マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート/ともだちいっぱいピアニストチャート 作:やこらしき
side:伊並 満
[それは、普通な自分が普通に過ごしていたある日のことでした。]
えぇと、確か水名神社が最寄りだから乗り換えてから2つ目の駅で...、あ...でも...水名女学園前の方が良いかな...節約しなきゃ...だし...
うーん、降りちゃえ!
[翌日のハウスキーパーの初仕事に向けて、道のりを確認するため仕事先の最寄り駅まで足を延ばしていたんです。]
はぁぁぁぁ~それにしてもようやく仕事先きまってよかったぁぁ~
調べたらハウスキーパーは一人会社も普通だっていうから、はじめてみたけど...
お仕事来ないし、貯金もあぶなかったし、これで一安心...、これでもっと普通でいられる...
えーと、改札は...こっちかな
うーん地図で見るより意外と距離あるかも...チェックに来といてよかった...これなら明日も時間通りに行ける...かな
よしよし...これでお母さんにも普通に連絡できる...うん、やっぱり普通が一番...
[改札も出て仕事帰りの人たちを横目に、今後の普通の幸せってものを噛みしめていたところ、運悪く魔女の気配に気が付いたのです。]
あっ...これって魔女の反応..?
はぁぁ、やっぱり普通の魔法少女として、私なんかでも魔女と戦わなきゃですよね......行きますか...
ってあれ...?今、細道に入っていったのって...たぶん、依頼主の、真加奈さん...だよね?
[自分とあまり変わらない背丈、すらっとしたスタイルに群青色のセミロング、前に顔合わせをしたときの記憶通りの姿でした。]
ヤ、ヤバっ...!?もしかして結界に連れ込まれちゃってる感じっ!?
いやまって...もしかしてもしかしたら魔法少女かもしれないし?とりあえずちらっーと見ておくだけにしときましょうか...?
...そーっと...しれーっと...
あっやっぱり、真加奈さん魔法少女だったんだ...
[結界に入っていく人がいると思ったら、まさかの依頼主、真加奈さんその人だったんです]
うわぁぁ、そのキーボードで直接叩くんだ...自分から戦いに行ってるってことは大丈夫ってことだよね...?もうこのまま帰って良いかな...?
...依頼主とハウスキーパーが偶然二人とも魔法少女って普通の関係とも思えないし...、全部忘れて見なかったことにしてかえr...あっ捕まってるぅぅぅ!?
[しかも真正面から魔女に向かっていってキーボード殴り始めたと思ったのも束の間、そのまま捕まってピンチです]
あっあっえっどうしよどうし...でもっ!でもっ...うわああああああぁぁぁ!
[さすがにこんな自分でも、普通のいち魔法少女として、目の前でこんな状況は見逃せませんでした]
[...実は普段は勝手に逃げ回っているだけで魔女が倒れるので、今までまともに攻撃したこともほとんどなくって、自分も杖で直接叩くしかできなかったんですけどね...]
「あ、あの...その...困ってるかもって、その...自分なんかが後からかってにたおしちゃって、申し訳なかったっていうか...って!?」
めっちゃ泣いていらっしゃるぅ...!?
「...っ...っく...うぅ」
「えと、えと!もう大丈夫ですよっ!!ホラ!結界も消えましたしっ!もうぜったい安全というか...!」
あっっってかこの状況ヤ、ヤバいよぉぉ!?裏道で未成年泣かせてる成人女性ってヤバいって!こんなの絶対普通じゃないって...!
と、とりあえず泣きやませなきゃ
「は、はい、ぎゅーしますからねっ!ほら!もう、だっ、だいじょうぶですっ!」
「...ぅ...、あり、がとうぞんじ...ますっ...」
「えーっと...あーっと、ハンカチ、使いますかね...?」
と、とりあえず泣き止んでもらえましたね...
[この時の自分は、どう考えても事案な普通じゃない状況をどうしようってことで頭がいっぱいでしたが、後から聞いてみたらほのかちゃんはこれが初めての魔女との戦いだったようです。]
[ほのかちゃん、まだ15歳ですよ...普通あんな状況、泣いちゃいますよね。]
[むしろは立ち向かっていったのがすごいですよ、15歳のときの自分なんてもうひたすら逃げ回ってばっかりでしたし...まぁ今も逃げ回ってばっかりなんですが。]
[その後は、ほのかちゃんの自宅までご一緒することになったんです。]
「先ほどは、ありがとう存じます。」
はぁぁ...あんなことの後なのにキレイなお辞儀だなぁ、やっぱりお嬢様?ってやつはこういうところが違うのかな...じゃなくってっ!返事っ!
「い、いえいえっ!ぜんぜん魔法少女として普通のことをしたまでというか...、そのぉ...真加奈さんって魔法少女だったんですね...?」
「はい、わたくし、先日キュゥべえ様と契約を執り行い、魔法少女...?というものになりました。」
う~ん、この感じまさかとは思うけど...
「...その~、ちらーっとだけ戦う姿が目に入ったんですけど~、もしかして...あれが初めての魔女との戦いだったりします...?」
「いえ、2度目...となるはずです。」
[詳しく話を聞いてみたら、やっぱり初めての戦いでした。]
[そもそもほのかちゃんは魔女についての知識もほとんど無いようでした。]
[あんな無茶な戦い方をしていたのは、少し前に戦った魔女の手下のことを魔女だと思っていて、まともな戦い方も知らないまま同じように突っ込んだ、というのが事の真相でした。]
「それよりも伊並さん、貴女も魔法少女なのでしょうか。」
「は、はい...自分、その、12年ほど魔法少女やらせてもらってます...あっでも本当自分かなりゴミみたいなレベルの雑魚なので...」
「......」
えぇ...急に黙り込んじゃった、え?自分変なこと言った??普通...普通だよね...?...もう帰ってもいいかな...?今日のことは全部忘れて、明日からは普通のハウスキーパーさんと雇い主さんになりたいな~なんて...
「真加奈さん、わたくしの記憶する限り経歴書には27歳とありました、そうですよね。」
「え?はぁ...まぁそうですけど...?」
「12年、つまり魔法少女となったのは15歳の時ということですね」
いやーっな予感が...
「伊並さん、わたくしの魔法少女の先生となっていただけないでしょうか?」
ほらぁぁぁぁ、むりむりぃ、こんな関係絶対普通じゃないって!、なんとか、なんとか断らなきゃっ...!
「い、いえいえ、その自分、全然雑魚っていうか?むしろ自分が教えてほしい~っていうか...?」
「無理は承知なります。そこを何とか通していただけないでしょうか。」
「絶対もっと、良い人いますっ!な、なにより、ハウスキーパーが先生で、雇い主が生徒ってこんな関係、絶対普通じゃないですしっ!」
なんとか、なるかな...?
「...わかりました。ではこういうのは如何でしょうか。」
うぅ、ならなそう...
「"炊事、洗濯、その他なんでも雑用何でもやります"、顔合わせの時そうおっしゃいましたね。」
「ハウスキーパーの職務の一つとして、如何でしょうか。もちろん費用は何某かの名目としたうえで別途計上いたします。」
「...で、でもですねっ!そもそも普通のハウスキーパーが魔法少女としての指導をするなんて、普通じゃないかなと!」
「本当にそうでしょうか。」
え...?
「仰る通り、ハウスキーパーという職務の一環としては普通ではないと存じます。」
「しかしながら、雇用主と雇用者の双方が魔法少女であり雇用主がそれを望むのであらば、この形式こそ"普通"、たるものかと存じます。」
「た、確かに...そうともいえなくもないような...?」
「それでは、お受け下さる。ということでよろしいですね。」
「えっ、あっ、はい、普通、普通ですもんね...!」
「それでは早速、明日からよろしくお願いいたします。」
[こうしては自分は、雇い主が魔法少女のハウスキーパーとして、指導を受け持つことになったんです。]
[何だかうまいこと流されちゃった気もするんですが、お給金も増えそうですし、何よりもこれで普通...普通です...よね...?]