破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第10話 朱乃の思い 思春期の反応

湯気に包まれた浴室。タイルに反響するシャワーの音だけが、密室の静寂を埋めていた。

姫島朱乃は、白磁のような肌にまとわりつく熱を楽しみながら、ゆっくりと浴槽に身を沈めた。

 

朱乃「ふふ……本当に、彼らしいわね」

 

朱乃はふと、リビングにいる暁連の気配を魔力で探った。彼はそこから動く気配がない。

普通の男――例えば、あの兵藤一誠なら、今頃は鼻血を出しながらドアの隙間に目を凝らしていてもおかしくない状況だ。あるいは、もっと野心的な男なら、強引に扉を開けて踏み込んでくるかもしれない。

 

だが、連は違った。

彼は圧倒的な破壊の力を持ちながら、その根幹には鋼のような自制心と、ある種の「紳士さ」を宿している。それは弱さではなく、自らの「個」を確立しているがゆえの余裕。

 

朱乃「……覗きに来てくれても、構わなかったのに」

 

朱乃は、お湯に浸かった自らの豊かな胸に、そっと手を添えた。

指先が肌をなぞる。熱を帯びた皮膚は敏感で、自分の手であるにもかかわらず、どこか別の誰かに触れられているような錯覚を覚える。

彼女の指は、そのまま吸い込まれるように腹部を通り、さらにその奥……太ももの付け根へと滑り落ちていく。

 

朱乃「んっ……」

 

微かな吐息が漏れる。

朱乃は自嘲気味に目を細めた。自分の中にある「堕天使の血」が、連の放つあの「終わりの火」を求めて疼いている。

神の代行人を一瞬で消し去った、冷酷でいて激しい黒炎。あの男の隣にいるだけで、自分の汚れた血が浄化されるような、あるいは根底から焼き潰されるような、抗いがたい快楽を覚えていた。

 

朱乃「一誠くんみたいな分かりやすい反応も嫌いじゃないけれど……連には、こちらから攻めていかないとダメみたいね」

 

彼女は湯船の中で、しどけなく肢体をくねらせた。

自分の肉体が持つ「武器」としての価値は十分に理解している。だが、あの連を「男」として、あるいは「一人の人間」として乱すには、もっと決定的な一押しが必要なのだ。

 

朱乃「……待ってて。連」

 

朱乃は決意を秘めた笑みを浮かべ、ゆっくりと湯船から立ち上がった。

 

---

 

数十分後。

リビングでは、連がテレビの前に座り、格闘ゲームに興じていた。

手元のコントローラーを弾く音が、静かな部屋に小気味よく響く。画面上では二人の武術家が超高速の攻防を繰り広げていたが、連の操作は正確無比だった。

 

連「……上がったか」

 

背後の扉が開く音に、連は画面を見たまま応えた。

だが、その後に続くはずの「お待たせ」という言葉がない。代わりに聞こえてくるのは、裸足がフローリングを叩く、どこか気恥ずかしそうな、それでいて確信犯的な足音。

 

連が怪訝に思い、コントローラーを置いて振り返った瞬間――。

彼の思考回路が、一瞬だけショートした。

 

連「……朱乃、それ」

 

朱乃「ごめんなさい、連。あなたの服を借りたのだけれど……少し、サイズが合わなかったみたい」

 

そこに立っていた朱乃は、連が貸し出した黒いTシャツとスウェットのズボンに身を包んでいた。

しかし、その姿は「貸し服」という言葉から連想されるものとは程遠かった。

 

連は身長も低くなく、体格もしっかりしている。普通の女子高生が着れば「彼氏の服を借りたダボダボの少女」になるはずだった。

だが、朱乃の肉体は、規格外だった。

 

薄手のTシャツは、彼女の豊満すぎる胸に押し上げられ、布地が限界まで引き伸ばされて白く透けそうになっている。生地の継ぎ目が悲鳴を上げ、はち切れんばかりの曲線が露骨に浮き彫りになっていた。

さらにスウェットのズボンも、彼女のしなやかでいて肉感的な太ももと、丸みを帯びた大きな尻にぴっちりと張り付いている。

「ムチムチ」という言葉を体現したような、破壊的なまでの肉体美。

 

連「……」

 

連は無言だった。

いつもなら「勝手に着るな」とか「似合ってない」とか、不敵な毒舌の一つも吐くはずの彼が、喉の奥で言葉を詰まらせている。

彼の視線は、朱乃の首筋から、はち切れそうな胸の谷間、そしてズボンのラインが強調する腰回りへと、無意識に吸い寄せられていた。

 

朱乃は、連のその反応を逃さなかった。

普段、神滅具を振るい、理を語る時の彼からは決して見られない「年相応の男の子」としての困惑。

わずかに開いた口元と、泳ぐ視線。

 

朱乃「ふふ……どうしたの、連? 私の顔に、何かついているかしら?」

 

朱乃はわざとらしく小首を傾げ、さらに胸を強調するように両腕を後ろで組んだ。

引き絞られたTシャツが、彼女の身体の輪郭をさらに鮮明に描き出す。

 

連「……いや。何でもない」

 

連は慌てて視線を画面に戻したが、その耳たぶが、うっすらと赤く染まっているのを朱乃は見逃さなかった。

彼は再びコントローラーを握ったが、先ほどまでの精密な動きはどこへやら、キャラクターは虚空を殴り、相手の必殺技をまともに食らっている。

 

朱乃「あら、負けちゃいそうよ? 私が応援してあげましょうか」

 

朱乃は音もなく歩み寄り、連の真後ろに膝をついて座り込んだ。

彼女の体から漂うのは、石鹸の清潔な香りと、風呂上がりの熱を帯びた甘い匂い。

それが連の嗅覚を容赦なく刺激する。

 

連「……後ろに立たれると、集中できない」

 

朱乃「そう? 私は、あなたの戦う姿を一番近くで見ていたいのだけれど」

 

朱乃は連の肩に、そっと顎を乗せた。

背中に押し付けられる、柔らかくも圧倒的な弾力。

連の背筋に、一瞬だけピリリとした電流が走る。それは朱乃の魔力によるものではなく、彼自身の本能が引き起こした防衛反応――あるいは、求愛への拒絶反応だった。

 

連は大きな溜息をつき、ゲームの電源を落とした。

 

 

連「……負けだ。あんたの勝ちだよ、朱乃」

 

朱乃「うふふ……何のことかしら?」

 

朱乃は勝利を確信した女神のような微笑みを浮かべ、連の首筋に顔を埋めた。

理を破壊する者。

終焉を刻む黒炎の主。

そんな大層な肩書きを持つ少年が、今、自分の腕の中でたじろいでいる。

その事実が、朱乃にとってはどんな「禁手」よりも甘美な力に感じられた。

 

朱乃「連……。今夜は、私を離さないでね」

 

朱乃の囁きが、夜の静寂に溶けていく。

連は観念したように目を閉じ、ゆっくりと彼女の方を向き直った。

 

連「……言っておくが、俺は加減を知らないぞ。アザトースの黒炎と同じでな」

 

朱乃「ええ……。存分に、私を焼き尽くして頂戴」

 

二人の影が、月明かりのリビングに重なる。

境界線を越えた先に待つのは、救済か、あるいは破滅か。

だが今の二人にとって、そんなことはどうでもいいことだった。

ただ、互いの熱だけが、唯一の真実だったのだから。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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