破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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24話の内容を間違えてしまったので消しましたすみません…


第23話 二天龍の遭遇 恐怖の影

静寂が支配する戦場に、白銀の光が舞い降りた。

結界の空を裂いて現れたのは、コカビエルの禍々しい黒翼とは対照的な、神々しくも冷徹な輝きを放つ鎧。

 

 

一誠の左腕から、ドライグの警戒に満ちた声が漏れる。

白龍皇、ヴァーリ・ルシファー。彼は崩壊した時計塔の瓦礫に横たわるコカビエルを一瞥し、それからゆっくりと、黄金と漆黒のオーラを纏ったままの連へと視線を向けた。

 

連「二天龍の片割れが何しに来た? ……ゴミの回収か?」

 

連が冷たく問いかける。聖剣と魔剣を構えたままのその姿は、伝説の龍を前にしても微塵も揺るがない。隣に立つディーネもまた、シアン色の瞳を細め、「あら、いい男じゃない。でも、中身はもっと凄そうね」と不敵な笑みを浮かべている。

 

ヴァーリ「……察しがいいな。アザゼルから、そこの愚か者を回収してこいと命じられてね」

 

ヴァーリの声には、同じ堕天使の幹部に対する敬意など欠片もなかった。彼は一歩踏み出し、虫の息となっているコカビエルの胸元を無造作に踏みつけた。

 

ヴァーリ「平和に飽きて戦争を煽った結果がこれか、コカビエル。……暁連、と言ったか。君の戦いは見ていたよ。まさか、今の時代にこれほどの『規格外』が存在するとは。アザゼルが興味を持つのも頷ける」

 

ヴァーリはそう言うと、コカビエルの後頭部を軽く蹴り飛ばし、完全に意識を絶たせた。

それから、彼は連の背後にいる一誠へと顔を向ける。

 

ヴァーリ「そして、今代の赤龍帝。……兵藤一誠。君には正直、期待外れだったよ。今の君では、俺の足元にも及ばない。だが……」

 

ヴァーリの視線が再び連に戻る。

 

ヴァーリ「君の隣にいる男……彼は面白い。俺と同じ、あるいは俺以上の『カオス』を孕んでいる」

 

ヴァーリがコカビエルの体を掴み、転移の術式を展開し始めたその時。

一誠の籠手から、ドライグが呼びかけるように声を上げた。

 

ドライグ『……無視か、白いの。久しぶりの再会だというのに、随分と素っ気ないではないか、アルビオン』

 

ヴァーリの背中の翼――『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』から、呼応するように静謐な声が響く。

 

アルビオン『……ドライグか。宿主の差が開きすぎて、かける言葉も見当たらなかっただけだ。だが、確かに……今のこの場の空気は、我々の再会を祝うようなものではないらしい』

 

二天龍の対話。本来ならそれだけで世界の理が震えるはずの現象。

しかし、その会話を切り裂くように、暁連の全身から「それ」が溢れ出した。

 

連の影が、意思を持つ生き物のように蠢き、巨大な質量となって周囲の空間を侵食し始める。

今まで沈黙を守っていた、連の中に眠る根源の龍――。

 

?『――くかか……。やかましいわ、トカゲ共が』

 

その声が響いた瞬間、結界内の全魔力が凍りついた。

それは、死よりも冷たく、虚無よりも深い。

 

ドライグ『……な、何だ!? この、魂を直接握り潰されるようなプレッシャーは……!』

 

ドライグが籠手の中で悲鳴を上げる。

ヴァーリの背後で悠然としていたアルビオンまでもが、白銀の光を激しく明滅させ、怯えるように縮こまった。

 

連の背後から、漆黒の煙が人の形を成していく。

現れたのは、妖艶な笑みを浮かべた、闇色の長髪を持つ美女の幻影。

【万物の王】アザトース。

 

アザトース『妾(わらわ)の眠りを妨げるほど、お前たちの再会は価値のあるものかえ? 過去、妾に挑み、その翼をもぎ取られかけた恐怖を、もう忘れたか?』

 

アザトースの黄金の瞳が、二天龍を射抜く。

かつて、神話の時代。二天龍が最強の名を欲しいままにしていた頃、彼女はその「頂点」に君臨し、挑みかかってきた龍たちを文字通り噛み砕き、消滅寸前まで追い込んだ絶望そのものだった。

 

アルビオン『ア、アザトース……! まさか、この少年に宿っていたのは……貴様なのか!』

 

アルビオンの声が震える。

ヴァーリもまた、自身の鎧が「震えている」ことに驚愕し、連を凝視した。

彼は初めて、自分の目の前にいるのが「自分と同等の天才」ではなく、「自分が決して触れてはならない深淵」であると理解した。

 

アザトース『連よ。……この白きトカゲ、今ここで食い殺してやっても良いぞ? 妾の腹の足しにもならぬが、不敬の罰としては妥当であろう』

 

連「……やめておけ。こいつはまだ、生かしておく『価値』がある」

 

連が静かに制すると、アザトースは「ふん、つまらぬのう」と、連の首筋に腕を回して甘えるように消えていった。

 

凄まじい威圧感が消え、ようやく一誠たちは呼吸を取り戻した。

ヴァーリは額に冷や汗を浮かべながら、連に向けて不敵、かつどこか引きつった笑みを見せる。

 

ヴァーリ「……暁連。君の中に、あんな『怪物』が潜んでいたとはね。……アルビオンがこれほど怯えるのを見るのは、生まれて初めてだ」

 

連「……ゴミを連れて、さっさと消えろ。気が変わらないうちにな」

 

ヴァーリ「ああ。……今夜はここまでにしよう。だが、次に会う時は……君がこの世界の敵となるか、味方となるか、楽しみにしているよ」

 

ヴァーリはコカビエルを連れ、白銀の光の中に消えていった。

 

結界が消え、静かな月光が学園を照らす。

崩壊した校舎、疲れ果てた仲間たち。

その中心で、連はブレスレットに戻った黄金の聖剣の感触を確かめていた。

 

ディーネ「あはっ! 連、凄かったわね。二天龍を黙らせちゃうなんて、私の選んだ男(メイン)は世界一よ!」

 

ディーネが連の腰に抱きつき、満足げに笑う。

リアスや朱乃は、もはや言葉もなかった。

神の死、魔王の死。そして、二天龍すら凌駕するアザトースの存在。

 

自分たちの常識が、暁連という一人の少年によって、完膚なきまでに破壊された夜だった。

 

連「……帰るぞ。明日からは、もっと面倒なことになる」

 

連はそれだけを言い残し、立ち尽くす仲間たちを背に、ディーネと共に夜の街へと消えていった。

新たな神話の序章。

暁連の行く先には、黄金の断罪と、漆黒の終焉だけが待ち受けていた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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