爽やかな朝の陽光が駒王学園の校門を照らしていたが、そこに漂う空気はどこか刺々しく、異質な重圧を孕んでいた。
一誠が欠伸を噛み殺しながら登校してくると、校門の脇に一人の少年が佇んでいるのに気づいた。透き通るような銀髪に、怜悧な顔立ち。モデルか何かかと思わせるその美形ぶりに、一誠は一瞬「誰だこいつ?」と足を止める。
ヴァーリ「……よう、赤龍帝。昨夜はよく眠れたかい?」
一誠「あ? ……赤龍帝って、お前、なんでそのことを……」
一誠が身構えた瞬間、脳内でドライグが「一誠、気をつけろ! こいつは……白龍皇(アルビオン)の宿主だ!」と鋭く叫んだ。その言葉に、一誠の背筋に冷たい汗が流れる。ヴァーリは不敵に微笑むと、校舎の屋上を見上げた。
ヴァーリ「今日は面白い見世物(公開授業)があるそうじゃないか。……アザゼルも楽しみにしているよ。せいぜい、無様な姿を晒さないことだ」
ヴァーリが風のように去っていくのと入れ替わるように、校門付近が別の意味で騒がしくなった。
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「……おい、見ろよ。暁のやつ……」
「嘘だろ、朱乃先輩だけじゃなくて、あの転校生のディーネまで……」
登校してくる生徒たちの視線が一箇所に集中する。
中央を歩くのは、相変わらず感情の読み取れない冷徹な瞳をした暁連。その右腕には朱乃が、左腕にはディーネが、競い合うようにして密着し、腕を組んでいた。
朱乃「ふふ、連くん。今日の貴方は一段と美味しそうだわ。……周りの殿方たちの殺気、ゾクゾクしちゃうわね?」
朱乃が連の耳元で艶っぽく囁けば、反対側からディーネが負けじと連の頬に自分の顔を寄せる。
ディーネ「あはっ! 凡俗どもの嫉妬なんて、連の歩く道の肥やしにでもしておけばいいのよ。ねぇ、連? 今日の公開授業、あんたの隣は私が死守するんだから!」
連「……勝手にしろ。鬱陶しい」
連は周囲から突き刺さる「呪い」に近い嫉妬の視線を完全に無視し、淡々と校舎へと歩を進める。彼にとって、隣にいるのが魔女であろうが巫女であろうが、その本質は「黄泉の理」に従う駒に過ぎない。しかし、その堂々たる三股……もとい、ハーレム登校は、男子生徒たちの心を完膚なきまでに叩き折っていた。
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校内は公開授業を控え、保護者たちの姿で溢れかえっていた。一誠の両親がリアスの父親――グレモリー卿と和やかに、しかし身分の差を全く感じさせない様子で談笑している一方で、体育館の方は別の「爆発」が起きていた。
セラフォール「そーたん! お姉ちゃんが来たわよぉ! 今日は世界で一番可愛いそーたんの勇姿を目に焼き付けちゃうんだからぁっ!」
フリフリの魔法少女のような衣装を纏い、キャピキャピと飛び跳ねているのは、冥界の四大魔王の一人、セラフォール・レヴィアタン。そのあまりのハイテンションぶりに、生徒会長の支取蒼那は顔を真っ赤にし、今にもその場に崩れ落ちそうなほど震えていた。
ソウナ「……お姉様。……死んでください。今すぐ、この世界から消えてください……」
セラフォール「そんなぁ! 冷たいそーたんもゾクゾクしちゃうけどぉ!」
副会長の匙が、あまりの惨状に「会長、しっかりしてください!」と支えるのが精一杯の状態だった。
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だが、体育館の外、校門から校舎へと続く並木道が、突如として「静寂」に包まれた。
騒がしかった保護者たちも、談笑していた教師たちも、一様に言葉を失い、道を開ける。
そこを歩いてくるのは、この世のものとは思えないほど豪華な和服を纏った二人組だった。
女性は、夜の闇を織り込んだような深い黒の振袖に、黄金の刺繍が施された姿。その瞳は全てを見透かすような慈愛と、触れれば命を失うような冷徹さを同時に宿している。
隣を歩く男性は、清流のような白と青の羽織袴を粋に着こなし、その佇まいは天地を統べる王のような風格を漂わせていた。
「……あ、あの人たち……誰だ? 芸能人か?」
「いや、そんなレベルじゃない……。見てるだけで、ひざまずきたくなる……」
異変を察知して駆けつけた一誠やリアス、そして連たちがその姿を目にした瞬間。
連の右腕のブレスレットが、今までで最大の共鳴を見せた。
連「……なっ!?」
連の目が見開かれる。
黄金の和服の美女――**暁波(あかつき なみ)**と名乗るその女性は、連を見つけるなり、扇子で口元を隠して妖艶に微笑んだ。
イザナミ「あら、連。……母が来ると言って、そんなに驚くことはないでしょう? 今日は貴方の『お勉強』を拝見しに来たのですよ」
連「イ、イザn……様……っ!?」
連が声を詰まらせる。神としての気配を完璧に隠匿しているはずだが、連には分かる。目の前にいるのは、夢の中で自分を抱きしめる黄泉の女神そのものだ。
そして、隣の男性――**出雲凪(いずも なぎ)**が、ディーネに向かって軽く手を挙げた。
イザナギ「やぁ、ディーネちゃん。日本での暮らしは慣れたかい? 凪おじさんも、君の活躍が見たくて、つい黄泉から……おっと、出雲から駆けつけてしまったよ」
ディーネ「……あ、あ、あ……『あの方(イザナギ様)』!?」
ディーネが、人生で初めて「借りてきた猫」のように硬直した。
イザナギとイザナミ。
日本神話の原初にして頂点の二柱が、連の「保護者」とディーネの「友人」という体で、この学園に降臨したのだ。
リアス「……兄様、あの方たちは……?」
リアスが震える声でサーゼクスに尋ねるが、魔王であるサーゼクスですら、冷や汗を流しながらその二人を注視していた。
サーゼクス「……分からない。だが、リアス。……あの方たちにだけは、絶対に失礼があってはならない。……あれは、我ら悪魔が触れていい領域の存在じゃない……」
暁波(イザナミ)は、一誠の両親やリアスの父親に淑やかに一礼すると、流れるような所作で連の隣に並んだ。
イザナミ「さぁ、連。……妾(わらわ)に、貴方の真価を見せておくれ。……この退屈な学園が、貴方の光でどのように塗り替えられるのか……。母は、とても楽しみにしているのですよ?」
イザナミの手が連の肩に置かれる。その瞬間、連の体内に流れる天使の血とアザトースの闇が、歓喜の咆哮を上げた。
三勢力会談を前にした、公開授業。
魔王、堕天使、そして二柱の日本神。
世界の重鎮たちが集う学園は、もはや単なる学び舎ではない。
暁連という名の「終焉」が、神々の御前でその翼を広げるための、巨大な儀式場へと変貌を遂げようとしていた。
連「……ふん。最高の観客だ。……ディーネ、朱乃。……今日は、少しだけ『本気』を見せてやる」
連の言葉に、神々が満足げに目を細めた。
公開授業のチャイムが、運命の幕開けを告げるように、厳かに響き渡った。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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