ごちうさと東リベを見て、チノちゃんとドラケンが同じ中学生ってバグだろと思いつつも、絡んでみたら面白そうと思い書きました。
学校が終わった夕暮れ時。
ココアがいつものお姉ちゃんモード全開でチノの横を歩く。
「チノちゃん、今日も一日お疲れ様! これからラビットハウスでお仕事だよ~。暗くなってきたからお姉ちゃんのそばにいてね♪」
「ありがとうございます。ココアさん」
ココアの気遣いにチノは小さく微笑んだ。
二人は学校からラビットハウスへ向かういつもの道──ではなく、住宅街を抜けて少し街灯の少ない裏道を近道に選んだ。
◆
一方、その頃。
木組の家と石畳の街、通称【木組の街】に見慣れない二人の不良少年が来ていた。
「おいマイキー!そんなすぐフラフラどっか行こうとすンな!」
「いいじゃんケンチン。なんかすげー綺麗な街だし、テンション上がンだよ♪」
「…ったく。俺だって土地勘ねェンだから、迷子になっても探してやれねェぞ」
一人は身長185cmの長身に、金の辮髪とこめかみに龍の刺青がトレードマークの少年。
通称【ドラケン】
もう一人は、癖毛の金髪に前髪をポンパドール風に纏めたハーフアップの小柄な少年。
通称【"無敵"のマイキー】
東京からツーリングでたまたま木組の街にやってきたマイキーとドラケン。
バイクを駐車場に停めて、街を散策中だった。
「…にしても、本当に綺麗なとこだな〜」
「…確かに…街の治安も雰囲気もいいし、ゴミも一つも落ちてねェし、…なにより不良が一人もいねェ。俺らの地元とは大違いだな」
「俺ら街歩く度にバンバン喧嘩売られっか闇討ちされっからな〜。まァ楽しいからいいけど」
「こんなのんびりしたとこ来ンのも久しぶりだしな……つーか、やたらうさぎ多いなここ」
「いやそれ以前に、マジで日本なの?って思うけどな…」
「それは言えてる」
知り合いのいない地方の街で、のんびりとした空気を楽しんでいた。
ここでは東京卍會の名は轟いていない。
二人とも、ただの観光客にしか見えないはずだ。
◆
ラビットハウスへの近道のために、裏道に入ったココアとチノ。
いつもと違う道を通りながらも、迷うことなく進んでいった。
「へ〜 ここの道、初めて通ってみたけど、こんな感じなんだ〜!チノちゃんはここ通ったことある?」
「いえ 長い間この街に住んでいますが、ここの裏道使うのは初めてですね」
「そうなんだ!じゃあちょっとした冒険気分だね♪」
「ココアさんはどんなことにも興味津々ですね。…でも大通りより人気もなくて街灯もほぼないので、少し薄気味悪いです。早めに抜け出したいところです」
「だいじょーぶ!お化けが出てきても、お姉ちゃんがチノちゃんを守ってあげる!」
「ふふ。ありがとうございます ココアさん」
「おっ!今日のチノちゃんは素直だねー♪よーしお姉ちゃんがもふもふしてあげる!」
「それはやめてください」
裏道に入り、しばらく二人で楽しく話しながら歩いていると、
突然後ろから声をかけられた。
「そこの女の子二人〜!こんなとこで何してンの?」
後方を振り返ると、男が五人ほど現れた。
二十代くらいの男たちで全員柄が悪く、刺青も入っておりいかにも不良といった感じで、手に酒瓶やタバコを持っていた。
チンピラらしい威勢の良さだ。
「おっ!マジか!よく見たら二人ともめちゃくちゃ可愛いじゃん!」
「ヤベェw俺オレンジ髪の子、ガチでタイプだわwwめちゃくちゃヤリてェww」
「俺は横の小さい子のが好きだわw」
「ロリコンかよテメェwでもわざわざこの街に来た甲斐あったわ」
「高校生と小学生?帰り道か?一緒に遊ぼうぜ~」
リーダー格の男がニヤニヤしながら声を掛け、残りの四人もすぐに周りを囲むように近づいてきた。
木組の街ではほとんどどころか、一度も見かけたことのないタイプの男たちだったが、ココアは即座にチノを背後に隠し、毅然とした態度で前に出る。
「すみません 急いでるので放っておいてください。私たちに用はないはずです」
男たちは一瞬止まったが、すぐに下品に笑い出した。
「急いでるってどこ行くの?なんならお兄さんたちが送ってあげようか?なあ、可愛いお姉ちゃん」
一人がココアの肩に手を伸ばす。
ココアは素早く身をかわすが、別の男がチノの腕を軽く掴もうとした。
「や…やめてください…! 触らないで…!」
チノが小さな声で抵抗するが、男は笑いながらさらに手を伸ばす。
「ヤベェこの子、声も幼くて可愛いしマジで好みだわww名前教えてよwねえ?」
大事な妹分であるチノが絡まれ、ココアは怒りながら強く言う。
「本当にやめてください!私たちに近づかないで!!警察呼びますよ!!!」
普段のココアの天真爛漫で天然な性格は鳴りを潜め、チノを守るために威嚇する。
…が、男たちは嘲るように大笑いし出した。
「あ?
「っ…!い…痛い!離して!」
リーダー格の男がココアの腕を強く掴んだ。
痛みが走り、ココアは必死に振り払おうとするが、男の力は強く、振り解けなかった。
「だ……誰か……!たすけ──
"パンッ!"
通行人に助けを求めるために大声をあげようとしたが、もう一人の取り巻きの男に頰を平手打ちされた。
「危ねェな〜 大声なんざ出すなよwつっても…ここの裏道、さっきから人も全然来ねェから、あんま意味なさそうだけどなww」
「まァ そんなことより次また大声出しやがったらw
…マジで殺すぞ」
「ひぃ…!」
今までチノを守るために必死に抵抗していたココアだったが、男に殴られた上に本気で脅され、あっさり恐怖に支配され、涙が溢れた。
一方チノは恐怖心が芽生えながらも、なんとかこの状況を切り抜けるために、なにより…ココアを助けるために警察に通報する手段に出た。
早速スマホを取り出したが男に素早くスマホを奪い取られ、そのままカバンごとひったくられ、チノを狙っていた男にカバンが行き渡った。
そして、もう一人の別の男が逃げられないように、チノの背後から肩に手を置く。
「バーカ!通報なんざさせっかよwつーか目の前でスマホなんざ取り出したら、取ってくれって言ってるようなモンだろww」
「お!生徒手帳はっけーんwチェック入りまーすww…ヘェ〜!チノちゃんって言うのか。名前まで可愛いなw…つーか中三ってマジかよw小学生かと思ったわww」
「合法ロリってやつか?それならヤっても法に触れねェなwww」
「それ以前に俺らギトギトの犯罪者だろwww」
「逃げンなよチノちゃんw俺らがたっぷり可愛がってやるからさ。そっちのオレンジ髪の子もあとで遊んでやるよw」
ココアは恐怖心で身動きが取れずチノは名前までバレてしまい、頼みの綱だった警察は通報しようにもスマホごと奪われたため助けは来ない。
ココアとチノは安易に近道しようと、裏道を通ろうとしたことを後悔し始めた。
◆
一方その頃。
木組の街を探索していた、マイキーとドラケンだったが…
案の定、道に迷っていた。
「………つーか、いつの間にか裏道に入ってンじゃねェか!!」
「あ~…完全に迷ったわw」
「テメ笑ってンじゃねェよ!!」
「まーまー そう怒ンなよケンチン。どうせ目的もねェし、のんびり………ん?」
これまで楽しそうに話していたマイキーが突如、静かになった。
いきなりの相棒の豹変に、疑問を抱くドラケン。
「あ?どうしたマイキー」
「…ケンチン。なんか向こうの方から声しねェか?」
「なに?………本当だ。なんか揉めてるっぽいな…」
「とりあえず行ってみようぜ」
「…ったく。仕方ねェな」
観光は一旦置いといて、声のする方向へ足を運ぶ2人だった。
◆
「や……やめて……お願い……」
「無理無理。もう諦めてw」
ココアは最初こそ強がって抵抗していたが、大の男に殴られ本気の脅しに恐怖で声が震え、涙が止まらなくなっていた。
「………ひっ…ひぅっ………」
「大丈夫、泣かなくていいからwすぐ済むすぐ済むww」
チノは完全に怖くなってしまい、小さな体が硬直し声がうまく出ない。
出来ることと言えばただ震えて泣くことしかできず、涙が頰を伝う。
「応、誰か車取ってこい。このまま拉致ンぞ」
リーダー格の男がココアの髪を軽く引っ張りながら、取り巻きに車を取ってくるよう伝える。
「おとなしくしてりゃすぐ終わるからさ。お兄さんたちベッドの上じゃ優しいよ?ホラ笑って笑ってw」
「可愛い顔泣かせちゃ可哀想だろ?でも泣き顔もいいかもな~」
男たちの顔がすぐ近くに迫り、完全に囲まれ逃げ道は塞がれている。
(怖い……本当に怖い…チノちゃんを守らないといけないのに………リゼちゃん…お母さん…お姉ちゃん…助けて……)
(もう……嫌だ……家に帰りたい……リゼさん…お父さん…ティッピー……)
男たちはさらに調子に乗って、ココアとチノを追い詰めていく。
その時だった。
「テメェら女の子に何してンだよ」
背後から、低く冷たく、絶対的な威圧感を伴った声が響いた。
男たちが振り返る。
そこにいたのは小柄な金髪少年と、長身の辮髪にこめかみに龍の刺青が入った少年。
マイキーとドラケンが立っていた。
取り巻きの男が、すぐに喧嘩腰で2人に凄んだ。
横にいた男もついでに便乗した。
「ンだよガキ共…邪魔すンじゃねェ!今いいとこなんだから消えろ!」
「そうだよ!5人に勝てるわけないだろ!!」
一方。
リーダー格の男は現場を見られ、通報されることを危惧し、即座に取り巻きの男たちに指示を出した。
「…オイ 見られちまった。通報される前に
「わかった。オイ!お前ら2人はそこのデカブツからやれ!」
「お前らこの女の子ら見張ってろ。俺はあのチビを殺す」
取り巻きの男二人がナイフを取り出しドラケンに突進して、リーダー格の男もナイフを取り出しマイキーを刺し殺しにいく。
しかし──数十秒ほどでカタがついた。
マイキーは無表情でリーダー格の男のこめかみに得意のハイキックを叩き込み 数メートル吹っ飛ばす。
リーダー格の男は、そのまま勢いよく壁に叩きつけられ、気を失う。
ドラケンは突進してきた男のナイフを避け、そのまま相手の懐に入り込み、襟首を掴み、ナイフを持っていた反対側の腕を引きつけ、そのまま勢いよく投げ落とした。
相手の男は片方の手にナイフを持っていて、もう片方の手は引きつけられているためまともな受け身を取る事もできない。
そのまま石畳の地面に衝突。
頭部と頚椎に重大なダメージが与えられ、気を失う。
残った一人がタックルを仕掛けるが、ドラケンはすかさず顔面にニーキック。
倒れ込んだところで、ナイフが手からこぼれ、そのままドラケンはナイフを男たちから離れた場所に蹴り飛ばす。
男はよろめきながらも起きあがろうとしたが、それを見逃すドラケンではない。
そのまま起きあがろうとする男目掛けて、勢いよく走り出し、相手の顔面にローリングソバット。
男は数メートル吹き飛び、今度こそ気を失う。
残りの2人──
マイキーの蹴りとドラケンの拳で次々と地面に沈む。
この間、僅か数十秒以内の出来事だった。
「あれ?これで終わりか?」
「…みてェだな。にしても、喧嘩に刃物なんざ出しやがって」
「まァ秒殺しにしたし、いいじゃん」
「そうだな。それに地面も固い石畳だから、叩き落とす時、一発で沈んで楽だったしな」
2人は地面に横たわる不良たちを、冷めた目で見下ろしていた。
その光景をココアとチノは呆然と見つめていた。
出会いのために、きらら系に絶対出てこないようなクソDQNを出してしまいました。
ごちうさファンの方、サーセン