破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第15話 聖剣と魔剣の衝突 暁連の介入:偽物への断罪

一誠の怒声とゼノヴィアの冷徹な殺気が部室の空気を爆発寸前まで高めていたその時、部屋の隅から、これまでの空気を一変させるほどの「純粋な殺意」が溢れ出した。

 

木場「……その聖剣を、しまえ」

 

声の主は、木場祐斗だった。普段の爽やかな微笑みは消え失せ、瞳には底の見えない憎悪の炎がゆらめいている。彼の周囲では、無数の魔剣が床から突き出し、それらが共鳴して不気味な金属音を奏でていた。

 

木場「『聖剣計画』の生き残りの前で、よくもそんなものを抜こうとしたね……。ゼノヴィアと言ったか。君がその剣を振るうなら、僕はここで、君たちを殺さなきゃならない」

 

木場の異常な様子に、リアスが「祐斗、待ちなさい!」と制止するが、彼の耳には届かない。

 

ゼノヴィア「……聖剣計画の遺児か。死に損ないが、我らに牙を剥くというのか。いいだろう、異端としてその首、刈り取ってやる」

 

ゼノヴィアの冷たい宣言により、一行は校舎裏の、鬱蒼とした森が広がる人跡稀な場所へと移動した。

 

---

 

 

 

湿った土の匂いと、夕闇が混じり合う森の中。

木場は超高速の抜刀とともに、ゼノヴィアへと肉薄した。

 

木場「はぁぁぁッ!!」

 

神器『魔剣創造(ソード・バース)』。木場が踏み出すたびに、地表から属性を帯びた魔剣が次々と生成され、ゼノヴィアの死角を突く。火、雷、氷。瞬き一つの間に数十の剣筋がゼノヴィアを襲うが、彼女はまだ、布に包まれた大剣を鞘からすら抜いていなかった。

 

ゼノヴィア「……速いな。だが、脆い」

 

ゼノヴィアが背中の布を一気に引き剥がした。

現れたのは、黄金と青の意匠が施された、禍々しいほどの破壊の波動を放つ大剣――『破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)』。

 

ゼノヴィア「砕けろ、異端の剣!」

 

ゼノヴィアが一閃。ただの横凪ぎ。しかし、そこから放たれた衝撃波は、木場が展開していた数多の魔剣を、まるで薄氷を叩き割るように粉々に粉砕した。

 

木場「ぐ、あああッ!?」

 

木場は衝撃で後方へ吹き飛ぶ。彼はすぐに体勢を立て直し、再び加速するが、ゼノヴィアの放つ「破壊」の概念は、木場の剣が触れる前にその構造を分子レベルで崩壊させていく。

 

一方で、イリナも一誠を翻弄していた。『擬似の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』が、鞭のように、あるいは不可視の刃となって四方八方から一誠を打ち据える。

 

イリナ「あははっ! イッセーくん、動きが鈍いよ! 二天龍の名が泣いちゃうよぉ!」

 

一誠「くっそ……! 見えねぇ、どこから来るんだよ!?」

 

一誠が防戦一方になる中、戦場の中央では残酷な決着がつこうとしていた。

木場は、自らの魂とも言える魔剣を何度も何度も作り出し、特攻を仕掛ける。だが、そのすべてがゼノヴィアの『ディストラクション』の一撃の前に、ゴミのように塵に変わる。

 

ゼノヴィア「……終わりだ、死に損ない」

 

ゼノヴィアの剣が木場の肩口を深く斬り裂いた。鮮血が舞い、木場はボロボロになった魔剣の柄を握りしめたまま、地面に這いつくばった。心も体も、聖剣という絶対の理の前に屈した瞬間だった。

 

ゼノヴィアは冷たくリアスを見据え、言い放つ。

 

ゼノヴィア「リアス・グレモリー。自分の飼い犬(木場)の首輪はしっかり繋いでおけ。……次に我らの前に出せば、次は首を撥ねる」

 

一誠「待てよ、テメェら……ッ!」

 

一誠が這い上がろうとするが、イリナの剣に抑え込まれる。

リアスが悔しさに唇を噛んだその時、戦場の端で静かに見守っていた「異物」が動き出した。

 

---

 

 

 

連「……おいおい。随分と派手な『いじめ』だな」

 

ゆっくりと歩み寄る暁連。その後ろには、退屈そうに耳をほじっているディーネが付き従っている。

 

連は倒れている木場の後頭部を軽く叩き、強制的に気絶させた。これ以上、醜態を晒させないための彼なりの情けだった。

 

リアス「連……?」

 

リアスの困惑をよそに、連はゼノヴィアとイリナの前に立った。

右腕の銀のブレスレットが、不気味に、そして神々しく輝き始めている。

 

連「偽物を使って弱者を痛め付けて、楽しいか? お嬢ちゃんたち」

 

連の嘲笑に、ゼノヴィアが眉を跳ね上げた。

 

 

ゼノヴィア「……偽物だと? 貴様、このエクスカリバーを侮辱するか」

 

連「侮辱? いや、事実を言ったまでだ。お前たちの持っているそれは、ただの不完全な破片を無理やり形にした、継ぎ接ぎだらけの『紛い物』だ。本物の聖剣の足元にも及ばない」

 

ゼノヴィア「黙れッ!!」

 

激昂したゼノヴィアが、連に向かって『ディストラクション』を振り下ろす。森の木々が風圧でなぎ倒されるほどの破壊の一撃。

だが、連は避けない。右腕を掲げ、意識をブレスレットへと繋げた。

 

連「――顕現せよ。『真説・エクスカリバー』」

 

ブレスレットが黄金の液体となって溢れ出し、連の手の中で一振りの剣へと変貌した。

それは、十字の形をしたシンプルな剣。しかし、そこから放たれる「光」は、ゼノヴィアたちの持つエクスカリバーを――いや、この世界の神の光すらも「暗闇」に変えてしまうほどの、圧倒的な純度を持っていた。

 

カァァァァァンッ!!

 

激突の瞬間、衝撃波で森の土が直径十メートルに渡って消滅した。

ゼノヴィアの『ディストラクション』が、連の黄金の刃に触れた瞬間、悲鳴を上げるように激しく火花を散らす。

 

ゼノヴィア「な……!? 破壊の聖剣の力が、通じない……!? どころか、私の剣が……震えている!?」

 

連「当たり前だ。格が違うんだよ」

 

連は不敵に笑い、一気に剣を押し返した。ゼノヴィアは受け身も取れず、数十メートル後方の巨木に叩きつけられた。

 

イリナ「ゼノヴィアちゃん!? ……このっ!」

 

イリナが『ミミック』を自在に伸ばし、連の死角を狙う。

だが、連は振り返りもせず、黄金の剣を軽く横に振った。

 

連「光を喰らえ」

 

連の剣が、イリナの放った『ミミック』の光を「吸収」した。文字通り、イリナの攻撃エネルギーが連の剣に吸い込まれ、彼女の剣はただのしなびた鉄の棒のように力なく垂れ下がった。

 

イリナ「え……!? 私の光が、消えちゃった……!?」

 

連「これが本物の『聖剣』の権能だ。あらゆる光を支配し、不純な理を焼き尽くす。お前たちの持っているような不完全なシステム、俺の剣の前ではただの燃料に過ぎないんだよ」

 

連は一歩、ゼノヴィアの方へ踏み出す。

彼が剣を掲げるだけで、周囲の闇が黄金の光に塗り潰され、夜の森が昼間のような輝きに包まれる。

 

ディーネ「ひゃははは! 見てよ連、あの子たちの顔! 自分が世界で一番だと思ってたオモチャをバカにされて、今にも泣き出しそうよ!」

 

ディーネが横で手を叩いて爆笑する。その声が、ゼノヴィアのプライドを完膚なきまでに叩き潰した。

 

ゼノヴィア「そ、そんなはずはない……。エクスカリバーを超える聖剣など、この世界には……」

 

這い上がったゼノヴィアは、自身の剣と連の剣を見比べ、絶望に目を見開いた。

連の剣から放たれるのは、自分たちの知る「神の光」ではない。もっと根源的で、神話が始まる前の、原始的な「始まりの光」だ。

 

連「……少しは遊んでやろうと思ったが、その程度のオモチャじゃ相手にもならないか」

 

連は黄金の剣を霧散させ、再びブレスレットへと戻した。

一瞬にして光が消え、森に重苦しい闇が戻ってくる。

 

連「……行け。その紛い物を抱えて、隅っこで震えてろ。次に俺の前でその剣を抜いたら、今度こそ、その『破片』ごと存在を消してやる」

 

連の圧倒的なプレッシャーの前に、ゼノヴィアとイリナは一言も発することができなかった。彼女たちは気絶した木場と、茫然とする一誠たちを残し、逃げるように闇の中へと消えていった。

 

リアス「……連、あなた、あの剣は一体……」

 

リアスの震える声が響く。連は一度も振り返らずに、校舎の方へと歩き出した。

 

連「言っただろ。俺は場を引っ掻き回すだけだ。……リアス、お前の『犬』の教育、しっかりしとけよ。今のままじゃ、次の戦場で死ぬぞ」

 

連の背中には、まだ消えやらぬ黄金の残光と、アザトースの黒い影が混ざり合って揺らめいていた。

 

連「……さて、ディーネ。晩飯、何にする? 今日は少し腹が減った」

 

ディーネ「あはっ! 唐揚げ! 昨日の朱乃が持ってきてくれたやつより美味しいの作ってあげるわよ、連!」

 

不敵な笑みを交わす二人の転生者。

彼らの存在によって、聖剣エクスカリバー編は、本来のシナリオを大きく逸脱し、予測不能の混沌へと突き進んでいく。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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