プリズマ☆イリ『ア』   作:四脚好き

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第五特異点 集う英霊

霊脈 キャンプ地

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 ジェロニモさん主導で各地のサーヴァントを集めようということになり、僕たちはアメリカを歩き回った。

 途中、ラーマさんを抱えたままなのにナイチンゲールさんが敵に向かって突撃を始めたり、ケルトの戦士、フェルグス・マック・ロイと交戦したり、シータさんの居場所が判明したりと色々あったけどアーチャーのロビンフッド、ビリー・ザ・キッド。そしてランサー、エリザベート・バートリー。セイバー、ネロ・クラウディウスと多くのサーヴァント達と合流することに成功した。

 それから丁度近くに霊脈のポイントがあるということで召喚サークルを設置して拠点を設置、日も落ちてきたし人間であるマスターの為にここで一休みすることになった。

 

「にしても……」

 

 ネロさんにエリザベートさん……なんてまたキャラが濃い人たちなんだ。たぶんキャラの濃さならエジソンにも負けていないぞ。……顔面ライオン大男に負けないインパクトを出す人間って一体……。

 

「夜は冷えるし、今の内に薪を集めておくよ。問題ないかい?」

「ああ、まだ彼らの勢力範囲でもない。立香が冷える方が問題だろう」

「オッケー、ロビンも手伝ってよ」

「あいよ」

 

 ビリーさんとロビンさんがそう言って立ち上がる。薪集め……! 

 

「あ、あの! 僕も行って良いですか?」

「ん? ……よし、良いぜついてきな。ただまぁ森の中は迷いやすいからしっかり付いてこい」

 

 僕の言葉にロビンさんはマスターの方を見る。するとマスターは笑って頷いてくれる。それを見たロビンさんはついて行くのを許可してくれた。キャンプの為の薪集め! 前からやってみたかったし、頑張って沢山集めよう!

 そうしてロビンさんについて森の中を進んで薪になりそうな木があれば広げた翼の上に乗っけてドンドン集めていく。

 

「……便利だなその翼」

「はい!」

「けど、選ぶ薪はそれじゃダメだぜ坊主」

「え?」

 

 暫く薪を集めているとふとロビンさんが僕の翼の中の薪に目を向けて指摘してくる。……なにかダメだったかな?

 

「大きくて重いから一度火が点けば長い時間燃えると思うんですけど……」

「坊主の拾ったそれは生木ってな、まだ中に水分やらが残っちまってる状態なんだよ。そうなると火は付けにくいわ、煙ばっかり出るわで苦しくて仕方がない。だからほら、こうして軽くて簡単に折れる枝の方が良いんだよ」

 

 そういってロビンさんに渡された枝は確かに軽くて乾燥しているのか綺麗に折れた。……へぇーこういうのが良いんだ。

 

「狼煙をあげてェって言うなら坊主の選んだ木も悪くは無いんだがな」

「狼煙!」

「はいはい、今日はただの焚火だから目を輝かさんな」

 

 その後はロビンさんに森での戦い方やサバイバル術を教えてもらいながら薪を集めて火起こしも体験した。魔術なら直ぐにつくけどこういう昔ならではのやり方ってワクワクしてとっても楽しかった。カルデアからの物資やこのアメリカで調達した食材を使ったビリーさんのアウトロー飯やジェロニモさんの部族飯を夕食に食べて日はすっかり落ちた。

 夜になるとこれからのことを話すらしくジェロニモさんに呼ばれる。

 

「我々の勝利条件はただ一つ。特定のサーヴァントを探し当て、それを打倒することだ。やはりここは暗殺しかない。ケルトの本拠地であるワシントンまで潜入、そしてサーヴァントの首を獲る」

「んー、でもそれ、大丈夫なの? 相手は一人じゃないんでしょ?」

 

 ジェロニモさんの言葉にエリザベートさんが疑問を投げかける。その言葉にジェロニモさんは深くうなずいた。

 

「竜の娘よ、確かに君の言う通りだ。首都は最も防備が固められた場所だ。そこへ潜入して暗殺というのはアサシンでも難しい。本来なら、な」

 

 お?

 

「と言うと?」

「まるで今回は違うみたいな言い方」

「ケルトの戦士たちは極めて好戦的だ。そして侵略のデタラメさからも、彼らはおのおのが好き勝手動いてることが理解できる。つまり―――」

「ケルトの戦士たちにとって首都の防衛は重要視するものではない、と?」

 

 マシュさんがジェロニモさんの後を察して口に出す。……え、そんなことあるの? 

 

「そう睨んでいる。彼らにとって城は住処であって守るべきところでは無いのだろう。彼らが重く見るのは戦士としての力のあり方、全体より個を尊重する社会形態だ」

「あー、納得。城の設備を盛るんじゃなくて、手前の力があれば良いって考え方か。均等な兵力、数を武力とするエジソンとは真逆の考えだわな。そりゃあ城は手薄になりますわ」

 

 嘘でしょ。マジか、ケルトヤバいな……。そりゃぁ強い戦士は生まれるだろうけど民族として限界が来るでしょう……。

 

「ああ、だが、これは賭けだ。西部を守り切る手段が我々には無い。土台の兵力が圧倒的に違う以上、賭けにでなくては」

「うーん、確かにドン詰まりだね。あまり賛成できないけど、これ以上に良い良案はないと思うし僕は構わないよ」

 

 ビリーさんが銃をクルクルと回しながらそう答える。……カッコいいなあれ、後で練習してみよう。

 

「勝算は低くとも、勝ち目があるだけめっけもんだ。一点賭けとか、恐ろしくて足が竦むけどねぇ」

 

 ロビンさんがやれやれと頭を振った後に笑って見せた。

 

「余とランサーもそれで構わぬぞ」

「そうね。あたしたちは忙しい身なんだから手早く終わる分こしたコトはないわ」

 

 ネロさんとエリザベートさんが快活に笑う。

 

「治療は根本から行わなくては意味がない。ワシントンが病巣なら、そこを切り取るべきです。……ただしまずはこの患者の治療を優先したいのですが」

 

 そう言ってナイチンゲールさんはラーマさんの方に視線を向ける。一方のラーマさんは寝かされたまま此方に顔だけ向ける。

 

「余は大丈夫と言いたいところだが、暗殺では役に立たぬどころか足を引っ張るだけか」

「ああ、そこでだ。私としては、部隊を二つに分けたい。一方はラーマを治療する為、ナイチンゲールと共に彼と繋がりのあるサーヴァント、シータを探す。もう一方は東部へと潜入。暗殺を敢行する。……暗殺任務は危険度が高く、失敗する確率も大きい。まとめて向かって全滅だけは避けねばならない。私としてはマシュ、立香にナイチンゲール、ラーマと共に向かって欲しいのだが。どうだろうか?」

 

 あれ? 僕は……。

 

「私たちですか?」

「ああ、君たちは最後の一手だ。我々が首尾よく、彼らを抹殺できればそれでよし。出来なければ後を託す。レイ、キミは我々と共に暗殺に向かって欲しい。君は見た所自前で魔力を作り出しているな」

「はい」

「君の魔力はとても膨大だ。我々はマスターを持たない。それ故に一度に使える魔力が限られている。暗殺の成功確率を上げる為にその魔力を我々に分けて欲しい。そうすれば我々も全力で宝具が使える。そして暗殺が失敗したとしても君なら死なずに済む。確実に立香に情報を持って帰れる。違うか?」

 

 真剣な表情で僕を見るジェロニモさん。確かにそう考えれば僕は暗殺側の方が良いだろう。

 

「やれます」

「……先輩。私はマスターの指示に従います」

 

 僕が返事をするとマシュさんはマスターの意思を確認する。マスターは少しだけ考えた後頷く。

 

「ジェロニモの案で行こう」

「よし、頼むぞ。さて、バランスを考慮すれば……あともう一騎ほど向こうに合流した方が良いな」

 

 再び全員の戦力バランスを考えこむジェロニモさんにマスターはにっこりと笑って見せる。

 

「そう言うことなら大丈夫! 召喚サークルも確立できてるしカルデアから戦力補充が出来るよ! ドクター、今何人呼べる?」

 

 マスターが通信機に呼びかけるとすぐにドクター・ロマニが返事をする。

 

『今の立香ちゃんの魔力なら二騎……いや、レイ君は立香ちゃんの魔力を消費してないんだっけ。なら三騎呼べるよ!』

「おっけー! そしたら……私たちに二騎、暗殺側に一騎かな。暗殺側はレイに魔力パス繋いでもらえば良いし。出来る?」

「勿論」

「よぉーし、それじゃあ……」

 

 そう言ってマスターは召喚サークルに向かって手を伸ばしてカルデアからサーヴァントを呼び寄せる。

 

「キャスター、玉藻の前! マスターに呼ばれてビビッと参上!」

「ランサー、ブリュンヒルデ……ご命令を……マスター」

「レイ!」

「むごぉッ!?」

 

 召喚サークルから現れたのは玉藻の前さんにブリュンヒルデさん、それからジャック・ザ・リッパーの三人だった。ただ前者二人がマスターの前に近づいていく中もジャックだけが僕の方に走ってきてジャンピングハグされる。セミか!? セミなのか!? あと身長差が無いせいでその抱き着き方は割かしキツイ! しっ、尻尾で支えないとグラつく。

 

「な、なに、どうしたのジャック!?」

「……いたくない?」

「ん?」

 

 なんか仕切りに顔の右側をペタペタ触られる。ん? んん?

 

『あー、レイ君。実はいまカルデアで待機中のサーヴァントやスタッフたちでルビーが作成した君たちの戦いの記録の上映会をしていたんだ』

「はぇ!?」

『それでジャックは君が丁度黒いセイバーに切り伏せられたところまで見てそちらに呼ばれたんだ』

 

 僕が混乱しているとドクター・ロマニが説明してくれた。あ、あれいつの間に完成してたんだ。というか、上映会!? そんな恥ずかしいことしてるの!? く、黒いセイバーに切られたって……あぁクラスカード回収の時の……。

 

『君、カルデアに戻ったら覚悟しておいた方が良いぜ~』

「だ、ダ・ヴィンチちゃん!? なに、ボクは何されるの!?」

『数多の英雄からお褒めとお叱りの言葉のあともみくちゃにされる。あと食堂組から帰ってきたら好きな物を作ってやるってことだからリクエストがあったら早めに行ってくれたまえー』

 

 ええ……今のカルデアそんな事になってるの?

 

「僕はそのときそのとき、クロエや僕自身の為に出来ることやって来ただけでそんな褒められるようなことしてないと思うんだけどな……」

「ダメ」

「ジャック?」

「レイはすっごく頑張ったの。だからレイのこと悪く言うのはレイでも私たちが許さない」

 

 よりキツくジャックに抱きしめられる。う、うぐっ、呼吸の必要はないけど喉が閉まるのは単純に不快だ。首に掛かるジャックの足をタップして緩めて欲しいことを伝える。……伝わってない!

 

「ではこれで決まったな。私、ロビン、ビリー、ネロ、エリザベート、レイ、ジャック。これが東部へ暗殺に向かう部隊」

 

 え、こ、このまま!? 僕このままで話を続けるんですかジェロニモさん!?

 

「そしてナイチンゲール、ラーマ、マシュ、玉藻の前、ブリュンヒルデ。そしてマスターである立香。こちらがシータを救出にアルカトラズ島へと向かう組。問題ないな、マスター?」

「うん。問題ないよ。ジャック、もし逃げることになったら情報抹消のスキルお願いね」

「うん、マスター(お母さん)

 

 あ、マスターもスルーですか! だれか、誰か助けてくれませんかね。

 

「それでは、出発は明日の朝としよう」

「通信機をお渡しします。再集合の際は、これで待ち合わせ場所を決めましょう」

「ああ、では、今晩は十分に英気を養ってくれ」

 

 あの! 英気養えなさそうなんですけど! 誰か、誰かこの子を止めてくれませんか! おーい!

 




 すまんな、フェルグスの兄貴……。

 それはそうとしてお知らせなんですけど多分他の特異点攻略は執筆しないか、ダイジェストで飛ばしていくかになるかもです。グランドオーダ『ァ』編はあらすじにも書いてある通りイチャイチャ、ギャグの方がメインなのでいま第五特異点の話書いているんですが『なんか書きたいものと違うなー』と感じているので。
 第五特異点が終わったら一気に時間が飛んでノウム・カルデアかアフター・タイムまで飛ぶかも……。じゃないとアルビオンの登場とかどれだけ先になるか……。
細かい特異点攻略はまぁ……おいおいねー。
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