世にもオサレな怖い?話   作:ニコラス―NICORUTH―

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 2chのオカルト系の話をまとめた動画を見ていて思いついたやつです。



死神守護霊( と勘違いされてしまった平隊士 )

 

 知り合いが会わせてくれた霊能者のいったことを、よく覚えている。

 

「 貴方の守護霊、すごいね。 」

 

 話しを聞くと、大きな大鎌を持って黒い服に身を包んでいる姿、であるらしい。

鎌を持ってるって、まるで死神じゃないか?それ。

いろんな神話や昔話に登場する、文字通り死を司る神。

すべての生命に必ず訪れる終わりにまつわる存在とされる以上、その解釈は千差万別だ。

概念の擬人化であったり、単に寿命がきた人を冥府に連れて行ったり。

いずれにせよ、あまりよろしいものではなく描かれることが多い存在、それが私にとっての死神、というより、死神という概念の一般的なイメージだった。

オカルトに人一倍は関心があるからなのか、そんな死神が自分の守護霊などといわれると、どこか不安になってきた。

本当は悪霊なんじゃないか、そもそも自分を守ってくれるのか。

死神にしか見えない守護霊のことは勿論、そんなものに魅入られている私自身の将来にも、叢雲のようにモヤモヤしたものがかかっているようだった。

気になって仕方のなくなってきた頃合いに、答えはお出しされることになった。

その日はその二人と映画を見て時間を潰し、霊がでると噂の廃墟に行った時のことだった。

その人、馬場が突然廃墟の中で笑い出した。

気味が悪いので何があったのかを尋ねてみると、

彼曰く、私に気持ちの悪い姿の悪霊が襲いかかってきたが、私の守護霊がどこからともなく現れて、その悪霊を瞬殺してみせたとのことだった。

 

悪霊:殺すぞぉ!

 

死神:誰だテメーは!?

 

といった感じであったらしい。

まるで漫画のようではないか。信じられるかどうかは疑わしいが、そんな光景がこの私のすぐそばで広がっていたのならば、見てみたかったものだ。

本当に、我が身が憎い。

 

 それでその悪霊はそのまま成仏した。

他にも霊らしき者の気配はしたらしいのだが、ここに来た頃には殆ど消えてしまっていたそうだ。

もしかして、私の守護霊が?

やっぱり、死神なのだろうか。

 

 

  ―――生命を刈り獲るは獣の業。

 

      荒霊を狩り獲るは我らの定め―――

 

 

 この仕事について、もう数十年か。

その日、オレは現世の持ち場の街で、ある廃墟に出向いていた。何故こんなところに来るか?決まっている。

死神としての務めを果たすためである。

(ホロウ)。死んだ人間の魂魄が、(プラス)から変質した存在。いわゆる悪霊だ。

この虚を整に戻し、死者を死後の世界に導くのが、オレたち死神の使命。護廷(の敵を殺し)尽くす、我が宿命。

なのだが、この街は隣の空座町よりも、虚の湧きやすい性質があるように感じられる。

現世の人間たちにとって、いわく付きの場所が多すぎるのだ。そして、そこに面白半分で足を運ぶものがいるのも問題だ。

虚の主食は人間や別個体の魂魄。これらを喰って力をつける度に、虚の脅威も当然跳ね上がる。

主に自分に親しいもの、霊力のある者を狙うが、だからといって霊感がないものを襲わないわけがない。

自分たちが見えようが見えなかろうが、魂魄は魂魄であるからだ。

上手いかどうかではない。どれだけ喰えるかなのだろう。

そしてそんなものがいてはならんので、それを斬拳走鬼でもって制するのが、死神であるわけだ。

このオレも、そんな一人。

一介の、平隊士である。

さて、この廃墟。現世にいう心霊スポットの類だが、もとは病院だった。

ここは医者がヤブだったりしたせいで、この街の病院の中でも人死が多く、別の病院と統合・合併される形で放棄された場所だ。

その為その中は末路わぬ霊魂が多く、当然虚も沸いてくる。

そして今晩も、もはや人のいないこの建物からは、亡者どもの呻きが聴こえてくる。

虚は昼間にもでてくるがそこはやはり悪霊であるらしく、夜の方が、活発になりやすい傾向にあるようだ。

 

この病院、オレがここ来て3年くらいで閉鎖されたのだが、それから少し経ってからというもの、人間たちの間でここに霊がでると噂されるようになり、興味本位で足を踏み入れる莫迦者どもが出るようになった。

阿呆みてぇな面晒して懐中電灯片手にワイワイガヤガヤ。

そういうものが、主虚の餌食になるのは自明の理だ。

実際、この病院に立ち寄ったものの多くは、生きて帰っては来なかったそうであるし。

ならとっとと虚を倒して無害にしろというかもしれないが、

オレ自身、他所の虚の対処やら、本部の存亡の危機やら復興やらでまったく手つかずだった。

そもそもこの病院のことを知ったのも、つい最近のことだったし。

 

 ここは街である以上、空座町よりも規模がでかい。だからオレだけの目で虚を追おうにも、限りがある。

心霊スポットとやらだって、かなりの数あるし。

奴らは上手いこと虚圏(ウェコムンド)に逃げおおせるなどしてこちらの追跡を跳ね除けることだってある。

そんな状況が続くのがよろしい事ではないことなど当たり前だ。

なのでオレはある方の助言もあって現世の、"あにめ"とやらに肖り、ポストを設けることとした。

これに心霊的な現象やらを同行してほしいと人間たちに手紙に書いて怪しいところを教えて貰うわけだ。

 

 昼間は街中を見回り、定期的にポストを除いて虚の巣らしき場所に赴き虚退治というのが、このオレ檜佐木不滅の日常である。

そしてそのポストには、この病院の事と、そこに姉が行く気だから助けてほしいと書かれていたので、ここに来た次第というわけだ。

さて、そうしてこの心霊スポットにお邪魔に上がったオレだが、中は予想以上に酷いものだった。

うじゃうじゃと、黒い巨体に白い仮面。

虚がざっと十数体だ。特に奥には、大虚に届きかけてる奴の霊圧も感じる。

これは、虚圏から来たのか。おそらく元からいた個体ではない。

しかも例に及ばず、人間のものだ。あの手紙の主の姉ちゃんと、あと2人か。

これは、もうちょっと早く処理しとくべきだったかな?

ま、どうあれオレがやることは変わらぬ。

斬魄刀をサッと抜いて、先ず2体切り裂くと、背に背負った棺桶に霊魂が納められる。

これも、そのある方から渡された物だ。斬魄刀で斬られた虚は元の霊魂に戻るが、それをオレたちの世界に送るまでが仕事だ。

それでこの棺桶にはその魂魄を納める機能があるので、あとでこれを斬魄刀の柄で突いて、成仏させるというわけだ。

これも最近できた、というか彼が作ったものらしい。

ハイテク化が進んでるなぁ、尸魂界も。

それはともかく、ここはやはり虚が多いので、浅打のままでは心許ない。

ここはもう、"始解"を切ってしまうか。

 

 オレは、その浅打を、霊術院に入った頃から振り続けている刀をさっと前にかざして、解号を叫ぶ。

 

()れ、"神薙(かむなぎ)"! 』

 

 オーソドックスな日本刀から、大鎌へと巨大化、変化する。

長年オレと共にある、何よりの相棒。

 

「 生命を刈り獲る形をしているだろう? 」

 

 これも何年、いい続けてきたか。

虚どもは我が先にとオレに襲いかかるが、雑魚十頭ほど群れなして来たところで相手になる筈もなし。

揃いも揃って刃に刈られ、魂魄が次々に棺に収められていく。

オレを倒したくば、大虚(メノスグランデ)なり破面(アランカル)にでもなってから来るんだな。

さて、そうこうして虚を狩りまくりながら奥へと進んでいくと、人影が3人。

どうやらあれが、迷い込んだ人間、あの霊圧の主であるらしい。

・・・ん?あの3人、昼間に見たぞ。

昼に、街中の虚を狩りまくりながら見回りをしている時に出くわしたな。

特にこの女、よく印象に残ってる。

デカい乳だ。松本副隊長と良い勝負かもしれん。

今どきの子は、こんなに発育良いのか。

それにあのセーター、なんとけしからんことだ。

どこぞの誰かのいった通り、女は顔ではなく、如何にお洒落かどうかであるらしいな。

 

「 殺スゾォォオオオオオオ!! 」

 

「 誰だテメーは!? 」

 

 おっといかん、本命の虚の親玉が残っていたな。

両生類のカエルがそこそこそれこそ人間喰えるかな?くらいにはデカくなった感じの奴だ。

これだけの霊圧、こりゃ下級大虚(ギリアン)なりかけか?

知性が残ってるだけまだ成り切れてないんだろう。

この心霊スポットだけでここまで喰えるとは思えん。

やはりコイツ、虚圏(ウェコムンド)からでてきたのか?

まぁ、どうあれ、容易く始末できた。

取り込んでいた魂魄も棺に収まったし、あとはこいつらを成仏させるだけ。

 

なんだが・・・

 

「 はははははははは! 」

 

 ん?なんだこいつ?気持ち悪いな。この気持ち悪さのせいで隣の彼女の美人が霞んじまうじゃねぇか。

 

「 どうしたの馬場? 」

 

「 いやあスゲェなぁ、お前の守護霊。

さっき気持ち悪い悪霊がでてきて飛びかかってきたんだけどさぁ、それ瞬殺よ?

『死ねぇ!』『お前がな!』って感じでさ・・・ 」

 

 これを笑い事で済ませるとはおめでたいやつだ。

長いこと現世で仕事してきたが、これはそのうち痛い目見るタイプだな。

まったく、こういうのは最初のうちは呑気だからたちが悪い。オレが助けに入らなきゃ、今ごろ3人揃って虚の腹の中だぞ?

まったく、あの英雄、死神代行一味の爪の垢を煎じて飲ましてやりたいところだ。

そしてオレはこの時、この馬場なる人間と奇妙な因縁ができるなんて、思いもよらなかった。

 

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