うつけ姫の弟   作:ホークス馬鹿

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再び手を取り合うです。


再び手を取り合う

信勝らを粛清し、尾張は信奈の元一つに纏まった。

しかし

 

長秀「姫様は・・・?」

 

恒興「はっ。まだお部屋の中に・・・」

 

長秀「・・・そうですか。」

 

信奈のショックは大きく、あの日以来部屋に閉じこもったままだった。

その為、長秀が代理に清洲を纏めていた。

盛政は、その後信忠の直臣として仕える事となった。

土田御前は、仏門に入った。

その訳は

 

土田『大殿の冥福と息子達の罪。その罪を止められなかった己の罪の償いを致します。』

 

との事だった。

信忠は特に止めはせず、手厚く保護する事を約束したのだった。

 

良晴「まだ信奈は部屋の中か?」

 

長秀「サル殿・・・」

 

すると、良晴が大広間に現れた。

 

良晴「信忠・・・何であんな事を・・・」

 

長秀「信忠様は・・・尾張の為にやったのだと・・・信勝様の再びの謀反の計画は、調べたところ事実のようですし・・・」

 

良晴「けど、弟を殺すなんて・・・間違ってるぜ!」

 

良晴は、未だ信忠がやった事に納得しておらず

 

良晴「アイツには・・・人の心はねーのかよ・・・」

 

冷血漢に見えた。

その時

 

??「私の主の悪口を言わないでほしいな・・・」

 

長秀「勝家・・・」

 

勝家が現れた。

 

良晴「けどよ・・・アイツは・・・弟を殺したんだぞ。いくら信奈や尾張の為だからって、そんな躊躇いもなく簡単に・・・」

 

良晴「アイツには・・・情がねーんだよ・・・絶対・・・」

 

勝家の言葉に良晴は、思った事を口に出してしまった。

その時

 

パーン!

 

良晴「っ!?」

 

突然、頬に衝撃が走り、同時に乾いた音が響いた。

良晴は、勝家に叩かれた事に気付き

 

良晴「何すんだ、かつ・・・」

 

怒りに身を任せて怒鳴ろうとして顔を戻すと

 

勝家「貴様に・・・貴様に信忠様の何が分かるんだ!!」

 

良晴「かつ・・・いえ?」

 

勝家は、涙を浮かべていた。

 

勝家「信忠様は、好き好んで信勝様を殺したわけじゃない!!信忠様は、本当は斬りたくなかったんだ!!けれど、これ以上謀反を許し生かしたら、皆の示しが付かなくなる!!そうなると、尾張はいつまでも纏まらず、今川といった強大な敵に呑み込まれるだけだ!!」

 

勝家「信忠様とて断腸の思いだったんだ!!あのお方は、尾張の為、姫様の為に自ら血を浴びたのだ!!」

 

勝家「そんな信忠様の思いや覚悟、サルに何が分かるんだ!!」

 

勝家は涙を流し、良晴に怒った。

そんな時

 

??「もう良い、六。」

 

長秀「信忠様・・・」

 

良晴「信忠・・・」

 

信忠が現れた。

因みに尾張の政は、信忠が代理でやっていた。

 

勝家「しかし!」

 

信忠「六・・・」

 

勝家「・・・はっ。」

 

信忠「良晴。お前のいた世界がどうだったかは知らん。だが、お前の世界の常識を俺達に押し付けるな。」

 

信忠「人の命は確かに大事だ。だがな、十を得る為に一を犠牲にする選択もせねばならぬ時もある。それは逆も然り。」

 

信忠「その事を忘れるな。」

 

信忠は、冷徹な目で良晴に厳しく言い

 

良晴「・・・」

 

良晴は何も言えなかった。

 

信忠「とは言え、お前にも信念があると思う。その信念は忘れるな。」

 

信忠「そして、姉上を悲しませるな。良いな。」

 

しかし、最後の信忠の言葉に

 

良晴「あ、ああ・・・分かった・・・悪く言ってすまなかった・・・」

 

良晴は決意を固めたかのように頷き、謝った。

 

信忠「構わん。お前の言いたい事も、姉上の思いも良く分かる。だが、時にはやむを得ない選択もしなければならない時もある・・・それだけの事だ。」

 

信忠は、優しい笑みを浮かべて良晴の肩に手を置いた。

すると

 

信奈「勘九郎が好き好んで人を斬ってないのは知ってるわよ・・・」

 

良晴「信奈!」

 

長秀「姫様・・・お加減は?」

 

信奈が現れた。

随分と泣き腫らしたのか、目が腫れていたが。

 

信奈「心配無いわ。万千代もご苦労だったわね。」

 

長秀「いえ・・・」

 

信奈「さて・・・勘九郎。」

 

信忠「・・・お叱りは如何様にも。」

 

信忠は、姉に叱られると思い、目を閉じた。

しかし

 

信奈「怒らないわよ・・・けどね・・・」

 

信奈は叱ったりはしなかった。

けれど、信忠の頬に手を当てると

 

信奈「あなたが織田家の為にやったという事は分かったわ。それでも、私に少しでも相談しなさい。気を使う必要は無いから。私はあなたの主でもあり、それ以前に私の弟なんだから・・・」

 

優しく、諭すように言った。

 

信忠「・・・はっ。」

 

信奈「万千代・・・清洲を纏めてありがとう・・・迷惑かけたわね・・・」

 

長秀「いえ・・・迷惑なんてとんでも・・・」

 

長秀は、滅相もないと言わんばかりの態度で頭を下げた。

 

信忠「それでは姉上、俺は那古野に戻ります。」

 

信奈「ええ、分かったわ。私が引き籠もっていた間、尾張を取り仕切ってくれてありがとう。」

 

信奈は、信忠に尾張の事を上手く纏め取り仕切ってくれた事へのお礼を言った。

 

信忠「とんでもありません・・・姉上が元気になって何よりです・・・ではこれにて。行くぞ、六。」

 

勝家「はっ。すまなかったな、サル。」

 

良晴「あ、ああ・・・こっちも悪かった・・・勝家。」

 

そして、信忠は清洲を後にし、その際勝家が良晴に謝り、良晴も勝家に謝ったのだった。

道中

 

勝家「お見苦しい姿を見せてしまい、大変申し訳ございませんでした。」

 

信忠「何がだ?」

 

勝家「サルに対する態度です。怒りに身を任せ、彼奴を叩いてしまいました。」

 

勝家は、良晴に平手打ちした事に対する謝罪を信忠にした。

 

信忠「・・・気にするな。」

 

しかし信忠は、気にするなと一言言い

 

信忠「引きずるな・・・反省するなら次に活かせ。」

 

次に活かすよう言った。

 

勝家「・・・はっ!」

 

信忠「さて・・・那古野まで駆けるぞ!」

 

勝家「はい、信忠様!」

 

そして、二人は那古野まで馬を駆けたのであった。




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