破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第30話 連の本気:深淵の具現化 神々の賞賛と、魔王の戦慄

駒王学園一年生の教室。そこは現在、人界の常識と冥界の権威、さらには神話の頂点が同居する、宇宙で最も密度が高い「教室」と化していた。

 

英語の公開授業――。本来ならば教科書を読み上げ、構文を暗記する退屈な時間のはずだった。しかし、教壇に立つ教師は、後方に控える魔王サーゼクスや、圧倒的な威圧感を放つ和服姿の**暁波(イザナミ)**、そして悠然と構える**出雲凪(イザナギ)**の視線に完全に呑まれていた。

 

「え、えー……。本日は、イングリッシュの表現力を養うため……『心の中のイメージを形にし、それを英語で説明する』という特別授業を行います。さあ、皆さんに配ったこの粘土で、自由にクリエイトしてください! レッツ・粘土細工!」

 

教師のヤケクソ気味な号令により、英語の授業は瞬く間に図工の時間へと変貌を遂げた。

 

---

 

 

一誠「よし……! 来たぜ、俺の独壇場だ!」

 

一誠が鼻息を荒くし、猛烈な勢いで粘土をこね始める。彼の脳裏にあるのはただ一つ。昨夜、そしてプールで網膜に焼き付けたリアス・グレモリーの黄金比の肢体だ。

 

一誠「この曲線を……こう! そしてこの弾力を……粘土で再現するんだ! 見てろよ部長、俺の愛を形にしてやるぜぇ!」

 

一方、その隣でゼノヴィアは粘土の塊を前に、かつてないほど真剣な表情で苦悩していた。

 

 

ゼノヴィア「……粘土でイメージを形にする、か。騎士として、やはり折れぬ剣を形にすべきか? それとも、一誠の言う『子作り』に必要な母体の造形を学ぶべきなのか……?」

 

アーシア「ゼノヴィアさん、そんなに難しく考えなくても大丈夫ですよ?」

 

 

アーシアが困ったように微笑みながら、小さな十字架と小鳥を器用に作っていく。その清らかな光景の横で、一誠の粘土は次第に「服を着ていない女性のトルソー」へと形を変えていた。

 

ディーネ「あはっ! 一誠くん、相変わらずバカね。そんなの提出したら、後でリアスに消し炭にされるわよ?」

ディーネがクスクスと笑いながら、指先でシアン色の風を操り、粘土を空中で回転させて幾何学的な結晶体を作り上げていく。

 

だが、教室の後方。

保護者席に立つイザナミ――暁波の視線は、愛息(依代)である連に注がれていた。

 

イザナミ「……連。貴方の内にある『真実』を、妾(わらわ)に見せておくれ」

 

扇子越しに囁かれたその声は、連の脳髄を直接揺さぶった。

 

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連「……ふん。粘土遊びか」

 

連は冷めた瞳で、机の上に置かれた無機質な粘土の塊を見つめた。

普段ならば適当に球体でも作って終わらせるところだが、今日は「母」が見ている。そして、自身の内に眠るアザトースが、外界へその存在を主張したがっているのを感じていた。

 

連(……アザトース。お前の姿を、この泥に刻んでやる)

 

連が粘土に触れた瞬間、教室の温度が数度下がったような錯覚を周囲に与えた。

連の指先から、微かな黒炎が漏れ出す。粘土は熱に溶けるのではなく、連の魔力によって「再構築」されていく。

 

一誠が「おっぱい……おっぱい……」とうわ言のように呟きながら、リアスの臀部の肉感を追求している横で、連の粘土は生物的な、いや、宇宙的な脈動を始めていた。

 

連「……形を成せ」

 

連の指が、粘土を細かく、精密に引き裂き、繋ぎ合わせる。

それはもはや造形ではない。無から有を、闇から光を捻り出す儀式だ。

 

数分後。

教室内が騒然となった。

 

「な……なんだ、あれ……」

「暁くんの作ってるやつ、怖すぎるだろ……」

 

一誠が完成させた「全裸のリアス像(驚異的なクオリティだが、あまりの変態性に女子生徒たちが引いている)」とは、全く別のベクトルの「凄絶さ」がそこにあった。

 

連の机の上に鎮座していたのは、数多の触手と、無数の眼球、そして中心に「虚無」を抱えた、名状しがたき龍の姿――**アザトースの真体**を模した彫像だった。

粘土のはずなのに、その表面は黒光りし、時折ヌルリと動いているようにさえ見える。見る者の精神を削り取るような、圧倒的な「恐怖」と「美」が共存していた。

 

連「……『The King of All(万物の王)』。それが、俺のイメージだ」

 

連が英語で短く説明すると、教師はガタガタと膝を震わせ、言葉を失った。

 

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後方で見守っていた保護者たちの反応は、真っ二つに分かれた。

 

一誠の両親は、「一誠、なんてエッチなものを……! でも上手いわねぇ」と赤面しながらも感心していたが、リアスの父、グレモリー卿は、一誠の作った娘の全裸像を見て感心している。

 

しかし、連の作品の前に立った瞬間、サーゼクスとグレイフィアの顔色が劇的に変わった。

 

サーゼクス「……これは。……ただのイメージじゃない。連くん、君は……自分の中に飼っている『それ』を、そのまま物質化したのかい?」

 

サーゼクスが、冷や汗を流しながら彫像に手を伸ばそうとする。だが、それよりも早く、暁波(イザナミ)が歩み寄り、連の頭を優しく抱きしめた。

 

イザナミ「――見事ですよ、連。妾の愛した闇が、これほどまでに鮮烈に、この塵の世界に顕現するとは。……ふふ、やはり貴方は、妾の最高傑作だわ」

 

イザナミは連の耳元でそう囁くと、隣に立つ出雲凪(イザナギ)に視線を向けた。

 

イザナミ「凪、貴方の目にはどう映る? 妾と、貴方の送った娘(ディーネ)が選んだ、この男の魂が」

 

イザナギ「……参ったね。ただの粘土細工だと思っていたが、これは『概念』の塊だ。ディーネちゃんが夢中になるのも無理はない。……これ、出雲に持ち帰って飾りたいくらいだよ」

 

イザナギは朗らかに笑うが、その瞳は笑っていなかった。彼は、連の中に宿る力が、もはや三勢力の均衡などという小さな枠組みを、いつでも破壊できる段階に達していることを見抜いていた。

 

---

 

 

 

「……暁くん。君の作品は、その……非常にパワフルで、インプレッシブです……。Aプラスをあげましょう……。だから、早くそれを仕舞ってください、精神が持ちません……」

 

教師が泣き出しそうな声で授業を切り上げると、連は無造作に、アザトースの像を右腕のブレスレットに触れさせた。

すると、あの大作は影に吸い込まれるようにして消え去った。

 

一誠「……連! お前、すげぇけど怖えよ! 俺の芸術(エロス)が霞んじまったじゃねーか!」

 

一誠が自分の作ったリアス像を隠しながら文句を言う。

 

 

連「……貴様のそれは芸術ではない、ただの性犯罪だ」

 

 

連が冷たく切り捨てると、アーシアが「でも一誠さん、リアスさんへの愛は伝わりました!」とフォロー(?)を入れる。

 

ディーネ「あはっ! 連、最高だったわよ! 波様もあんなにご機嫌になっちゃって。……ねぇ、今日の放課後は大変なことになりそうね?」

 

ディーネが連の腕に絡みつき、後方の和装の二神をチラリと見た。

 

神が死んだ後の世界。

その平和なはずの公開授業で、暁連は「本物の神」の御前で、己の内に棲む「終焉」を証明してみせた。

放課後に控える「三勢力会談」。

それはもはや、悪魔や天使たちの話し合いではない。

暁連という名の異分子を、この世界がどう受け止めるか――その審判の場へと、姿を変えようとしていた。

 

連「……行くぞ、ディーネ」

 

連は立ち上がり、イザナミに一礼すると、堂々とした足取りで教室を後にした。

背後で、イザナミの艶然とした笑い声が、いつまでも響いていた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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