破壊の黒炎   作:ぐちロイド

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第7話 神の代行人?

夜の駒王町、その境界線に位置する打ち捨てられた大聖堂跡。かつては聖なる祈りが捧げられていたであろうその場所は今、冷徹な殺意と、それとは対照的な「どろり」とした不浄な闇に支配されていた。

 

ベネディクト「悪魔の眷属、そして……神の理を乱す『混血の呪い』よ。ここがお前たちの墓場だ」

 

白い法衣を翻し、祭壇の上に立つ男――天界の過激派組織『聖裁の光』の執行官、ベネディクトが冷酷に言い放つ。彼の背後には、人工的に神の加護を付与された十数人の戦闘修道士たちが、鈍く光る「人工聖剣」を構えて布陣していた。

 

リアス・グレモリーが紅髪をなびかせ、一歩前へ出る。

 

 

リアス「天界の末端が、私の街で勝手な真似を……。不法侵入も甚だしいわね」

 

 

ベネディクト「黙れ、紅髪の魔女。我らの目的は貴様らではない。……そこに立つ、聖魔を混ぜ合わせ、古龍の汚濁を宿したあの『異物』だ」

 

ベネディクトの指先が、退屈そうに耳をほじっていた暁連を指す。

連はふぅ、と溜息をつき、一歩、また一歩と祭壇へ向かって歩き出した。

 

連「異物、か。……語彙が乏しいな、神の犬ども。お前たちの言う『理』ってのは、そんなに脆いのか? 俺一人が混ざっているだけでガタつくなんて、随分な欠陥品じゃないか」

 

 

 

ベネディクト「貴様ぁッ! 神を愚弄するか!」

 

 

 

ベネディクトの合図とともに、二人の修道士が左右から肉薄する。手に持った人工聖剣が、悪魔を即座に浄化する「光の断罪」となって連の首筋へ迫る。

 

だが、連は避けない。

その右腕が「陽炎」のように揺らめいた。

 

「――形態変化:双銃『冥星(ダーク・スタァ)』」

 

パァン、と乾いた音が二度。

弾丸ではない。放たれたのは「黒炎の礫」だ。

左から放たれた凍てつく闇の炎が、右の修道士の聖剣を「概念ごと」凍らせて砕き、右から放たれた光の炎が、左の修道士の胸に風穴を開けた。

 

 

 

 

ベネディクト「ギャアアアアッ!?」

 

 

連「……神の加護? 笑わせるな。その程度の『光』、俺の炎にとってはただの燃えカスだ」

 

連の瞳が、深淵のような漆黒に染まる。

それを見たベネディクトの顔が驚愕に歪んだ。

 

 

ベネディクト「神器の気配がない……!? まさか、その身そのものが神滅具と化しているのか!? おのれ、どれほどの冒涜を重ねればそこまで……!」

 

連「冒涜だと? ……なら、見せてやるよ。お前たちが縋る『神の奇跡』が、どれほど無力かをな」

 

連の全身から、物理的な重圧を伴う黒炎が噴き出した。

それはもはや「炎」という形を維持できていない。空間そのものをドロドロに溶かし、光さえも吸い込む「虚無の塊」だ。

 

ベネディクト「総員、展開! 聖なる結界で奴を封じ込めろ! 神の雷(いかずち)を降らせるのだ!」

 

 

 

ベネディクトの叫びに、残りの修道士たちが円陣を組む。彼らの人工聖剣が共鳴し、大聖堂の天井に巨大な光の魔法陣が描かれた。そこから降り注ぐのは、上位天使の術式を模した、広範囲滅却光線。

 

リアス「連、危ないわ! 避けて!」

 

 

 

リアスの叫びを背に、連は不敵に笑う。

逃げるどころか、彼はその光の奔流へ向かって右腕を突き出した。

 

 

 

連「喰らえ、アザトース。……『事象の捕食』」

 

 

 

 

降り注ぐ光の雷が、連の掌の前に展開された「黒い渦」に吸い込まれていく。消滅したのではない。連の内側に宿る古龍の魂が、神の力を「燃料」として取り込んでいるのだ。

 

 

 

ベネディクト「な……馬鹿な! 神の光を……喰っただと……!?」

 

 

 

ベネディクトの足が震え始める。彼は今まで、数多のはぐれ悪魔や異端者を狩ってきた。だが、目の前の存在は、それらとは根本的に「次元」が違った。

 

連はゆっくりと階段を上る。一歩ごとに、大聖堂の石材が煤となって消えていく。

 

 

連「お前たちの神が作った『世界』……そのシステムの上で戦っている限り、俺には勝てないぜ。俺の炎は、そのシステムそのものを焼き切るためにあるんだからな」

 

 

 

 

連の背後に、陽炎のような12枚の闇の翼が揺らめく。

禁手(バランス・ブレイカー)――『極夜の破滅龍騎士(ナイトメア・オーバーロード)』の片鱗だ。

 

ベネディクト「ひ、ひぃ……! くるな、くるな化け物め!」

 

 

ベネディクトは腰の鞘から、唯一本物の聖剣の破片を組み込んだ特製の長剣を抜き放った。

 

 

ベネディクト「これを受けろ! 聖剣エクスカリバーの威光を――」

 

「――形態変化:大剣形態『鴉焔(カラス・フレア)』」

 

連の手の中に、巨大な黒い刀身が凝縮される。

ベネディクトが必死に振り下ろした「光の一撃」に対し、連はただ、静かに横一閃に凪いだ。

 

カァン、という金属音すらしない。

連の黒い刃が通った瞬間、ベネディクトの聖剣は、まるで最初から存在しなかったかのように消滅した。切られたのではない。刃が触れた場所から「存在のデータ」が消去されたのだ。

 

ベネディクト「……あ、あぁ……」

 

 

ベネディクトは、自分の両手が手首から先、黒い残り火となってサラサラと崩れていくのを、呆然と眺めていた。

 

 

ベネディクト「……痛みが、ない……? いや、これは……魂が……」

 

連「特性:虚無の黒炎。再生も、転生も許さない。……お前はここで、永遠に『無』になるんだよ」

 

連は至近距離で、ベネディクトの瞳を見据える。

そこにあるのは、ただ圧倒的な虚無。

 

 

連「神を恨むなよ。……俺を選んだ運命を恨め」

 

「必殺:『虚無を穿つ一閃(ゼロ・ディバイド・バースト)』」

 

大剣から放たれた黒炎の奔流が、ベネディクトを、そして彼が立っていた祭壇、さらには大聖堂の奥深くまでを一直線に飲み込んだ。

光も、音も、叫び声も。

すべてがその「黒」の中に溶け落ち、一瞬の静寂が訪れる。

 

黒炎が晴れたとき。

そこには、巨大なクレーターのような「空白」だけが残されていた。

ベネディクトの痕跡は、衣服の切れ端一つ、塵の一粒すら残っていない。

 

連は肩に担いでいた大剣を霧散させ、ふぅ、と長い息を吐いた。

 

 

連「……ったく、神の代行人なんて大層な名前を付ける割に、中身は空っぽかよ」

 

背後では、一誠が口をあんぐりと開け、小猫が珍しく驚きの表情を見せている。

朱乃だけが、うっとりとした表情でその「破壊の跡」を見つめていた。

 

朱乃「ふふ……期待以上だわ、連。あんなに綺麗に消しちゃうなんて」

 

 

連「……趣味が悪いぞ、朱乃」

 

連は、自分の右腕に走る微かな震えを隠すように、ポケットに手を突っ込んだ。

神の光を喰らった代償。内側でアザトースが「もっとだ、もっと理(システム)を壊せ」と吠えている。

 

リアスが歩み寄り、連の顔を覗き込んだ。

 

 

リアス「……連、大丈夫? あの力、あなたの魂を削っているように見えるけれど」

 

 

連「心配ご無用だ、部長様。……俺は、自分の意志でこれを選んだ。たとえこの炎に焼き尽くされるのが運命だとしても、その前に……この退屈な世界の天井くらいは、焼き落としてやるさ」

 

月明かりの下、連は不敵に笑う。

天界の執行官を消滅させたという事実は、間もなく天界、魔界、そして堕天使の総督の耳にも届くだろう。

もはや、ただの「協力者」では済まされない。

暁連という名の「終焉」が、この世界の歯車を本格的に狂わせ始めたのだ。

 

連「さぁ、帰って紅茶でも飲もうぜ。……朱乃、『お仕置き』の続き、忘れてないだろうな?」

 

 

朱乃「あら、もちろんよ。……今夜は、たっぷり可愛がってあげるわ」

 

二人の会話を背に、連は壊れた大聖堂を後にする。

彼の足跡には、今もなお、消えることのない黒い残り火が静かに揺らめいていた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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