破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第20話 イザナミの寵愛 語られる「絶望」と「混沌」

廃寺での蹂躙劇から一夜。駒王町の夜は、暁連が放った黄金の残光と黒炎の残り香を孕んだまま、静かに、しかし確実に変質していた。

 

連はディーネの作った、これでもかというほど肉厚なステーキ(彼女いわく「これくらい食べないとあの聖剣の負荷に耐えられないでしょ?」とのことだ)を平らげ、熱めのシャワーで戦いの煤を洗い流した。そして、隣の部屋から聞こえてくるディーネの「あー、連のシャンプー、いい匂い。これ、私の髪に馴染むわね」という独り言を無視して、泥のように深い眠りに落ちた。

 

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意識が浮上した先は、いつもの灰色の空が広がる黄泉の国。だが、今日の空気はどこか華やいでいた。

玉座に鎮座するイザナミは、連の姿を認めるなり、艶然とした微笑みを浮かべて立ち上がった。その足取りは軽く、機嫌の良さが隠しきれていない。

 

イザナミ「――連、見事であったぞ。あの偽物の破片どもが、我が授けた真なる輝きの前に、塵芥(ちりあくた)の如く伏す様……。久方ぶりに、胸がすく思いよ」

 

イザナミは連の目の前まで歩み寄ると、その白い指先で彼の頬をなぞった。

 

イザナミ「伊邪那岐(イザナギ)の送り込んだ小娘(ディーネ)の前で、これ以上ないほど我が威光を示してくれた。褒美をやらねばな」

 

そう言うと、彼女は拒む間もなく連をその細い腕で抱き寄せた。

死を司る女神とは思えぬ、甘く、そして抗いがたい芳香。連の顔は、彼女の衣服越しでも分かる、圧倒的な弾力――Iカップという神の造形物とも言うべき豊満な胸元へと深く埋め込まれた。

 

連「……っ、イザナミ様、苦しい」

 

イザナミ「ふふ、照れるでない。御主は我が選んだ唯一の半身よ。……どうだ、これほど尽くしてくれた御主になら、冗談でなく『妾の母乳』でも飲ませてやってもよいぞ? 神の真髄を啜り、さらなる高みへ至るかえ?」

 

イザナミは耳元で妖艶に囁きながら、さらに力を込めて連の頭を自らの胸に押し当てる。柔らかさと、その奥に秘められた宇宙のような質量。

連は、自身の魂が彼女の「聖なる母性」と「壊滅的な破壊衝動」に飲み込まれそうになるのを感じながら、ただ無言でその抱擁を受け入れた。

 

連「……冗談はやめてくれ。俺は、あんたの力を借りてこの世界を焼き尽くす。それだけで十分だ」

 

イザナミ「くくっ、相変わらず冷めた男よ。だが、そこが良い。……さぁ、現(うつつ)へ戻るがよい。外では、ネズミどもが最後の足掻きを始めようとしておるぞ」

 

イザナミの唇が連の額に触れた瞬間、夢の世界は黄金の火花となって弾けた。

 

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翌日の放課後。駒王学園旧校舎のオカルト研究部。

そこには、部長のリアス・グレモリーを筆頭に、朱乃、小猫、そして生徒会長の支取蒼那(ソーナ・シトリー)率いるシトリー眷属の面々が集結していた。

 

部屋の中央では、一誠が身振り手振りを交えながら、昨夜の廃寺での出来事を報告していた。

 

一誠「……マジなんだよ、あのバルパーとかいうジジイが、クローンを百体……いや、最後は二百体くらい出しやがって!」

 

一誠の言葉に、蒼那が眼鏡のブリッジを指で押し上げながら眉をひそめる。

 

 

蒼那「人工的な聖剣因子を持つクローンを二百体……。信じがたい話だけれど、バルパー・ガリレイならやりかねないわね。それで、あなたたちはどうやってそれを退けたの?」

 

一誠は一瞬、言葉に詰まり、視線を部屋の隅で欠伸をしている連と、その隣で爪を研いでいるディーネに向けた。

 

一誠「……俺たちが、じゃねえんだ。全部、連が……暁連が、一人で片付けちまったんだよ」

 

その場に沈黙が流れた。

リアスが、連の右腕にある銀のブレスレットを凝視する。

 

リアス「連が、一人で……?」

 

一誠「ああ。あいつ、ブレスレットから黄金の剣……本物の『エクスカリバー』としか思えねえもんを出して。それだけじゃねえ、左手にはあの黒炎の魔剣を持って、禁手(バランス・ブレイカー)を使いやがった。……正直、見てるだけで足が震えたぜ。あのクローン共が、ただの紙切れみたいに消えていくんだ」

 

ゼノヴィアが、傍らで深く頷いた。彼女の『破壊の聖剣』は、今は布に包まれて大人しくしているが、主である彼女には分かっていた。連が剣を抜いた瞬間、自分の聖剣が「臣下の礼」を取るかのように、その威力を自ら封じ込めていたことを。

 

ゼノヴィア「……兵藤一誠の言うことは事実だ。リアス・グレモリー、君の『客分』は、我々教会が知るどの英雄よりも、神に近い……あるいは、神を殺す側に立っている」

 

ディーネ「ふふ……、あはははは! ゼノヴィアちゃん、いい表現じゃない!」

 

沈黙を破ったのは、ディーネのけたたましい笑い声だった。彼女は蒼那の副官である真羅椿姫(シンラ・ツバキ)の腰を無意識に撫で回しながら、不敵な笑みを浮かべる。

 

ディーネ「連のあの姿、見せてあげたかったわ。二百体のゴミ共を黒炎で焼き、黄金の光で魂ごと消去する……。あれこそが『救済』よねぇ。あーあ、あの場にいた連中、みんな連のファンになっちゃったんじゃない?」

 

蒼那「……ディーネ、手を離しなさい。セクハラよ」

 

 

蒼那が冷たくたしなめるが、彼女の瞳には隠しきれない動揺が走っていた。

 

蒼那「リアス、これはもう一家族の、あるいは一領土の問題じゃないわ。バルパーが融合剣を持って逃走したこと。そして、暁連という未知の戦力が、公式に牙を剥いたこと。……魔王庁へ報告すべき事案よ」

 

リアス「分かっているわ、蒼那。でも、相手は堕天使の幹部コカビエル。奴はわざとバルパーを泳がせ、この街で『戦争』を始めようとしている……」

 

リアスの言葉に、部室の空気が張り詰める。

その時、連がソファからゆっくりと立ち上がった。

 

連「報告だの、領土だの、下らないことに頭を使いすぎだ。……リアス、蒼那。お前らがどう動こうと勝手だが、俺は俺のやり方でやるぞ。イザ……いや、『あの人』が、あのネズミどもを徹底的に痛めつけろと仰っているんでな」

 

連の瞳が、黄金の残光を帯びて冷たく光る。

ディーネもそれに合わせるように、シアン色の魔力を解放した。

 

ディーネ「そうね。私も『あの方』の期待を裏切るわけにはいかないわ。……ねぇ連、今夜あたり、あの廃教会の地下、覗きに行ってみない? きっと、とびきりカオスな『おもちゃ』が完成しているはずよ」

 

連「……ああ。行こう。……一誠、お前も来るなら来い。その『籠手』がどこまで通用するか、試させてやる」

 

連は一誠の肩を叩き、ディーネを伴って部室を出て行った。

残されたグレモリーとシトリーの眷属たちは、嵐の前の静寂のような、言いようのない重圧感に包まれていた。

 

リアス「……朱乃、準備を。今夜、すべてが決まるわ」

 

 

朱乃「ええ、部長。……連についていくなら、私たちも覚悟を決めなきゃね」

 

夕闇が迫る駒王学園。

イザナミの寵愛を受けた「黄金の死神」と、イザナギの加護を持つ「毒舌の魔女」。

二人の転生者が、この世界のシナリオを完全に破壊し尽くす「最終決戦(ラグナロク)」の幕が、静かに上がろうとしていた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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