二人目の護衛(更新停止中)   作:ヨシュア13世

5 / 13
何だこのサブタイトル。

えー、今回も時間が大して進みません。あまり文字数を多くしても読むのがしんどくなるかな? と思ったからです。そんな事ない、全然イケる! ってご意見等あればそのままどんっ、と投稿しようかと思います。

余談:UAが2000、お気に入り登録が20超えてて驚きました。こんなポッと出の作者を目にかけてくださって本当にありがたい限りでございます。


クリーニングと大浴場

「こーちゃん、ほな行こか」

 

「ああ」

 

「あれ、2人ともどっかいくの?」

 

放課後、教室を出て行こうとすると早乙女が話しかけてきた。

 

「昨日の歓迎会で制服にジュースを零してしまってな。今からクリーニングに出しに行く。近衛が近道を知っていると言うから付き添ってもらう事にした」

 

「近道知ってたら次から楽になるし、ウチは今日部活もなくて暇やしな~」

 

「へぇ~、それはそれは。っくぅ! あたしもついて行きたいのに原稿の締め切りさえなければ……!」

 

「……良く分からないが大変そうだな」

 

急に頭を抱えて唸りだした早乙女を見てそう思った。

 

「ま、もう慣れたから平気っちゃ平気なんだけどね~。夕映とのどかにも手伝ってもらってるし」

 

「へぇ」

 

「あ、そう言う訳だからあたしはもう行くわ! じゃっ」

 

あっという間に教室から出て行った。余程急ぎなのだろうか。

 

「それじゃウチらも行こか。しっかりついてきてな~」

 

それから俺達は校舎を出る。途中、くだらない話もしたりしながら歩いて行った。

 

「あ、着いたえ~」

 

「……意外と早く着いたな」

 

クリーニング屋に着いたがあまり歩いた気がしない。一応言っておくが、道はちゃんと覚えた。

 

「結構お話してたからちゃう?」

 

「そう言う物か?」

 

「多分な~」

 

「ふむ……。何にせよ今日は助かった、何か用事があるなら俺は大丈夫だからいいぞ」

 

「んー……あ、そー言えば部活はないけどちょっと部室に用事あるん忘れてたわー。ごめん、こーちゃん……」

 

「気にするな、俺が言い出した事だ。また明日な」

 

「うん。また明日~」

 

対象と別れ店内に入り、店員と思わしき人に制服を差し出して店を出る。

 

「確かこの道を曲がって……」

 

そして覚えている限りで来た道を戻っていく。

 

「……お前達、まだ帰ってなかったのか?」

 

すると帰り道の途中、偶然にも対象達に会った。

 

「あ、青山君」

 

「どこか行ってたんですか?」

 

「んあ~~」

 

「どこぞの誰かのおかげでクリーニング屋に行っていた」

 

軽く神楽坂を睨む。……以前の俺からは考えられない行動だ。これも変わった、と言う事だな。良いのか悪いのかは分からないが。

 

「あ、あはは……もう許して……」

 

「冗談だ。ところで近衛はどうしたんだ? 何か呆けているみたいだが」

 

「え、ああ……いろいろ、ね」

 

何故目を逸らした? 何か問題でも起こしたか?

 

「あ、こーちゃ~ん」

 

「大丈夫か?」

 

「お~」

 

……やはり呆けているな。微かにだが魔力を感じるし、大方少年が何かしたと言う所だろう。幸い害は無さそうな反応だ。最近学園内だからと少し気を抜いていたが……気を引き締める必要があるな。

 

「何か今日頭ボーッとすんねん。何かあったかなー」

 

「俺は知らないが……神楽坂何かあったのか?」

 

再び神楽坂に話を振ってみるが

 

「そ、そう? 別に何も無かったけど?」

 

また明らかに何か誤魔化したな……さっきの様子も含め……おそらく魔法の事は知っているな。いつかは分からないが少年と一緒の時に知ったのだろう。少なくとも俺は麻帆良に来てから魔法を使った事はないからバレる、とは到底考えにくい。

 

「あ、ちょっと今名簿に何書いたのよ! コラ見せなさいよ!」

 

「え、いや! これはただのメモ書きで……」

 

何か名簿に書いていたらしい少年に向かって神楽坂がそう言った。別にそこまで目くじら立てる事でもないだろうに。

 

「……元気だな」

 

「せやねぇ~」

 

2人に遅れないよう、俺達もあとに続いた。

 

―――そしてその夜

 

ドアのチャイムを鳴らす音がしたので確認すると、早乙女・綾瀬・宮崎の3人がそこにいた。珍しいな、何用だ?

 

「一体どうしたこんな時間に――」

 

「確保! そして連行ッ!」

 

「む?」

 

「すみませんです。止めようとはしたのですが……」

 

「ご、ごごごめんなさいー……」

 

いきなり早乙女に腕を掴まれ、訳も分からぬまま対象達の部屋の前まで連れて行かれる。

 

「何なんだ? 俺もそこまで暇ではないのだが」

 

「まーまー、良いから良いから。ネギ先生こんばんはーっ!! 授業の質問に参りましたっ!!」

 

「あ……宮崎さん。それと早乙女さんと綾瀬さんも……それに青山君?」

 

「む?」

 

「その、珍しい組み合わせだな、と思いまして……」

 

「ああ、ドアを開けたら理由も聞かされずいきなり連れて来られてな」

 

授業の質問に来たのは分かったが、何故俺まで来なければならなかったのか。

 

「いやー、せっかくだしね! ほら、呼ばないと仲間外れみたいじゃん?」

 

「……まぁいい。俺は風呂に入るからもう行く。この時間ならまだ誰もいないだろう?」

 

「んー……せやね。でも早くてあと20分くらいしたら来ると思うから気ぃつけてなー」

 

「了解した」

 

俺の部屋には室内風呂が無いので仕方なく大浴場を使うハメになっている。男子の方に行こうと思ったのだが距離を考えると……。そこで対象達から女子全体の大体の入浴時間を聞き、それより早いか遅いかにする事で今の所無事に入浴は出来ている。まぁ……人の気配を感じたら隠れてやり過ごすか気配が遠ければすぐに出ているが。

 

「大浴場自体は良いモノだと思うのだがな……」

 

湯船に浸かりつつそんな事を考えていると……何故か大浴場の戸が開いた。

 

「……誰だ?」

 

まだ早いはず……人払いしておくべきだったか? いや、それだと俺の正体が気付かれる可能性が高いか……。何にせよ、面倒な事になった。

 

「誰が来るにしろ、隠れた方が良いのは確か……か」

 

「わ―――ん!!」

 

見つかったら後々面倒なので身を隠そうとすると、誰かが湯船に飛び込んだ。あれは……少年? それに神楽坂か? ……少年だけならまだしもここで女子に見つかるのは問題だな。早く出てもらうのを待つしかないか。とか考えているうちに神楽坂が少年の頭を洗っていた。こっちに背を向けた状態で。

 

「よし、今なら……」

 

気づかれないように気配を殺し、二人の後ろを通り抜けようとすると

 

「だってだって! アスナさんのような暴力的で無法者のような人が実はそんな苦学生だったなんて!!」

 

「なっ!?」

 

暴力的で無法者……ハッキリと否定出来ない。すまない、神楽坂。

 

「きゃあっ」

 

「わう」

 

何故かよりによってこっち側に転んできた。一体何をどうしたらそんな器用な事が出来る? まぁいいこの間に……

 

「え、なっ!? 青山君!? どうしてここに」

 

「気付くんじゃない。お前達こそどうして……まだ時間的に早いだろうに」

 

「わ、私はネギを洗ってやろうとしただけで……」

 

完全に気配は絶ったつもりだったが……修業が足りないと言う事か? するとそこに更なる問題が起きた。外から数人の声がしたのだ。神楽坂との会話で外に注意を向けるのを一瞬怠るとは……やはり修業が足らんな。

 

「や、やばい誰か来た! 今日に限って早いじゃない!!」

 

「え? え?」

 

「マズいわ、風呂場に三人でいるの見られたら何か誤解されちゃうかも! 青山君とかは特に!」

 

「誤解も何も思いっきり変態か変質者だろう……万事休すか」

 

女子風呂にタオル巻いているとはいえ男子が全裸だしな。仕方のない事とはいえ……。もうちょっとそこらの配慮何とかならなかったのだろうか……? そう、例えば部屋風呂のある部屋にするとか。女子の時間とずらして入れとはいくらなんでも……。

 

「と、とにかく隠れるのよ!」

 

「当たり前だ」

 

面倒に巻き込まれる覚悟をしたのは良いが、巻き込まれないならそれに越した事は無い。

 

「うぷっ」

 

「げっ! 委員長たちじゃない」

 

近くの観賞用植物の草陰に隠れ、様子を窺っていた神楽坂が衝撃的な事を言い出した。

 

「……最悪だな」

 

よりによって同じクラスか……一番最悪なパターンだ。見つかれば明日からの生活に色々と支障をきたす。

 

「――」

 

みんなは何やら話しているが……ここからでは聞こえない。と言うより聞かない方がよさそうだ。今はどうやってこの場から誰にも見つからず抜け出すかを考えないと駄目だ。

 

「何言ってんのよ」

 

しかし神楽坂はしっかりと聞こえているみたいだ。……良い聴力だな。

 

「さて、どうしたものか」

 

案1:魔法で注意を逸らしている間に逃げる。……論外だ。目の前にコイツらがいる状況で魔法を使えるわけがないだろう。

案2:高速で間を突っ切って騒がれる前に一気に退散する。……明日教室に行ったらどうなるんだ?

案3:全員が出ていくのを待つ。一番堅実だが、その前にのぼせる可能性が高い……。訓練しているとは言え……。

 

ふと、俺はバカなんじゃないかと思った。思いつくのがこれだけだと……? 危機対応力がまるでなっていない。

 

「まったく、能天気な連中ね。ウチのクラスの奴らは」

 

「……む?」

 

気がついたらクラスのほとんどが居た。無駄に考え込んでしまっていたようだ。そのせいで逃げ出すタイミングを完全に逃してしまった。

 

「どうするんだ」

 

「ほら、今のうちに逃げるわよ二人とも!」

 

隙を見たらしき神楽坂がそんな事を言い出して飛び出すが……

 

「いや、待て。今はまだ……」

 

俺はなんとなく嫌な予感がしたので、一緒に飛び出さずにその場に残った。

 

「あ、待って」

 

少年は神楽坂を追って飛び出したが、追いついた瞬間に二人の足がもつれた。

 

「ぶ!!」

 

「うわっ!?」

 

しかもかなり派手な音を立てて転んだ。……行かなくて正解だったようだ。

 

「あ―――ッネギ先生ー!?」

 

「ネギ君だ!!」

 

「ア……アスナさん!? なっ……半裸のネネネ、ネギ先生を押し倒して何を――!?」

 

みんなが輪になって二人を囲んだ隙に、今度こそ気づかれないよう気配を殺し、浴場を出た。……まぁ、一部には気づかれていたかも知れないが……

 

「一時はどうなることかと思った……」

 

浴場を出た後で盛大にため息をつく。すると

 

「ほう? 何がどうなるか是非聞きたいものですね?」

 

やはり気づかれていたか……。

 

「……女子の平均入浴時間は記憶している。だから早めに入ったのに、今日に限って全員早かっただけだ……」

 

「そんな事はどうでもいいです。それより、お嬢様のその、艶姿を見てはいないだろうな?」

 

……言うのが恥ずかしいなら無理に言わなくても良いと思うのだが。

 

「見ていない。そもそも居た事すら知らなかった」

 

少なくとも対象の声は聞こえた気がしない。

 

「……まぁ良いでしょう」

 

「一つ聞きたいことがあるんだが」

 

「何ですか?」

 

「俺が初めてこの女子寮に来た時も言っていたが、お嬢様とは誰の事だ?」

 

「それは貴方には関係のない事です。無闇に首を突っ込まない方が自分の為でしょう。これは忠告ではなく、警告です。それでは」

 

予想通りの答え。馬鹿丁寧に頭を下げて桜咲は去って行った。だがその行為には明らかに敵意が含まれていた。

 

「……やれやれ。厄介なのに目を付けられてしまった……」

 

「何てコトすんのよ―――ッ」

 

部屋に戻りそんな事を呟いていると、神楽坂の怒鳴り声が聞こえた。……二つ離れたここまで声が聞こえるとは……相変わらず騒々しいな。そんなどうでもいいことを思いつつ俺は電気を消した。

 

…………

 

………

 

……

 

 

「補習、ですか……」

 

次の日の昼休み、職員室に呼びだされ何事かと思っていると補習の案内だった。

 

「青山君はこの間の英語の小テスト……移籍する前に行われたものだから受けてないでしょ? だから悪いんだけど、今日の放課後に補習という形で受けてくれないかしら? もちろん、成績がマイナスになる事は無いわ」

 

「分かりました」

 

そう言う事なら受けておくとしよう。何事も怪しまれないようにするためだ。俺をどこにでもいる一般の学生と思わせるために。

 

「簡単な実力テストだと思って受けてくれていいからね~」

 

「はい」

 

補習の教室に向かうと、そこには既に人数が揃っており、また監督は少年が請け負っていた。

 

「――というわけで……2-Aのバカレンジャーがそろったわけですが…」

 

「誰がバカレンジャーよっ!!」

 

綾瀬の言葉に神楽坂が反論する。

 

「しかし……青山さんもとは驚いたです」

 

「小テストがあったのが俺がこちらに来る前だったから、単に実力を量るためだろう」

 

「え~、そうなんだー? 私はさ、英文見てると眠たくなるんだよねー」

 

「拙者もでござるよ」

 

「私もアルよ!」

 

「なるほど」

 

綾瀬の他に佐々木に長瀬、古がいる。良く分からないが成績底辺組を指してバカレンジャーと呼んでいるらしい。

 

「そこ、分かったような顔するんじゃないわよ」

 

「違うのか?」

 

「うぐっ」

 

「え、えーと……じゃあ、まずこれから10点満点の小テストをしますので6点以上とれるまで帰っちゃダメです。……じゃあ、始めてください」

 

俺達の様子を見かねたのか、少年がプリントを配っていった。

 

「……まぁ、このくらいなら問題ではないか」

 

俺は手早く答えを書いて、少年の所に持っていく。

 

「出来ました」

 

「できましたです……」

 

綾瀬とほぼ同時だった。……出来たのか。バカレンジャーとは一体なんだったのか……。

 

「えっ、もうですか!? えっと――うん! 4番綾瀬夕映さん9点! 合格です」

 

綾瀬を待っていた早乙女たちが良くやったと声を出す。

 

「「「「じー……」」」」

 

そして何故かみんな手を止めて俺の方を見ている。言っておくが、俺は成績は悪くない。男子の方では平均をキープしていた。

 

「えっと青山君は……10点! 凄いです、満点で合格ですよ!!」

 

「「「「え―――っ!?」」」」

 

「どういう意味だ」

 

失礼極まりないな……。俺は成績不振で補習を受けているわけではないのに。

 

「二人とも全然出来るじゃないですか――」

 

「……勉強キライなんです」

 

「俺の事情聞いていないのか?」

 

「ちゃんと勉強しなよ二人ともー」

 

「やーだ」

 

「話を聞け」

 

「ま、いーや夕映、本屋寄ってかえろーか。青山君も来る? 本屋」

 

……もういい。別に話を聞いてもらえないからといって困る事でもない。

 

「いや、俺はクリーニング屋に制服を取りに行かないといけないからパスだ」

 

「あー、そうだったっけ。じゃまた明日ね~」

 

「また明日です」

 

「ペコッ」

 

「ああ……また明日」

 

早乙女たちと別れ、昨日行ったクリーニング屋へ向かい、制服を引き取る。

 

「ふむ、ちゃんとシミが取れているな」

 

返って来た制服を確認し、そう呟く。もっとも、取れていなかったら困るわけだが……。

 

 




そろそろ主人公について書く事がなくなってきました。何しろ時間が進んでいないもので……。

なので次回予告でも致します(これから毎回やります)

次回は……原作通りに行けばドッジボールが入るのですが、その話だけだと短くて入れてもなぁ? って感じですので飛ばして期末テストに入りたいと思います。図書館島のお話ですね。ここは区切って出すのが難しいと思いましたので丸々放り込みます。少々長いお話になりますが、どうぞよろしくお願いします。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。