フィジカルゴリラな木場祐斗   作:お粥のぶぶ漬け

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第33話:神々の黄昏、解析される終末

日本の冥界重要施設。オーディンとアザゼルによる親善の宴が、突如として次元の裂け目から現れた邪神ロキ、そして魔狼フェンリルの群れによって蹂躙されました。

 

「退屈な平和など、私が焼き尽くしてやろう。ラグナロクの幕開けだ!」

 

 降り注ぐ神の炎。しかし、その業火を真っ向から切り裂き、シトリー眷属が戦場へと介入します。

激震:フェンリルの因子の簒奪

 

「……一誠、ここは私たちが支えます。あなたはオーディン殿の守護を!」

 

 私は**『吸収の魔剣』**を抜き放ち、神をも喰らう魔狼フェンリルへと肉薄しました。フェンリルの牙が空を裂き、触れるものすべてを腐食させる「不治」の呪いが周囲に散布されます。

 

「その『不治』の理……。今の私なら、読み解けます」

 

 影を通り、死角から魔剣をフェンリルの脚部に突き立てます。

 吸い出されるのは、生物の再生能力を完全に否定する神殺しの概念。

【新規因子の確保:魔狼フェンリル】

• 特性: 再生阻害、神性特効の「不治」。

• 解析状況: 85%……このまま禁手へと接続(アクセス)します。

禁手初解禁:蒼穹覇理の極剣

 

「ロキ、貴様の計算はここで終わりです。……万象を私の領域(プログラム)で上書きする」

 体内のオーフィス因子を核に、シトリー、一誠、匙、セラフォルー、そしてフェンリルの因子を一本の剣に収束させました。

「真・禁手(バランス・ブレイカー)――『蒼穹覇理の極剣(シンギュラリティ・ブレード・オブ・シトリー)』!」

 

 手の中に現れたのは、実体なき蒼い光の等式で構成された大剣。

 この剣が振るわれる空間では、既存の法則は消滅し、私の記述した**「秩序」**が世界を支配します。神の魔術も、ロキの権能も、私の前ではただの「無意味な文字列」に過ぎません。

 

「神である私の術式が、なぜ霧散する! 何をした、悪魔の騎士!」

「この領域の**『秩序』**は私が書き換えました。……貴様の神話は、もはや通用しない」

 

 私は簒奪したフェンリルの因子を極剣に同期させ、**『不治の魔剣』**として振り抜きました。ロキの神力を「停止」させ、その存在を概念ごと切り裂こうとしたその時――。

 

「チッ……禍の団(カオス・ブリゲード)の工作が甘かったか。フェンリル、引くぞ!」

 

 極剣の放つ圧倒的な「世界の拒絶」を本能で察知したのか、ロキは空間を強引に抉じ開け、手負いのフェンリルと共に逃走しました。

 

戦いの後:騎士の帰還

「逃げられましたか。……ですが、フェンリルの『不治』の因子は完全に血肉となりました」

 

 極剣を霧散させ、私は静かに息を吐きました。オーディンは眼帯の奥の瞳を細め、愉快そうに笑います。

 

「ほう……。一誠だけでなく、シトリーの騎士もこれほどとは。……アザゼル、お前の教え子は化け物揃いじゃな」

「はは、俺の教えというより、アイツ自身の執念ですよ」

 

 駆け寄ってくるソーナ、そして心配そうに(あるいは興奮気味に)私を見つめるセラフォルー様とシグルナ。

 

「心配をかけました、ソーナ。……これで、次に奴が現れた時、確実にその存在を解析(おわ)らせることができます」

 

 私は手に入れたばかりの「不治」の冷気を自らの魔力回路に定着させ、次なる戦い、ロキとの完全決着へと目を向けました。

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