二人目の護衛(更新停止中)   作:ヨシュア13世

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投稿用に手直ししてからの投稿です。

さて、今回はネギ君登場回です。時間の変化がほとんどありません……。




子供先生現る

「やばい、やばいーっ! 今日は早く出なきゃいけなかったのに!! ――でもさ、青山君の時もそうだけど、何で学園長の孫娘のアンタが転入生やら新任教師やらのお迎えまでやんなきゃなんないの!?」

 

「あはは、スマンスマン」

 

「それを本人の目の前で言うのはどうかと思うのだが」

 

俺が共学化の試験生として男子中等部から女子中等部にやってきて約一月が過ぎ、俺はクラスにも慣れ普通に学校に向かっていた。

 

「学園長の友人ならそいつもじじいに決まってるじゃん」

 

「それは偏見にも程がある」

 

「そうやえアスナ。それに今日は運命の出会いありって占いに書いてあるよ?」

 

「え、マジ!?」

 

「ほらココ見て……しかも好きな人の名前を10回言って「ワン」と鳴くと効果ありやて」

 

「……」

 

実行する人間がいるのだろうか? いや、いるからそんな情報があるのだろうが、実際に目にしたくはないな……。

 

「マジっ!? 高畑先生高畑先生高畑先生(以下略)ワンッ!!!」

 

「……あはは、アスナ高畑先生のためなら何でもするわ。ホントにやるとは」

 

「さすがにそれはないと思うが」

 

「あんた達殺すわよ……?」

 

「お前が勝手にやった事だろうに」

 

はた迷惑な……。それに自業自得だろうに。

 

「あ、アスナこんなんもあるえ! 逆立ちして開脚の上、50m全力疾走して「ニャ―」と――」

 

「やらねえ!!」

 

「……」

 

「にしてもアスナ達って足速いなー。私ローラースケートやのに」

 

「脚力には自信がある」

 

足腰は基本だと小さい頃に教わり、ひたすらに鍛えられた部分。そうそう遅れを取るわけにはいかない。

 

「悪かったわね体力バカで」

 

「ん?」

 

そこに、小さい子供が俺達と同じ速度で横に並んだ。何でこんなところに子供が、しかも大荷物でいるんだ……? まぁ、現状考えられるとしたら魔法関係くらいか。

 

「あのー、あなた失恋の相が出てますよ?」

 

と、これまたいきなりとんでもない事を言い出した。神楽坂はさぞかしショックを受けるだろう。

 

「え、な、しつ……って、何だとこのガキ―!!!」

 

どうやらショックで頭がおかしくなってしまったようだ。子供相手にそこまで怒ることないだろうに

 

「うひゃあ!? い、いえ何か占いの話が出てたようなのでつい……」

 

この子供……風の魔法を纏っているって事はやはり魔法使いか。そうなると、ここには修業にでも来たといったところか? 学園長からして魔法使いだしな。

 

「どういうことよ! 適当言うと承知しないわよ!」

 

「い、いえ、かなりドギツい失恋の相が……」

 

「ちょっとおお~~~っ!!」

 

「相手は子供やろー? この子初等部と違うん?」

 

「初等部かどうかはともかく……神楽坂、子供相手に大人気ないぞ」

 

「あたしはね! ガキは大ッッキライなのよ」

 

神楽坂が子供の頭を掴み、体を持ち上げた。本当に大人気ない。その上魔法での身体強化もないのになんて馬鹿力だ。とても普通の女生徒とは思えん。

 

「ひ!?」

 

「取・り・消・しなさいよ~~!」

 

「おいおい……」

 

「あ、いや。あわわ」

 

「坊やこんな所に何しにきたん? ここは麻帆良学園都市の中でも一番奥の方の女子校エリア、初等部は前の駅やよ」

 

「そう! つまりガキは入ってきちゃいけないの。わかった?」

 

「は、放してください~っ!」

 

ジタバタともがく少年。しかし……少々探らせてもらったが少年ながら凄い魔力だな。まだ小さいとは言え、油断はしない方が良さそうだ。

 

「ほなウチら用事あるから一人で帰ってなー」

 

「じゃあねボク!!」

 

「……またな」

 

「いや、いーんだよアスナ君!!」

 

俺達が行こうとすると上から声がした……。どうやら高畑先生のようだ。

 

「久しぶりだねー、ネギ君!!」

 

「えっ」

 

「おはようございまーす」

 

「おはようございます」

 

対象と俺は上の高畑先生に挨拶をする。ふむ、高畑先生はこの少年と知り合いでこの少年はネギ、と言うのか。

 

「た、高畑先生!? お、おはようございま」

 

「久しぶりタカミチーッ!!」

 

「え、し、知り合い……!?」

 

「麻帆良学園へようこそ。いい所でしょ? 『ネギ先生』」

 

ほう、先生とはまた難題だな。……ふと思ったのだがこんな子供に務まるのか? 法律云々はここでは気にしない方が良いだろう。

 

「せ、先生?」

 

「あ、ハイ! ……コホン。この度、この学校で英語の教師をやることになりました、ネギ・スプリングフィールドです」

 

そう言ってお辞儀をするネギ少年。スプリングフィールド……? どこかで聞いたような……はて、どこだったか。

 

「え――っ!?」

 

「へ~」

 

「ち、ちょっと待ってよ! 先生ってどう言う事!? なんであんたみたいなガキが!?」

 

「まーまーアスナ」

 

「いや、彼は頭がいいんだ。安心していいよ」

 

いつの間にか高畑先生が下に降りてきていた。相変わらず気配を殺す人だ。俺の事を警戒しているのか……?

 

「先生……そんな事言われても」

 

「あと今日から僕に代わって君達A組の担任になるそうだ」

 

高畑先生の言葉に物凄くショックを受けている様子の神楽坂。……そう言えば、高畑先生のこと好きなんだったか? 恋心等の感情は良く分からないが……とにかくショックを受ける程の事らしい。

 

「そ、そんなぁ……。私こんな子嫌です。さっきだってイキナリ失恋……いや、失礼な言葉を私に……」

 

「いや、でも本当なんですよ」

 

「本当言うな! 大体私はガキがキライなのよ!! あんたみたいに無神経でチビでマメでミジンコで――」

 

「アスナ、いくらなんでもそれはー」

 

「少し言い過ぎじゃないか?」

 

「むむ~~~っ。ん、ハ……ハ……」

 

「ん? これは……」

 

このザワつく魔力の感覚……軽い魔力の暴走、か? しかもクシャミ程度で暴走するとは……。高い魔力を制御出来ていないのか?

 

「え? どうしたんこーちゃん」

 

「いや、別に何m――」

 

「はくちんっ!!」

 

轟音と共に神楽坂の服が脱げた。正確には風の魔法の暴走で吹き飛んだ、が正しいのか?

 

「な……!?」

 

「あ……」

 

「はうっ」

 

「……やれやれ」

 

あまりにも突然だったため、何が起こったのかわからない様子の神楽坂。まぁ……いきなり自分の服が脱げたら仕方ない。俺からしてみれば至極どうでもいい事にはなるが。しかし、それにしても気まずそうだな。

 

「キャ――――ッ、何よコレ―――ッ!!!!」

 

…………

 

………

 

……

 

 

「学園長先生!! 一体どーゆーことなんですか!!」

 

所変わって学園長室。学園指定のジャージに着替えた神楽坂が学園長を問い詰める。

 

「まあまあアスナちゃんや。ほほぅ……なるほど修業のために日本で学校の先生を。そりゃまた大変な課題をもろうたのー」

 

「「?」」

 

対象と神楽坂の二人は良くわからないという顔をしている。それもそうだ、魔法関係の事が一般人に分かるはずもない。

 

「は、はい。よろしくお願いします」

 

「しかし、まずは教育実習と言う事になるかのう」

 

「はぁ」

 

「今日から3月までじゃ。……ところでネギ君には彼女はおるのか? どーじゃな? うちの孫娘なぞ」

 

「ややわ、おじーちゃんたら」

 

そう言いながら金槌で学園長の頭を殴った対象。……今、どこから出した?

 

「こーちゃんどうかした?」

 

「……いや、大丈夫だ。問題ない」

 

「そうけ?」

 

「ああ」

 

きっと深く考えてはいけない類の物なんだろう。そうして疑問を心にしまい込み、再度学園長の方に目を向けると

 

「ちょっと待ってくださいってば!! だ、大体子供が先生なんておかしいじゃないですか、しかもうちの担任だなんて……!」

 

「お前俺の時にも同じような事言ってなかったか?」

 

俺の時と同じように学園長に詰め寄っている神楽坂がいたので思わず声を出していた。

 

「ネギ君や。この修業はおそらく大変じゃぞ? ダメじゃったら故郷に帰らねばならん。二度とチャンスは無いがその覚悟はあるのじゃな?」

 

「は、はい、やります! やらせてくださいっ!」

 

学園長の言葉に対し、ネギ少年は力強く返事をした。神楽坂は未だ不満そうだが、いつまでも文句を言うわけにはいかないだろう。

 

「……うむ、分かった! では今日から早速やってもらおうかの。指導教員のしずな先生を紹介しよう。しずな君」

 

「はい」

 

「む」

 

少年の顔は源先生の胸に埋まった。アレ、息が出来ないんじゃないだろうか?

 

「あらごめんなさい」

 

「分からない事があったら彼女に聞くといい」

 

「よろしくね」

 

「あ、ハイ……」

 

「そうそうもう一つ」

 

ふと思ったんだが、少年はどこに住むんだろう? まぁ、普通に考えて教員寮になるだろうが……。

 

「このか、アスナちゃん。しばらくはネギ君を部屋に泊めてもらえんかの。ネギ君はまだ住むとこ決まっとらんのじゃよ」

 

「げっ」

 

「え……」

 

「ええよ~」

 

なるほど。しかし……それはおかしな話だな。少年がここに来ると言う話は事前に連絡が来るはずだ。それなのに住処が決まっていない? どうも臭うな……。

 

「もうっ! そんな何から何まで学園長――っ!! 大体部屋なら青山君の部屋で良いじゃないですか! 男同士なんだし!!」

 

「そうは言われてものう……。ネギ君もむさくるしくい男子とより女子との方が良いじゃろう?」

 

「むさくるしくて悪かったですね……」

 

俺個人としてはどっちでも良い。それよりも学園長が何を隠しているかの方が気になる。

 

「え、あのその……」

 

「ええやんアスナ。この子かわえーし」

 

「ガキはキライなんだってば!」

 

「仲良くしなさい」

 

「ふんっ!」

 

「む~~!」

 

学園長にそう言われたものの……どうやら今の所仲良くする気はないみたいだ。

 

「一体どうなる事やら」

 

「う~ん。とりあえずおもろいからほっとこ~」

 

「……そうか」

 

まぁ……いいか。俺には直接関係あるわけでもないし。

 

「あの……」

 

「あんたなんかと一緒に暮らすなんてお断りよ!! じゃあ私先行きますから先生!!」

 

「あ……」

 

神楽坂は少年を睨み、先に教室に入っていき、対象もそれに続いた。

 

そうなると残されたのは俺と少年と源先生となる。

 

「何ですかあの人は~~?」

 

「ウフフ……あの子はいつも元気ですからね。でもいい子よ?」

 

「それは俺も保証しよう。少年が思っているほど嫌な人間ではない」

 

とても騒々しいが、悪い人間ではないのはここ一ヶ月程過ごして来た俺でも分かった。

 

「そうですかー?」

 

「ああ」

 

「あの、ところで君は……?」

 

まだ、名乗ってなかったか……? それならば挨拶しておくとしよう。あまり魔法使い相手に悪い印象を持たれても良い事はない。

 

「青山紅と言います。これからよろしくお願いします、先生」

 

「あ……はい! よろしくお願いします!」

 

返事をしてくれるとは思わなかったのか少年は嬉しそうに頭を下げた。……俺はそんなに失礼な人間に見えるのだろうか? 最低限の礼儀は心得てるハズなのだが……。

 

「それでは、俺はお先に」

 

「ハイッ!」

 

俺が教室に入ると、何人かが目を向けてきたのでおはよう、とだけ言っておく。

 

「青山君おはよー」

 

「おはようございますです」

 

「おはようございますー……」

 

「ああ」

 

「今日はちょっと遅かったね~、何かあったの? このか達は先に来たし」

 

「ちょっと、近衛と神楽坂と一緒に学園長室に行ってたんだ」

 

「今度入ってきたという教育実習の先生のお迎えですか」

 

「そう言う事になる」

 

あまり良い出迎えになった気はしないがな。主に神楽坂が原因で。

 

「どうだった新しい担任の先生は?」

 

「余程の事がない限り問題はないだろう。何かあればクラスの皆でサポートすれば良い」

 

「それもそっか」

 

そうやって話していると、教室の戸を叩く音がする。

 

「来たようだな」

 

俺が自分の席に着くのとほぼ同時に教室の戸が開いた。

 

「失礼しま……」

 

入って来た少年の頭上に落ちてきた黒板消し。だが……黒板消しは空中で静止した。少年よ……魔法は無闇に使ってはいけない。教室がざわついてしまっている。しかし数秒後、魔法を解いたのか黒板消しが落ちて直撃した。

 

「あらあら」

 

「ゲホゲホ。いやー、あははなるほど、ひっかかっちゃったなぁゴホ」

 

先ほどの事を誤魔化しながら入ろうとするが……誰だ、ドアの足元の所にロープを仕掛けたのは。

 

「へぶっ!? あぼ、あああああああ!? ぎゃふんっ!!」

 

少年が一歩を踏み出した瞬間、ロープに足が引っ掛かる。それからは目を覆いたくなる光景だった。上から落ちてきたバケツが頭にすっぽりとはまり、玩具の矢が刺さり、極め付けに転がりながら教卓に激突した。……これが原因で登校拒否にならないと良いが。

 

「……」

 

「あらあら」

 

源先生は苦笑いしていた。意外と反応が冷淡だ。目の前で先生と言えど、子供が散々な目にあったのに。

 

「「「「「あははははは!!」」」」」

 

「きゅう~~~~……」

 

「「「「「え、子供!?」」」」」

 

「君大丈夫!?」

 

「ゴメン、てっきり新任の先生かと思って……」

 

最初はみんな笑っていたが、罠にかかったのが子供だと分かると慌てて駆け寄る。いや、子供じゃなくてもダメだと思うぞ。

 

「いいえ、その子があなた達の新しい先生よ。さ、自己紹介してもらおうかしら。ネギ君」

 

手を叩き、クラスを鎮めながら源先生はそう言った。

 

「は、はい。ええと、あ、あの、ボク……ボク……、今日からこの学校でまほ……英語を教えることになりました、ネギ・スプリングフィールドです。3学期の間だけですけどよろしくお願いします!」

 

「「「「「「………」」」」」」

 

一瞬静まり返る教室。だが

 

「「「「「キャアアアッ!! か、かわいいい~~~」」」」」

 

全員一斉に叫び始めた。俺……少年じゃなくて本当に良かったと思う。下手したら今の少年みたく、現在進行形でもみくちゃにされていたかも知れないんだからな……。そんな末恐ろしい体験はしたくない。

 

「ねえ、あんたさっき黒板消しに何かしなかった? 何かおかしくない? あんた」

 

そんな折、神楽坂が少年に詰め寄っていた。さぁ、どうする少年? まずはお手並み拝見だ。このくらいは切り抜けてみせろ。

 

「いい加減になさい!! 皆さん席に戻って。先生がお困りになってるでしょう? アスナさんもその手を放したらどう? まぁもっとも? あなたみたいな凶暴なおサルさんにはそのポーズがお似合いでしょうけど」

 

「何ですって?」

 

雪広の一言に神楽坂がキレた。全く……俺としてはあの場で少年がどう切り抜けるか見たかったんだが……。

 

「委員長、何いい子ぶってんのよアンタ!」

 

「あら……いい子なんだからいい子に見えてしまうのは当然でしょ」

 

「何がいい子よ! このショタコン」

 

む? ショタコンって何の事だ? 後で対象にでも聞いてみようか。

 

「なっ!! 言いがかりはおやめなさい、あんたなんかオヤジ趣味のくせに! 知ってるのよ、あなた高畑先生のこと……」

 

「うぎゃー! その先を言うんじゃね――ッ!!!」

 

ついには取っ組み合いの喧嘩を始めた二人。……騒々しい。と言うか神楽坂は高畑先生の事は自分で公言しているような気がするのだが……人には言われたくないのか?

 

「はいはい、時間も押してるし授業しますよー。ネギ先生お願いします」

 

「は、はい……!」

 

さすがに緊張しているか。無理もない。何せ知らない人に囲まれ、更には好奇の目に晒されているのだからな。

 

「あの、え~~と……まず128ページの……の……の……。と、届かない~」

 

その微笑ましさからか、周囲からは笑いが巻き起こる。

 

「センセこの踏み台を……」

 

「あ、ありがとう委員長さん」

 

「支えて差し上げましょうか、センセ?」

 

「あ、いえそれはっ……」

 

つつがなく、とは言えないまでも普通に授業が進んでいく。しかしそれも続く訳もなく……。

 

「あいた」

 

……神楽坂? お前は少年に消しゴムのちぎりカスを当てて何がしたいんだ……?

 

「どうしたんですの?」

 

「いや、何か飛んできて……」

 

「……先生、それはあの女の仕業です」

 

「え、アスナさんが!?」

 

「あの女には近づかない方がいいですわよ」

 

「え、何で」

 

「あの女はバカのくせに体力は余ってて暴虐の限りを尽くし……粗暴で乱暴者の問題児で、おまけにスケベで淫乱!!」

 

雪広、声を潜めているつもりだろうが一番端の俺のところまで聞こえている……。聞こえるように言ってるのかも知れないが。特に最後の方。

 

「そ、そうなんですか? や、やっぱり」

 

「ええ。ですからお気を付け――ブッ!?」

 

神楽坂が投げた筆箱が雪広の後頭部に直撃した。それからまた喧嘩を始めた二人。授業、進まないな。

 

「あ……終わっちゃった……」

 

今日の授業のメインはあの二人の喧嘩だったな。少年も初日から大変だ。

 

「むむ……あいつ、やっぱり何でもなかったのかな――……」

 

「あんたらいつも元気やな~」

 

本当にな。俺が口を出すとロクな事にならない気がするから黙っておくが。

 

「それよりこーちゃん、アスナ。ちょっと買い出し付き合ってんか?」

 

「買い出し?」

 

「買い出しって何の?」

 

何か対象一人では買い物が出来ない理由があるのか……?

 

「ネギ先生、初授業はどうでしたか?」

 

「あ、タカミチ。それが大変でさ、あまり……わっ」

 

「た、高畑先生こんにちは!」

 

神楽坂が少年を押しのけて高畑先生に挨拶していた。まぁいい、今は対象の話が先だ。

 

「で、買い出しとはなんだ?」

 

「あ、うん。あんな――」

 

「え~~~タカミチのこと好きなんだー」

 

神楽坂と高畑先生のやり取りを見てそう言う少年。ほう、子供でもその辺の事は分かるのか。

 

「うるさいわね。大体なんであんたが高畑先生の知り合いなのよ、言っとくけどあんたの面倒なんてみないわよ。あんたみたいな奴が先生だなんて絶対、認めないんだから」

 

「あぅ……」

 

……落ち込んだか。神楽坂も子供相手なのだからもう少しマシな対応が出来ないものか?

 

「気にすんなや~~」

 

「近衛の言う通りだ。気にしない方がいい」

 

「うぅ……ありがとうございます」

 

少年と別れ、再び先程の話を聞く事にする。

 

「歓迎会?」

 

「うん。ネギ君の。で、みんなは準備で忙しいからこーちゃんとアスナに買い出しに付きおうて欲しいんやけど……」

 

「問題ない。大丈夫だ」

 

いざという時怪しまれないように、出来るだけクラスに関わっておく必要性もあるだろう。あくまで最低限、だが。

 

「えっとアスナは?」

 

「私は行かないわよっ! なんであんなガキの歓迎会なんか」

 

「でもアスナ、高畑先生にネギ君のこと頼まれとったやんかー」

 

「うぐっ……」

 

「俺の方は何を買いに行けば良いんだ?」

 

「んっとな……。あ、そう言えばこーちゃんは商店街行ったことあるん? 商店街では見かけたこと無いけど」

 

「以前、夜に食物を買いに行ったきりだ。それを踏まえると、ほぼ無いのと変わらないだろう」

 

実は夕方に行ったのだが、迷って結局着いたのが夜になっただけだ。それ以来、食事は学食で済ませている。

 

「うぅ……」

 

「そかそか、ほなウチがついてったるわな~」

 

「了解した」

 

「おー。で、アスナやけど……」

 

「……行くわよ、行けばいいんでしょ!」

 

渋々だが行く気になったようだ。

 

「こーちゃんの方はウチがついて行くからええとして、アスナはお菓子とか頼むわ~」

 

「分かったわよ。じゃ、行ってくるから!」

 

神楽坂はさっさと済ませたいのか、足早に出て行った。

 

「ほなウチらもいこか」

 

「ああ」

 

さすがに一人で来る時とは違い、無事に商店街まで出る事が出来た。

 

「それで、何を買うんだ? 神楽坂が菓子等だろう?」

 

「せやよ。だからウチらは……クラッカーとお皿と紙コップとジュースかなぁ」

 

「そうか」

 

「おし、ならどんどんいくえ~」

 

「……お手柔らかに頼む」

 




今回は……そうですね、地の文で主人公が各キャラに対して使う呼び方についてご案内しようかと思います。
一言で言いますと、呼び方の違いは主人公のそれぞれに対する認識です。
簡単に説明致しますと

木乃香→対象。護衛対象であるという認識から。
明日菜→神楽坂。友人と言っても言葉でしかそう捉えていないから(他のキャラも同様)。
ネギ→少年。偉そうな事にまだ未熟だと思っているから。
教師陣→○○先生。あくまで一学生を気取っている訳ですから。


大体こんな所になりますか。

では最後に、ここまで読んでくださった方、大変ありがとうございます。元気な時に鋭意手直し・執筆して投稿してまいりますので、何卒よろしくお願い致します。
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