フィジカルゴリラな木場祐斗   作:お粥のぶぶ漬け

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第34話:神殺しの鉄槌、終焉の解析

ロキとの決戦。数日間の静寂を破り、再び邪神がその姿を現したのは、冥界のさらに深い結界内でした。今回のロキは『禍の団』から供与された強化術式を幾重にも纏い、その神気は狂気の色を帯びています。

 

雷鳴の激突:赤龍帝の突貫

「ハハハ! ラグナロクは止められん! オーディン、今度こそ死ね!」

 

 吼えるロキに対し、先陣を切ったのはオーディンの護衛主軸であるグレモリー眷属、そして兵藤一誠でした。

 

「させるかよ! もらっとけ、ロキッ!」

 

 一誠はアザゼルから貸与された**『ミョルニル・レプリカ』**を握りしめ、ブーストした魔力で突貫します。神の雷を纏った鉄槌がロキの防壁を激しく叩き、周囲を白光が包み込みました。

 しかし、強化されたロキの力は凄まじく、激しい火花と共に一誠は弾き飛ばされてしまいます。

 

「ぐわっ……! クソ、硬ぇな……!」

 

 地面に転がる一誠の手から、ミョルニル・レプリカが零れ落ちました。

解析と構築:『雷光』から『雷』へ

 私はその戦いの一部始終を、後方で冷徹に読み解いていました。

 

「一誠、レプリカは私が預かります。――『解析(アナライズ)』」

 

 落ちたミョルニルに触れる必要すらありません。視覚でその構成式をトレースし、オーフィス因子による超高速演算で「北欧の雷」の神髄を抽出します。

 

「朱乃さんの『雷光』は、堕天使の光が混ざった悪魔特攻の鋭い刃……。ですが、これは純粋な破壊の奔流、天災そのものの顕現……!」

 

 私の右手に、新たな魔剣が形成されました。それは繊細な『雷光の魔剣』とは異なり、荒々しい雷気を物理的な重圧として放つ、無骨な大剣。

【新規魔剣:雷の魔剣(トール・サンダー)】

• 特性: ミョルニルの術式を完全コピー。光の性質を持たない純粋な「雷」のエネルギー。

• 効果: 雷光の魔剣を凌駕する絶対的火力。対象の分子運動をプラズマ化し、一撃で消滅させる。

 

決着:不治の鎖と秩序の審判

「悪あがきを……! その程度の剣で神を斬れると思うか!」

 

 ロキが空間を断裂させる魔術を放ちますが、私は**『雷の魔剣』**を一閃。圧倒的な出力の雷がロキの術式そのものを焼き切り、その懐へと飛び込みました。

 

「これで終わりです。二度目の逃走は許しません。――禁手、起動」

 

 **『蒼穹覇理の極剣(シンギュラリティ・ブレード)』**を展開し、世界の秩序を書き換えます。そして、簒奪済みだったフェンリルの因子を、雷の剣に同調させました。

 

「『不治の魔剣(フェンリル・ディザスター)』――停止しなさい」

 

 蒼い雷光を帯びた刃が、ロキの両肩と足を貫きました。

 斬撃と同時に「再生」と「魔力循環」を封じ込める不治の呪いが、ロキの神体へ瞬時に浸透していきます。

 

「な……が、あ……!? 力が、消えて……再生……できない……!?」

 

 膝をつく邪神。

 不治の魔剣に貫かれた箇所は、神の力をもってしても治癒できず、ロキの意識は急速に混濁していきます。神話の終焉を望んだ男は、自らの身体の機能が「停止」していく恐怖に顔を歪ませながら、ついに事切れたように沈黙しました。

 

「……身柄の確保、完了しました。あとはオーディン殿の沙汰を待つだけです」

 

終幕:静寂の後の視線

 戦いが終わり、動けなくなったロキをアザゼルたちが拘束する中、私は極剣を消しました。

 駆け寄ってきたのは、安堵の表情のソーナ。そして、後ろではシグルナが崇拝の眼差しを向け、セラフォルー様が「今の祐斗ちゃん、超カッコいい……!」と悶えています。

 

「お疲れ様、祐斗。……本当に、あなたは私の想像を遥か超えていくわね」

「あなたの立てた作戦通りですよ、ソーナ。私が『正解』を出せたのは、あなたがそこにいてくれたからです」

 

 私は彼女の手を取り、優しく微笑みました。

 ロキという脅威を排除し、神の力を取り込んだ私の魔剣。

 解析されるべき未来は、より高く、より複雑な階梯へと続いていくのでした。

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