破壊の黒炎   作:ぐちロイド

5 / 43
第4話 イザナミからの掲示と修業

その夜、深い眠りに落ちた俺の意識は、再びあの灰色の世界へと引き戻された。

黄泉の国の深淵。その中央で、イザナミが不敵な笑みを湛えて待っていた。

 

 

イザナミ「久しぶりだな、我が迷い子よ。現世での破壊、実に心地よく響いておるぞ」

 

 

連「イザナミ様……。わざわざ夢にまで現れるとは、何か急用か?」

 

 

イザナミは立ち上がり、俺の胸元に冷たい指先を這わせた。そこには神滅具の核が脈打っている。

 

 

イザナミ「不死鳥……。永久に朽ちぬ再生の理を持つ鳥か。だが、お前の持つ黒炎は、その理を根底から覆す『虚無』。……今のままでは、まだその『真意』に届かぬぞ」

 

 

連「真意……?」

 

 

イザナミ「お前の神滅具、『ディザスター・プロメテウス』の真の姿よ。今はまだ武器の形を模しておるに過ぎぬ。だが、禁手(バランス・ブレイカー)……その扉を叩く時、お前はただの人間であることを完全に捨てることになる」

 

 

イザナミの背後に、巨大な12枚の翼を持つ黒炎の騎士――『極夜の破滅龍騎士(ナイトメア・オーバーロード)』の幻影が揺らめいた。

 

 

イザナミ「あの不死鳥を焼きたくば、お前自身の内側にある『矛盾』をさらに激しく燃やせ。光と闇、生と死、破壊と創造。相反するすべてを黒炎で溶かし、己が意志という一本の芯に束ねるのだ」

 

 

彼女の手から溢れた冷たくも熱いエネルギーが、俺の魂へと流れ込む。

 

 

イザナミ「目覚めよ、連。お前の炎は、再生などという甘い言葉を許さぬ『終わりの火』。……一週間後、戦場でその真価を我に見せてみよ」

 

 

イザナミの声が遠ざかる。

目が覚めると、窓の外は薄明るい夜明けだった。

右手の甲に刻まれた神滅具の紋章が、昨日よりも深く、禍々しく熱を帯びている。

 

 

連「……禁手(バランス・ブレイカー)、か」

 

 

一週間後の決戦。ライザー・フェニックスが自慢する「不死身」を、俺の「終焉」が上回る時だ。

 

 

 

 

ライザーとの決戦まで残り数日。リアスたちは人里離れた雪山にあるグレモリー領の別荘で、地獄の特訓を開始していた。

 

 

リアス「連、あなたも遊びに来たわけじゃないでしょう? ちゃんとみんなと連携の訓練をしてちょうだい」

 

 

リアスが鋭い視線を向けるが、俺は巨大な岩の上に胡坐をかき、瞑想に耽っていた。

 

 

連「言ったはずだ。俺は協力者だが、群れるつもりはない。……それに、俺の力に巻き込まれれば、一誠の『赤龍帝の籠手』どころか、ここの山ごと消えちまうぞ」

 

 

実際、俺の内側ではアザトースの黒炎が暴れ狂っていた。イザナミから受けた啓示以来、俺の魂は「光」と「闇」が互いを喰らい尽くそうとする過負荷状態(オーバーロード)に陥っている。

 

 

朱乃「もう、相変わらず可愛くないわね。……でも、そんな意固地なところも嫌いじゃないわよ?」

 

 

不意に耳元で、蕩けるような甘い声が響いた。

姫島朱乃。彼女が音もなく俺の背後に回り込み、耳朶をなぞるように囁く。

 

 

連「……朱乃か」

 

 

俺は溜息をつく。なぜか彼女の、慈愛とサディズムが混ざり合ったような独特の「声」の響きは、不思議と俺の昂ぶった神経を鎮めてくれる。「多少はあなたの言うことなら聞いてやる」と漏らして以来、彼女の俺への距離感はさらに縮まっていた。

 

 

朱乃「ふふ、嬉しいわ。じゃあ、交換条件。あなたは自分の修行に集中していいわ。その代わり、夜になったら私の『お仕置き』……いえ、魔力の調整を手伝ってくださる?」

 

 

連「……勝手にしろ」

 

 

 

 

朱乃が離れた後、俺は別荘からさらに数キロ離れた断崖絶壁へと向かった。

ここなら、どんな出鱈目な力を放っても誰にも気づかれない。

 

 

連「顕現せよ――『終焉を刻む黒炎の魔剣』」

 

 

右腕から噴き出した黒炎が、重圧となって周囲の雪を瞬時に昇華させる。

俺が行う修行は、単なる筋力や魔力の増強ではない。「天使の光」と「悪魔の闇」、そしてその間に位置する「古龍の黒炎」を、一本の針の穴を通すような精密さで同調(シンクロ)させることだ。

 

 

連「ぐっ、あぁぁぁぁ……ッ!!」

 

 

右腕の皮膚が裂け、そこから黄金の光と漆黒の闇が奔流となって溢れ出す。

ハーフである俺の不安定な魂が、神滅具の過負荷に耐えきれず悲鳴を上げているのだ。

 

 

連「足りない……もっとだ。焼き溶かせ、すべてを……!」

 

 

俺はあえて、防御を解いた。

光の聖気で右半身を焼き、闇の魔力で左半身を腐食させる。その激痛の渦中で、アザトースの黒炎を核(コア)として練り上げる。

 

 

連「理を破壊し……境界を、壊滅させる……」

 

 

口から漏れるのは、イザナミが示した禁手(バランス・ブレイカー)への詠唱。

一振りの剣を形成するのではなく、俺自身が「破壊そのもの」へと変質していく感覚。

その瞬間、俺の背後に黒い翼の影が12枚、陽炎のように揺らめいた。

 

 

 

深夜。ボロボロになった体を引きずり、俺は別荘のバルコニーに戻った。

そこには、月光を浴びながら独り紅茶を飲む朱乃の姿があった。

 

 

朱乃「あら、おかえりなさい。……ボロボロね。そんなに自分を虐めて、楽しいかしら?」

 

 

連「修行だと言ったろ。……あいつを、ライザーを確実に『殺す』ためのな」

 

 

俺が隣に座ると、朱乃は何も言わずに俺の右腕を取り、優しく自らの膝の上に乗せた。

彼女の手から流れる、雷を帯びた魔力が、俺の荒れ狂う神経を癒していく。

 

 

朱乃「あなたは強すぎるわ、連。……光も闇も、一人で背負おうとしすぎ。たまには、私のような不浄な血に頼るのも悪くないわよ?」

 

 

連「……不浄か。お前も、俺と同じだな」

 

 

俺たちはしばらく、無言で月を見上げた。

彼女の穏やかな、しかしどこか壊れたような声が、俺の「終わりの火」を静かに燃やし続ける。

 

 

連「一週間後。……あの不死鳥が、絶望して灰になる瞬間を特等席で見せてやるよ、朱乃」

 

 

朱乃「ええ、期待しているわ。……ふふ、あははは! 楽しみね、本当に!」

 

 

彼女の艶やかな笑い声が、夜の森に響く。

俺の禁手(バランス・ブレイカー)――『極夜の破滅龍騎士(ナイトメア・オーバーロード)』。

その完成は、もう目の前だった。

 

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

  • 精霊
  • フェンリル
  • ドラゴン
  • 吸血鬼
  • 上位悪魔
  • その他(他作品とのクロスオーバー)
  • その他(コメントで書いて下さい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。