紅はこべの騎士たち   作:レガリア0006

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紅はこべの騎士

とある中東の独裁国家

 

その国は数年前に、革命によって生まれた革命政権による、独裁と恐怖政治が横行していた。

 

旧体制派や、資本家は処刑され、何もやっていない無実の人でも処刑されるのが常であり、そしてそんな恐怖政治による処刑と独裁に対して、プロパガンダと憎悪によって煽られた国民は熱狂していた。

 

「殺せ!!」

 

「反体制は処刑だ!!」

 

「火炙りにしろ!!!」

 

国民はまるで、悪魔に取り憑かれた様な様子でそう叫んでいた。

 

首都の検問所

 

「止まれ!!その荷物はなんだ!」

 

「今日処刑された反逆者達の死体です。郊外の焼き場で焼くため、ここを通らせてもらいたい」

 

「死体?そんな話は聞いていないぞ!」

 

検問を通ろうとしたトラックの兵士に、検問所の警備兵はそう言い中をチェックしようとした。

 

すると

 

「我々を疑うのか、軍曹?」

 

「大佐!」

 

革命公安委員、つまりこの国の秘密警察の大佐がそうにいた。

 

「しかし、事前通知がない以上、手順に従い…」

 

「我々公安委員会は、革命政府直轄の組織。身の程を弁えたらどうかね?」

 

静かだが、威圧感がある様子で、指揮官である大佐はそう言った。

 

そしてその威圧感に

 

「お通りください」

 

軍曹は、冷や汗をかきながら通してしまった。

 

そして大佐が車に乗り込むと隣にいた副官にこう呟いた。

 

「美空、HQに連絡して…眠り姫は連れ出した、後はプリンスを待つだけと…」

 

「了解」

 

そしてその車列が検問所を通り抜けた数分後

 

「おい!!さっきここを死体を載せたトラックの車列が通らなかったか!?」

 

焦った様子で公安委員会の兵士達と指揮官がそう聞いた。

 

「は、はい!!先ほど死体を片付けると言って外の焼き場に…」

 

そう軍曹が言うと、公安委員会の将校は顔を赤くしてこう叫んだ。

 

「なんだと馬鹿者!!その死体は、死体に化けた、反革命分子どもだ!!」

 

 

その頃

 

郊外

 

「みんな、王子様が来たよ!」

 

先ほどの大佐はそう言うと自分の顔の皮膚を剥ぎ取った。

 

するとそのマスクの奥からは、中東人ではなく、金髪碧眼の女の子の姿があらわになり、同時にトラックの荷台では、先ほどまでぴくりとも動かなかった死体が、まるで魂を与えられた人間の様に動き出した。

 

「さすが組織が開発した仮死化薬だね」

 

大佐の副官に返送していた、もう一人の女の子が、マスクを脱ぐとそう言った。

 

そしてそれと同時に、光学迷彩走行で覆われ、先ほどまで周りの環境に擬態していた輸送ヘリの隊列が到着し、仮死状態であった、この国から脱出したい人々が、ヘリコプターに乗り込んだ。

 

「ママ!」

 

「もう大丈夫よ!」

 

国外に脱出できると実感した亡命希望者達は互いに涙を流しながら抱き合い、ヘリコプターに乗り込んだ。

 

「コマンダー、任務ご苦労様です。ここから先の任務は、我々と、現地のCIAが担当いたします。コマンダーも、すぐにこの国から退避し、本部へとご帰還ください」

 

「ありがとう。あとはお願いね」

 

そう言うと、今回の救出作戦を指揮した二人の女の子はそう言い、ヘリコプターに乗り込もうとした。

 

すると

 

「ねぇ、お姉さんの名前、教えて!」

 

すると一人の女の子が、そう聞いた。

 

すると、指揮官である女の子は、ふと笑うとこう言った。

 

「それは言えない…けど、私の名前の代わりにこの名前を教えてあげる」

 

そう言うと、その女の子はこう名乗った。

 

「私たちは…」

 

1789年…かつて、自由・平等・友愛を掲げ、王政を打倒したフランス…

 

だが、その美しくも熱気を帯びたその輝かしい理想は、理想という狂気に飲み込まれた一人の革命家、マクシミリアン・ロベスピエールによる恐怖政治によって、血と、狂気を好む貴婦人、マダムギロチンによる、血の粛清の時代へと突き進んだ。

 

しかしその狂気の国となったフランスに、一欠片の勇気を振り絞り、立ち向かい、戦い、多くの人々を助けた、一人のイギリス人によって率いられた騎士達がいた。

 

その騎士達は自らをこう名乗った。

 

 

紅はこべの名前を冠する騎士…

 

その名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スカーレット・ピンパーネル」

 

 

 

 

 

 




 
スカーレット・ピンパーネル

かつてフランス革命時の恐怖政治の時代に、次々と殺される貴族やその家族達を救うために、イギリス貴族のパーシー・ブレイクニーと、その仲間達が創設した秘密結社であり、現在は世界最強の諜報機関と言われている。

その後長い歴史の中で、第二次世界大戦時はユダヤ人の救出や、植民地が崩壊した際には、世界各地の紛争や独立戦争に巻き込まれたヨーロッパ系の植民者たちの救出を行い、暗躍して来た組織で、CIA、モサド、MI6は、実はこの組織のメンバーが設立しており、三つの組織の母体となった。

指揮官は、創設者であるパーシー・ブレイクニーの子孫である、ブレイクニー公爵家の当主が代々ついており、他にもデュハースト家、フォークス家、サン・ジュスト家と、かつてスカーレットピンパーネルを創設した始まりの9人のうち、長い歴史の中で断絶しなかった、4家が組織の中枢として統括して居る。
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