プリズマ☆イリ『ア』   作:四脚好き

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キス魔襲撃

教室

────────────────────────―――――――――

 

 

「やっぱ難しいな……」

 

 口の中で2、3本に舌を分割したり、小さな触手を構成すれば簡単に結べるけど。舌一本でサクランボの茎を結ぶのは無理があるんじゃないだろうか。いや、でもキアラ先生は出来てたし……。そもそもどうしてこれが出来ると女の子が喜ぶかも教えてくれなかったし。多分出来たら教えてくれるんだろうけど。

 

「おはよー」

「おはよう」

 

 あ、イリヤと美遊だ。二人そろって登校とは相変わらず仲の良いこと――――ん?

 

「「「イリヤァァァァッッ!!」」」

「はい!?」

 

 お、なんかあったか? 雀花、龍子、那奈亀の三人が大声を上げて突撃する。……そういや、美々はどこだ? 4人そろってないとは珍しい。

 

「てめこらどういうアレだオアーッ!?」

「え!?」

「まさかとは思ったけどイリヤやっぱ……!」

「え!?」

「あんたの性癖は自由だけど人を巻き込まないでくれる!? 私のッ! 私の初めてはなぁ!」

「え!?」

 

 なんかすっげぇイリヤが詰められてる。那奈亀があそこまで動揺してるのは珍しいし、雀花の熱く成り様もなんか凄まじい。余りの珍しさに教室の注目が集まってる。

 

「なに!? なんの話!? わたしなんかしたっけ!?」

「「「なんか……だと……」

「え……」

 

 あ、なんか地雷踏んだかイリヤ? 流石にヤバい雰囲気を感じたので席を立ちあがりいつでも動けるようにする。

 

「「「人に無理矢理チューしといてすっとぼけんじゃねぇーーーッ!」

「はーーーーっ!?」

 

 あー、タダの修羅場か。確かにイリヤはそっち側っぽい雰囲気あるよね、ずっと美遊と手を繋いでいたり、最近は家まで起こしに来てもらってるそうだし。もうそれは通い妻じゃん。

 

「ちゅー……? 無理やり……? 3…4マタ……?」

「美遊、誤解しな……今なんで3から4に増えたの!?」

 

 そりゃあ、自分を足したんだろうよ。ん? 無理やりチュー……? ……ふーん、そう言うことかな? 索敵開始……反応アリ、屋上か。

 

「ちょ、ちょっと待ってみんな……!?」

 

 イリヤが雀花たちに追い込まれてるのを放置して俺は屋上に向かって走り出す。教室に残ったクラスメイトから『いや、お前のグループのもめごとだろ、なんとかしろよ!?』的な視線を向けられるが知ったこっちゃない。俺はこの騒ぎの元凶を止めに行くんだ。教室の騒ぎは我慢してほしい。なんの目的かは分からないけどすぐに止めないと被害者は増え続けるし、なにより……。

 

「凄い……もやもやする」

 

 反応を追って屋上へと足を進める。階段を駆け上がり、音を立てないように静かに屋上への扉を開く。そして反応の位置に従ってゆっくりと屋上の隅を覗き込む。

 

「イリヤちゃん、急に屋上に来て欲しいだなんて何かあったの?」

 

クロエ

 

「ふふ、ごめんね美々。でも大切なお願いがあるの。ねえ、もう少しこっちによって?」

「う、うん?」

 

クロエ

 

「きゃっ!」

「壁ドン、しちゃった♪」

 

クロエ

 

「はーっ、はーっ……。ねぇルビーこの騒ぎって……」

《昨日の今日ですからね。それにほら当たりみたいですよ》

「あ、れ、レイ何見て……っ!?」

《おー、これはこれは今まで見た事ないくらい怖い顔ですよレイさん。最近泣いたり怒ったりとレイさんの珍しい表情を見てばかりな気がします。それにイリヤさん、レイさんの視線の先》

「い、イリヤちゃんどうしたの? なんか、怖いよ?」

「ふふ……でも逃げないのね美々は」

 

クロエ 

 

「やっぱりクロだ……。昨日はお兄ちゃんに抱き着いて男の人がどういうことすれば喜ぶか聞き出そうとしたりいったい何が目的なのよアイツはッ!」

《なんか着々とイリヤさんの生活が壊されていきますねー》

 

クロエ

 

「表じゃ優等生の顔して……でも本当は好奇心いっぱい。いけないことにも興味があるんでしょう?」

「イっ……イリヤちゃ……あっ――」

「ちゅー……っ!」

 

クロエ  

 

「んんッ……! ~~……ん゛ッ!!」

 

クロエがちゅーしてる。……俺じゃないだれかに。嫌だ、凄く嫌だ。

 

《レイさん、その表情で静かに涙流さないで下さい! 普通にジャパニーズホラー案件です!》

「ふぅ……んー……やっぱり一般人じゃ何人吸ってもあんまりたまらないなぁ」

「この……名誉毀損変態女ーッ!」

「おオッ!?」

 

 イリヤがクロエに蹴りを叩き込み、イリヤの存在に気が付いていなかったクロエはモロに蹴りをくらい、屋上のフェンスにぶち当たる。

 

「美々!? 美々大丈夫!? き、気絶してる……」

「急な魔力低下によるショック症状よ。すぐに治るわ」

 

 イリヤは気絶した美々の介抱をしていてクロエが美々の症状を解説する。……まだ俺には気づいていない。気が付いてくれない。そっとクロエの背後に回る。

 

「魔力低下……?」

《ははー、なるほど。単なるキス魔かと思っていましたが魔力を吸い取ってたんですねー。そう言えば昨日もレイさんにそんなようなこと言ってましたね。……なんとなくですが貴女の正体が掴めてきましたよ》

「勘の良いステッキね。ま、そういうこと昨日の戦闘でちょっと使いすぎちゃったからねー。補給してたの。んー、できれば美遊ともしてみたいなー、相性も確かめてみないといけないし。でも凛やルヴィアは後が怖そうだし……」

 

 そこで俺の名前は出してくれないんだ、クロエ。そっか……そうなんだ……。あぁ、すっごいモヤモヤする。ムカムカする。

 

「魔力を溜めてどうするつもり? いい加減にして! あなたが現れてからロクなことがないわ……これ以上私の日常を壊さないで!」

「……与えられた日常を甘受してるだけの癖に。悪いことは全部私のせい、分かりやすくて良いわね」

「ルヴィアさんの家に戻って! 言うこと聞かないなら……」

「力ずく?  あなたにそれが出来るのかしら?」

 

 クロエの言葉についにイリヤはルビーを手に取り変身しようとする。その前に、

 

「イリヤ、変身しなくていい」

「え!? レイ、いつの間に!? きゃっ!?」

 

 クロエの正面に回り、恐らく剣を投影しようとしていた手を掴み、反対の手をクロエの腰に回してしっかりと抱きしめる。

 

「レイ、いつからいたの……?」

「美々を誘う所から……」

「え。も、もしかして……」

「凄いモヤモヤする。こんなの初めて……だからやりたい用にする」

「や、やりたいようにって一体ど――――ンむっ!?」

 

 唇を合わせる。ずっとずっと合わせる。けどモヤモヤは一行に消えてくれない。……思いだすのはクロエにされたさいしょのキス。……アレがしたい。

 

「ぷはっ、レイ……もしかして嫉妬とちゃった?」

「……」

「もぅ、可愛いんだか――ぁふぇ? ふぇい(レイ)?」

 

 どうしたらアレが出来るのかと思って一度唇を離したら丁度良くクロエが口を開いてくれた。今までクロエの手を掴んでいた手を離してクロエの顔に添えて口を閉じないように親指をクロエの口の中に入れる。あの時クロエは舌を俺の口のなかに入れて舌どうしを絡ませようとしてた。一旦あの時のクロエと同じようにやってみる。

 

「ンへぇッ!? ひぇい―――ッッ! あ♡ ん゛ん゛!」

 

 ……意外と舌を起用に動かさないといけないな。ん? ……あ、だから舌で茎を結ぶ練習をさせてたのか! ……え、こんなことさせようとしてたのキアラ先生。 ……ちょっとばかり自分の先生の思考回路が心配になったが役に立っているのは本当だ。……なら、もう少し効果的になるようにちょっとズルをしよう。

 

「れちゅ♡  んぁ♡ あ、舌―――増え? んー―ッッ♡!」

「わ、わわわわわ」

《うわ、エッグいですね。これが数日前初チューで泣いてた小4の姿とは思いたくないですね……》

 

 ああ、なんかクロエの声を聞いていたらドンドン自分の中のモヤモヤが消えていく。……もっと聞きたい、もっと聞かせて欲しい。……成程、俺に初めて会ってキスをしていたクロエもこういう気持ちだったのかもしれない。離れようとするクロエの腰を回した手を引っ張ることで自分の腰と密着させる。とくに燃えてもいないはずなのに、クロエと触れてる部分がとっても熱くて気持ちがいい。もっと触れたい、もっと聞きたい。

 

「ん゛ん゛ん゛ッ♡!?」

 

 キスをしていてある部分に舌を当てると時折クロエの声が大きく成ったり腰が大きく跳ねるように動くときがある。なんだかその動きと声をしているクロエがとても見たくなって、その部分をより効率的に弄れるように、色んな触り方が出来るように変異、適応、進化する。勿論、クロエが一番欲していた魔力を注ぎ込むのも忘れて居ない。……クロエの中の魔力を俺のものにしたい。俺の魔力だけにしたい。美々のも龍子のも那奈亀のも雀花のも全部出せ、出せっ!

 

「ん、ふっ♡ く、ふっ、ふっッ♡ あ、れ――、い♡ ッッ―――♡♡」

 

 一際大きくクロエの身体が震えてガクリと身体から力が抜ける。ふらふらと倒れこむクロエの身体を支える。なんだか分からないけど今のクロエを見ているととても満足感があって、胸の中にあったモヤモヤも消えた。

 

「……ふふ」

 

 ぎゅっと彼女を抱きしめる。キアラ先生には感謝しないと、先生の教えは正しかった。目前のクロエは少しだけクタッとしていて疲れているがその表情は本当に喜んで(堕落して)いる。そんな彼女が本当に愛おしい。

 

「れ、レイ……?」

「あ、イリヤ。ほら、クロエ捕まえたよ?」

「いや、あのそ、そうなんだけどね……?」

 

 なんかクロエは暫く力が抜けて動けないみたいだから騒動ももう起きないし、ルヴィアさんに連絡すれば今の内に連れて帰れるんじゃない?

 

「イリヤー! ここかぁー!?」

 

 そんな時勢いよく扉が開く。美遊と雀花たちだ。……何故に藤村先生も?

 

「え、え! なんでイリヤが二人も!」

「ごめん、イリヤ。抑えきれなかった」

「と、というか、レイはなんで片方のイリヤを抱きしめてんだー!!?」

 

 なんだかふわふわしたいい気分だったんだけど、急に冷めちゃった。

 

「イリヤちゃんが二人いるわけないわ! どっちかが別人……部外者でしょう!? どういうことか説明しなさい!」

 

 あ、そういうことか、確かに学校に部外者がいるなら先生として動かない訳にはいかないよね。

 

「そして私とキスした方は謝罪と賠償をー!」

 

 クロエ 

 

「あばばば、どうしよう美遊!」

「サファイア、記憶消去とか……」

《できなくもないですがあまりお勧めは……》

 

 イリヤと美遊はどうにかして雀花たちを落ち着かせようとしている。の割には最初に出てくる方法が記憶消去なあたり大分魔術師方面に染まってきた感あるな。

 

「こほん!」

 

 今まで倒れこんでいたクロエが立ち上がって雀花たちに向き直る。

 

「皆さん、お騒がせしてごめんなさい。私はクロエ・フォン・アインツベルン。イリヤの従妹です。来週から転校してくる予定なのでその下見に……と思ったんですがちょっと挨拶が日本じゃ過激だったみたい。みんなごめんね」

「んっ、な……っ!」

 

 そうやって乗り切るのか。……うん、イリヤが絶句している以外は問題ないと思う。

 

「イリヤに従妹がいたのか……。すご……まるで双子じゃん」

「がっ、外国じゃいつもこんなチュッチュしてるのか!?」

「えぇ、そりゃもちろん」

「マジでか!?」

 

 しかし、来週から転校なんて言いきってるけど、色々手続きとかどうするんだろう。でもまぁ、それよりも。

 

「クロエ、帰ったら少しお話しよう? またモヤモヤしてきちゃった」 

 




 キス魔(が)襲撃(されてる)

 おうこら! 変化と進化、適応の能力でデストロイアと張り合えるわけねェだろ!?
 クロエ、君がレイ君の獣を呼び起こしたんだよ。
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