破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第2話 一誠の変化

夕暮れに染まる駒王町。俺は少し離れた時計塔の屋根から、その「運命の瞬間」を眺めていた。

公園の噴水前。一誠の胸を、堕天使レイナーレが放った光の槍が容赦なく貫く。

鮮血が舞い、少年の意識が途絶えていく。その直後、紅い魔法陣が展開し、リアス・グレモリーが現れた。

 

 

連(……始まったか)

 

 

彼女が手に持った「駒」を一誠に埋め込み、彼を悪魔として蘇生させる。俺なら救えたかもしれない。だが、これは彼が「赤龍帝」として歩むために必要なプロセスだ。俺の仕事は、ここで彼を助けることじゃない。

 

 

連「……さて、俺も自分の『仕事』を片付けるか」

 

 

背を向けた俺は、街の外れにある廃工場へと向かった。そこには、一誠の血の匂いとリアスの魔力に引き寄せられた、招かれざる客が潜んでいた。

廃工場:気配

鉄錆の匂いと腐敗臭が混じり合う工場内。奥の闇から、不気味な気配が漂ってくる。

現れたのは、怪しい雰囲気の人物だ。その人物は俺の姿を認めると、不快な笑みを浮かべた。

 

 

はぐれ悪魔「おや、代わりに極上の獲物が来たじゃねぇか。おい、お前……その体、半分は悪魔だろ? ちょうどいい、同族の腹を満たす肉になれよぉ!」

 

 

怪しい人物が襲いかかる。その手に持った刃物が、俺の首を刈り取ろうと空を裂いた。

俺は一歩も動かず、ただ右手を虚空に伸ばす。

 

 

連「……汚らわしい口で、俺の出自を語るな…『――形態変化(トランス・フォーム)』」

 

 

掌から溢れ出した力が、瞬時に大鎌形態『デス・サイズ』へと形を変えた。

刀身から立ち昇る黒いオーラは、周囲の空気を震わせ、光さえも歪ませていく。

 

 

はぐれ悪魔「何だ……その武器は!? 嫌な予感が――」

 

 

連「遅い」

 

 

俺は一閃、横薙ぎに鎌を振るった。

物理的な接触はない。だが、鎌が描いた軌跡に沿って空間が黒いオーラと共に断ち切られる。

 

 

はぐれ悪魔「ギャアアアアアアッ!?」

 

 

怪しい人物の攻撃が、受け止めきれずに弾き飛ばされた。通常の悪魔なら即座に回復する傷口も、『特性:虚無の黒炎』に侵食され、力が弱まっていく。

 

 

はぐれ悪魔「あ、熱い、熱い……! 俺の魔力が、存在が、消えていく……っ!?」

 

 

連「お前の罪を数える必要はない。その汚れ、この力で無に帰してやる」

 

 

トドメの一撃。俺は鎌を振り上げ、怪しい人物の頭上から叩きつけた。

黒いオーラが奔流となって怪しい人物を包み込み、叫び声すらもかき消す。

数秒後、そこには何も残っておらず、ただ「何もなかった」という事実だけが残された。

 

 

連「……ふぅ。一誠の覚醒、そして俺の試運転。舞台は整ったな」

 

 

右手の鎌を霧のように霧散させ、俺は夜の闇に溶け込む。

明日から、駒王学園はもっと騒がしくなる。赤龍帝の目覚めと共に、俺の神滅具もまた、さらなる力を求めて咆哮を上げていた。

 

 

駒王学園の校門。いつもと変わらぬ登校風景だが、俺の感覚(センサー)には、昨日までとは決定的に違う「異物」が混じっているのが分かった。

 

 

一誠「……あ、あ、明けまして……お、おはよう、暁……!」

 

 

引き攣った笑みを浮かべ、兵藤一誠が背後から声をかけてきた。

顔色は青白く、その挙動は不審者そのものだ。だが、何より異質なのは、彼から漂うのが「人間」の生気ではなく、リアスと同じ、濃厚な「悪魔」の魔力であることだった。

 

 

連「兵藤。……昨日、何かあったのか?」

 

 

わざとらしく問いかけると、一誠は目に見えて動揺し、自分の腹部をさすった。

 

 

一誠「い、いや! 何もねーよ! ちょっと夜道で美人のお姉さんに刺されて、死ぬかと思ったら、朝起きたら傷が治ってて、なんか赤い髪の先輩が枕元にいて……って、んなわけあるか! 夢だよ、夢!」

 

 

彼は必死に自分に言い聞かせているようだったが、俺の右手に宿るアザトースが、彼の左腕に眠る『赤龍帝』に反応して「ドクン」と疼いた。

 

 

連「……夢ならいいがな。だが、お前、その左腕だけは大事にしておけよ。それはもう、ただの腕じゃない」

 

 

俺がすれ違いざまにそう告げると、一誠は呆然と立ち尽くした。

校舎の窓からは、リアスと朱乃がその様子をじっと見下ろしている。物語の歯車は、もはや止めることのできない速度で回り始めていた。

 

 

数日後の夜。降りしきる雨の中、俺は町の高台にある古ぼけた教会の屋根に腰掛けていた。

階下では、一誠とアーシア・アルジェントを救おうとするオカルト研究部の面々が、堕天使レイナーレ率いる軍勢と激突していた。

 

 

連「……醜いな」

 

 

俺は黒炎を纏わせた右腕を弄びながら、冷徹にその光景を観察する。

教会内からは、アーシアから神器『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を奪い取り、狂喜乱舞するレイナーレの哄笑が響いてくる。

 

 

朱乃「暁連。……あなたは助けに行かないの?」

 

 

いつの間にか背後に現れたのは、姫島朱乃だった。彼女はリアスの命令で俺を監視しつつ、戦況を見守っている。

 

 

連「俺はリアスと『協力関係』にあるだけで、あんたたちの身内じゃない。それに……」

 

 

俺は眼下でボロボロになりながらも立ち上がる一誠を見据える。

 

 

連「あいつが真に『龍』として目覚めるには、この絶望が必要だ。他人の力で救われた英雄に、明日の理(ことわり)は壊せない」

 

 

朱乃「ふふ、冷たいのね。でも……その右腕、さっきから震えているわよ? 『壊したくて仕方がない』って」

 

 

朱乃の指摘通り、俺の右手に宿る神滅具は、堕天使たちの下卑た光の魔力を喰らおうと激しく拍動していた。

 

 

連「……ああ、そうだ。この黒炎が、あの傲慢な堕天使を『無』に帰せと急かしてくる」

 

 

教会の中では、一誠がついに『赤龍帝の籠手』を二重強化(ダブル・ブースト)させ、レイナーレに一矢報いようとしていた。だが、力の差は歴然だ。

 

 

連「……そろそろ潮時か。朱乃、リアスに伝えておけ。『一誠が龍を喚んだら、俺も少しだけ遊ばせてもらう』とな」

 

 

俺は屋根から立ち上がり、双銃形態『冥星(ダーク・スタァ)』を顕現させた。

左の銃口に「絶対零度の闇」を、右の銃口に「存在を穿つ光」を充填する。

 

 

連「お前の『事象』は、ここで終わりだ。レイナーレ」

 

 

俺の瞳が、黒い炎に染まる。

一誠の叫びと共に教会の壁が吹き飛んだ瞬間、俺は雨を切り裂き、戦場の中心へと飛び降りた。

 

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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