最強の盾は橘福福しか見えなくなる。〈旧題:最強の盾〉 作:カブトムシの相棒
長らくお待たせいたしました。大変申し訳ございません。
中々手に付けませんでした!ちょっとした期間が終わったら更に増やします!
☆簡単なあらすじ
犬太郎と福福がデート!
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アキラ、リン、ライト、ヴィクトリア家政が見守り隊を結成!追跡。
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二人の楽しい時間が過ぎ、遂に告白……かと思いきや、雅が乱入。
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そのまま雅と犬太郎が戦うも、雅にボコられる犬太郎。
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雅は犬太郎に対し、己の感情を爆発させるも、犬太郎の意志は固い。
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犬太郎の手を用い、雅が女を出す!犬太郎がピンチ……になった瞬間、福福が登場!
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福福が威嚇!誰だテメェ!と言う(言ってはいない)いまココ!
といった感じです。
では、本編です。
────犬太郎は、私の全力をぶつけられる初めての異性だった。
当時、私は庭園で様々な武器で修業をしていた。
大斧も、ヌンチャクも、双剣も、大剣も何もかも使った。使わせて頂けた。
でも私は力が有り余る幼子だった。何でも破壊してしまう。今で言えば、未熟千万だった。
お母さまはそんな私でも挑戦の機会を幾数も与えてくれた。
各方面から、幼子ながらも理解していた。私は期待されているのだと。
『────なんだお前、親父が言っていた割にはちんちくりんだな』
6歳の時だ、私はお母さまが見ていた中でいつも通り庭園で修業をしていた。
聞き覚えの無い声がそこで響いた。彼……当時5歳の犬太郎が、何故か星見家の屋敷に進入していたのだ。
お母さまは大層驚いていた。無論、私も。
『────なぁ、ここ何処だ?そんな事はどうでもいいんだけどさ、お前くらいのサイズの妹を探してるんだ。知らない?』
唐突に現れたかと思えば、そんな事を聞いてくる犬太郎。
正直、変な奴だと思った。まぁ妥当だろう。この時の私の感性は可笑しくない筈だ。
『────此処には来ていませんが……貴方は?』
『────俺は犬太郎っす。狼谷犬太郎、お姉さんは?』
『────私は……』
そこで、お母さまと犬太郎は普通に自己紹介をしていた。
何とも不思議な時間だった。今でも、あの時の時間を覚えている。
『────そんで、お前が雅ってやつ?なんかスゲー武器持ってるな!かっけー!』
『────これは、大鎌って言うんだ。今日初めて使ったけど、もうマスターした』
『────マジ?お前凄いんだな!ウチの妹と同じくらいなのに、やっぱ親父の言ってた事はマジだったんだな!』
『────私は8歳だ。犬太郎は?』
『────嘘だろ!?俺より一個年上かよ!小さいのに凄いな~!』
舐めた子供だった。
お母さまは苦笑いを浮かべていた、そんな気がする。
”どこに行った!”
”コッチか!?”
”速く探して見つけろ!”
『────やっべ!しつこいなオイッ!いや人の家に侵入する俺が悪いか!まいいや!じゃあまた明日来るな!はっはははー!』
星見家の人間が探しに来て、その日はお開きとなった。
犬太郎はそのまま走り去っていった。
お母さまも、私も、嵐のように去る彼の背中を眺めていた。
『────ねぇ、雅』
『────お母さま?』
すると、数秒の間を作って、お母さまが私を見つめる。
ふっと、優しく微笑んでこう言った。
『────もしかしたら、貴女にとってとっても大切なお友達が出来たかもしれませんね』
そう言ったお母さまの顔は、今でも……夢に見る。
『────明日、念の為お食事の用意をしましょうか。雅の大好きなメロンも添えて、ね?』
……そう言ったお母さまの顔は、本当に綺麗で。
あの一瞬で、犬太郎を気に入ったのだと、私でも分かった。
そして、気付けば私たちは一週間に2,3回は屋敷内で修業をする間柄となった。
互いに強く成った。成長した。
どっちがメロンを早く食べるかの修行をした。
どっちが琴を巧く弾けるかも競った。
どっちがテストで良い点を取れるかも勝負した。
年月が経ち、少し互いの背が伸びた頃合い。
次第に、距離も近くなっていった。
『────犬太郎』
『────なんだ?』
『────【婚約】という言葉を知っているか?』
『────あん?なんだそれ?』
私が7歳、犬太郎が6歳を迎えた時だ。
1年以上の月日を過ごし、気付けば私は彼が好きに成っていた。
分かっていた事だが、犬太郎は私と同格の強さになっていた。
修行を重ね、共に強く成った。
ただ、私がずっと勝っていたが。お母さまは『あの子が手加減していた瞬間も少しあった』と云っていた。普通に許せなかったが、まぁ今は良い。
だが私は、知らなかった。
彼は小学生ながら人助けを活発に行っていた。
学年問わず、誰彼構わず助けていた。
だからだろう……彼には一定数のファンがいた。つまり…。
────犬太郎は、意外とモテていたのだ。
『────知らないなら、それでいい。犬太郎、私の婚約者に成ってほしい』
『────ん?よく分からんがいいぞ!』
だからだろう、私は焦った。
なんの説明も無しに、彼にそう問うた。
彼は何の疑いもなく、普通に承諾した。
確かに、子供ながらの適当な婚約だ。
確かに、口約束で決まった契約も何もない婚約だ。
だが……それの、何が悪い?
知らなかったで、私相手に婚約を了承したのは貴様だぞ?
────何なんだ、何なのだ……その女はッ。
『────犬太郎くん!』
その小娘は、一体なんなのだ!!
多少の火遊びは良いだろう。私もそこまで鬼ではない。
貴様がまだ貞操を護っている事を加味しての許容だ。
……。
旧都陥落を経て、狂犬が如く暴れ回ったあの日の犬太郎は凄まじかった。
最早誰にも止められなかった。私でも、余りに厳しかった。
だが同時に、追い詰められていたな。
たった一人で生きると決めて、心身共に疲弊して。
何故、私に助けを乞わなかった?
私は、それがどうしても分からないのだ。
私は……貴様の婚約者であっただろう。
……なのにッ。
『────好きです。福福、俺と付き合って下さい』
ふざけるなッ!!!
どういう了見だ貴様ッ……!
私と共に過ごし、私と共に強く成り、私と婚約を結んだ間柄で浮気だと?
────許さん……だが、もうこれまでだ。
これから貴様には徹底的な躾を施す。
もう、何処へも行かぬように。
もう、私以外に尻尾を振らぬように。
もう……私しか、見えなくする為に。
だから……覚悟しろ、橘福福。
貴様から、犬太郎を奪い返してやるッ。
▽
そうして、喫茶店周囲……。
「────犬太郎くんから離れて下さい!」
「…………」
「ふ…福福……っ」
どうも、俺はッ……犬太郎だ。
絶賛ヤベェ猛獣に血肉を貪られている所を福福に助けられた男だ……。
なんでこう成っちまった。最高のデートだった筈なのに。
雅……コイツに見つかったのが運の尽きだろう。まさか気配を感じ取られてしまうとは思わなんだ。福福と居た事で気が抜けたんだろう。
「お、おっぱいから犬太郎くんの手を離してっ!離して下さい!」
「ふん、小娘、なにも知らぬ無関係の貴様がいけしゃあしゃあと出て来るとはどういう了見だ?」
「無関係!?ソッチこそ何を言うんですか!あたしと犬太郎くんは、す……もう、そういう関係なんです!無関係なんかじゃありません!!」
”ビキッ!!”
「そういう関係?ほう………」
「な、なんですか!そっ、そんな怖い顔しても退きませんよ!それに、どちらかと云えば貴女の方が無関係じゃないですか!」
「なんだと?」
「犬太郎くんは否定して突き放したのに、貴女は全く意に介さず噛みついたりして、終いには何ですか!?犬太郎くんの脇腹にこんな酷い怪我を負わせて!虚狩りだか何だか知りませんけど!!幾ら何でも許せません!あたしだって出るトコ出るんですからね!」
「────貴様ァァ…ッ!!!」
ホンマ勘弁してくれよ…(恐怖)
火花が散る凄まじい言い合い。マジで怖ぇぇ……女のレスバって意外と迫力あんだな。
にしても、ふぅぅ……この俺が、指一本で貫かれるとはな、
鋼鉄の皮膚を持つと自負してたんだがな……雅、以前よりも強く成ってる。
元来より雅は成長性は勿論、戦闘の才能は人類史で一番と云っていい。俺以上の怪物だ。
そんな雅だが……やはり、まだ精神が青い。
「お、落ち着け二人共……ケホッ………喧嘩はだめd」
「黙れ浮気者がッッ、貴様には後程聞きたい事が山ほどある」
「この人が言う事は本当なのか、貴方には一から全まで説明させて頂くんですから!!」
「俺の意志は……クソ、仕方ねぇ」
あかん、女子に挟まれて幸せな空間とかじゃない。マジのガチで修羅場だ。
きっと俺は神から見放されてる。福福は兎も角、なんで雅なんだ。
ふぅぅ、落ち着け、落ち着け……俺が打開しなきゃ展開はいつまでも泥沼だ。
「ふぅぅぅ……み、雅」
「なんだ?」
「福福には手を出すな。彼女は俺の大切な……女だ」
「……………」
「お前と俺は、ただの幼馴染だ。そうだろう」
「ただの、ではないな。私と貴様はそれ以上の関係だ」
退く気はない、か。
どうする、これ以上の問答は繰り返し、イタチごっこだ。
……腹ァ、決めるしかないかもな。
”ギギギッ……バッ!”
「なっ!」
「悪いな、福福の前ではカッコつけたいんだ。強引だが力技で離させて貰った」
「ふんッ……まぁいい」
「はぁ~!良かった!……あれ?離せるなら最初からそうすれば良かったのでh」
「さて、雅よ……俺とお前の仲だ。もう殺し合いをする歳じゃないのは互いに分かってるだろう」
雅の胸から手を離し、俺は福福の言葉を遮ってそう問う。
ふぅ……大きかったな。
じゃねぇよ!危ねぇ、福福に殺されるわそんなこと思ってたら。
とはいえ、だ……やっぱ単純な腕力だと俺の方が上か。
雅は心底不機嫌な表情に変貌だ。
まぁそうだろう、純粋な力で俺に負けたんだ。
互いに負けず嫌いとはいえ、昔から喧嘩ばっかだったとはいえ……雅が俺に負けるって事は、なかったから。
あぁそうだ。ガキの頃は、木刀やら何やらで喧嘩していた……只のガキだったよな。
”ギュゥゥゥッ!”
「ひゃぁぁ!?」
「………なにを、している?」
「雅、これが答えだ。俺は────お前の婚約者などでは無いッ!!」
ハッキリ、言った。
福福を強く、抱きしめながら。
きっと雅は律儀に覚えているんだ。
昔、俺が言った言葉を覚えていたんだ。
もう曖昧で、俺ですら薄い記憶の狭間の言葉。それを、この女は覚えていた。
だから、俺もハッキリ言う!いや言った!これで終わりで良いだろう?
「それに今日は大事な日なんだ。もう、俺には構わないでくれ……じゃあな」
俺はそのまま福福を抱えたまま踵を返し、背を向けようとした……だが。
「関係ない」
「あ…?」
「言ったが、貴様には捕縛命令が出されている。上層部から力付くも辞さぬとも云われている」
「……雅、もう止せ。これ以上はマジでヤバいぞ。俺も本気を出さなきゃいけなくなる」
「その為に周辺の民間人を避難させた、そう言えば良いか?」
────あぁ?
邪魔ばかりして、ふざけんなよクソが。
…いや待て、怒るな。なにを苛立っている。
クソ、禁煙の所為か自制が厳しくなっている。
落ち着け、大好きな福福の眼前だぞ……気を沈めろ。
「犬太郎くん!ちょ、ちょっと……痛いですよ?」
「あ!?」
「ひぇっ!」
「あ、あぁ……すまん!だ、大丈夫か!?」
しまった!!俺のクソ野郎が、俺のボケカスが!!
福福を潰す勢いで抱きしめてしまった……俺の力を福福に向けて、傷付けてどうする!!
「だ、大丈夫です!えへへ…やっぱ、力強いですよね犬太郎くんって」
「それ位しか取り得ないからな………って、そうじゃないだろ!俺いま相当な力で貴女を抱いたぞ!?骨とかにヒビが走ってたらヤベェッ……病院に行くか?」
「大丈夫ですってば!んもう!犬太郎くん?確かにちょっと痛かったですが、アレくらいで病院に行く程あたしは軟じゃありませんっ!」
「うびびっ……ひょ、ほんひょか?」
福福と目線を合わせそう問うと、福福は少し怒った感じで俺の両頬を摘まんで諭す。
雅との対峙もあり少し焦ったか……だが、やはり福福は凄い。
6割程度で抱きしめてしまったが、少しの痛みで済んだらしい。
流石に雲嶽山の一番弟子か。
「はいっ!だから……あ、あたしを抱きしめる時は、あまり遠慮しなくっていいですからね?」
「ま、マジでか?だがさっき痛いって……」
「アレは痛いですよ!だ、だって!指があたしのお腹にギュ―ッて刺さりかけてたんですから!」
「あ、そ、そうだよな!?すまんッ!」
「で、ですから!抱きしめてくれる時は……普通に、ですからね?」
可愛い……って、普通に言えたらいいのに。
これ無自覚なのマジか?あざといにも程があるだろ…。
「わ、分かった………ん?」
「────私の眼も前で、何をしている?」
ヤバイ、忘れてた。
雅が青筋を浮かべて俺にそう問うてくる。
これはマジでキレてる時の眼だ。クソ、覇気がエグイ……。
だが福福のお陰で俺は怒気を治めれた。もう、怒りには支配されん。
「雅、今日は本当に無理だ。頼む、後日でいいから今日は見逃してくれッ」
「…………」
「頼むよ」
「……良いだろう」
……え?
マジ?いけた?何の脈絡も無しに勢いで頼んだだけなんだが?
………あ、いけたの!?マジで!?
「ッ!マジかy」
「但し」
「え?」
「────私も同行させて貰う」
「……え?」
「は?は??は???」
ん?
気の所為だろうか。
今、この狐は何を言った???
「私も同行させて貰う」
「いや聞こえてるから、うん。聞こえてるから言うぞ?何を言っているんだ?」
「犬太郎と小娘、貴様らのでーとに私も入れて貰う」
「えーっと、つまり……俺と福福のデートに、雅も連れるって事…か?」
「そう言っている。それで相殺してやる」
「ん、なんで?」
「何でもだ。私もこれ以上の戦闘は避けるべきだと考えている」
「えぇ……お前から吹っ掛けといて?」
昔から唐突な発言をしては、場を搔き乱す事に定評のある女だったが……成長と共にここまでレベルが上がるか。
うーーーん…………まぁ、場を治めるのにはコレしかないのか?
今の俺は酷く冷静だ。場を治め、これ以上の戦闘を避けたいと思っている。
……。
うん、意外にいいかもな。
別に良いかもな。うん、それでも
「俺は…まぁ、余計な事をしなければもうそれで良いよ」
「っ!本当か?」
「あぁ……それで良いよな?福f」
「絶対にダメです!!!」
「え!?」
「なんだと……?」
福福もそれで良い……って言うと思った。
まさかの反対。いやまぁ、気持ちは分かるし、俺も普通に福福とサシで楽しみたいって思ってたが……そんな強く否定する?
「あたしは嫌ですよ!なんで犬太郎くんとあたしのお出掛けなのに、貴女みたいな犬太郎くんをイジメる不審者と一緒にデートをしなきゃならないんですかっ!」
「ふ、福福?一応まだ未解決だが俺と雅は一応幼馴染に近い間柄なんだよ」
「そうだ。小娘、貴様とは比べ物にならない程の関係の深さのな」
「んなっっ!?」
「み、雅?」
「お、幼馴染がなんですか!?大体小娘小娘って!あたしには橘福福って名前があるんですよっ!貴女いくつ何ですか!!」
「21だ」
「あたしよりも1つ下じゃないですか!貴女の方が小娘です~!」
「歳の話ではない、見た目と言動の幼さでの小娘だ、小娘」
「むきぃぃぃぃぃ!!!そ、それを言うなら!貴女だって犬太郎くんに振られても諦めないで、何なら無理矢理そういう関係に至ろうとしてるじゃないですか!!ソッチだって領分を弁えていない小娘ですっ!」
「何ッ…き、貴様……ッッ」
マズい、話がどんどん飛躍してただの罵り合いに発展しちまった。
虎と狐の縄張り争いって聞いた事ないが、こうしてみるとやっぱ凄いな……普通は虎の圧勝だが、雅がバケモンなのと福福が可愛い所為で普通にちょっとレスバが成立している。
ってか福福、普通に雅に対してそんな口聞けるの凄いな。弁えろって言ってるし。
「と、兎に角!あたしは嫌ですからね!帰って下さい!」
「ふざけるな。本来これは貴様の様な小娘が関わって良い話ではない。だが余りにも退かぬ故、こうして折衷案を持ちかけたと云うのに貴様はァ…ッ」
「なにが折衷案ですか!?あたしの良い点がないではありませんか!!」
「今日は犬太郎を連行せずこのままでーとを続けられる、だが私の面子もある。だから同行だ。何が悪い?」
「どうして着いてくるんですか!?」
「監視だ。小娘、貴様は言動や見た目の割に【雌】を出して来る卑しい女だ。そんな貴様を、犬太郎の近くに置けば何をしでかすか分からん」
「は…はいぃ!?だ、誰が卑しいですって!?犬太郎くんの手に、お、おっぱいを押し付けたヒトに言われたくないんですけどっ!」
「抱くなどと言い、甘い声を出して雌の匂いを分泌させている貴様にも云われたくない。第一、なんだその露出の多い服装は……痴女め」
「んなっ!?なんてことを言うんですか!これは衛非地区でも歴史ある文化服なんですよ!?け、決してそういう目的で来てる訳じゃないんですから!」
「色気を出して犬太郎を誘っている貴様に説得力などない」
「それは貴女にも言えることでしょう!?おっぱいを触らせて、そのまま押し倒した癖に!貴女が痴女じゃないですか!!」
「なんだと?」
「なんですか!?」
”ギャーギャー!!フシャー―!!”
いや、俺空気に成ってんだけど。
怖いよ……女ってなんでこうも怖くなれるんだよ。
……え、止めるのコレ。俺が?む、無理では?
第一俺怪我人だし。普通に脇腹に穴空いてっから。もう筋肉で止めたけども。
クソ!こういう時、アキラさんかリンさんが居れば……居れ、ば……。
………。
ん?
「(この気配……5…いや、7人?)」
感じた事のある気配が7人。
これは……喫茶店の方か?正確には8人だが、アレは恐らくお店のおっさん。
それ以上に濃い、この気配……………ま、まさかっ!!
”バッ!!”
一人の女に眼があった。
その眼は、顔は……よーく知っている、人間だった。
「ぃッ!?」
「あ、目あっちゃった…ッ」
「流石にバレたか……しくったな店長」
えぇ!?!?リンさんと、え…ライトさん!?!?!??!?
ちょ、待て待て!!その他には…アキラさんも居るじゃねぇか!!
しかもヴィクトリア家政までッ……んの野郎、冷やかしに来てたな!?
そんで雅っていうイレギュラーの登場で、あそこで待機か………理は適うな。
雅の暴走にパエトーン兄妹が飛び出さなかったのはライトさんの指示だな。俺がやられても、ライトさんならそうする。
そこは有難いが……クソ、なんつう瞬間を見られたよ!
「(福福は言わずもがな、雅も俺等に気を取られて気付いてないな………ちょっと待て、これ何か俺が悪いみたいじゃん)」
この盤面を覆す逆転の一手。
正直な話、俺も雅が同行すればこの件は丸く収まると思ってる。
だが福福は俺を傷付けた雅がデートに加わるのが先ず第一として気に食わない様子だ。
それは何か嬉しいが、このままじゃ話が進まんのも事実。
福福の怒りを鎮め、納得させる一言が重要だ。
考えろ、考えろ!
────あっ!
「な、なぁ!」
「何ですか!?」
「なんだッ」
「お、落ち着け二人共……その、だな」
うおぉ、マジで怖ぇ!!
女の子に怒られた事はあれど、こんな形で怒られた事は無いから尚更おっかねぇ!!
いや、怖気づくな!言え、もうコレしかない!
俺は意を決し、望みの言葉を紡ぐ。
「────
”「……は?」”
「その……俺の家で」
次回
狼谷犬太郎の過去。
此処に居る皆、即ち追跡組も含めますね。
次回は中々に中々な内容かもしれません。
ですが、飽く迄も予告です。変更がありましたら、申し訳御座いません!
誤字脱字、感想ここすき評価お気に入り、とっても嬉しいです!