プリズマ☆イリ『ア』   作:四脚好き

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悪魔の兵器

鏡面界

────────────────────────―――――――――

 

 

接界(ジャンプ)完了!一気に片をつけるわよ!」

「二度目の負けは許しませんわよ!」

「「了解!」」 

 

 前回の敗北から一日。再び俺たちは魔女の鏡面界へとやってきていた。今日は最初っから擬獣化形態だ! 翼を広げ一気に空へ飛び立つ。

 

「来るかッ!」

 

 突出した俺に向かって幾つもの光線が向けられる。体表に魔力を回して少しでも硬化させる。上昇を一度ストップして翼で体を包み更に防御力を上げる。意識は身体の再生に集中させてッ! 魔女が杖を振るう。それに合わせて幾つもの魔力弾が放たれる。

 

「ッ!」

 

 昨日と同じよう、いや昨日以上の弾幕が押し寄せるそれでも咄嗟の対応しかできなかった昨日と違って今日はしっかり準備して来てる。そう簡単には落ちないよ! 翼に穴が開く、弾幕はまだ止まない。体の表面が削られる、弾幕はまだ止まない。

片目がやられた、まだ止まない。腕の感覚が無くなる、まだ。再生が遂に追いつかなくなってくる、止まない。けど、一発も背後には通さない! そして、弾幕は

 

「止まった!」

「行くよ、ルビー! 全速力で!」

《行けますか、美遊様?》

「大丈夫」

 

 俺の掛け声とともに背後から二つの影が跳び出す。イリヤと美遊だ。イリヤは中々のスピード出てるし美遊は……。へぇー、魔力で足場を作ってそれを使って跳んでるのか……。頭が固いままの美遊が跳べるようになったのか不安だったけどそういう方向で落ち着いたんだ。

 

《このまま魔法陣の上まで飛んでください!! そこなら攻撃は届きません!!》

 

 前回の戦闘で分かったけど、あの魔女は敵を補足すると全ての魔法陣からの一斉攻撃で殲滅しようとする。そして一斉攻撃の後には次の攻撃まで若干のクールタイムが存在する。だから最初の攻撃を俺が受けきってクールタイムの内に魔法少女たちを安全に魔法陣の上へと到達させる。それが今回の俺の仕事だった。そしてその目論見通り魔女は上昇してくる魔法少女たちに対応できず上空への到達を許した。

 

「そして注目が逸れれば僕の再生も追いつく!」

 

 傷だらけの身体も攻撃さえなければしっかり再生できる。そうして復活した俺は落下中だった体勢を整えて再び上昇する。

 

《低威力で構いません、距離を保って撃ちまくってください!!》

「うん!!」

 

 魔女は接近してきた魔法少女たちの迎撃に集中しておりこちらに気が付いていない。弾幕を張って再び意識をこっちに向けさせる! 

 

「ガンドォッ!」

 

 凛先輩譲りのガンドを両手を使って所謂グミ撃ちをする。それに合わせてイリヤも大きくステッキを振りかぶる。

 

「中くらいの……散弾!!」

 

 俺のガンドにイリヤの散弾。流石に回避の隙間が無くなり防御に回る魔女。その背後に足場を蹴って加速した美遊が急接近する。凄まじい移動速度。魔女は咄嗟に反応できない。美遊を警戒していたとしても―――瞬きする暇もなく、呼吸する暇もなく、俺の視界の中で、美遊は、その表情を変えないまま、ランサーのカードをインクルードして……。

 

「は?」

「消え……」

 

 突如として魔女の姿が消えた。うっそだろ、そんなんアリかよ! というかどこだ、何をした!? 

 

「美遊さん、後ろ!」

 

 イリヤの叫び声が聞こえて美遊の後ろに視線を向ける。そこには大きく杖を振りかざす魔女が! 

 

「避けろ!」

「っ、キャアアァッ!」

 

 魔女の杖から放たれた電撃を美遊はまともに喰らい、冬木大橋の方へと吹き飛ばされる。吹き飛ばされた美遊が直ぐに動かない。どこか負傷したか!? まずっ! 高度が下がったからか! 再び魔法陣の照準が美遊の方に向かう。

 

「間に合うかっ!?」

「逃げなさい美遊! そんな集中砲火を受ければ障壁ごと……!」

 

 間に合うか!? 全力で降下して美遊の方へと向かうがスピードが足りない! どんどん魔法陣の光が強くなり幾つもの光線が放たれる。間に……合わな……い? 視界の中の景色がスローになっていくのが分かる。決して追いつけない光線、届かない手、全てがゆっくりと見える。

 そんな中一つだけ素早く動く光が見えた。

 

「イリヤ……!」

 

 イリヤは光線が美遊に当たる直前、彼女を抱え上げて再び飛翔、いっきに魔法陣の上へと戻って見せた。なんだあのスピード……。っておい!

 

「上空でお喋りタイムかよ! しょうがない! 魔女さん、少し僕と遊んでもらいます!」

 

 イリヤが美遊を抱えたまま何かを話してる。作戦会議なら嬉しいがどうなんだろうな? ともかく二人が話し合う時間を稼ぐため魔女に対して陽動をを仕掛ける。

 

「レイ、お待たせ!」

「どうすればいい? というかイリヤが前?」

「うん。任せて! ひとまずレイは私と一緒にもう一回弾幕係お願い!」

「おっけー」

 

 イリヤの作戦に従って再び弾幕を張る。しかしのままだと前と同じ結果になるが……というか美遊どこ行った?

 

「極大の……散弾!」

「うおっ!?」

 

 イリヤが放った散弾は先ほど以上の広範囲に攻撃を加えた。それに加えて上から撃ちおろしたことによって反射平面に魔力弾が弾かれ再び上空へと向かってくる。一瞬にして上空は魔力弾で埋め尽くされる。転移する空間が無くなったことで魔女の動きが止まった。成程、これなら! 

 

「弾速最大……狙射(シュート)!!」

 

 あ、そんなところに居たんだ。動きが止まった魔女に対して更に上空に待機していた美遊が一撃を叩き込んで魔女を地面に叩きつける。あれは……まだ生きてるな。

 

「やった!」

《まだです! ダメージを与えましたが致命傷ではありません! 早く詰めの攻撃を!》

「必要なさそうだよ」

 

 ルビーの焦ったような言葉に俺はそう返す。地面に落ちた魔女へと駆ける二つの影。

 

Zeichen(サイン)! 爆炎弾7連」

Anfang(セット)! 轟風弾5連」

「「炎色の荒風(ローターシュトゥルム)!」

 

 ルヴィアさんと凛先輩が即座に高火力な魔術を使用して魔女は一気に火に包まれる。流石に大量の宝石を使っただけあって火力が凄いな。轟々と燃えてる。……ちょっと飛び込みたくなってきたな。炎の中心とかいったい何度くらいなんだろう……ん? 炎の中心に……何も見えない。人影、というか人だったものぐらいはないと可笑しくないか? 

 

「あ、魔法陣が消えた……ってことは」

《そうです! 我々の勝利です!》

《お疲れ様です、皆さま。見事な策でした》

「そうでもないよ。もし連続転移が可能だったら通用しなかった」

 

 イリヤとルビーが勝利を確信して喜び合っている。すると隣に美遊もサファイアと話しながら降りてくる。

 

「あ、美遊さん……」

「イリヤスフィール……」

「ごめん、遮る。本当にあの魔女倒したのか?」

 

 イリヤと美遊が見つめ合ってなんか友情関係築き雰囲気だったんだけどちょっとだけ遮らせてもらう。ダメだ、やっぱり違和感というか多分怪獣、獣の直感が終わってないと俺に伝えてきている気がしてならない。どうしても気になってしまい美遊にも確認をしてしまった。俺の言葉に不思議そうな表情で見つめ返してくる美遊。俺は黙って炎の中を指さす。

 

「あとはあの炎の中からカードを回収するだけ……ない?」

 

 美遊も気が付いたのか辺りを見回し始める。つられてイリヤもよく分かっていないながらも周囲を見回す。

 

「っ! アレ!」

 

 そしてイリヤが声を上げる。イリヤの指さす方を見れば三つの魔法陣を展開しているキャスター。今までの魔法陣とは似ても似つかない。なんだあれ?

 

「転移で逃げてた!」

「空間ごと焼き払う気よ!!」

 

 美遊の驚愕した声と凛先輩の声が聞こえてくる。成程、もろとも消えてやろうって魂胆か。

 

「そうはさせない」

 

 跳び出そうとしていた美遊の手を掴んで止めさせ、変わりに少し前に出る。

 

「何をしてッ「巻き込むから」―――巻き込む?」

 

 魔女らしく火に炙られて終わっていればよかったものを……。右手をキャスターに向けて伸ばし、手のひらを広げる。

 

「体内圧縮ミクロオキシゲン右腕部へ移動開始。充填……完了。魔力回路起動、魔力による補助バレル展開……」

 

 人の身でこれを放つには色々準備が必要で面倒極まりない。けど、俺にデストロイアの力があるなら、これ以上に高火力な武器は存在しない訳で、これ以上相応しい場もない。

 

「森羅万象、一切合切溶け堕ちろ! 平和望む人の業、悪魔の兵器ここに極まれり(オキシジェン・デストロイヤー・レイ)!!」

 

 手のひらから放たれる薄紫色の光線。それは真っすぐに飛んでいきキャスターの胴体にぶち当たる。瞬間、光線に含まれる極限まで微小化された酸素『ミクロオキシゲン』がキャスターの衣服、肌、内臓などを構成する分子の隙間に入り込み、結合を崩壊させ、全てを溶かし消滅させる。もしこれが普通のデストロイアならこうはならなかった。何故なら相手の英霊は実体化してるとはいえ、元はただの魔力の塊。分子なんて持ち合わせていない。けど俺はこの世界で魔力を取り込みながら進化してきたデストロイアだ。俺のミクロオキシゲンは()()()()()()()()。魔法陣も、魔術も、霊体(サーヴァント)すらも分解し、崩壊させる。

 

「終わりだな」

 

 最終的にキャスターは最後の魔術を発動させることは出来ず、被弾箇所から下の半身がドロドロに溶け堕ちて動きを止めた。完全に動作を止めたキャスターの身体が徐々に光ってカードへと変化する。

 

「……うし、もう飛び出しても大丈夫だよ!」

「分かった」

 

 俺がそう言ったのを確認してから美遊は改めてカードの元へと飛んでいった。

 

「あ、ゴメン、空中でカード化したからひらひら舞ってるわ。イリヤ手伝ってあげて。早くしないとカードが川に落ちる」

「わー! せっかく倒したのにそれはないよ! 美遊さーん、手伝うよ!」

 

 あんなひらひらしてたら足場を作って蹴って飛ぶタイプの美遊では回収しずらいだろう。自由自在に空を飛べるイリヤの方が絶対回収しやすい。

 

「何はともあれ……今度こそこれで2枚目のカードなんだけど……」

 

 ひらひら空を舞うカードに苦戦する魔法少女二人を見ながら考える。実際にキャスターは倒して目の前で見ているようにカードになった。なのに、なのにどうして今だに違和感が拭えないんだろう……。っていうか―――

 

「なんか、熱いんだけ―――熱い? (デストロイア)が?」

 

「レイ!?」

 

 あ、れ? 凛先輩、何を……驚い、て? なん、だ、これ? なんで、おれ、の、胸、剣生え、て……。あつい、どう、―て 再生で、き――ない?

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)

 




色々チートと化していたレイ君ですが、明確な弱点があります。それが神造兵装です。
 デストロイアの熱耐性をぶち抜くバーニングゴジラの熱戦。もしそれに匹敵する一撃を放てるとしたら星もしくは神によって作られた宝具、神造兵装しかないでしょう! 
 ということでほい、神造兵装(エクスカリバー)あげようね~。まあ、大ダメージを与えられるというだけですがね。
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