対決! 綾香 VS 筋肉女! 【ToHeart】   作:NapalmCrusher

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来栖川綾香 VS マッスル・ボマ子、勝負の行方は?!

…しかし、ボマ子はそんな「常人」レベルの相手ではなかった。

あんなクリティカルヒットを喰らいながらもなお持ちこたえるボマ子。

意識が遠のくようにふらつくが、驚異的なタフネスで立ち直った。

こんな小さい娘から予想外の手痛い打撃をもろに受けたボマ子。

一瞬ぼやけた視野が戻ると、彼女の目から怒りの炎が燃え上がった。そして…

「くっ、綾香お前、ぶっ潰してやる!」

ドーン!ズドーン!ゴォン!

ボマ子の巨大な怒りの拳が、回りを見境無く破壊し尽くす。

鉄柱が折れ曲がり、樹木がへし折られ、地面がえぐられて礫が飛び散り、砂塵が巻き上がる。

まるで大砲のような破壊力だ。大地が激しく振動している。

綾香と同じ体格のごく普通のJKがアレに当たったらなら、一発で簡単に粉砕されるだろう。

ボマ子自身と同じ体格・頑丈さの相手でも、耐えられるかどうか怪しいくらいの威力…

「ちょこまかな!調子に乗りやがって!」

しかし、ボマ子の破壊的なパンチは、綾香に全然当たらない。

さっき、ボマ子の弱点を的確についた綾香の後ろ回し蹴り。

この直撃をもろに受けたボマ子は、相手の動きを正確に見て捉えられてない。

それに、綾香のほうがスピードが速い。

びしっ!びしっ!びしっ!

綾香はあの破壊力に怯まず、ボマ子の剛腕を余裕で避けて膝の裏を蹴り、また避けて脇腹を蹴り、とヒットアンドアウェイを繰り返した。

そして、捉えた!

ガツン!

ボマ子が真正面にきた綾香に拳を飛ばすより早く、綾香の飛び膝蹴りのほうが先にボマ子の顎を打ち砕いた!

またも頭に打撃を受けてもう一度ぼやけるボマ子の視界。

そしてすぐさま綾香は再び飛び上がって、両太ももをボマ子の首筋にくるりと巻き付けた。

いわゆる「幸せ投げ」とも呼ばれる、フランケンシュタイナーの姿勢だ。

もちろんボマ子にフランケンシュタイナーなど効くはずがない。

ボマ子はすぐ綾香を、パワーボムで叩きつけようとした。

しかしまんまと叩きつけられたりはさせない綾香。

体をくるりとひねって横で半回転する。ボマ子の巨体は綾香のウラカンラナでは投げられないものの、それに引きつられて僅かに軸をずらすには十分だった。

ボマ子の広々しい肩の上で、そして綾香はルチャドールか平均台体操かのように目まぐるしく姿勢を変えながら動き回る。

びしっ!ガツン!びしっ!

ボマ子の巨大な体に小出しの、しかし手痛い攻撃を連続で叩き込む。

チョークスリーパー、死角からパンチ、頭頂にエルボー…

自分の大きい体に乗ったまま翻弄するすばしっこい綾香を振り落とそうと、ボマ子の太い両手は頭の後ろに回った。

しかし綾香が掴まれてくれるわけがない。ボマ子の腕は虚しく虚空を掴んだ。

そして綾香は、ボマ子の体から離れてすぐボマ子の僧帽筋に強く蹴りを入れたあと、着地した。

びしぃ!びしぃ!

そして後ろから綾香はボマ子の膝裏にまたローキックを素早く連続叩き込んだ。

更に動きが鈍り、足がぶらつくボマ子。綾香に向かってパンチを出す。

しかし繰り出すパンチのスピードが遅い。

もう綾香は回避しようともしない。ボマ子に真っ向から挑んでいる。

ボマ子の重く遅いパンチの軌道を…

バシッ!

綾香は素早く手首を打って振りほどいた。

苛ついたボマ子は、ダブルスレッジハンマーで綾香を上から叩き潰そうとしている。

ドーーン!

もうスタミナ切れ寸前なのに、とんでもない威力だ。

でも当たったのはえぐられた地面ばかり。そしてボマ子の視界に、綾香が消えた。

ボマ子が地面を粉砕する直前、綾香が素早くスライドしてでボマ子の懐に潜ってそのまま股間を通じて抜け出したのである。

そして綾香は、振り向いたボマ子の顔面に後ろ回し蹴りをぶちかます。

自分の攻撃をことごとく躱され、逆に綾香からこんなにありとあらゆる攻撃を食らって全身が満身創痍になったボマ子。早く勝負をつけなければ…

そろそろ決着をつけようと、両腕を大きく広げたまま最後のスタミナを振り絞って全速力で綾香めがけに突進した。まるで闘牛のように、ブルドーザーのように。

(…ここで当たったらあたしの勝利!)

ガッシャーーーーン!

…しかし、ボマ子最後の突進も見事に躱された。暴走車のように突っ走ったボマ子の巨体は、公園のフェンスと石垣を盛大にえぐるだけだけで、綾香にはかすりもしなかった。

自らの勢いで自分自身に大ダメージを与えてしまった格好のボマ子。

あの歩く重戦車の「追突現場」から立ち直って振り向くまで、動きが遅い。

綾香に視線を戻したボマ子が見たのは…

バシッ!自分の太もも裏にキックを入れる綾香。ひどく震える己の脚。

ガツン!自分の脇腹と肋骨にまたキックを入れる綾香。しかめっ面のボマ子はもう一度片膝をついた。

ボマ子は片膝のまま両腕でガードしようとした。しかし、綾香にすぐガードが退けられた。

バシッ!バシッ!ガードが空いたまま自分の大胸筋に連続パンチを浴びせる綾香。

ガーン!頭頂にまた降り注ぐ綾香のエルボー。

…綾香の連続攻撃の嵐をかろうじて耐え抜きながら、ぶらつく脚でかろうじて立ち上がったボマ子。

しかし彼女の逞しい巨体は、今や綾香に抵抗できない。

ボマ子の目には、綾香が2人いるかのように見えた。意識が遠のいてゆく。

…そして綾香からの最後のトドメ。

綾香がまた消えた!綾香がいた所に、一瞬だけ何かが上方向に飛んでいくかのように見えた。

綾香が消えた所を、泳ぐ目が呆然と見つめるボマ子。

綾香は高い空中で、ボマ子の頭頂の上で大きく体全体を回転した。

そしてボマ子に向かって高速で綾香は脚を振り下ろした。

ドーーーーーーン!

空中から急降下して来る綾香のトドメ攻撃を耐えることも避けることもできない。

ボマ子はもろにそれを受けてしまい、上半身がくの字で曲がった。

 

「…どんな人間でもね…」

トドメの踵落としを浴びせ、その反動でボマ子の体から離脱し、そのまま後方宙返りで着地した綾香。

はあはあと息を荒げながら、誰に言うともなく綾香は呟く。

「…どんなに強大な人間でも、頭に直撃を何度も受けて倒れないヤツなんていないのよ…」

ボマ子は、頭に強烈な打撃を何度も受け、脳しんとうを起こしたのである。

全員にひどくダメージを蓄積したボマ子の体も自らを支えきれず、限界を悟った。

 

(さすがのボマ子も、綾香様にかかれば形無しよ)

一瞬、朝のクラスメイトの言葉が脳裏をよぎった。こんな驚異的なタフネスを誇る強大なあたしが、まさに綾香にかかって形無し…

 

そして今度こそボマ子は、そのまま白目をむいてドウッと倒れ込んだ!

まるで巨像が崩れるように、あたりに地鳴りのような轟音を轟かせながら。

超筋肉巨体のボマ子は、KO負けするときでさえ圧倒的な存在感を放つ…

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