旧校舎の一室。そこでは「吸血鬼にして男子、さらに引き籠もり」という業の深い後輩、ギャスパー・ヴラディを巡るドタバタ劇が繰り広げられていた。
匙の神器で魔力を吸収し、制御を試みたものの、結果は無残な逆効果。暴走しかけたギャスパーは、恐怖のあまり魔法の箱(段ボール)を抱えて部屋の隅へと完全に封鎖してしまった。
リアス「……ギャスパー、聞きなさい。貴方は一人じゃないわ」
会議を一時抜け出したリアスが、慈愛に満ちた声で彼の過去――「忌み子」として追放された孤独を優しく解きほぐす。その様子を見届けた一誠は、拳を握りしめて宣言した。
一誠「部長、会議に戻ってください。……こいつは俺の、初めての『男の後輩』なんだ。男同士、腹割って話してみせますよ!」
リアスが微笑んで立ち去った後、一誠はドア越しにギャスパーへ語りかけた。
一誠「いいか、ギャスパー。お前のその『時間停止』の力……あれは最高だ。もしお前がその力を極めたら……世界中の美女の着替えを、誰にも邪魔されずに、じっくり、たっぷり、心ゆくまで拝めるんだぞ!? それはもう、男の夢……聖域なんだよ!」
ギャスパー「……えっ、そんな……そんな不純なことに使っていいんですか……?」
一誠「不純じゃねぇ、純粋なんだよ! お前の力は、エロスのためにあるんだ!」
その最低すぎる励ましに、ギャスパーが恐る恐る顔を出した瞬間、背後から待機していた木場、アーシア、ゼノヴィア、小猫が続々と入室した。
小猫「一誠先輩、最低です」
アーシア「さぁ、ギャスパーくん。まずはこの特製の『紙袋』を被りましょう。目のところだけ穴が開いていますから、外の視線も怖くないですよ?」
アーシアが差し出した紙袋を被せられ、ギャスパーはようやく「……これなら、なんとか……」と、奇妙な格好で一歩を踏み出したのだった。
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一方、一誠たちが騒がしくも微笑ましい「青春」を謳歌していた頃。
暁連とディーネは、静まり返った連の自宅地下へと降りていた。
そこには、連の保護者(イザナミ)がこの家を建てた際に施した、現代魔術の常識を逸脱した特異空間が存在していた。
**【破壊不可能・空間拡張縮小可能・背景変更・エリア内不死身】**。
それはまさに、神話級の戦いを行うためだけに用意された、世界の理から切り離された断絶空間だ。
ディーネ「……あはっ、久しぶりね。ここで連と踊る(戦う)のは」
ディーネが指先を鳴らすと、真っ白だった部屋の背景が、月明かりに照らされた「黄泉の枯れ森」へと変貌した。
連は無言で、右腕の黄金のブレスレットに手をかける。
連「三勢力会談まで時間はまだある。だが、あの三者の前で『本物』を示すには、今の出力では足りない」
ディーネ「分かってるわ。……さぁ、始めましょう。私の『腐食』と、あんたの『終焉』……どちらが先に魂に届くかしらね?」
ディーネがシアン色の魔力を爆発させ、自身の「分身」を数体生成する。連もまた、アザトースの影から自身の漆黒の分身を作り出した。
「禁手(バランス・ブレイカー)――『極夜の破滅龍騎士(ナイトメア・オーバーロード)』!!」
轟音と共に、連が黒金の鎧を纏う。
黄金の『真説・エクスカリバー』と、漆黒の『魔剣アザトース』。二刀を構えた連が、音速を置き去りにしてディーネの分身へと肉薄した。
キィィィィィィンッ!!
空間が悲鳴を上げる。不死身設定がなければ、この一撃だけで駒王町が地図から消えるほどの衝撃波。ディーネは風を操り、連の太刀筋を紙一重でかわしながら、その軌道に「腐食の呪い」を設置していく。
ディーネ「あはは! 連、もっとよ! もっと私を壊すつもりで来なさい!」
連「……言われなくとも!」
連の剣閃が森を両断し、空を焼き裂く。
数時間に及ぶ、神殺しのための戦闘訓練。
その極限状態の中、連がとどめの一撃を放とうと魔剣を振り上げた瞬間――。
連「……っ!? ガ、アッ……!」
左腕に、焼き付くような激痛と、得体の知れない「違和感」が走った。
視界が揺らぎ、連は禁手を強制解除してその場に膝をつく。
ディーネ「連!? 大丈夫!?」
ディーネが駆け寄る。連は息を荒くしながら、自身の左腕を見つめた。
そこには、袖を突き破るようにして、**「漆黒の龍の鱗」**がびっしりと生え揃い、禍々しい鼓動を刻んでいた。
連(アザトース……。これは、どういうことだ……!)
連の脳内に、低く、妖艶な笑い声が響く。
アザトース『……くかか。喜べ、連よ。貴様の器が、ついに妾(わらわ)の真髄を受け入れ始めたのだ。これは変異ではない。……同調(シンクロ)よ』
影の中から、アザトースの幻影が姿を現し、連の左腕を愛おしそうに撫でた。
アザトース『貴様の左腕は、もはや人間の肉ではない。妾の「魔剣」と、そして貴様の魂が一つになり、真なる神の武具へと昇華されつつある。……イザナミの器として、貴様は完成に近づいておるのだ。その鱗は、世界の理を弾き、神の法を無効化する盾となる』
連「……俺の体そのものが、神器(セイクリッド・ギア)になりつつあるというのか」
アザトース『神器などという矮小な言葉で括るな。……それは「神の体現」。三勢力の王共が見れば、腰を抜かして逃げ出すような、絶望の象徴よ』
連はゆっくりと立ち上がり、左腕に力を込めた。
鱗は皮膚の下へと沈み込み、見た目には元の腕に戻ったが、その奥底で眠る「破壊の質量」は先ほどまでの比ではない。
ディーネ「あはっ……。凄い、凄いよ連! あんたのその左腕から、狂おしいほどの『死』の匂いがするわ。……これなら、あのミカエルとかいう天使の羽を、根元から毟り取ってあげられるわね!」
ディーネが連の左腕に頬を寄せ、うっとりと目を細める。
連「……ああ。これでようやく、奴らと同じ土俵ではない……『上』から見下ろす準備が整った」
連は再び魔剣を顕現させた。
今度は痛みが消え、腕と剣が、まるで血管が繋がっているかのような一体感を持って馴染んでいる。
連「……続けるぞ、ディーネ。夜が明けるまで、この力を馴染ませる」
ディーネ「もちろん! 朝まで付き合ってあげるわ。……壊して、連。私を、そしてこの偽りの世界を!」
深夜の地下室。
黄金の光と漆黒の衝撃が、止まることなく交差し続ける。
三勢力会談という、ちっぽけな外交交渉。
その裏側で、世界そのものを書き換える「神の器」が、静かに、しかし確実に牙を研ぎ澄ませていた。
暁連の左腕に刻まれた漆黒の鱗。
それは、これから始まる会談が、対等な話し合いなどではなく、一方的な「宣告」の場になることを予兆していた。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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精霊
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フェンリル
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その他(他作品とのクロスオーバー)
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