破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第38話 黒炎の断罪 絶望のフィナーレへ

 

崩壊する駒王学園の結界。その破片が夜空に舞い散る中、漆黒の鎧を纏った連と、白銀の光翼を広げたヴァーリが対峙した。一誠が命懸けで穿った一撃により、ヴァーリの兜は砕け、その端正な顔には屈辱と狂喜が入り混じった歪な笑みが浮かんでいた。

 

ヴァーリ「……おっぱい、だと? 冗談じゃない。あんなふざけた概念に、この私が、ルシファーの血筋が膝を突くなど……!」

 

ヴァーリが吼える。その魔力は、一誠との戦いで消耗するどころか、逆境によってさらに鋭利に研ぎ澄まされていた。白銀のオーラが雷鳴のように周囲を焼き払い、彼は連を見据えた。

 

ヴァーリ「暁連、君だ。君なら私を満足させてくれるはずだ。その底知れない『無』の力で、私を……私の血を沸き立たせてくれッ!」

 

連は無言のまま、右手を横に流した。黄金の聖剣には触れず、自身の影の中から一振りの巨大な剣を静かに引き抜く。

 

連「……血筋、血筋とうるさいな。お前の誇るその血が、どれほど安っぽい泥水か……その身に刻んでやる」

 

顕現したのは、漆黒の刀身に紅蓮の紋様が脈動するように走る大剣――**大剣形態:『鴉焔(カラス・フレア)』**。

それはアザトースの破壊衝動を「熱」と「質量」に変換した、終焉の断頭台だ。

 

連「……前座は終わりだ。死に場所を選ばせてやる」

 

---

 

 

連が地を蹴った。

物理法則を無視した加速。連の背後に黒い残像が引き裂かれ、一瞬でヴァーリの懐へと潜り込む。

 

ヴァーリ「はぁッ!!」

 

『鴉焔』が横一文字に振るわれる。ただの剣筋ではない。大剣の軌道に沿って、空間そのものを焼き尽くすような黒い焔が扇状に広がり、ヴァーリの防御障壁を紙細工のように焼き切った。

 

ヴァーリ「くっ……『ディバイド(減衰)』!!」

 

ヴァーリが反射的に手を伸ばし、連の魔力を奪おうとする。だが、触れた瞬間にヴァーリの表情が凍りついた。

 

ヴァーリ「な……!? 吸い取れない……だと!? 奪った力が、私の体の中で消えていく……いや、逆に私の魔力を喰らっているのか!?」

 

連「……アザトースの闇は、万物を飲み込む虚無だ。お前の小細工など、深淵に石を投げるようなものだ」

 

連の追撃が止まらない。『鴉焔』が重戦車のような質量で叩きつけられるたび、白銀の鎧『白龍皇の鎧(スケイル・メイル)』に亀裂が走る。

連の剣技は、イザナミから授かった古流の理(ことわり)と、アザトースの暴虐が融合したもの。無駄のない動きから放たれる一撃一撃が、ヴァーリの「魔王の誇り」を物理的に粉砕していく。

 

ディーネ「あはっ! 見てよ、あの白い子の顔! 自分の力が通用しない恐怖に、魂が震えてるわ!」

 

ディーネが戦場の端で、シアン色の魔力を指先に纏わせながら愉悦に浸る。彼女の腐食の風が、ヴァーリが逃げ場を作らぬよう、周囲の空間をじわじわと侵食していた。

 

ヴァーリ「おのれぇ……ッ!!」

 

ヴァーリが極大の魔力弾を至近距離で放つ。だが、連は『鴉焔』の腹でそれを真っ向から受け止めると、黒炎を爆発させて魔力弾ごとヴァーリを吹き飛ばした。

 

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吹き飛ばされたヴァーリが空中での体勢を立て直し、十二枚の光翼を最大出力で展開する。

 

ヴァーリ「認めるよ、暁連! 君は……君は本物だ! だが、遠距離からの飽和攻撃ならばどうかな!?」

 

ヴァーリの背後から、無数の白銀の光弾が雨のように降り注ぐ。回避不能の弾幕。だが、連はそこで『鴉焔』を影へと戻した。

 

連「……剣に飽きたか。なら、次はこれで墜ちろ」

 

連の両手に、双銃の形をした漆黒の魔器が握られる。

**双銃形態:『冥星(ダーク・スタァ)』**。

 

それは弾丸を放つ道具ではない。空間に「穴」を開け、そこにアザトースの質量を流し込む、事象崩壊のトリガーだ。

 

連「――穿て」

 

連が引き金を引く。

銃口から放たれたのは、光ではなく、光さえも吸い込む漆黒の「塊」だった。

ヴァーリの放った白銀の弾丸が、連の『冥星』が放った黒い弾道に触れた瞬間、爆発することさえ許されず、次々と消滅(ロスト)していく。

 

ヴァーリ「何っ……俺の攻撃を、飲み込んでいるのか!?」

 

連「いいや。そこに存在する『意味』を消しているだけだ」

 

連の両腕が、残像を残すほどの速度で乱射を開始した。

『冥星』から放たれる漆黒の弾道は、空中に見えない「死の蜘蛛の巣」を描き出す。ヴァーリは光翼を羽ばたかせ、超高速移動でそれを回避しようとするが、弾丸はヴァーリの進むべき先を予見しているかのように、空間そのものを欠落させていく。

 

ヴァーリ「ぐ、ああああッ!!」

 

回避しきれなかった一発が、ヴァーリの左翼の付け根を掠めた。

ただの掠り傷ではない。触れた部分の鎧が、そしてその下の魔力の翼が、腐った果実のようにボロボロと崩れ落ちた。

 

連「俺の翼が……再生しない……? この傷は、理(ことわり)そのものを否定しているのか……!」

 

ヴァーリの瞳に、初めて真の戦慄が走った。

これまで出会ったどんな強者も、神も、魔王も、基本的には「この世界のルール」の中で戦っていた。だが、目の前の暁連は違う。

彼は、ルールそのものを書き換える、あるいは消し去る存在なのだ。

 

---

 

 

連「……どうした、白いの。最強の血筋とやらを見せてみろ」

 

連は双銃を構えたまま、一歩一歩、空を踏みしめてヴァーリへと近づく。

連の左腕の漆黒の鱗が、アザトースの拍動に合わせて妖しく点滅していた。

 

ヴァーリ「……君は、一体何なんだ……。悪魔でも、堕天使でも……神ですらない。……君のような存在が、何故この世界にいる……!」

 

連「……母上が言っていた。この世界は、少しばかり退屈すぎると。……だから、俺という『終焉』を遣わした。お前たちの不毛な争いに、幕を引くためにな」

 

連が『冥星』の銃口を、ヴァーリの心臓部へと向ける。

漆黒の魔力が銃口に収束し、周囲の光を全て飲み込んでいく。その圧力だけで、旧校舎の残骸が砂となって消えていく。

 

連「……死ね、ヴァーリ。お前の神話は、ここで完結だ」

 

ヴァーリ「……っ! ふ、ふははは……ッ! 素晴らしい……!! ならば、私は全身全霊でそれを否定してみせよう! 覇龍(ジャガーノート・ドライブ)に頼らずとも、私は君を――!!」

 

ヴァーリが全魔力を右拳に集中させ、命を燃やすような白銀の輝きを放つ。

最強の血筋が放つ、最後の、そして最高の一撃。

だが、連の瞳には、それがただの「終わりの足掻き」にしか映っていなかった。

 

連の指が、静かに引き金にかけられる。

黄金の聖剣はまだ、鞘の中で眠ったままだ。

それを使うまでもない。

暁連という名の深淵が、今、白銀の王を飲み込もうとしていた。

 

連「――『冥星・極光消失(ブラックアウト・エンド)』」

 

漆黒の閃光が放たれた瞬間、駒王学園の夜空から、全ての音が消えた。

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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