駒王学園の焼け跡に、勝利の歓喜も、敗北の悲鳴も響かない。ただ、万物の王アザトースと完全に同調し、人であることを捨てた暁連が放つ、絶対的な「無」の拍動だけが空間を支配していた。
足元で虫の息となっている兵藤一誠は、もはや言葉を発する力さえない。砕けた肋骨が肺を突き刺し、溢れ出す鮮血が深紅の鎧の残骸を濡らしている。
連「……一誠、お前の言っていた『おっぱい』の輝きとやらは、この闇を照らせたか?」
連の冷徹な声が響く。彼は感情を排した瞳で、魔剣アザトースの剣先を一誠の心臓へと向けた。
連「――消えろ。概念ごと、虚無へ」
連が剣を突き立てた瞬間、漆黒の魔力が一誠の体内で爆発した。赤龍帝ドライグの魂が絶叫を上げ、その存在が根源から分解されていく。ブーストも、ディバイドも、覇龍への渇望も、すべてが黒い塵となって夜風に霧散した。
かつてこの世界の希望と呼ばれた少年は、遺体すら残さず、歴史の特異点から完全に抹消された。
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連「……次だ。ディーネ、残った『王』たちの首を狩るぞ」
連が静かに告げると、傍らでシアン色の翼を広げたディーネが、狂喜に満ちた声を上げた。
ディーネ「あはっ! 了解よ、連! 魔王も、熾天使も、堕天使も……みんな纏めて、私の風で腐らせてあげる!」
旧校舎の結界の外では、サーゼクス、ミカエル、アザゼル、そしてセラフォールの四人が、連から放たれる圧倒的な神威に戦慄していた。
サーゼクス「……バカな。一誠くんが……ドライグが、消えただと!?」
サーゼクスの顔から余裕が消え、紅蓮の魔力が暴走気味に膨れ上がる。
ミカエル「暁連……貴方は、世界の敵となる道を選んだのですね」
ミカエルが悲痛な面持ちで十二枚の黄金の翼を広げるが、その光は連の周囲に渦巻く「禁手(バランス・ブレイカー)」の闇に吸い込まれ、一歩も届かない。
連「宣戦布告は終わっていると言ったはずだ」
連が指先を弾くと、空間が「音」を立ててひび割れた。
『冥星(ダーク・スタァ)』が連の手元に顕現し、王たちに向けて無慈悲な掃射を開始する。
「『冥星・事象崩壊』」
放たれた黒い弾丸は、ミカエルの聖なる盾を透過し、サーゼクスの滅びの魔力を食い破り、アザゼルの人工聖具をボロ切れのように引き裂いた。
アザゼル「ぐ、あああああッ!!」
アザゼルが残された右腕を抱えて絶叫する。
アザゼル「……なんだ……この力は……! 物理現象ですらねえ、概念そのものを……消去してやがる……!」
連「……母上(イザナミ)が望まれたのは、均衡ではない。純粋なる『無』だ」
連が地を蹴り、一瞬でサーゼクスの背後を取る。
連「さらばだ、魔王」
魔剣アザトースがサーゼクスの首を撥ね、同時にディーネの腐食の霧がミカエルの翼を根元から溶かした。天界の象徴たる熾天使が、泥のように崩れ落ち、消滅していく。
セラフォールが叫びながら氷の魔法を放つが、連はその冷気を素手で握り潰し、彼女の胸を漆黒の鱗で覆われた拳で貫いた。
数分。
三勢力の頂点が揃い、平和を誓い合ったその場所は、文字通り「神話の墓場」となった。
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駒王学園を完全に沈黙させた連は、上空で待つ黄金の女神イザナミの元へと浮上した。
イザナミは、連の返り血すらも愛おしそうに見つめ、その頬を撫でる。
イザナミ「……よくやりました、連。……ですが、まだこの地には、過去の遺物に縋る『神』と称する羽虫たちが蔓延っています。……すべてを、妾の黄泉へと誘いなさい」
連「……御意」
連の視線は、極東を離れ、世界中へと向けられた。
ギリシャ神話のオリンポス、北欧神話のアスガルド、インド神話の破壊神たち。
連「……ディーネ、行くぞ。まずはオリンポスだ。あの傲慢な雷神共の玉座を、母上への椅子に変えてやる」
ディーネ「あははっ! 賛成! ゼウスだかポセイドンだか知らないけど、みんなまとめて真っ黒な海に沈めてあげるわ!」
連が空間を切り裂き、黄泉の門を開く。
その先にあるのは、神々の住まう高天原でも、楽園でもない。
すべてが終わり、すべてが一つになる「無」の深淵。
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数刻後。オリンポスの十二神が守護する聖域は、地獄以上の惨状を呈していた。
連は『鴉焔(カラス・フレア)』の一振りで、最高神ゼウスの放つ万雷を切り裂き、その喉笛を漆黒の炎で焼き切った。
連「……神だと? この程度の力で、万物の霊長を気取っていたのか」
アザトースの力を常に全開放している連にとって、ギリシャ神話の神々など、ただの肉の塊に過ぎなかった。
ポセイドンの海はディーネの毒で腐り果て、ハデスの冥府は連の支配する真なる「黄泉」に飲み込まれ、消滅した。
神々の叫びが空を埋めるが、連の心には一欠片の慈悲も湧かない。
彼の中にあるのは、イザナミへの絶対的な忠誠と、アザトースの渇望。
壊せ、消せ、無に還せ。
その命令に従い、連は北欧へ、インドへ、そしてエジプトへと転移を繰り返す。
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世界は今、急速にその色彩を失いつつあった。
『禍の団(カオス・ブリゲード)』の残党が、あるいは生き残った神々が連合を組み、連に立ち向かおうとするが、連がその場に降り立つだけで、数万の軍勢が「存在したという事実」ごと消えていく。
暁連は、もはや「キャラクター」ではない。
この世界を終わらせるための、生きた「事象」そのものだ。
連「……すべてが終わる。……母上、これで満足ですか?」
連が問いかけると、イザナミは美しく微笑み、彼の背後から抱きしめた。
イザナミ「ええ……。もうすぐ、この醜い騒音も消え去り、貴方と妾だけの、静寂なる闇が訪れます。……さぁ、連。最後の仕上げを」
連は、残された最後の神話の拠点、そして全世界の「核」を破壊するため、再び双銃『冥星』を構えた。
その先に、明日はない。
ただ、暁連とイザナミが統べる、永遠の夜が始まろうとしていた。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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