破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第25話 堕天使の王接触 会談への招待

夕闇が迫る駒王町の住宅街。一誠は悪魔の仕事である「願いの代行」のため、一軒の古いアパートを訪れていた。依頼主の部屋に入ると、そこにはおびただしい数のゲーム機が整然と並べられていた。

 

一誠「うわぁ……。これ、すごいっすね。ファミコンから最新の次世代機まで、よくこれだけ集めたもんだ……」

 

一誠が感嘆の声を漏らすと、部屋の主である、どこかだらしなく、それでいて油断ならない気配を纏った黒髪の男――アザゼルが、不敵な笑みを浮かべてコントローラーを差し出してきた。

 

アザゼル「だろう? 娯楽こそが知性の極致だ。さぁ、悪魔君。御託はいいから、まずはこの格闘ゲームで俺に勝ってみろ」

 

一誠「受けて立ちますよ!」

 

数分後。一誠は画面に躍る『YOU LOSE』の文字を呆然と見つめていた。最新のコンボから、古いハード特有のバグを利用した技まで完璧に使いこなす男に、手も足も出なかったのだ。

 

一誠「……負けた。強すぎるだろ、あんた……」

 

一誠が肩を落とすと、男はゆっくりと立ち上がった。その瞬間、部屋の空気が一変する。先ほどまでの「ゲーム好きのオヤジ」の顔は消え、世界を裏から操る者の、底知れない重圧が一誠にのしかかった。

 

アザゼル「さて、続きをやろうか、悪魔君。……いや、『赤龍帝』兵藤一誠」

 

一誠「なっ……!? なんで俺が赤龍帝だってことを……!」

 

アザゼル「知らないはずがないだろう? 俺はこれでも、神器(セイクリッド・ギア)の研究に関しては世界の第一人者自負していてね。……俺の名はアザゼル。堕天使の総督だ」

 

一誠は椅子から転げ落ちそうになった。コカビエルの上司であり、ヴァーリを差し向けた張本人が、まさかこんな四畳半でゲームに興じていたとは。

 

アザゼル「安心しろ。今すぐここで君の腕を毟(むし)ろうなんて野蛮なことは考えていない。……近々、悪魔、堕天使、天使の三勢力による会談をこの街で行う。……君の主、リアス・グレモリーにもそう伝えておけ」

 

アザゼルはそう言い残すと、カラスの羽を一枚残して、影に溶けるように姿を消した。

 

---

 

翌日の放課後。オカルト研究部の部室。

一誠からの報告を聞いたリアスは、椅子に座ったまま、眉間に深い皺を寄せていた。

 

リアス「……アザゼルが直接、一誠に接触したというの? しかも、ゲームをしながら……?」

 

一誠「はい。あ、あの、めちゃくちゃ強かったです。ゲームが」

 

リアス「そんなことはどうでもいいわっ!」

 

リアスが机を叩いて立ち上がる。その表情には、自分を差し置いて眷属に直接接触されたことへの、主としての苛立ちと、堕天使の総督という巨悪への警戒心が入り混じっていた。

 

リアス「まったく、あの堕天使の親玉、相変わらず食えない男ね。……ディーネ、あなた何か知っていたかしら?」

 

ソファで連に膝枕をしながら、優雅にチェリーを口に運んでいたディーネが、面倒臭そうに片目を開けた。

 

ディーネ「あはっ! 知ってたわよ。あの方は……『あいつは暇人だから、そろそろ一誠くんにちょっかいを出す頃だ』って笑ってたもの。……でも、連。会談なんて、最高にカオスな予感がしない?」

 

連は目を閉じたまま、右腕のブレスレットを無意識になぞる。

 

 

連「……三つの勢力が一堂に会する、か。神が死んだ後の世界で、抜け殻の王たちが何を語り合うのか……。あの人も、その『茶番』を楽しみにしているようだがな」

 

そこへ、小猫が静かにリアスの傍へ歩み寄った。

 

小猫「……部長。三勢力会談の話、本当なんですか?」

 

リアス「ええ。……つい先ほど、お兄様(サーゼクス)からもメッセージが届いたわ。『アザゼルからの提案を受諾した。平和への大きな一歩になるだろう』って。……正直、私はまだあの男を信用できないけれど」

 

一誠は、リアスの険しい表情を見て、急に不安に襲われた。

 

一誠「あ、あの……部長。アザゼルって、神器の研究をしてるんですよね? もしかしてあいつ、俺の『籠手(ブーステッド・ギア)』を狙って……俺を解剖したり、どこかに拉致したりするつもりなんじゃ……」

 

どんどんマイナス思考に陥り、震え出す一誠。

 

 

一誠「そ、そりゃあ俺は、おっぱいのためなら何でもするけど、改造人間になったりするのはちょっと……」

 

その時、リアスが一誠の元へ歩み寄り、彼を優しく、力強く抱きしめた。

 

リアス「……大丈夫よ、一誠。あなたは私の、たった一人の大切な眷属。アザゼルだろうと、誰だろうと、あなたを傷つけることは私が絶対に許さないわ」

 

リアスの豊かな胸元に、一誠の顔が深く沈む。部長特有の、気高くも優しい花の香りが鼻腔をくすぐった。

 

一誠「あぁ……部長……」

 

さっきまでの不安はどこへやら。一誠の脳内は、瞬時に桃色の霧で満たされた。

リアスの抱擁の柔らかさ、その温もり、そして腕の中で感じる確かな「質量」。一誠の顔は、一瞬にして苦悶に満ちた絶望顔から、涎(よだれ)を垂らしそうなほどの「変態顔」へとシフトしていった。

 

一誠「……ふっ、ふへへ。部長の……おっぱい。……あったかいです……。もうアザゼルに解剖されてもいいかも……」

 

リアス「……一誠? あなた、今何を考えているのかしら?」

 

リアスの声が僅かに冷たくなったが、一誠は止まらない。

 

 

一誠「……へへ、部長……。俺、一生ついていきます……。ふんすっ! ふんすっ!」

 

鼻息を荒くする一誠。その様子を見ていた小猫が、軽蔑に満ちた瞳でボソリと呟いた。

 

小猫「……最低です」

 

ディーネ「あははっ! ほら連、見て。あのアホ面! 三勢力会談を前にして、あんな顔ができるのは世界中で彼だけよ!」

 

ディーネが腹を抱えて笑う。

連は薄く目を開け、一誠の情けない姿を冷めた瞳で見つめながら、右腕のブレスレットから漏れる、黄泉の女神の「呆れたような笑い」を感じ取っていた。

 

連「……全く。あんなのが『赤龍帝』だなんて、ドライグも不憫だな」

 

リアス「連……、あんたも呆れてないで。……会談の当日は、あなたとディーネにも同行してもらうわよ。兄様が、ぜひ『規格外の二人』に会いたいと言っているから」

 

リアスの言葉に、連の瞳が黄金の光を帯びて鋭くなった。

 

連「魔王、か。……いいだろう。神の不在を確認しに来た『外側の客』として、その茶番に付き合ってやる」

 

一誠が変態的な歓喜に浸り、リアスが困惑し、連が静かに牙を研ぐ。

駒王学園を舞台にした、世界の運命を決める「三勢力会談」。

そこには、アザゼルの企みやヴァーリの野望、そしてそれらすべてを塵に変えようとする、暁連の圧倒的な力が渦巻こうとしていた。

 

連「……さぁ、カオスの幕開けだ」

 

ディーネが連の首筋に顔を埋め、邪悪に微笑んだ。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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