そうだな。さっさと帰って良いぞ。風邪引け」

「えぇぇ!!?辛辣!」

「はっはっは!本当に面白い奴だなぁお前さんは!しかしもう帰るのか……何だか寂しいなぁ」

「そう言って頂けると嬉しいが、流石にこれ以上の長居は申し訳が立たない。ここらでお暇させて頂くよ」

 

 

 

時刻は周り、8時を過ぎた時間帯。

拠点道場の門前に居るは、雲嶽山の面々。

 

そして、昨日の服装に着替えた犬太郎だ。

 

 

 

「俺が気にしてんのは雲嶽山のお手伝いをしなくて本当に良かったのかだ。正味、俺マジで何にもしてないし」

「言ったろう、お前さんは客人だ。そんな事は気にせんで良い」

「そう?ちょいと納得がムズイけど……分かった」

「ほら、コイツを持ってきな。さっき買ってきたロリポップ30本入りだ!ブドウ味が好きと福姐から聞いたから、ちょっとおまけしといたからな」

「うおー!ありがとう藩さん!禁煙を頑張れそうだッ!」

「酒もだぞ!はっはっは!」

 

 

 

そう軽快に笑う藩。大きめの紙袋に包まれたロリポップを犬太郎に渡す。

犬太郎もかなり嬉しそうだ。それ以外の袋(中華包丁、その他お土産)にその袋を入れる。

 

 

 

「犬太郎さん、宜しければまた衛非地区、もとい雲嶽山に御来訪なさって下さい。我々も貴方の意義深さに非常に楽しまれましたので」

「いやぁ~そんな~!では歌います(!?!?)……俺も此処に着た瞬間にハイテンション♪儀玄ちゃん♪それはスーパースターの爆美女最高♪また俺は此処に戻るぜぇSO雲嶽山!!♪」

「シラフですよね?」

「シラフです」

「怖い怖い。師匠ホントお前さんが怖い」

「犬太郎お前さん凄いな、あのお師さんを素で恐れさせたぞ」

「しかも拙すぎるHIPHOPですし……もしや、彼は無理な禁煙で既に脳が溶けて…?」

「思っても言うもんじゃないぞ兄弟子」

 

 

 

怖すぎる犬太郎。

恐怖する雲嶽山の面々。

 

そんな茶番と云うには余りにも怖すぎる流れ。そんな中……押し黙る者が一人。

 

 

 

「………」

「俺はシラフ、好きな物はピラh……ん?福福?」

「…………」

「む?」

「福姐?」

「姉弟子さん?」

 

 

 

下に俯き、そのまま動かない福福。

心此処に在らず、その言葉はいま福福の為にあるような状態だ。

 

犬太郎、雲嶽山の面々が彼女の名を呼ぶも、それすら呼応しない。

一体どうしたのだ、皆がそう思う中……犬太郎がしゃがみ、顔を覗き込む。

 

 

 

「福福ッ!」

「んやぁ!?はっ……はいっ!」

「大丈夫か?ボーーっとしてたが……」

「あっ……いえっ!なんでも!あたしは大丈夫です!」

「そうか?体調が悪いとかじゃないよな?熱は?食い過ぎで胃袋が破裂したとかじゃないよな?」

「そっ!そんなんじゃありませんっ!」

「うおわっ!!そ、そう……?」

「あ……」

 

 

 

思わず大きな声を出してしまった。

吃驚する彼の顔が、福福の双眸に映る。

 

違う。そんな顔をさせたい訳じゃない。

 

脳がパニックに染まる。

やばいやばい、どうすれば良い。自分がすべき事、このままじゃ全くよくない。

 

 

そう思い詰めた福福が────。

 

 

 

「~~~~~っっ!!い、行きましょう犬太郎くん!」

「へ?……あぁ!?え!?」

「おっ!」

 

 

 

彼女らしいが、非常に大胆な行動を移す。

 

それは────何と彼の空いていた左手、その手を自分の右手で握り、走った。

 

儀玄は思わず声を上げる。モジモジして、何だかじれったく感じていた時だったからか、その行動には称賛の喝采を心の中で上げた。

 

 

 

「あたしっ!!犬太郎くんを送ってきます~~~~っ!!!」

「ちょ、まっ!福福!?俺まだ……あー分かった!!貴女に従うッ!皆!本当にお世話に成りましたーーー!!!」

 

 

 

巨躯な不良少年と、小柄な虎の子猫が走り去る。

互いに中々のスピード。犬太郎はかなり力を制限しているのか、走り方が何かたどたどしい。

福福はもう頭がパニック。言動が一致して、逆に新鮮だ。

 

手を振って彼の姿を見送るが……数秒もすれば、その背も見えなくなった。

 

 

 

「……行ったな」

「えぇ、しかし嵐の様な殿方でしたね」

「ははっ!福姐が連れて来た男、そう思ったら納得な少年だったな」

「全くだ。ふっ……福福。若い内に色々と学んでおくといい、彼との出来事はきっと全てに於いて経験になる」

「そうですね……『瞬光』にも今の姉弟子さんを見せてあげたい。あの陽気な彼の事も……」

「兄弟子……」

「………」

「……すみません」

 

 

 

そう言う面々の顔は、優しさに満ちていて。だが何処か切ない雰囲気もあって。

 

何とも難しい話だが……儀玄が告げる。

 

 

 

「良いさ、時期にまた下りて来る。タイミングが会えば会えるだろう」

「そうだぜ兄弟子!ほら、辛気臭いのはもうなしだ!一緒に今日の修行を始めよう!」

「師匠、藩……えぇ、ありがとう御座います。そうですね!では、早速参りましょうか」

 

 

 

身を伸ばし、直ぐに気を直す。

 

雲嶽山にはもう一人、女の子の弟子が居る。

その者は現在別の場所で修業中の身である。

 

……理由はあるが、それはまた追々。

 

 

 

そうして、藩と釈淵は支度をし、そのまま庭で修業を始める。

 

流し目で二人を見つめる儀玄。そろそろ、他の門下生が来る頃合いだろう。

 

今日はどんな修行をしようか……福福が男を連れてきたと言ったら、皆はどういう反応をするのだろうか。

 

そんな、また騒ぎになりそうな事を考え、そっと脳の片隅にこれからの事を置く。

 

 

 

「しかし……狼谷、犬太郎か」

 

 

 

犬太郎。その者の名を、儀玄は呼ぶ。

 

 

 

「一般の出であり、身体が脆弱な者が多いと有名であった平和な村の出身。それも”虚弱体質”の両親から産まれ……前例のない強靭の能力を持って生を授けた子供」

 

 

 

儀玄は独り言つ。

その内容は、なんと彼の出生の事。

 

 

 

「────最弱から生まれた【怪物】か………福福め、お前さんは本当に分かっているのか。お前さんが魅入られ、お前さんが恋したその男は────」

 

 

 

儀玄が、もう見えなくなった犬太郎と福福の走り通った回路を見つめて、告ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

「────この世で一番、説明のつかぬ【特異点】であり、あの『星見雅』と真正面から斬り合う【怪物】なんだぞ」

 

 

 

その発言は、誰の耳にも入る事無く。

過ぎ通ったそよ風と共に、衛非地区へと流れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ひそひそ……ひそひそ……”

 

 

 

 

「────なぁ、福福」

「……なんでしょう?」

 

 

 

衛非地区、駐車場への道すがら。

 

その道中、人気が多くなり走るのを辞め歩きに変更した二人。

 

福福が前を歩き、犬太郎が後ろで歩く。

引っ張って歩く。その様相は、何だか気難しそうだ。

 

そんな中、犬太郎が福福に話しかける。

 

 

 

「その……言っていい?」

「…………だめです」

「うん、そうだよね。そう言うと思った。手まだ繋いでるが大丈夫か?」

「言ってるじゃないですか!!もうっ!あたしだって思ってたのに~~!」

「す、すまん……いやホラ、俺いま手汗凄いと思うんだよ?だから、正直その……は、離した方がいいんじゃないかな~~って思うんだ、俺……何か人目も俺等に集中してるし」

 

 

 

それは、手を繋いでいる事。そして、一目が気になる事。

犬太郎はそれ等を指摘した。正直、一目は余り気にはならないが……手汗が出てそうで怖い。

 

その所為で福福にキモイと思われたら終わる。そう思った犬太郎の問い………だったのだが。

 

 

 

”ぎゅ……っ”

 

 

 

「え……福福?」

「っっ……」

「あっ……い…いや、何でもない」

 

 

 

彼を握る手が、また一段と強く成った。

それは、とても分かり易い────継続の合図。

 

言葉にせずとも、この鈍感には分かるようだ。

 

 

 

「……行きますよ、犬太郎くん……っ」

「あ、あぁ……案内、頼む」

「ど、何処か寄りたい場所があったら言って下さいね?」

「分かった……」

 

 

 

福福は視線にも、この気持ちにもまだ慣れていない。

でも、そんな彼女にとって厳しい状況下でも……この状態を崩す事は、したくなかった。

 

テクテク歩き、二人で顔を合わせず会話を行う。

 

今は、顔を見せたくない。だって………今この顔を見せたら、イケない気がして。

 

 

 

「……福福」

「あっ……け、犬太郎くん…?」

「進行を止めて悪い。だが……やっぱ、歩くなら」

 

 

 

そんな時だ。犬太郎が立ち止まり、そう発語する。

福福は、彼の発言の意図を直ぐに理解する。だから、本当は…待ってと制止の声を掛けたい。

でも、その気持ちとは裏腹に……声も出せず、体も動かない。

 

まるで……その意図に、賛成するかのように。

 

犬太郎が歩く。

 

そして────あっという間に。

 

 

 

「────隣同士で並んで、歩きたい」

「っ…~~~~っっ!!!」

「いい……よな?」

「はっ………はいぃぃ………ひゃっ…!」

 

 

 

”ギュっ!!”

 

 

 

今度は、犬太郎から強く握る。

その動向に、福福がメスな声を上げる。それを理解して、また顔を赤くする。

 

 

 

「……じゃあ、この道を通るあの土産屋……確か【良い品屋】だったか。其処に行こう」

「わ、わかり、ました……! えと、えっと……お時間は大丈夫ですか…?」

「あぁ、大丈夫だ。さぁ行こう」

 

 

 

そうして、ほぼ強引半ばで歩き出す犬太郎。

福福が少し遅れて歩く、そして直ぐに隣で並んで一緒に歩く。

 

 

 

「(………あっ……~~~っ……犬太郎くんっ)」

 

 

 

少し歩いて、気付く。

犬太郎の歩幅が、福福に合わせていると。

その事実に気付いて、また、顔を赤くする。湯気が出ん程に。

 

 

犬太郎と福福。二人の身長差は、何と54㎝。

まるで親子の差。だが、二人はちゃんと立派な青年と妙齢な乙女だ。

 

しかも一方は未成年の男、一方は大人な女性。脳がバグりそうな二人なのだ。

 

 

 

「(あたしの方が年上の大人で、彼は不良とは言え未成年の男の子……本来なら、あたしがもっともっとリードすべきなのに………)」

 

 

 

そう思案して、少し自信を無くす福福。

 

自分の方が大人。それは大きな事実。

その事実が、更に福福を追い詰める。

 

 

 

「(はぁ……なんだか、あたし情けないです……)」

 

 

 

そう思うのも、無理はない。

現に今、こうして落ち着けて手を握り、一緒に歩けているのは犬太郎のお陰だ。

 

だからだろう、福福がこう言ったのは。

 

 

 

「やっぱ、犬太郎くんは凄いですね」

「……なに?」

「だって、あたしでもこういう感じになるのには、やっぱ恥ずかしいと言いますか……犬太郎くんは昨日の今日でもう普通にあたしと、そのっ……接して要るので!カッコいいなーって!え、えへへ…っ」

「………………」

 

 

 

片手で頭を掻き、そう自傷紛いの言葉を言って笑う。

自分がいま思った事を言った。いや……この場合、言ってしまったが正しい。

 

すると、犬太郎が押し黙る。

 

 

 

「…………」

「……あ、あの?」

「……………」

「け……犬太郎く…っ!ふえぇ……!?」

 

 

 

瞬間、犬太郎の握る手が更に強く成る。

ギリギリ痛くな程度の握り。

 

だが、決して逃げられない様な、そんな強さではある。

 

 

 

「あのっ、どうしました?犬太郎……く……あっ」

「一つ、言っておくが」

 

 

 

すると、犬太郎が真っ直ぐ顔を向けたまま、告げる。

 

 

 

「俺は………結構ギリギリで、余裕なんかねぇんだからなッ」

「あっっ…………」

「あんまし、そういう事をハッキリ言うな……嬉しくなって、調子乗るから」

「は、はいっ……しゅひま…しゅ……すみましぇん…っっ」

 

 

 

噛んで、恥ずかしがる事すら出来ぬ程の感情。

 

自分が思っていた事は、全く違った。間違っていた。

 

────犬太郎だって恥ずかしいんだ。でもそれ以上に、嬉しくって堪らないんだ。

 

同じだ。自分と……同じ。

 

 

 

「っっ!……へへ、えへへへ………」

「……手、痛くない?」

「んっ……はいっ、大丈夫です!なんならもっと強くっても……」

「そう、か……手汗とか、出てない?」

「手汗は……ちょっとだけ」

「い……嫌だよな?す、すまん、どうしようもなく緊張しちまって……!」

「いっ!いえいえ!お気に為さらず!あ、あたしの汗も混じってると思うので!い、イーブンってやつです!」

「そ、そう?かな………」

「そうですっ!な、なので……このまま、行きましょう?」

「……うん」

 

 

 

そうして、初々しい事この上ない会話を行って、二人は歩く。

 

別れは近い。濃いデートが終わりを迎える為、歩みを進めている。

だが、今は不思議と……とっても、楽しい。

 

また一歩、そういう道を進めたからだろうか。

 

きっと、そうなんだろう。今は互いに恥ずかしい気持ちはあれ、それ以上に楽しくてうれしいんだから。

 

 

今はこの時間を、ゆっくり、大切にしよう………。

 

 

視線すら気にならなくなった二人は、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回:最強のロリコン(不名誉)







流石に次回のタイトル名は変えます。




☆補足(1)

視線のを浴びている理由は福福だからなのと、シンプルに【身長差と体躯差】がエゲツないからです。


モブA:これは案件か?いやでも福福先生は確か……大人だったよな?

モブB:え!?うっそ福福ちゃん男連れてね!?あっつ!!でもあの男の人、どこかで…?

モブC:あ、もしもし警察ですか?いま衛非地区の澄輝坪を歩いてる身長190m越えのクソデカ筋肉ダルマが、茶トラ猫のシリオンの幼子を連れているんです……はいっ、はいっ。あ、見えなくなった。何処行った!?

的な感じです。



☆補足(2)

今回の最初、布団剥がしでの事で、犬太郎が福福に言おうとした【言葉】は、確りと意味があります。





誤字報告、感想、お気に入り評価ここすき、いつもありがとう御座います。

大変励みに成っております。


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